暁の堕姫~堕ちていく人妻~ 作:人妻大好き
中学二年生くらいから自分を取り巻く環境が変わってきたと零菜は思う。
零菜自身が意識して何か変えたというわけではないが、肉体的な変化は確かに周囲の自分を見る目を変えていた。身長も小学生のころに比べて伸びたし、なによりも女性的な身体つきになっていった。身体の変化には戸惑ってばかりで、膨らんでくる胸が恥ずかしかった。男たちの視線も気になってしまうようになったし、雪菜の若いころにうり二つとまで言われるほどになって、生きにくさを感じていた。
それでも家庭の中はさほど大きくは変わらなかったのはありがたいことだった。
一緒に暮らしていると言っても過言ではない綾瀬は同学年の男子。しかし、幼少期から一緒にいるのでいいところも悪いところも知っている。
零菜が女性らしく成長するのと同時期に綾瀬も男性らしく成長を始めた。それはもうすくすくと背が伸びて、がっしりとした身体つきになった。女の子でも通せたのも今は昔のこととなり、綾瀬は少しやせ気味ではあっても、しっかりとした男の子になっていた。
綾瀬と同じ学校に通ってはいるが、ほとんど学校での会話はない。クラスが違うし、程よい距離を取っている。それでも存在はずっと感じている。
小さいころから傍にいて、一緒に育った魔力を零菜は無意識のうちに追いかけるようになっていたからだ。
「はあ、ん……ん……」
寝つきが悪いとき、決まって零菜は自慰をする。
性に疎かった零菜だが、最近はこうして発散することを覚えた。きっかけは大したものではなくてネットサーフィンで見てしまった動画である。そこから自慰を覚えた零菜は、同年代の人並みにはその行為を嗜むようになった。
人が部屋に入ってきてもいいように布団をかぶって、ベッドの上で小さく身体を震わせる。パジャマのズボンを下ろしてパンツも脱いで指先で膣の入り口をマッサージするように愛撫をする。
「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、ん……ふう、ぁ……んあ……ふぅ、うっ、あ……綾瀬君……ん、そこ、はあ、はあ――――ぁ」
声を押し殺し、気持ちイイところを探りながら自慰をする。
妄想するだけならタダだ。
シチュエーションは多様で、ドラマや漫画からインスピレーションを得たものや、自分の妄想を発展させていった題材もある。
共通しているのは頭の中で零菜の相手をしているのは、いつも綾瀬だということくらいだ。
(綾瀬君に、こんな風に触られたら……っ)
想像するだけで胸の奥にほの暗い火が灯るようだった。
幼馴染かつ同居人をこっそりとおかずにしてオナニーをする。
乙女として人に知られたら破滅するような行為である。本人に知られたら、気持ち悪がられるのは確実だ。
それが分かっていながら、零菜は指で膣口を弄るのを止められない。一度ついた火は一回や二回の絶頂では消えない。
(わたし、欲求不満、すぎ……こんなに、なんて)
恥ずかしすぎて顔から火が出てしまいそうだった。
今日はすでに二回オーガズムを経験している。なのに、零菜はもうあと一回だけと言い訳を重ねて、自慰を繰り返していた。
たとえ、零菜が変わらなかったとしても周囲は少しずつでも変わっていく。
幼馴染もそうだ。
成長して見た目が変わっていけば、周囲の見方も変わる。零菜と同じように、綾瀬もまた周囲からの視線が変わっている。
それまで綾瀬に何ら興味を持っていなかった女子が綾瀬の噂をするようになった。今までは歯牙にもかけていなかったのに、いつの間にか何人か綾瀬に好意を持っている女子がいるようになった。
なぜ、と思う。同時に当然か、とも思った。
綾瀬の変化には零菜も戸惑っているところはある。
いつのころから綾瀬を見上げるようになったのかは覚えていない。本当に気が付いたら背を追い抜かれていた。すらりとした高身長で顔立ちは悪くない。性格は温厚で尖ったところは特にない。一応、真面目な部類ではあるだろう。表面的に見れば、綾瀬は付き合うには悪くない相手かもしれない。
「はあ……」
零菜は深いため息をついた。
感情が追い付かない。
綾瀬を思うと不安が募る。
ネットで見た動画の内容を頭の中で自分と綾瀬に置き換える。かなり過激だ。頭の中だからこそできることだ。しかし、そういうことを綾瀬としてみたいという気持ちもある。
零菜に性経験はない。
あるとすれば、キスくらいのものだ。
子どものころに綾瀬とした「秘密」。一時期流行ったドラマの内容を子どもらしく真似たのだ。今にして思えば、顔から火が出そうなくらい恥ずかしいことだ。綾瀬が覚えているかどうかは分からない。零菜自身そこまではっきりとは覚えていない。しかし、特別な経験ではあったと思う。とはいえ、零菜の身体が欲しているのは、子どもの遊び程度のキスではない。もっと深く情熱的で劣情に塗れた欲望を形にしたものだ。同じキスでも、その在り方はまったく異なっている。
(いやらしい……)
自らを慰めながら、自己嫌悪に浸る。
それでも興味は尽きない。止めることもできない。身体は性欲を自覚し、オナニーによる発散を覚えてしまった。覚えた以上、忘れることはできなかった。ただ、満足はできない。次々といやらしい感情が湧き上がってくる。
自分の身体と心の変化を思春期を迎えた零菜は受け入れることができないのだった。
その晩、夢を見た。
零菜と綾瀬は生まれたままの姿で抱き合って、愛を囁き合う。蕩けるような口づけの後で、行為に及んだ。情感に溢れた淫らな夢。自分の身体を割って、貫くペニスに息が苦しい。何度も膣口から出たり入ったりする肉の棒を、零菜は眦に涙を浮かべながら見つめる。
パンパンと音を立てて零菜自ら腰を振る。
甘えるように綾瀬にしがみ付き、足を腰に絡ませて、
「あ、う、んむぁっ、はうっ、あはぁ♡ イイ、綾瀬君、好きっ♡」
キスをして、血を吸って、零菜は綾瀬に身体を捧げて何度も何度も絶頂する。
夢の中の零菜は綾瀬の恋人だ。
当然のように愛を育み、パソコンの画面の中でしか見たことのない行為に耽っている。零菜の意識はそんな自分を客観的に眺めている。夢だというのに、思うようにはいかないものだ。自分ではあっても自分ではない。脳が作り出した理想像であっても、意識が別の場所にあればそれはただの映像であり、他人事だ。零菜自身の経験には加算されない。零菜は夢が覚めるまで自分の中の淫らな欲望を眺め、見つめ続けることしかできなかった。
☆
夏休みの朝は寝ているかゲームをしているかしかすることがない。綾瀬は部活に入っていないので、夏休み返上で何かに打ち込むようなことはない。一部の仲のいい友人と出かけることはあるが、それも朝早くからというほどのものではない。
平日の朝、普通の学生にとっては特別な時間だ。
いつもは学校に通っている時間帯に家にいる。内容は取り立てて面白くない情報番組でも、物珍しくてついつい眺めてしまうのだ。
床の軋む音がして、それからリビングのドアが開く。
「零菜、珍しく遅かったな」
「……おはよう、綾瀬君」
朝は休みでも早く起きる癖をつけている零菜には珍しく、九時過ぎの起床だ。一応、身だしなみを整えていたようなので、実際にはもう少し早く起きてはいたのだろうが、それでも遅いほうであった。
「なんか疲れてる?」
「……別に、何でもない。宿題を遅くまでやってたから」
零菜は少し綾瀬に視線を向けてから、そう言った。綾瀬に背中を見せてキッチンに行き、冷蔵庫から牛乳を取り出した。
「宿題、そんな遅くまでするようなもんでもなくない?」
「綾瀬君、終わった?」
「片づけるだけ片づけたぞ。提出はできる」
「へー、相変わらずそういうのは早いんだね」
と、零菜は特に感情の起伏なく言った。
人様の家のご厄介になっていながら、余計な心配までさせたくはないというのが綾瀬の考えである。保護者をしてくれている雪菜に気を使い、綾瀬は学校では比較的優等生で通していた。トラブルは巻き込まれない限り関わることもなく、成績は上から数えたほうが早いという程度には維持している。
零菜は水分補給してから、さっさとリビングから出ていった。今日は外に出ない日らしい。自室に籠って、勉強するなりゲームするなり読書をするなり自由に過ごすのだろう。こうした休日の使い方は綾瀬と何ら変わるものではない。
仲がいいとか悪いとかではなく、思春期の男女が同じ屋根の下にいて日がな一日何ということのない会話を続けるかといえば、そんなことはないのだ。
綾瀬と零菜の会話は自然に年々少なくなっていく。それぞれに趣味があり、それぞれに友人がいて、そちらに使う時間が増えていくのは当たり前だ。
綾瀬もテレビを適当に眺めた後は自室に戻った。そこから魔法陣で自宅に帰る。いつかはこの魔法陣も解除して、完全に独り立ちする時が来るのだろう。何となく、その時が近いような気はしている。今はまだ保護者が必要な年齢だが、だからといって一人暮らしができないわけではないのだ。
綾瀬はそろそろ独り立ちのために家事諸々の練習を始めたほうがいいのではないかと思い始めている。となると、やはり料理だろうか。今日の昼食を一から作ってみるのも悪くない。そう思って、スマホで簡単に作れる昼食のレシピを眺めていると、不意に魔法陣が煌めいた。淡い紫色の転移の魔法陣である。普段は綾瀬の部屋と部屋を繋ぐもので、勝手に使用されることはない。この存在を知っているのは暁家の面々だけだ。
「こっちまで来るの、珍しいな零菜」
現れたのは零菜だった。
「そうかな? そういえば、そうかもね」
零菜はぐるり、と室内を見回した。
「最後に来たの、去年かな。一年ぶりくらいになるのか」
家族でも滅多に入らない部屋はあるものだ。零菜だって、日常的には自室のほかはリビングくらいしか行くことはない。綾瀬の部屋に時折顔を出すことはあっても、魔法陣を通ることはほぼない。
「急にどうした?」
「話があって」
「話?」
「うん」
零菜は手近な椅子に腰かけた。
深刻そうな表情で、口に出しにくそうにしている。
「なんだよ、話って」
「ママのこと」
「え?」
「あと綾瀬君」
「俺と雪菜さんのことって」
「わたし、知ってるからね。綾瀬君とママがエッチなことしてるって」
「え、と……それは」
じっと零菜は綾瀬を見つめてくる。
突然の告白に綾瀬は言葉を失う。
「なんで、えーと、それは、その……」
「誤魔化さなくていいから。さすがに、一緒に暮らしてれば分かるよ」
「う……む」
零菜に知られていたというのは驚きだが、それをここで追及してくる零菜の狙いも分からない。
綾瀬は何も言い訳ができない。零菜は確信して、意を決して綾瀬に話をしに来ている。だから、綾瀬はもう誤魔化しも言い訳もできないのだ。
「その、ごめん」
と、綾瀬は言う。
それ以外に言葉が見つからない。
綾瀬と雪菜の関係はとても危ういものだ。零菜からすれば綾瀬は自分の母親の浮気相手になる。とてもではないが許容できる話ではないだろう。
「……ちょっと……ううん、すごく複雑というか嫌だけど、綾瀬君のおかげでママが元気になったみたいだし」
雪菜の雰囲気が変わったのは零菜が真っ先に関係性に気づいた原因である。
最近、元気がなかった雪菜が妙に明るくなった。そして、綾瀬と雪菜の間に漂う独特な「空気感」の変化は零菜の疑いを確信に変えるに十分だったのだ。
「正直、ママ、最近は古城君とうまくいってないみたいだし……まあ、仕方ないかなって思うこともあるけどね」
「いいのか、それ。いや、俺が言うのも、なんだけど」
「だって、どうしようもないし」
娘として家族関係は重大事だ。父親がその立場と性格から様々な女性と関係を持つ一方で母親はずっと母と妻という立場に縛られてきた。少しばかり口うるさくうっとうしいと感じて反発することはあるが、それでも心配はしていた。欲を言えば夫婦仲が昔みたいに改善すればとも思うが、それが難題だということは分かっているし、何よりも零菜自身が父に対して反発心があった。現状、雪菜が新しい恋を見つけるのは、大変に複雑な心境ではあるがありえなくもないという程度には理解している。
その相手が綾瀬だったというのは意外ではあったが、同時に納得できる人選でもあった。
いつも一緒にいるという点では納得、年齢差や家族という点からは意外といったところだ。
「わたし、進んで家庭を壊したいとは思わないし。綾瀬君が、人に言わなければ」
「言わないよ。言えるわけ、ないだろ」
「そうだね」
零菜はそう言ってため息をついた。
「零菜?」
「綾瀬君、ママとは、その……最後までしたんだよね?」
「……まあ、最後、まあ、その、確かに」
「…………はあ、もう……どうしようかな」
零菜の中で認めがたいという感情と仕方ないという感情が入り乱れている。こんなのは間違っていると正論を言うことは簡単だが、雪菜を追い込むのは嫌だ。綾瀬が口外せず、この関係が外に出なければそれで都合よく収まる。少なくとも綾瀬と雪菜の関係はそれで完結する。ならば、次は自分と綾瀬の関係だ。
零菜は徐に立ち上がると綾瀬の真ん前まで歩み寄った。
「零菜?」
「綾瀬君が、ママのことずっと見てたのは知ってるよ。ママは美人だし、綾瀬君からしたら年上で頼りがいもあるから……でも、わたしはそんな綾瀬君をずっと見てたよ」
「零っ……」
仄かに柑橘系の香りがする。零菜が愛用するオーデコロンの香りだと気づいた時には、柔らかな感触とともに唇が塞がれた。
「ぁ……ん」
触れただけのキスながら、想いは十分に伝わるものでしかし綾瀬は内心で大いに動転した。
「わたし、ママより魅力ない? したいと思わない? ママばかりじゃなくて、わたしも見てよ」
零菜は綾瀬の手を掴んで自分の胸に押し当てた。いつしか雪菜の胸を超えて、大きく成長したその感触は服の上からでも十分に伝わってくる。
零菜が綾瀬と雪菜の関係に気づいたのも当たり前だ。何せずっと一緒に育ってきた想い人のことなのだ。綾瀬が大人の階段を昇れば、敏感に察知できてしまうものだ。気づかないふりを続けるのも限界だ。浮気よりも自分と関係を持ったほうがずっと健全だ。
「零菜、それは……」
「綾瀬君、苦しいでしょ」
と、零菜は言う。
「わたしも我慢してるけど、綾瀬君も我慢してるんでしょ? 夢魔だもんね」
零菜の空色の瞳が紅く煌めく。ルビーのように美しい情熱的な色彩の瞳はある種の魔力を湛えていて、唇から除く白い牙が零菜の心境を如実に表していた。
発情している。それと同時に強烈な吸血衝動に見舞われているのだ。
至近距離から零菜の目を見た綾瀬は急激な血流の増加を実感した。それ以前から零菜から与えられる様々な刺激で興奮状態であったが、吸血鬼の魅了を受けて理性が溶け落ちそうになっている。夢魔らしくある程度の精神攻撃の耐性はあるのだが、それは拒絶の意思があってこそだ。
零菜への申し訳なさと純粋な想いに応えたいという気持ち、そして零菜を物にしたいというオスの本能には抗えなかった。
「零菜っ」
綾瀬は零菜を強く抱きしめた。
零菜をこの腕に抱きしめるのは初めてのことだろう。
「綾瀬君……ん、ぁ」
辛抱堪らないのは零菜も同じだ。綾瀬の首筋がこんなにも近くにある。我慢できずに牙を突き立てる。血を吸って、熱い魔力を体内に取り入れた。
「う……ぐぅ」
綾瀬の身体に甘い痺れが駆けていく。吸血鬼の吸血は相手に性的快感を与える。今の綾瀬にとっては導火線に火をつけられたも同然の刺激だ。
「零菜っ、ごめん、もう」
「ぁ、綾瀬く……んっ」
強引に綾瀬は零菜の唇を奪う。
重ね合わせた唇の間からくぐもった声が漏れ出て、それすらも興奮の呼び水となる。
「ん……ふぅ、んんっ……ん、んんっ!?」
零菜の口内に綾瀬は舌を滑り込ませた。
初めてのディープキスに零菜は驚き、身体を硬直させる。そんなこともお構いなく綾瀬は零菜の舌を捕らえると、そのまま舌を絡みつかせて舐め、さらに上顎から口内粘膜を犯す。
「ふぐ……んぐ……んんむ、ん……ん、ん……ぅ……む……ちゅ、あ……はあ……ん……んんぅ♡」
ぴちゃ、ぴちゃ、と音を立てて舌が絡み合う。零菜も最初こそ驚いたものの、すぐに綾瀬を受け入れて自分から舌を絡め始めた。
(これで大丈夫かな?)
零菜には経験がない。あるとすれば動画と漫画から得た知識だけだ。見よう見まねでディープキスに応じている。
零菜のぎこちない舌使いを綾瀬はリードするように熱の籠ったキスを続ける。口から溢れた涎が零菜の顎まで滴っていく。
(これ、気持ちイイ)
自分の口の中に綾瀬の舌が入ってくる。ざらざらとした感触が口の中の敏感なところに触れて背中がぞくぞくする。
「ふむ……んむ……んちゅ……んあっ、あ、あぁ♡」
零菜の愛らしい舌を綾瀬は吸う。肉厚でぬるぬるとしていて、ぎこちなく綾瀬に応えようとしているそれを、唇で挟んで吸い出した。熱い吐息が零菜から漏れ出ている。
「ん、ん、ん――――ちゅぱ……あ……はあ、はあ、はあ……」
零菜は瞳を真っ赤にして喘いだ。恥ずかしそうに視線を下げて、呼吸を整える。
(綾瀬君とキスした……これ、すごい……頭が溶けちゃいそう)
心臓がバクバクと脈打っているのが分かる。耳の中で鼓動が聞こえるくらい血流が上がっている。激しい緊張感で、これからどうしたらいいか分からなくなる。頭が、もう真っ白だ。
「零菜。キスだけで、終わらないだろ」
「あ……ぅ……わたし……あ」
零菜の手を引いて綾瀬はベッドに向かう。零菜は力なく綾瀬に引っ張られるがままについてくる。
意を決した零菜は、二の句なくベッドに自ら上った。
上着を脱いで、スカートも脱いだ。桃色のブラジャーも外して、レースのパンツだけになる。
「やっぱりスタイルいいな、零菜」
「そ、そう?」
「気づいてないの?」
「いや、それは、その、あまり言うことでもないかなって……」
照れながら零菜は言う。
零菜の腰は括れていて、太ももは程よく鍛えられて引き締まっている。それでいて、胸は同年代の中でも特に発達したほうだろう。この年齢で雪菜を越えた大山脈を形成している。いわば、巨乳である。
「むしろ、エロい」
「エロい!?」
「零菜はエロ吸血鬼だな」
「ち、違うし。変なこと言わないで……んんっ」
反論する零菜をキスで黙らせる。
唇を塞ぐだけのキスでも零菜はとろんとして身体の力を抜いてしまう。
「ぷはっ、あ、ぅ……あっ、なにして……ん」
綾瀬は零菜を押し倒し、頬にキスをする。くすぐったそうに顔を反らした零菜の耳たぶを甘噛みし、舌先を首筋に這わせる。
「は……う……ぅ」
白い首筋にキスマークを散らしながら、綾瀬は零菜の胸に手を置いた。
「あ、待って、そ、こ……ん、ぁっ、ダメ、いきなり」
「ダメ?」
「やだ、恥ずかしい」
「大丈夫。綺麗だし、それに胸がダメなら何もできないよ?」
「そ、そうだけど……ひゃっ」
綾瀬は指先で乳首をコロコロと転がし、優しく抓り、そしてくすぐった。
「ん……ん……あ……ぃ、やん……はあ、う、うう……」
目じりに涙を蓄えて零菜は恨めしそうな顔をする。それでも、感じている身体を誤魔化すことはできない。乳首はすぐにピンと立って、その存在感を主張し始める。綾瀬は零菜の乳首を咥えて、舌先で愛撫する。
「んひゃっ!? な、何して、んんん!」
驚く零菜を後目に、綾瀬の愛撫は続く。
乳首を吸いながら、腹部を撫でる。さらに、口で奉仕する乳首の反対側の乳首も指先で撫でてやる。強すぎない刺激を多方面から与えて、少しずつ零菜の身体を興奮させていく。
「ぁ、う……これ、ん……くすぐったいよ……んん……やだ、わたし……ん……ふう……」
「我慢できなくなってきた?」
「な……あ……違っ、それは……ちょ、そこ」
零菜の太ももに綾瀬は手を伸ばした。敏感な太ももの内側を撫でる。すべすべした肌はきめ細かくて肌触りがいい。
「さっきからもじもじしてただろ?」
「あ、あ……んんっ。恥ずかしい、から」
「でも、もういいだろ?」
「あ……う」
零菜は顔を真っ赤にしたまま、返事をせずに押し黙る。羞恥心が限界まで高まっていて、何も言えなくなった。
そんな零菜の反応に初々しさを感じて綾瀬はむしろ興奮してしまう。
美しい幼馴染を自分の手で好きにできると思うと堪らない。
綾瀬は零菜のパンツに手をかけた。唯一、この身体を守っていた布切れを下げる。
「うあ……はう」
零菜はあまりの恥ずかしさに顔を腕で隠してしまった。パンツには染みができていた。割れ目から零れた愛液で汚れたのである。
「零菜、直接触ってもいないのに準備万端なんだな」
「い、言わないでよ、そんなこと」
「でも、こういうこと言われるのが好きなんだろ?」
「!?」
驚きに目を見張る零菜。その反応を楽しみながら、綾瀬は零菜のクリトリスを指で撫でる。
「あ……う……んんっ」
電流のような快感に背中を反らせる零菜。
綾瀬は人差し指と中指を左右に行き来させてクリトリスを弾く。
「ひう、ううう♡ あ、あ、やめ、だめ、んああ♡」
良好な零菜の反応に気をよくした綾瀬は、次に指を膣内に挿入した。十分に濡れた零菜の膣内を円を描きながら掘り進んでいく。時折、媚肉が痙攣してびくびくと震えるのが伝わってくる。愛液でしっとりとした膣内は滑りがよく、柔らかくて気持ちがいい。
「ん……ん……ん……ぁ……んあっ、あ、うう、ふうう♡」
(綾瀬君の指がわたしの膣内に入って……う、動いてる♡)
くちゅくちゅと音を鳴らして膣から指が出入りしている。
他人に触れさせたことのない場所を無造作に出入りする綾瀬の指。恥ずかしいのに、気持ちよくて身体の自由が利かない。
「零菜、どう?」
「ふぐ……んぐ……ん、んんん」
零菜は答えずに唇を引き結び、頭を振る。ノーコメント、と言いたいらしい。だが、身体の反応は口より物を言う。
零菜からすれば綾瀬が無造作に指を出し入れしているように見えても、綾瀬は零菜の反応をつぶさに観察していた。どこをどう弄れば感じるのか、夢魔の本能は瞬く間に零菜の身体を解き明かしていた。
指をフックのように曲げて、探り当てたGスポットに引っ掛ける。
「ひはっ!?」
零菜はびくん、と激しく腰を跳ね上げる。
そのまま綾瀬は零菜の膣内をじっくりと攻め続ける。Gスポットを中心に零菜の感じるところを時間をかけて昂らせていく。
「あふ……んひ……あ、あ、あっ……い、あああ♡ ひは、あ、ふぐ、んふあ、あ、あ、あーーーー♡」
零菜はすぐに声を我慢することを忘れた。
身悶えして、シーツを握り、両足でベッドを踏むように踏ん張っている。そして、腰をへこへこと動かして指から逃れようとする。
それでも逃げられない。綾瀬の指技は処女の零菜にとって毒薬に等しかった。
「あ、あ、やめ、ひぐ……んぐ……ふあ、あ、あ、あ、い、イイっ、んあ、あ、あやせくん、そこ、そこばかり、ひ、ひい、んふ、あはぁ♡」
「気持ちイイだろ?」
「ふぐ、んぐ……う、うう……あっ、あっ、あっ、き、気持ち、ぃ、あ、はぐっ、ふは、あ、んあ♡」
滴る愛液でシーツが汚れている。
零菜は過呼吸気味に喘ぎ、膣肉を震わせる。
「あ、あ、あ、来る、何か、あ、来ちゃう」
「うん、いいぞ零菜」
「あぐ……ふぐ……あ、あ、イクっ、ん、あ、あはぁ♡」
綾瀬がGスポットを引っ掻くように愛撫すると、それに合わせて零菜の膣肉が激しく痙攣する。
「はあ、はあ、はあ……うあぁ……う、うう……」
(すごい……頭、真っ白、息できない……)
ぐったりとした零菜は、小さな痙攣を繰り返している。人にイカされるのは初めての経験だ。自分で制御できない快感に、零菜は困惑しながらも、大いに悦んでしまった。
「零菜、後ろ向いて。お尻向けて」
「あ、うん」
零菜はのっそりと起き上がって、言われた通りに四つん這いになった。
枕の下に手を入れて、顎を乗せて上半身を固定する。尻を突き上げる姿勢になった零菜の秘所に綾瀬はペニスを当てた。
「うあ……それ……」
(わたし、するんだ。綾瀬君と……)
思考力が低下している。
ペニスを押し当てられている状況で、期待感しかない。
「それじゃ、挿入するぞ」
「う、うん……初めてだから、優しくして」
「分かってる……ん」
「う、く……ぁ」
ぎゅっと零菜は目を瞑った。
コンドームをつけたペニスが膣口を押し広げる感触が分かる。
しっかりとほぐした膣肉はペニスを拒否しない。
興奮が最高潮に達している零菜の身体は綾瀬のペニスを喜んで受け入れる。
「あ――――んくぅ、あああああっ」
初めての挿入。処女を喪失した痛みに零菜は泣いた。
「い、痛い、ん、ふぐ……う」
「大丈夫か?」
「大丈夫じゃない……痛い」
破瓜の痛みは想像以上で、結合部から血が出ていた。
ジンジンする膣内の痛みを零菜は奥歯を噛んで堪えていた。
綾瀬も無理にはしない。
そのまま動きと止めて、零菜が落ち着くのを待った。
「ふう、ぐ……う……ぅ」
「落ち着いた?」
「ん、ごめん……もう、大丈夫」
「痛かったら、言えよ」
零菜の身体を気遣いながら、綾瀬はペニスを動かした。
零菜が言う通り、痛みはもう引いていた。
滲み出る血は破瓜の時の物だ。傷口はすでに癒えている。吸血鬼の再生能力の賜物だ。傷が癒えたので、痛みはない。残るは快感だけだった。
「んふ……んふ……ふぐ……あ、あ、う……んん、あっ、うっ、んっ」
綾瀬はゆっくりと零菜の膣内をペニスで擦っていく。
体重をかけて腰を振り、浅いところを重点的に責めてから、奥深くにずるりと押し込む。
「んん……ふあっ、あ、そんなとこまで!?」
初めてのセックスでどこまでペニスが届くか分からなかった零菜は、驚いた。当然、自分でも触れたことのない場所だ。
胎内の奥深くまでペニスが届いたことに驚愕する。
「うぐ……はうっ……あ、あ……う、ふう、ふう……ふあっ、あっ、うっ、すご、奥、んん、ずんずん、とどくっ、あ、ああん♡」
零菜の口から甘い声が漏れ出る。
膣奥を突かれる感覚が気に入ったらしい。
角度をつけて、綾瀬は零菜の子宮口を目掛けてペニスを押し入れる。できる限り媚肉に圧をかける。零菜の膣肉は雪菜のものとは感触が違う。
初めて故のぎこちなさや固さがあり、使い込まれて男を知り尽くした雪菜の膣のふわとろ感はないが、なりふり構わずしがみ付き、精液を絞ろうという若い力強さが目立つ感じだ。
きゅんきゅんと膣が蠢いて、肉襞を押し付けてくる。ペニスを動かすのも一苦労だ。
「んあん、んあ、ふあ、あ、あ、ふぐ……んああ……ああ、んふああ♡」
一突きする度に零菜は善がり、気持ちよさそうに喘ぐ。
さっきまで処女だったのに、ペニスですっかり快感を味わえるまでになった。
ペニスの動きもスムーズになってきた。
零菜の膣の圧に絞められて苦戦していたが、膣奥を叩くのを繰り返しているうちに慣れてきたのだ。
それにしても気持ちがいい。ペニスが蕩けてしまいそうだ。
「はあ、ふ、んあ、はう……う、う……あ、あ、あ、ふぐ……んんん♡ あ、あ、あああ♡」
「零菜、キツイな。すごく、気持ちイイぞ。はあ、ん……お前はどう?」
「う、うう、あ、んあっ、あ。気持ち、イイ♡ はあ、はあ、すごい、イイ♡ はあ、はあ、はあ、あ、んあ、はっ、あ、こんなの、初めてぇ♡」
零菜はすっかり蕩けた表情で言った。
声に出して快感を認めたことで、さらに火がついたのか膣肉がみっちりと絡みついてくる。
「ひうぅぅぅ♡ あ、あ、あ、お腹の奥、変、熱い、ああ、気持ちイイ♡ んあっ、あ、これ、すごい、好き♡ はう、んあ、あ、飛ぶ、飛んじゃう、あ、あ、あーーーー♡」
「俺も」
「ん――――ふぐ、あ、あああああああああああ♡」
ひと際甲高い嬌声を上げて零菜はイッた。それに合わせて綾瀬も射精する。どくどくと脈打つペニスの感触を膣内で感じて、零菜はさらに絶頂する。繰り返し訪れる快楽の波に翻弄され、零菜は落ち着くまでに五回も達してしまった。
綾瀬と零菜は並んで横になっていた。零菜は綾瀬の腕を枕にし、肌を重ねている。
「身体、大丈夫か?」
と、綾瀬は聞いた。
「もう大丈夫。ふふ、何か、すごかったよ」
零菜は初めてのセックスを終えて、余裕が出てきたようだ。
羞恥心に満ちていた当初に比べて、ずいぶんと落ち着いている。
綾瀬に寄り添いながら、零菜の右手は綾瀬のペニスにあった。半勃状態のペニスを興味深そうに撫でている。
「ここ、熱いんだね」
「人のを弄り回すのはよくないぞ」
「わたしの、散々弄っておいてよく言うよ」
零菜はそう言いながらも、妙に嬉しそうな表情を浮かべる。
綾瀬に肩を抱かれた零菜は、体勢を変えて綾瀬の胸の上に頬を置く。
零菜がゆるゆると扱いてくるので、ペニスが徐々に固くなってしまう。今のちょうしなら、少し休むだけで、すぐにでも第二ラウンドに入れそうだと綾瀬は思った。