暁の堕姫~堕ちていく人妻~ 作:人妻大好き
綾瀬の店に通うようになってから雪菜の性に関する関心は飛躍的に上昇した。
若い状態で固定された身体と生真面目で遊びを知らなかった精神は、スキャンダラスな危うい快楽の前に成す術がなかったのだろう。
自分の行いが世間が眉を潜めるような、いやそれ以上に大きな非難を呼びかねないものだと理解していても、止めることができないでいた。
すでに、雪菜はばれなければいいという程度には開き直っていたのだ。
綾瀬の店に行くことを忌避する気持ちはなかった。それよりも、如何に時間を作って店に通うかを考えていた。
とはいえ、仕事も家庭もある雪菜は多忙を極めている。綾瀬の店に通える時間を捻出するのも一苦労だ。
この日も、およそ一ヵ月半ぶりとなる来店だ。
気が付けば季節も変わっている。雪菜は常連客に名を連ねるようになってしまったのだ。
早くしたい、という欲望に突き動かされるようにして雪菜は綾瀬の店を訪れる。
すっかり、性に溺れた女の顔になっている。
今日は、特別な日だ。
何種類もあるコースの中でも、回数をこなした人しか選べない上級コースにチャレンジする日である。
その存在を知ってから、ずっと気になっていたのだが気恥ずかしさと条件の問題から選べなかったものである。
「今日はこれで……」
個室に入り、コース選択となったところで雪菜は迷わずそれを選んだ。
SM緊縛コースである。
身体に傷をつけかねないコースのため、何回もこの店を訪れて、身体の相性を検討した人でなければ使えない。綾瀬たち店側が、きちんと相手の身体を知ってから行わなければ危険を伴うという判断からである。
雪菜は常連客となり、綾瀬とも何度も繋がっている。雪菜の身体のことを綾瀬はよく理解していた。そのため、SM緊縛コースが解禁されたのだ。
もちろん、雪菜は今までSMプレイをしたことはないし、興味もなかった。やってみようと思うようになったのは、つい最近のことである。
遅まきながら性への関心を目覚めさせた雪菜だから、それを発散できるこの店のSMプレイは都合がいい。
「オプションは、いかがしますか?」
「そうですね」
メニュー表を眺める雪菜。
オプションでつけられる玩具を選ぶ。一通り試してみたいという欲求がある。SMプレイなどと言う大きな選択をした直後だったので、気持ちが大分前のめりになっていた。
「アイマスクと、あとこれ……ええと、これも」
「承知しました」
初めてこの店を訪れた頃は、こんな玩具を使おうとは思わなかっただろうし、存在すら知らなかっただろう。アイマスクをセックスで使うという発想そのものが、当時の雪菜にはなかった。
いやらしい行為を、嫌っていた自分が遥か過去のものとなったことを雪菜は改めて自覚する。
今となっては、内心で早く早くと淫らな望みに心臓が早鐘を打っている始末だ。
SMプレイという未知の世界に触れて、自分がどうなってしまうのか興味があった。
どの道、もう引き返せない。
セックスの快楽を雪菜は覚えてしまって、ダメだと分かっていても通ってしまうほどに堕落した。だから、ここから先にあるのは不安ではなく期待となった。
「雪さん、準備をしますのでこちらに来てください」
と綾瀬に呼びかけられる。
「はい、今行きます」
雪菜は腰掛けていたベッドから下りて、服を脱いで、綾瀬の下に向かう。
綾瀬が待っていたのは風呂場だ。
雪菜が選んだオプションは場所を取る。スペースの都合で、風呂場を利用しなければならないのだ。
シャワーの前に置かれているのは、シャワーチェアではなかった。
所謂、三画木馬だ。
中世の拷問に使われた道具は、現在では有名なSM用品の一つとなっていた。
「これが、本物の」
「はい。ですが、本物というと語弊がありますね」
「というと?」
「ほら、お伝えしたとおり、これ柔らかいんですよ」
と、綾瀬は三画木馬の稜線部分を指で押す。
するとその部分が小さく凹んだ。
それに、稜線部分は尖っておらず、丸く整えられている。これだとほとんど食い込みはない。
「あくまでもソフトなプレイ用です。雰囲気を愉しむためのものですよ」
「そうですか。いえ、それでよかったです」
さすがに、拷問用の尖った角を持つ三画木馬を愉しめるとは思っていない。
シリコンゴム製の丸い角に跨っても、そうそう怪我をすることはない。
安心と安全、これが守られていなければ初心者のSMプレイはできない。
血の従者となって、重篤な怪我でも一瞬で治ってしまう体質になった雪菜でも、痛みはそのまま感じるのだ。
綾瀬は、三画木馬にアロマオイルを塗っていく。この店ではローションの代わりにアロマオイルを多用するのが売りの一つであった。
「ここでも使うんですね」
「ええ、もう、大盤振る舞いです」
フルーティな香りが場違い感を醸し出している。雪菜の好む香りだが、何の香りだったか。パッと思い出せなかった。
「では、雪さん。始めましょうか」
「……はい」
雪菜は期待感に震える。
歩み寄ってくる綾瀬と、最初にキスを交わした。
「はむ、ん、ちゅ……ん……んんぅ、れるっ、れろぉ……!」
久しぶりとなる綾瀬との口付けは最初から激しかった。
ぐっと唇を押し付けて、舌を繰り出す。
「れる、れろぉ、ちゅぷ、んん、ふぅう……ちゅぱっ……ん、あっ♡」
唇を離した綾瀬は、雪菜の耳たぶを舐め、さらに首筋を舐った。
雪菜の身体を抱き寄せて、秘所の表面を指で撫でる。
綾瀬の指には、媚薬アロマオイルが塗られていて、これを雪菜の性器に塗布しているのだ。
じんわりと秘所が熱を帯びる。
綾瀬のリップが、柔らかく雪菜の白い肌に落とされていく。
「ん、ぁ……綾瀬さん」
「身体の準備も必要ですからね」
「はい……ぁ……んぁ……ふぅ……ぁ」
ゆっくりと、雪菜の秘所にアロマオイルを馴染ませていく。
触れているとすぐにクリトリスが勃起してきた。いきなり刺激することなく、その周囲から焦らすように触れていく。
アロマオイルのぬめりのおかげで、秘所の内部に指を押し入れても大丈夫だ。
もともと、雪菜は感じやすい体質だ。
それが、店を訪れる前から期待感で濡れ始めていたのだから、身体はそうそうに準備を整えてしまう。
いやらしい身体だ。
愛撫なしでも、男を受け入れられるくらいに興奮している。
「あ、ぁん……ふぅ、ん、あ、ぁ、ぅあ、ふうっ、う……!」
びくびくと、小さく雪菜の身体が揺れる。
秘所から愛液がじわじわと滲んできているのを確認し、綾瀬は十分だと判断した。
「さあ、いよいよですよ雪さん。心の準備はよろしいですか?」
「あ……はい」
雪菜はこくんと頷いた。
アロマオイルで滑りを良くしたSM用三画木馬に促されて跨った。
「ふ、ぅ、ん」
丸みを帯びたシリコンゴムの山の稜線が、愛撫で感度の上がった秘所に当たる。
足はギリギリ床につく程度で調整されている。これも全体重を股にかける拷問との違いだ。痛くなったら、自分で身体を支えられるくらいにしておかなければ怪我をする。
「次、行きますよ。両手を前に……」
綾瀬に言われて雪菜は両手を前に突き出す。
雪菜の両手首に綾瀬は手枷を嵌めた。これはプラスチック製の軽い手枷で、鎖が天井に繋がっている。両手を固定された状態で、雪菜は前傾姿勢にされる。両手首は頭の少し上まで吊り上げられていた。
「オプション追加です」
「はい」
雪菜が選んだ玩具がここで早速投入される。
アイマスクとボールギャグである。
それを綾瀬は雪菜に装着する。霊視を封じ、完全な暗闇をもたらすアイマスクで視界を塞がれ、ボールギャグを噛まされることで言葉を抑えられた。
これで雪菜は視界、言葉、運動をそれぞれ抑えられたことになる。機能しているのは触角と聴覚、そして嗅覚だ。剣巫として鍛えた身体は、この状態でも外部の状況をある程度把握することはできる。それだけ敏感な感覚を雪菜は持っていて、それがむしろアイマスクでのプレイをより効率的にさせている。
「ふー、ふー、ふー、ん、ぅ、んん……」
ボールギャグを使うのは、初めての経験だ。
口を半ば開いた状態で固定されていて、プラスチック製のボールの穴から涎が零れることで羞恥心を煽る道具だという。
「ふぅ、ぅ……んん、ぅ……う」
拘束された状態で、雪菜は周囲に感覚を張り巡らせる。背後に綾瀬が立っているのが分かる。まるで、その息づかいまで感じ取れてしまえるくらいに、感覚が鋭敏になっている。
「では、愛撫していきますね」
と、綾瀬は雪菜の耳元で囁く。
それだけで、ぞくぞくとしてしまう。
(どこを触られるんでしょう)
そんな期待がこみ上げてくる。
綾瀬が触れたのは乳首だった。
「ふ――――んんッ」
後ろから雪菜を抱きしめるようにして、綾瀬は雪菜の乳首をくりくりと捏ねた。指先で触れるだけの優しい刺激は、快楽を乳房全体に蓄積していく。
「ふう、ふう、んん! んぁ、ぉ、んんぅ♡ ふご、んぉ……ん、ぁ!」
綾瀬の手の平が、乳房を包み込み、その形を自在に変形させる。
雪菜の張りのある乳房を掴み、マッサージをする。乳房を下から持ち上げて、乳首に向かって絞っていく。そして、乳首を指先で引っ掻くように虐める。それを何度も、ゆっくりと繰り返す。低刺激を継続することで、雪菜の乳房を開発していくのだ。
「んふぅ♡ ふぅ、はあ、んんっ……ん、ぉ、ぁ……ふうぁ、んおぉっ……ほぉ、ふあ、んうあっ、あ、あ、んぁぁっ」
雪菜は鈍い声を漏らしながら、身を捩る。
乳房はもともとそこまで感じる器官ではない。性感帯の一つではあっても、敏感な部位ではないのだ。乳首は感じるがそれも秘所ほどではない。
(綾瀬さんの手だと、どうしてこんなに気持ちイイんですか……!)
綾瀬の手から与えられる快感は、自分で弄るそれとは比較にならない。
乳首も乳房もまるでクリトリスになったかのように気持ちイイ。無理矢理感じさせられて、それでも快楽に蕩けてしまいそうだった。
「雪さん、乳首がこんなに勃ってきましたよ」
と、綾瀬は囁きながら乳首を抓る。
「ふぉあおおうっ、んおぉ♡」
「気持ちイイですか? これくらいがちょうどいいのかな?」
「んお♡ ん、ふぁい、ん、おぉ、ん、ほんあほぉ、ひああいえ……んああ、お」
風呂場に雪菜の嬌声が響く。
綾瀬に伝えたいことは、まともな言葉にならず、口を閉じれないので涎が糸を引いて零れ落ちていく。
自分が置かれている状況を想像することしかできないが、その想像もどんどんと卑猥なものになっていく。
身体の敏感でエッチな反応を、綾瀬の指はどんどんと引き出していく。
指技と言葉で雪菜を責め立てる。
「いやらしい人だ。縛られて、胸をもまれてもうこんなにしてる。いつもよりも感じているんじゃないですか?」
「ふううぃ、んんん、ふううぁうん!」
雪菜は頭を振って綾瀬の言葉を否定しようとするが、快感を得ているという事実は覆しようがない。
(気持ちイイのは気持ちイイんですけど、そんな、いやらしいなんて、耳元で言わないで)
「ふうぅぅぅん♡」
綾瀬の舌が雪菜の耳を舐めた。
さらに執拗に同じところを舐めてくる。
(音、すごいっ……いつもの感覚と違うっ)
雪菜の手を拘束している鎖がじゃらじゃらと音を立てた。手を動かそうにも、手枷がしっかりと動きを固定している。
綾瀬から与えられる快感から、逃れようがない。
身じろぎすれば、秘所と三画木馬が擦れてしまう。
「雪さん、そんなに涎垂らして……乳首もびんびんですよ、ねえ」
綾瀬の言葉が雪菜の姿を雪菜自身に想像させる。
目視で自分の状態を確認できないので、想像するしかない。両手を縛られて、木馬に跨り、アイマスクとボールギャグを装着して涎を垂らす女性の姿を脳内に思い描き、その余りの卑猥さに雪菜は呻く。
その想像図が、ほとんど正鵠を射ていることを直感し、ますます恥ずかしくなる。
直接触れるだけではない。言葉で羞恥心を煽り、想像力を掻き立てさせて、さらに身体を火照らせる。そうして置きながら、それまでと異なる場所に突然愛撫先を変える。
綾瀬は指先で、雪菜の白い背中をつぅっとなぞる。
「ふ、う……ぁ」
そんな僅かな刺激だけでも、雪菜は感じてしまう。
(次は、どこ? どこを……)
背骨にそって上から下へ。途中で肩甲骨をなぞってみたりと寄り道をしつつ、尾てい骨まで指先でくすぐって、アナル近くで止まる。
雪菜はくすぐったさで腰をずらし、三画木馬に擦れたクリトリスが快楽の悲鳴を挙げる。
「んんんんぅ♡ ふぁ、あ♡ んおぉぉ♡」
性感帯を直接、乱暴に刺激しない。
綾瀬の指先にはほとんど力が入っておらず、触れるだけだ。それが、敏感になった肌には堪らない焦らしプレイとなっていた。
乳首はすっかり勃起していて、くすぐられた背中もむずむずしている。
(わたしの身体、本当にどうにかなってしまいそう。全身が性感帯になっていくような……作りかえられている感じがするっ)
期待感と危機感が綯い交ぜになった思いが湧き上がる。
事実、雪菜の身体の敏感さはプレイに入る前よりも上がっている。
「気付かれましたか、雪さん。少しずつ、全身を性感帯にするように愛撫しているんですよ。あなたの知らない性感帯を、今日はいくつも見つけて差し上げます」
そんなことを綾瀬が言うモノだから、雪菜の心拍数は跳ね上がる。
雪菜の両胸に、何かが吸い付いてきた。それは、人肌に温かいスライムで、雪菜の乳房を揉みながら、乳首をちゅうちゅうと吸い立てて来るのだ。
「乳房愛撫用に生成したスライムです。人の手では味わえない快感を教えてくれますよ」
「んぉぉあっ。ふあぁ♡ んお、あ、んぁあ……ふぅ、ふぅぅ♡ ぁ、はがぁぁ♡」
少し強めに雪菜の乳房を吸ってくるスライム。
胸を責められながら、綾瀬は雪菜の背中を摩り、耳たぶを舐める。そうして、じわじわと雪菜に快楽を与えている。そして、身体を捩れば秘所が擦れる。柔らかいシリコンゴムが、秘所にみっちりと食い込んで、腰を動かすと、言葉にならない快感が頭を焼いた。
「ふぉぉ……んぁああ♡ はあ、ぁ、んあ、ふうあっ……あ゛あ゛! んぉあ、あがあ♡ ああ、んおおおおおおお♡」
ボールギャグから涎が糸を引いて垂れている。汗の雫が額から顎まで伝っていく。
(気持ちイイ……身体中が、焼けて……どうにかなってしまいそう……! オマンコ、食い込んで、おっぱい、吸われて……綾瀬さんの指が……お尻に)
綾瀬の両手は雪菜の尻肉を揉んでいる。
その親指が、雪菜のアナルに触れる度、雪菜は挿入されるのではないかと意識を集中してしまう。まるで、アナルを虐めて欲しいかのようで、すぐに羞恥心に頬を染める。
「ちょっと、SMっぽく行きますよ」
「ふぁ、ぁ? んあっ!」
パンと乾いた音がする。
綾瀬が雪菜の尻を鞭で叩いたのだ。
初心者向けのフェルト鞭で、痛みはあまりない。痛みではなく、叩かれているという事実を作るための玩具だ。それでも、目が見えない今の雪菜はいつ叩かれるか分からないので効果は大きい。
「どんどん行きますよ」
「あふ、んあ……ふぅぅっ、んはっ……ん、ふう、ふぎっ……ひゃあ、ふう、んんんっ!」
尻や背中を叩かれる度に、雪菜から甘い声が漏れ出る。
鞭打たれた場所は、赤くなるが血の従者なのですぐに治ってしまう。残されるのは、じわりとした熱だけだ。
時に、手の平で尻を叩かれる。身体がずれて、秘所が擦れる。
「あふっ、ふぐっ……んはっ、あふ、ふう、んほぉ♡ ぉあああ……ん、んんんぅ♡」
(お、おかしい。わたし、こんな……身体、叩かれて、叩かれて感じてるなんて……)
「ふぐうううううううう!?」
さらに不意打ちが重なった。
背中ばかり気にかけていた雪菜を襲ったのは、突然震動を始めた三画木馬だった。
バイブレーションがついていたのだ。シリコンゴムが震えて、密着している秘所が直接的な快楽を身体に叩き込んでくる。
「んあああああああああ♡ んおぉ、ほおお、ああ、んああああ、ひぎぅ、んああ、ひ、ひもひいいいいい♡ ああ、んお、おお、おほおああお♡」
雪菜は髪を振り乱して嬌声を挙げる。
叩かれるのも、胸を吸われるのも全部が気持ちよかった。
綾瀬が取り出したのは、男性器を模したバイブだ。それを、雪菜のアナルに宛がう。
「ふぎっ……!」
ずっぷりと、アナルに挿入する。スイッチを入れて震動させながら、直腸を解して、深々と直腸内に押し込んだ。
「お、お、お、お、おぉおおおおおぉ!!」
(お尻とオマンコが、同時にッ)
快感で身体を跳ねる。すると、三画木馬に体重がかかり、そこからの震動がさらに秘所を責める。アナルに挿入されたバイブも、瞬く間に雪菜の身体に快楽を与えてくる。
「ふぐ、ふぐ、んぐぅ、んおおお♡ お、ほおおぉ、おおお! んお、んお、おおお♡」
頭が沸騰しそうな快楽だった。雪菜はずりずりと腰を前後に動かし始めた。快感で頭が真っ白になり、もっと気持ちよくなるために自然とオナニーを始めてしまったのだ。
「おっ、おっ、おっ、おっ、おっ、んおおっ、ほあ、あ、あ、んおぉ♡ はあ、お、ごおぉ♡ んあ、はぁ、んはぁぁ♡」
熱く淫らな吐息を涎と共に吐き出した。
背中を反らして絶頂する。絶頂しても、止めてもらえない。バイブは容赦なく雪菜を責め苛む。そこを狙ったかのように、綾瀬が鞭打つ。ぺしんと軽い音がして、じわりと背中が痛む。
「ひもひいい、ひもひいえふぅ♡ ふお、お、お、あふ、おおおおおおおおぉ……」
(身体が、身体が全部気持ちイイ……変わっちゃう、わたし……身体が、全部綾瀬さんに、変えられてぇ、もう、おかしくなる♡)
「ふひっ、んひっ、んあっ……おほぉ、んおぉ、おおおぉ、おご、あ、んおぁお、お、お、おおお♡」
びくんびくんと雪菜の身体が跳ねる。
「ずいぶんな乱れようですね、雪さん。マゾ、なんじゃないんですか? こんな風に、お尻弄られて、気持ちよさそうに汁を垂れ流すなんて」
「ふぃぃぃっ、お、おほっ、お、ほご、はえ、んああああ♡」
(わたしが、マゾだなんて、そんな……でも、気持ちイイ♡)
マゾがどうとかは関係ないが、SMプレイのマゾポジションでここまで感じているのだ。雪菜の性癖は、確かにマゾヒストよりではあるのだろう。
(そう、マゾなら気持ちよくなるのも、仕方ないですよね……!)
雪菜の内心に鎌首を擡げた思いは、瞬く間に雪菜の身体を支配していく。
仕方がない、という諦めにも似た感情が現状を受け入れていくのだ。
一度、認めてしまうと、一気に楽しくなってくる。快楽がどんどんと身体の芯に染み込んで、内側から爆発しそうになる。
「おほ、あ、ああ、んおおお♡ はあ、ふう、ふう、んふぅ♡ もっほ、もっほぉ♡ ああ、んおお、おへぁぁ♡ ああ、ああ、ああああ♡ ひい、ひい、んひいい♡」
ぐちゅぐちゅと愛液が垂れ流される。アイマスクとボールギャグで隠れた顔は、醜く愉しげに歪んでいることだろう。
「ひぐぅ、ひぐぅ、いぎ――――ひぎまふっ、んおあぁ! ああ! んおおおおおおおおおお♡」
ぐりぐりとアナルのバイブを捻り、背中を叩き、雪菜に与えられるだけの快感を叩き込んだ。
もう何度絶頂したか分からない。雪菜がひと際大きく背中を反らしたところで、綾瀬は三画木馬のバイブ機能を止め、アナルからもバイブを引き抜いた。
乳房に張り付いていたスライムも、水に戻って排水口に流れていった。
「あー、あー、うぁぁー……はあ、おあ、う、ふう……」
雪菜はぐったりとしていたが、両腕が吊るされているので伏すことができない。
「はあ……はあ……はあ……んぁ、はあ……あ、ぁ」
綾瀬は雪菜のボールギャグを外した。
とろりとした涎が、口からまた零れる。
「あふっ、ふう……はあ……綾瀬さん? はあ、もう時間、ですか?」
「いいえ、まだ時間はありますよ」
そう言うと、綾瀬は雪菜の前に立ち、そそり立つペニスを雪菜の鼻先に突きつける。
「雪さん、私のもしてもらえますか?」
「あ……」
アイマスクで見えないが、臭いで分かる。すぐそこに綾瀬のペニスがある。
拘束されて、木馬に跨り、そしてペニスを突きつけられている。そう思うだけで、興奮してしまう。
「ぁ……れろ」
雪菜は言われるがままに舌を伸ばした。距離感がまったく掴めないので、適当だ。しかし、すぐに舌先が亀頭に触れた。
「れろ、れろ、れろ、れろぉ……ん、ふう、れろぉ、ちゅぷ、んんぅ♡」
雪菜は舐めるだけでなく、口内にペニスを迎え入れる。
口の中で裏筋や鈴口を舐め回し、口を窄めて先走り汁を啜った。
「んじゅる、じゅる……んぅぅ、ちゅ、ちゅぷ、ちゅる……んん、じゅる、れる、れる、れる……んぷ、じゅる、んふぅ、ふう、んんぅ♡」
頬を紅くして、舌全体を使って陰茎に涎を塗布する。皮を伸ばすように丹念に舐めて、エラの裏側もしっかりと奉仕する。不安定な体勢で舐めにくいが、それでも雪菜はうっとりとした表情を浮かべてフェラチオをした。
「れる、れる、れる、じゅるる♡ ん、くぷ、くぷ、くぷ……じゅる、ちゅる、じゅる、ふう、あぁ、ん、大きい。あむ、ぅ、じゅる、れろぉ♡」
(見えないけど、分かる。わたし、綾瀬さんの覚えちゃっているんだ)
舐め回し、むしゃぶりつきながら、雪菜は自覚した。
綾瀬のペニスを雪菜はしっかりと覚えていた。形も大きさも手に取るように分かった。亀頭をぐるりと舐めて、鈴口を舌先でチロチロと刺激し、棹の半ばまで飲みこんでから唇にカリを引っ掛けるように頭を前後させた。
「じゅく、じゅく、じゅるる、ん、じゅぶ、じゅるる、れぉれぉ、れちゅ、ちゅ……ん、ふう、れろぉぉ♡」
「雪さん、いいですよ。すごく、気持ちイイです」
「ふむ、ん、本当ですか? れろ、れろぉ、んん、じゅる……じゅる……ちゅぷ、れろぉん、じゅる、ちゅう、んふう、ん、ぐぷ……」
雪菜のフェラチオは、店に通うたびに上手くなっているようだ。綾瀬の感じるところをしっかりと押さえていて、積極的にしゃぶりついてくる。
アイマスクで視界を奪われた雪菜は、舌と唇で綾瀬のペニスを探りながらフェラチオをしている。それが、今までと違う快感を与えてくる。
「んん、く……それでは雪さん、SMらしくいきますよ」
「んちゅ? んぐっ!? んんんっ!?」
綾瀬は雪菜の頭を掴んで、無理矢理ペニスを喉奥まで押し込んだのだ。
「んんーーーーっ!! んぐ、ふぐ、じゅるっ!!」
(無理矢理、奥まで……! 綾瀬さんのおチンチンが!)
突然のことに驚いているうちに、綾瀬は腰を前後させ始める。
これは、イラマチオだ。
雪菜も名前くらいは聞いたことがある。もちろん、したことはない。
綾瀬はきちんと加減しているので、嘔吐を誘発するほど奥には押し込まない。そのおかげで、雪菜は苦しいと感じながらも状況を把握するだけの余裕があった。
「じゅぐ、じゅぐ、ん、んんっ、じゅる、じゅる、んぐ、ぐ、じゅる、んふう、あぶっ、んじゅる!」
リズミカルにペニスが口の中で動いている。雪菜の頭はがっしりと掴まれていて顔を背けることができず、ペニスが前後に動くと涎が掻き出されてポタポタと雫となった。
(まるで、口がオマンコになったみたい。これがイラマチオ。これ、男の人の欲望のはけ口にされてるみたいで、なんだか……)
先ほどまでのプレイで、自分の中の被虐的な嗜好を感じ取ったばかりの雪菜だ。口にペニスを押し込まれ、男の欲望を叩きつけられているという状況にむしろ興奮していた。
「んぐっ、じゅる、んん、ふうぐっ……あぐ、じゅる、じゅぷ、れろぉ、じゅるる、んふ、うふ、ん、ん、んぐ、んごぉ、じゅる、んお、お、おご、じゅる、じゅぶ、じゅるるっ!」
雪菜は時にむせ返りながらも自分から舌を絡めるようにした。
そうしながら、股を木馬の稜線に押し付けて、気持ちのいい場所をこすりつける。自慰をしながら、イラマチオを強要されているのである。
これすらも、今は気持ちよかった。
「ああ、雪さん。それでは、イキますよ。しっかり咥えてください」
「ん、じゅるる、じゅる、んぐ、ちゅぷ、じゅる、ん、んん、んぐ――――ぅ」
綾瀬は雪菜の頭を押さえて、ずるりとペニスを根元まで咥えさせた。
「おご……んぉ、ご……」
雪菜が呻く。そこに、綾瀬のペニスから大量の精が放たれた。
「ふごっ!? ん、ぉ、あおおおおあぁ♡」
ごぼごぼと精液に溺れそうになる。ペニスは二度三度と口内を白濁に染めていく。吐き出すこともできず、雪菜は懸命に精を飲んだ。
「んく、んぐぅ、じゅるる……じゅる、ちゅぷ……じゅるるるるう♡」
(綾瀬さんの精液……こんなにいっぱい……すごく美味しい♡)
生臭くどろどろとした苦味が舌と喉に絡んでいる。
それを雪菜はいとおしそうに飲んでいた。ペニスに吸い付いて、尿道から残った精液まで吸い出すところまで、身体に染み付いていた。
「ぷぁっ……はあ、はあ、はあ……う、ぁん」
「しっかり飲めましたね」
と、綾瀬は雪菜を誉めて、頭を撫でた。
SMプレイで、雪菜は初めてながら綾瀬の要求まできちんとこなしてくれたのだ。
できたら誉める。そうすると、雪菜は自然と嬉しくなってしまう。
心を許しているからこそ、SMプレイは成り立つ。雪菜のほうに、綾瀬を受け入れる気持ちがなければ、今日のプレイは成立しないのだ。
綾瀬は雪菜のアイマスクを外した。
「はあ、ぁ……綾瀬さん、ふう……よかった、です、はあ、はあ」
色っぽい視線で綾瀬を見上げてくる雪菜。
その黒瞳はすっかり淫欲に溺れていて、この次を求めているようだった。
「そろそろお時間ですよ」
「あ――――そう、ですか」
雪菜は残念に思った。
拘束され、感覚を奪われた状態で男の自由に身体を弄られるというのが、これほど気持ちイイとは思わなかった。雪菜にとってはまったく新しい世界で、まったく新しい快楽だった。
「続きは、また次の機会に」
「はい……また」
雪菜は小さく笑みを浮かべた。今日はここまでだが、また次がある。この次は、また別の形で愉しめばいいのだ。
欲望に際限はない。
新しい快楽を知ったからには、それをさらに突き詰めたくなる。雪菜は、すでに次をどうするのか、考えてしまうようになったのであった。