【びたみんクエスト】4体目のあくま【二次創作】 作:はらだいこ
薄暗い部屋の中、散乱した衣類や、饐えた匂いを放つ紙ティッシュに埋もれて、一人の小太りの男が自分を慰めている。
「はぁはぁ……ミカミさんっ!」
記録円盤に映し出されていたのは、街中で産気づき股座から今まさに赤ん坊をひり出そうとしているエルフの女性の姿だった。とてつもない苦痛を伴う出産の中にあるにも関わらず、その顔には色濃い喜悦が滲み出している。映像にこそ映っていないが周囲からは、かすかに聞こえてくるうめき声は本来であれば神聖であるはずの命の誕生を下卑た欲望のはけ口にする男たちが、汚れた性欲を吐きだして果てている証であった。
むりりっ!ずるんっ!
『おぎゃっ!あぁぁぁぁぁんっ!』
膣洞から吐き出された子供は火が付いたように元気な泣き声を上げる。エルフ特有の針葉樹の葉を思わせる長く尖った耳。そして、髪色は自分と同じ濃い茶色だった。モニターの向こうの赤子に自分の血を感じて猛烈に興奮する。痛いほどに勃起したペニスを扱く手がさらに加速する。
『はぁっ!マニィト見てるっ!あなたの子供……みんなの前で産んじゃった♥』
赤ん坊の臍の緒も切らない内にカメラに向かって淫蕩な笑みを浮かべてピースサインをするエルフ女に、周囲から好奇と軽蔑。そして、それ以上の圧倒的な劣情の視線が向けられる。
『おい、マニィトってこのガキの父親かっ!こんな場で発表ってありえねぇ』
『やばいっ!またイクっ!』『なぁ、おれたちも帰ったら……三人目……いいだろ』
『そんなあなた……うん……でも子供たちが寝静まってから……ね』
まだ男を知らない夢見がちな乙女は顔を覆った指と指の間から、しっかりと覗き見ている。野卑な声を上げる男たちはエルフ痴女に次の種を仕込むための算段を始める。長らくセックスレスだった夫婦は今夜こそは数年ぶりに燃え上がろうとそっと身を寄せ合う。まだ精通も迎えない少年は初めての勃起を経験して戸惑っている。彼女を中心として肉欲の渦が広がっていく。彼女がこの土地にやってきてからは、この異常な光景が日常となり、彼女の産んだ誰の種とも分からないハーフエルフの子供たちでで街の人口が増え続けている。
「はがっ!イグっ!」どぷぷっ!びゅるるるるぅぅ!!
睾丸がきゅっとせり上がり亀頭が射精の予兆で膨れ上がる。下腹部が少しつっぱるようなこそばゆい感覚の後、大量の精液が鈴口から勢いよく吐き出されて脂肪の堆積した腹部に白濁した斑点を作る。ぜいぜいと荒い息が漏れ、だらしなく肉が付いた胸が上下する。
引き篭り特有の運動不足の弊害は各所に表れていて、一度の射精で頭がちかちかして、肺が軋んで脇腹に痛みが走る。ティッシュ箱からごっそりと取ったティッシュ紙でみっともないほどに脂肪の付いた腹部にべっとりと付着した無駄に濃い精液を拭き取ると、立ち上がるのも億劫でくしゃくしゃに丸めてゴミ箱に放り投げる。生来の運動神経の欠如から早くもコントロールを失って、本棚に当たって埃だらけの床に音もなく落ちた。
「はぁ……ミカミさん……SEXしたい……してぇよぉ……」
数人の子供を産ませて数週間の同棲生活もして、他の男よりも関係が深いと思い上がった時期もあるが、ミカミの公開SEXの記憶円盤を集める内にやはり、彼―マニィトは彼女―ミカミにとって、その他大勢の男の一人にすぎなかった事を思い知った。
ちり紙が飛んで行った部屋の角に並んだ本棚にはエロゲーやエロ本、ミカミの出産映像を記録した記録円盤がぎっしりと詰まっている。机の上にはいつまでも変わらぬ微笑みを浮かべたセクシーなポージングの少女たちの人形が無数に並び、引きこもり男の粘つく様な性欲が淀み、女性を無条件で委縮させて嫌悪感を抱かせる禍々しい臭気が立ち込めている。
本来であれば、この部屋で人知れず朽ちていくのが、両親からも匙を投げられた真正引きこもりのマニィトに与えられた定めだった。しかし、絶滅に瀕したエルフ種が生み出した突然変異体たるSEXモンスターは多様な遺伝子を望み、ティッシュに吸わせるしかなかったマニィトのキモオタ遺伝子を、その胎内に受け入れて子供を成した。
「俺だけの……俺だけの女が欲しい……」
欲望が解放されて空っぽになった頭に鬱屈した思考が充満する。自分の子供の遊び相手になるのは思いのほか性にあって楽しい。外出の機会も以前に比べて増えて生活に張りも出来きた。充実していると言えば、充実しているのだろう。
しかし、下半身の問題は、それとこれとは別の話で一度極上の美女の柔肌を知ってしまったら、今まで無我夢中になっていたエロゲーやエロ本がすべて色褪せて見えてしまい、性欲を持て余す日々を送っていた。 普通に恋愛してSEXに至るなんて殊勝な考えはマニィトの頭には一切存在しない。自分の屈折して倒錯した性的妄想を受け止めてくれる極上の肉オナホ。そう噂に聞いた人の欲望を糧にするという”あくま”の様な……。
「随分と汚い部屋ね」
賢者タイム真っ最中のマニィトは背後から聞こえた女の声に心臓発作を起こしそうな衝撃を受ける。目を見開いて声を上げることも忘れて、後ろに振り向いた。
「上質な欲望を感じて来てみたら、デブったキモオタって訳ね」
まず目を奪われたのは薄ピンク色の艶やかな肌。そして、こめかみから垂れる犬の耳の様な器官。明らかに人間ではない。ぽかんと口を開けるマニィトに謎の女はくつくつと忍び笑いをする。
「くくく、あんまし驚かないんだ。もっと、どわー!て驚けば面白いのに」
腰まで伸びた灰色の髪は襟足が薄黄色。頭頂部からはぴょんとアホ毛が立っている。ミカミに比べれば幾分かスレンダーな肢体を包む服装は露出過多の一言でぴっちりと張り付いた布地からは肌色以上にどぎついピンク色の乳雲やあそこの割れ目がくっきりと見える。
ミカミと何百回と交わったにも関わらず未だ童貞臭い初心さが抜けきらないマニィトは、咄嗟に顔を背けようとするも目が離せない。普通ならこんな格好で街中を歩けば十中八九、痴女と後ろ指をさされる。しかし、ミカミが紐ビキニや全裸で堂々と闊歩する今のオンタートやコンセコの町に限っては大した注目は集めないだろう。
「ふぅん、ナニはそこそこのモノ、持ってるじゃない」
マニィトのサイズだけは平均以上の萎えた逸物を明るい緑の瞳が舐める様に見ると、足を包む五本指のレザーソックスが精液の残滓を滴らせる陰茎にすっと伸ばされる。
「あふっ!ほぉぉぉっ!!」「キモい声上げてんじゃないわよ。あはっ!出したばっかだっていうのにもう勃ってきた」
ぷにぷにした感触のつま先で陰嚢の裏側を撫で上げられ、弄ばれる内にみるみると陰茎の活力が回復していく。
「精力も上々……これは少しは楽しめそうね」 何やら勝手に話が進んでいる。突然、現れた謎の美女にもっと慌てふためいて動揺しても良い所をマニィトは何故か目の前の人外の美女の存在をすんなりと受け入れていた。彼女は最初からそこに”あった”。それが今、眼に見えて触れる実体化しただけであると、マニィトは本能的に理解した。
「君、名前はなんていうの?」 少し前のマニィトなら怖気づいて眼も合わせられないであろう勝気な顔立ちの美女をまっすぐに見て、はっきりとした口調で名を尋ねる。
「まず、そっちが名乗るのが礼儀じゃない。まぁいいわ、ウチの名前は”ひゆーにぇ”。これからお世話になるわ。よろしくね♥」
”あくま”である自分を目の前にして意外と物怖じしないマニィトの態度が気に入ったのか、初対面だというのに妙に馴れ馴れしい。その上、なにやらこの部屋に居座るような口ぶり。
「うん、よろしく、ひゆーにぇ。何か食べる?何が好きかわからないけど冷蔵庫に買い溜めしておいた食料があるんだ」
「ふん、ウチにはそんなもの必要ないわよ。必要なのはあんたのよ・く・ぼ・う!ささっ!あっちのベッドで可愛がってよ。もうバキバキに勃起してんでしょ♥」
いやにぎざついた歯の間から長い舌がべろりと伸びて舌なめずりをする。可愛がるというよりは可愛がられそうだと身震いしながら、ひゆーにぇの言われるがまま万年床のかび臭いベッドに足を運んだ。
つづく