闘いを終えたあたしはステータスを確認する。
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Lv:15
SP:0
体力:49/50
魔力:99979/99999
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結構魔力を使ったような気がしたけど20しか使ってなかったようだ。魔力のある世界に転生してまだ二日目だから今一魔力の仕組みがわからない。描写特典システムのお陰で直感的にする魔力の操作は出来るのだが、体系だった知識がほしい。
「ていっ。」
試しに左手に魔力を込めると、薄いピンクのもやが纏わりついていた。鑑定の時も目がピンク色になっているのだろうか?
「なんか淫乱みたいでやだ……」
ピンクは淫乱。古事記にもそう書かれている。なんて下らないことを考えていたら一つ案が浮かぶ。
そう言えばあたしには鑑定があった。早速瞳に更に魔力を集め魔力の項目に鑑定を重ねる。
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魔力
個体によって色が変わる。イメージによって性質が変化するが、本能で操作する個体もいる。魔力以外に変換するには専用の器具が必要。
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「解ったような、解らなかったような……」
左手に纏う魔力を薄く伸ばしてみる。すると、なんとなくもやっとした棒のようになる。
「これにイメージを込めていく……」
右手に持っていたティラスの両手剣を見ながら剣のイメージをすると、左手にはいつの間にかうっすらとした剣が握られていた。
「ていっ」
試しに近くの木に切りつけるが、少しの傷をつけたあと空中に霧散してしまう。込める魔力が少なかったのだろうか。
今度は魔力を更に込めてみると、靄のかかった薄いピンク色の剣が次第に確りとした赤い剣に成っていく。
そのまま木に切りつけると今度は深く傷跡を残し、魔力の剣も霧散しなかった。
「これは良い武器が手にはいったわね」
左手の剣を短剣に変えて、投げつける。そこそこの傷をつけて短剣は霧散する。
今度は槍を使ってみる。突いてみた木に深く傷をつけ、霧散する。
薙刀を使ってみる。遠い木に切り傷を残し霧散する。 鎖鎌を作ってみる。一応引っ掻けて登ったり出来そうだ。霧散したら危ないからしないけど。
弓を作ってみる。矢も一緒に作り撃つと剣を振るう時よりしっくりときた。
「あはは、武芸十八般でも修めようかしらね」
何でも武器が作れて思わず楽しくなってしまう。だがこの動作でどれくらい魔力を使ったのだろうか。瞳に魔力を込め確かめる。
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魔力:99179/99999
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そこそこ使っていたようだ。恐らく一撃で霧散する程度の武器を作るのに、100ぐらい必要なのだろう。なら逆に1万ぐらいの魔力を込めたらどれほどの武器ができるのか。
少し気になったがあたしはやらなかった。
魔力を流し込むのに適したティラスの両手剣ですら、エルシーの全力の魔力を流し込むと耐えきれず砕け散るのに、それを生身の左手でやる気には成らなかった。
「何か魔力の依代になるものは無いかしら…」
実はティラスの両手剣は非常に扱うのが難しい。どれくらい難しいかと言うと、全力疾走しながら左手でピアノを弾きながら右手で並走する男の子のアレを扱きながら歌を歌うぐらいに難しい。その上、魔力を流さないと簡単に砕けてしまう。
だからそこまで強くない相手には魔力で作った武器で戦いたいのだ。
先程オークが捨てたこん棒が目にはいる。
「これならどうかしら」
手に持つと持った人に応じて大きさが変わるのか、手頃なサイズの純白なこん棒に変わった。
先ずはこのこん棒の限界を知るために、魔力を全力で流し込む。
だが純白のこん棒は確りと大量に流し込まれた魔力を受け止め、その後ピンク色の細長い棒に変化した。
「魔力が吸収されたのかしら?」
左手に魔力を流し込んだ時とは全く別の手応えに疑問を抱き、鑑定能力を使う。
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エルシズマジックロッド
オークズクラブウッドに埒外の魔力を流し込み変質させたエルシー専用の魔棒。挿入するとなぜか排卵日になる。
レア度B
攻撃力:250
許容魔力:1000
備考:やたらレア度が高いのはオークズクラブウッドなんかに魔力を1000も流し込んだ存在が居なかったからである。
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「って誰が挿入しますかこんなものー!」
思わずへし折りそうに成るのを必死に押さえる。 折角そこそこ強そうな武器になったのだ。ティラスの両手剣の代わりに十分なるはず。そこまで考えたところであることに気が付く。
「……そういえばティラスの両手剣を鑑定したことなかったわね。」
強いことはこの身体が十分に知っていたが、どんなステータスか気になったので調べてみる。
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ティラスの両手剣
刀身に魔力を注ぎ込むとによって、切れ味が増していく特殊な性質を持つ。魔力の消耗が激しいため並みの生物は扱えない。また刀身は魔力を帯びていなければ非常に脆いため、簡単に砕け散る。
レア度:S
攻撃力:50~40000
許容魔力:5000~39950
備考:5000以上魔力を込めるとき、雑に魔力を流し込むと砕け散る。また限界を越えて魔力を込めても同様に砕け散る。
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「説明文のなかで砕け散りすぎでしょ!」
ゲームの中のエルシーちゃんが良くティラスの剣を砕かれてたが、納得のいく砕けっぷりである。
「やっぱり普段使いする気にならないわね……」
万が一にでも砕け散ってしまったらまともな武器はこん棒だけになってしまう。あたしはティラスの両手剣を強敵専用に使うことにした。
「折角だしエルシズロッドを量産していこうかしら」
結構小さくなるので何個か作ってもかさ張らない筈だ。
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魔力:92179/99999
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取り合えず7個作ったわ。鑑定結果的に相当贅沢な魔力の使い方をしてるみたいだけど、現状手にはいる武器がこれぐらいである。
その時、ガサリと音がなる。慌てて腰に7つのエルシズロッドを挿し、辺りを伺う。
ちょうどいい試し切り相手が来たようね……
現れたのは5メートルを越える巨体が3体。三びきの大豚であった。
「プギィ!?」
「フゴゴー!」
「プギュ!!」
オークたちはさっきあたしが倒したオークの死体を見つけて驚いている。まぁ味方が縦に真っ二つになってればどんな生き物も驚くか。
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種族:オーク
氏名:マル・ヤ=キ
Lv:12
年齢:10
パラメータ
体力:80
持久力:50
筋力:80
技量:23
敏捷:16
攻撃力:80
防御力:87
魔力:15
生体スキル
絶倫Lv81
生殖強化Lv72
催淫Lv76
戦闘スキル
こん棒Lv20
怪力Lv12
再生Lv5
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試しに先頭のオークに鑑定をかけてみたが、さっきのオークより全然強そうだ。やっぱり童貞のオークは弱いのだろう。
しかし、この三びきのオークはさっきのオークより劣っているところがある。それはこん棒を装備していないことだ。
どうせそこら辺に生えているのだから装備しておけば良いのに。強者の満身はそこまで忘れさせたのだろうか。
まぁあたしの経験値的に美味しいから良いんだけど。
そう心で呟きながらエルシズロッドを6本引き抜き、昔通販でみたスローイングナイフのイメージと共に魔力を込める。 するとピンク色の小さな棒から紅い刀身とグリップが表れ、魔力のスローイングナイフが六本出来上がる。そして最後のエルシズロッドを引き抜き、ティラスの両手剣のイメージをこめ、赤い長剣を作る。
準備完了である。あたしは少しずつオークに近づいて、三びきの死角に回り込む。オークたちはまだ死体を見てブヒブヒ言っているようだ。
ナイフを三本ずつ手に持ち、クラウチングスタートのような姿勢で腰を落とす。
あたしに近い二匹の首の位置に標準をつけ、あとはタイミングを図って飛び出す。
「死ねよやー!」
大声に反応して、柔らかい喉が此方に晒される。想定通りである。右手で三本のナイフを同時に投げ、その結果を見ないまま回転し、左手のナイフをもう一匹のオークに投げつけ、距離をとる。
「ギィゥ!ブヒヒィ!」
残されたオークが仲間を殺されて怒っている。どうやらちゃんとナイフ達は二匹のオークの命を断ったようだ。
最後のオークにこん棒が引き抜かれると厄介だ。あたしは直ぐに赤い長剣を構えオークに突っ込んだ。怒りからか、雑に伸ばされた腕をかわし切り刻む。
そして痛みで姿勢が崩れたところを狙い、赤い長剣に更に魔力を混めて投げつける。
投げた長剣は深紅の流星になってオークの頭を打ち砕いた。
「こんなもんよね。」
無事3対1を突破するあたし。やっぱり壊れないかビクビクしながら武器を振るうより、思いきり振り回せる方が全力を出せると今回の戦闘を経て思う。所詮武器は消耗品、ティラスの両手剣が壊れる前に文化圏にたどり着きたいなと思うあたしであった。