暁の堕姫~堕ちていく人妻~ 作:人妻大好き
酷暑の夏が終わり、暦の上では秋になった。常夏の暁の帝国では、紅葉を楽しむのは難しいが、風に秋の気配を感じることはできる。もっとも、それでも日本ほど顕著な四季というものはない。暁の帝国にやってきて二十年ほどの月日が経ち、人生の半分以上をこの人工島で過ごした雪菜だが、時折、故郷の四季を懐かしく思うことはある。
雪菜がいるのは厳粛な空気がたゆたう宝物殿の中だ。周囲は鬱蒼とした広葉樹の森が広がっている。人工的に作られた鎮守の森は、広大な自然公園の中に人知れず建つ神社を守る結界だ。雪菜はここの管理者で、彼女の許可がなければ、この結界の中に立ち入ることは不可能だ。特に、この宝物殿の周囲には動物すら近づくことは許されず、そのため、いつでも自然の音しかしない静かな空間が維持されていた。
とても魔導科学の最先端を行く暁の帝国の中とは思えない古式ゆかしい世界だ。
宝物殿の中には、数多くの呪術に纏わる物品が収蔵されている。
雪菜がこの日、取りかかっていたのは、こうした物品の手入れだ。危険性の低いものばかりだが、だからといって下手な扱いは禁物である。
紅白の巫女服を着て、丁寧に保管品の確認をしていく。用途不明の腕輪や不気味な人形、何らかの呪術を帯びて封印された刀など、その種類は多岐にわたる。
作業台で雪菜が確認しているのは古びた簪だ。二百年ほど昔に作られたと見られる簪は、日本から密輸された芸術品の中に紛れていたものだ。微弱ながら魔力を帯びている。長い年月の間に使用者たちの念が篭ったのかもしれない。危険性は低いものの、一般の廃棄物と同じ扱いにするわけにもいかないので、宝物殿に運び込まれたのである。
「しかし、ここはいつ来てもいかがわしいものばかりね」
「いかがわしいという言い方が適切かどうかは、疑問がありますが、まあ、真っ当なものはここにはないですよね」
机の上で作業中の雪菜の後ろで、棚の中を覗き見るのは、浅葱である。雪菜と同じく古城の血の従者となり、暁の帝国の魔導技術を支える女だ。
巫女服で厳かに魔具に向き合う雪菜に対して、浅葱はシンプルな水色のブラウスとロングスカートで、その上から白衣を着ている。
「で、こいつはどこに置けばいい?」
「そこのテーブルの上にお願いします」
「了解」
浅葱は木製のトレーを持っていた。深さは五センチほどで、半分くらいまで液体が注がれており、呪具がその液体に浸かっている。
液体は特殊な保存液で、呪具の劣化を防ぐとともに、その魔力を少しずつ抜いていくためのものであった。
こうして呪具を加工して、危険性を下げるのが今、二人が取り組んでいる作業だった。
「こんなところですか」
写真を撮り、記録を付けた雪菜は簪をトレーの上の置いた。その簪を覗き込んだ浅葱は、感嘆の声を漏らす。
「へえ、綺麗な簪ね。螺鈿って言うんだっけ。よくできてる」
「これを作った人は、かなり腕のいい職人みたいですよ」
「そういうの、分かっちゃう?」
「いえ、わたしは、芸術はあまり……ただ、これを技術品の観点から鑑定した時に、そういう評価だったんです。今は魔具になってしまったので、表には出せませんが」
「もったいないわね」
人に害をなすようなものでなければ、芸術品として博物館に展示されることもあっただろう。
簪の作り手も、魔具に改造されるとは思っていなかったはずだ。
「ところで、これ、どういう魔具なの? そんなに危ないもの?」
「命や健康に直接的に関わるものではないようですけど、具体的には分かっていません。ただ、明らかに何らかの呪術を帯びているのは確かなので、こうして処理されているんです」
「そういうこと。まあ、確かに、ちょっとよくない魔力を感じるわね」
もともと浅葱は呪術に詳しいわけではなかった。魔族特区育ちなので、魔族や超能力などに理解があるだけで、彼女自身は人間だ。カインの巫女としての覚醒や、血の従者になったことで、呪術にも携わるようになったが、本業ではない。
それでも、第四真祖に由来する無尽蔵の魔力を得て二十余年になる。
ただの魔術師とは比較にならない魔力を持つようになった浅葱は、ちょっとした魔術くらいなら無意識に弾くこともできる。
「今は休眠しているので、危険性は低いはずですが、気をつけてくださいね」
「分かってる」
この道の専門家ではないとはいえ、雪菜を手伝えるくらいには知識も経験もある。古い呪詛は門外漢でも、魔導科学ならば右に出る者はいないプロでもある。触ってはいけない物を見分けるくらいは造作もない。
ところが、ここで想定外の事態が発生した。
確かに休眠させたはずの簪の魔具が、突然起動したのだ。それも、雪菜も浅葱も気づかないほどの小さな変化だ。
簪は二重構造で、表面の紋様に呪術を仕込んでいると見せて、隠れた内部構造に本命を仕込んでいた。表面の呪術に対処しても、本命は内部で密かに起動するタイミングを見計らっていたのである。
それが、浅葱に反応して起動した。
もともと、特定の条件が満たされた時に起動する設定だったのだ。詳細は不明だが、浅葱がその設定を満たしたに違いない。
トレーから俄に湧き上がった黒い瘴気が、浅葱に襲いかかる。
「ちょ、な……!?」
「浅葱さん!?」
咄嗟に雪菜が瘴気を払う。雪霞狼が手元になくとも、素手であらかたの戦闘を熟すことはできるのだ。打ち払われた瘴気は、そのまま溶けるように消えた。
「浅葱さん、大丈夫ですか!? 怪我は!?」
「え、うん、そうね。大丈夫みたい。ありがとう、雪菜さん」
「本当ですか? 念のため、検査をしたほうがいいですよ」
「そうね。雪菜さんがすぐに払ってくれたし、大したことはないと思うけど……」
と、その時、浅葱の視界が僅かに揺れる。くらりとして、平衡感覚が崩れる。
(あれ、ヤバいかも)
ふらついた浅葱を雪菜が支える。
「浅葱さん、やっぱり……っ」
浅葱を掴んだ腕がちくりと痛む。見れば、黒い瘴気が浅葱の服の袖から雪菜の手に絡みついていた。
「まだ残ってっ、うっ」
心臓が脈打ち、頭がふらふらする。思考力が低下していくのを感じる。瘴気の大部分を雪菜が払ったので、これはほんの残り滓だ。
「浅葱さん、すみません、わたしのミスです」
「仕方ないわよ、こんな不意打ち。というか、しくじったのはあたしだし」
室温は変わらないのに、体温だけが上昇しているような気がする。
雪菜と浅葱は努めて冷静に、状況を整理する。
「おそらく、わたしたちの体内に入り込んだ呪詛は、特定の感情を引き出し、思考力を奪うものです」
「特定の感情ってのは、まあ、何となく想像つくけど」
雪菜と浅葱の頬は紅い。心臓が早鐘を打っていて、身体が熱い。普通に会話をしているが、本当ならば、今すぐにでも個室に篭って、湧き上がる衝動を発散したい。宝物殿にはそんな部屋はないし、外に出るわけにもいかない。
「はあ、何って言うか、ほんとに悪質な魔具」
「女性向けの簪に仕込んでいた辺り、きっと
昔の職人が作った簪を改造し、女性の性的欲求を増大させる呪詛を仕込んだ何者かの悪辣さに呆れるばかりだ。
ターゲットになった女性は、これで理性を失い、欲望のままに、自ら進んで男に手籠めにされてしまうのだ。
雪菜や浅葱のような強力な魔力を持つ血の従者にも、作用しているので、ただの人間が食らえば一溜まりもなかっただろう
雪菜が大部分を払っていなければ、もっと状況は悪かったに違いない。
「それで、これからどうしよう、これ」
「……どうしましょうか。そこまで長く効果が続くとは思いませんし……」
「我慢するしかないってことね」
「すみません」
「雪菜さんが謝ってどうするのよ。こればっかりは仕方ないわ。我慢してやるわよ、こんくらい」
浅葱は座布団の上に座り込んで、言う。
雪霞狼やそれに由来する神格振動波を使えば、この程度の呪詛は簡単に消去できる。しかし、幾重にもなる結界の内部で神格振動波は使えない。消してはいけない魔力まで消してしまうからだ。
しかし、発情した状態で外を出歩くわけにも行かない。ある程度、落ち着いてからでなければ、迂闊に宝物殿から出ることはできなかった。
「はあ……はあ……はあ……はあ……ふう……ん……ふう……ぅ、ぅ……」
「はう……ふう……ん……はあ……ぁ……ぅ……んん……ふう……はあ……」
二人が呪いを受けてから一時間が経過した。
困ったことに、昂ぶった性感は衰えることなく、むしろ徐々に強さを増している。
発情した雪菜と浅葱は、すでに人様に見せられるような顔をしていなかった。頬を真っ赤に染めて瞳を潤ませ、そして唇を引き結んで快感に耐えている。
座っていることができなくなり、今は床に崩れるように背中を丸めている。
「雪菜さん、どんな、感じ?」
「すみません、わたしのほうが、量は少なかったはずなのに」
「もうちょっと、時間かかるよね。はあ……ん」
浅葱の頬を汗の雫が伝う。
一時間以上も、燃えるような愛欲の炎が体内から熱を発している。久しく忘れていた強烈な欲情が、浅葱を苦しめている。
(まずった。オナニーだって、最近はご無沙汰だってのに)
仕事に忙殺される日々。学生時代ほど性欲は強くない。というより、意識すること自体がほとんどなくなっていた。無理矢理とはいえ、発情させられたことで、忘れていた性欲の感覚を思い出してしまった。
(滅茶苦茶ムラムラする。思いっきりヤリたいって、身体が疼いてる。ほんの微量でこの効果。あの黒いの全部吸ってたら、どうなってたか……!)
子宮が勝手に下りてきて、欲望を満たせと命令してくる。身体の主が脳から子宮になってしまうような気分だ。下半身の不満足感に苛立ち、指でかき回したくなる。
「あの、浅葱さん……一つ、提案が」
「提案……何?」
「いっそ、発散してみませんか?」
「発散って、ええ? 本気?」
「昔、したじゃないですか。大学の時に……あのときは古城さんもいましたけど」
「あ、あー……まあ、そんなこともあったわね」
まだ、古城と通じ合っていた頃のことだ。若気の至りで、古城と浅葱、雪菜の三人で行為に及んだ。なので、雪菜と浅葱が身体を重ねるのは、初めてのことではない。十五年ほども経つが、何回か経験がある。
「で、でも、さすがにこの歳で、そんな……ん……はあ……はあ……ぁ、ヤバ……」
過去の記憶が蘇り、気持ちよくなれる期待感に浅葱の股が濡れる。
「だ、大丈夫です。わたしのミスでこうなったようなものですし、こういうのは、何度か発散すれば落ち着くものですから!」
「ゆ、雪菜さん!」
真面目で堅物な雪菜は、自分の目の前でこの事故が起きたことを気に病んでいた。何とかして浅葱だけでも解放しなければならない。媚薬などに見られるように、性衝動を引き起こす薬物や呪詛は、何度か発散すれば改善することがある。
「待って待って、ほんとにそれくらいしかないの?」
「この効果がいつ切れるのか、まだ分かりません。人前に出るのは、厳しいんじゃないかと。少なくとも、多少は落ち着かせないと」
「それは、そうかもしれないけど……は、ひゃあ!」
雪菜が浅葱の頬を撫でる。それだけで浅葱は飛び上がりそうなくらいに感じてしまった。
「これじゃ、車にも乗れないですよ。下手をすれば、歩くのも……」
「うく……ああ、分かったわよ。うう……」
いつまでもこうしているわけにはいかない。
解決に向かって進む道があるのならば、足を踏み出すべきだ。まさか、雪菜と二人きりで、こういうことをするとは思いも寄らなかったが、悔しいことに今は期待感が遥かに大きくなっていた。
汚さないように服を脱ぐと、浅葱の太ももまでが濡れていた。下着のほうは言うまでもない。
「ゆ、雪菜さんも脱いで」
「え?」
「巫女服、汚しちゃうから。それにあたしだけ脱ぐのってフェアじゃないわ」
「そ、そうですか?」
やけくそ気味に言い放つ浅葱に気圧された雪菜は、巫女服を脱いだ。同性の浅葱ですら息を呑むほどに綺麗な肌だ。
「雪菜さん、肌綺麗。どんなケアしてるの?」
「別に大したことは……ラ・フォリアに勧められた乳液くらいですよ、輸入品は」
「そんなもん? 生来のものか……零菜ちゃんも綺麗だしね」
「それだったら、萌葱ちゃんだって綺麗になったじゃないですか。しっかりしてるし。うちの娘は、最近ちょっとだらしないって言うか」
「そんなことないでしょ。綾瀬君だって、いるんだし」
「それは、まあ……」
綾瀬と零菜の関係性は、まだ浅葱には知られていない。もちろん、雪菜のこともだ。浅葱は、まだ綾瀬と零菜がつかず離れずの関係にいると思っている。
雪菜はそれ以上を口にすることはなかった。
壁に背中を預けて股を広げる浅葱の膣に指を入れる。
「あ――――あふぁ♡」
浅葱が久しく口にすることのなかった嬌声を上げる。
熱い膣肉が指に絡まる。
浅葱の膣内はたっぷりと濡れて、柔らかく、つるつるとした感触だ。その上、襞が幾重にも折り重なり、それぞれを指で愛撫すると腰がガクガクと震えた。
「あ……う……あ……ん……ふうあ……ふう……んあ……あ……雪菜さん、それ……!」
「こんな感じでいいですか?」
「ん、ん、んん……あっ……はあ、はあ、んふ……ふう……い、イイ……ああ!」
くちゅくちゅと音を鳴らして、膣口を弄る指に力を込める雪菜。
強い雌の臭いを漂わせ、浅葱の身体が熱を出す。
(そう……確か、綾瀬君に弄ってもらうときには、この辺りを)
指を釣り針のように折り曲げて、膣の前面を探る。指先にひっかかるコリコリとした感触を集中的に責めると、浅葱は分かりやすく悶えた。
「そこ! ん、それ、ヤバぁ……あ……あ……ああ……んあ……ふう、ふああ♡」
「これが浅葱さんのGスポットなんですね」
「ん、ひいっ、あ、ダメ、それ、ヤバいって……ん、ふうあ♡ あ、あ、あ~~~~♡」
雪菜の愛撫に耐えきれなくなった浅葱が腰を跳ね上げて絶頂する。潮を拭いてイキ、そしてぐったりと崩れる。
「はあ、はあ、はあ……ん……はあ、はあ、ふうう」
「あ、浅葱さん、すいません、大丈夫ですか?」
「雪菜さん」
「はい」
「お返ししないとね」
「へ……? あ、ひゃあ!?」
浅葱が雪菜を突き飛ばす。そして、のし掛かって雪菜の膣に触れる。
「んひ……!」
「ふふふ、雪菜さんだって、ずいぶんと濡れてるじゃない」
「そ、それは、仕方ないじゃないですか。わたしだって、吸ってるんですから!」
「じゃあ、ちゃんと雪菜さんも発散しないとだめよね?」
「ひ、ひゃああ!?」
雪菜の膣に指を入れた浅葱は、雪菜を感じさせるのを楽しんでいるかのように二本の指を出し入れする。
責められる雪菜は頭を振って、抵抗しようとするが、身体は快感に溺れていて、浅葱の指を受け入れてしまっている。
「ふう……んあ、あああ……そんなところ、浅葱さんに……触れるなんて……あ、ふあっ、あっ、あっ、んはあ♡」
「雪菜さん、ヤバ、めっちゃ可愛い」
「何、今更そんな。ふう……ふう……あ……うぐ……うう……!」
普段の雪菜を見ているからか、性欲に溺れて喘ぐ姿のギャップにやられる。浅葱自身どうかしているというほどに気分が高揚している。瘴気の影響を受けているのは間違いないが、今はもうどうでもよくなっていた。
スイッチが入ってしまった以上、行き着くところまで行ってしまいたい。
「あ、あ、ああ! ダメです、浅葱さん! そ、れ、そこ、んあ、あ、あ、ああ!」
「雪菜さん、敏感。ここ、そんなにいいんだ」
「イイ! イイですから! あ、あ、そんなにくちゅくちゅされたら、あひっ、あ、イク」
「いいよ、イッて。思いっきり。あたしみたいに」
「ん――――んん! あ、ああう!!」
雪菜の腰を大きく波打ち、跳ねる。
綾瀬との交流で性的快楽を味わい尽くしてきた身体が、いつも通りに絶頂を迎え――――、
(あ、ダメだわたし……!)
極限まで昂ぶった快感が弾ける直前に引き留められる。
(そうだ、綾瀬君の淫紋。綾瀬君じゃないとイケない。まずい、これ)
淫紋は、普段は他人の目には見えない。浅葱は雪菜にそれが刻まれているとは気づいていない。雪菜が強制寸止め状態にあることなど知りもせず、指を出し入れしてイカせようとしている。
「あ、あ、ああ、あああああああああ、浅葱さん、ダメ……指抜いてください、そんな、続けられたら、あ、ぐ、ううう、うあああああ♡」
「雪菜さん、すごい熱い。もうちょっと」
「ひゃめ、ひああああああああああ♡」
くちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅ……。
雪菜の膣からあふれ出す愛液で、浅葱の指はびしょ濡れだ。
快感で腰砕けになり、逃げ出すことができない。一方的に快感だけを与えられているのに、絶対に果てることができない。それは、快楽地獄というに相応しい状況だった。
浅葱は浅葱で雪菜を気持ちよくしようと丁寧に攻めている。雪菜がGスポットを責めたから、同じようにGスポットを責め返し、さらにクリトリスも皮を剥いてコリコリと愛撫している。
(上がってる、上がってきてる、もうちょっとなのに、やっぱりイケない! ダメなんだ、わたし、やっぱり、綾瀬君じゃないと! 瘴気で身体がおかしくなってるのに、綾瀬君の淫紋のほうが強い!)
「んあ、んあ、んあ、んあ、んぉ、ふあ、あ、ん……くあぁ♡ あ、あふん♡ あ、い、イイ♡ あ、ああ、あああ♡」
(こんなに気持ちイイのに、あと少しなのに、浅葱さんにこんなにシテもらってるのに、早く、早く綾瀬君のところに帰らないと、帰って、イカせてもらわないと、変になる)
雪菜は理性が飛びそうな状況下で、帰巣本能のように綾瀬を思った。これだけの絶頂寸前の状況下で絶頂できない事実は、刻まれた淫紋の力を実感すると共に、綾瀬の物になったということを強く自覚させるものであった。
「あ……んく……ああ、んああ♡」
浅葱の指が膣から抜ける。
身悶えした雪菜が、浅葱の手を弾いてしまったからだ。期せずして浅葱の愛撫から逃れた雪菜は、脱力しきった身体にむち打って起き上がる。
「はあ、んく……浅葱さん。お返しのお返しです」
「ちょ、待って……あたしは、ああ!」
雪菜が浅葱に襲いかかったのは、これ以上浅葱に主導権を握られると狂ってしまうと思ったからだ。淫紋がある限り、綾瀬以外が雪菜を絶頂させることはできにない。浅葱がどれだけ雪菜をイカせようと責めても、寸止めを延々を食らうだけなのだ。
「また、わたしが浅葱さんをイカせてあげますよ。気持ちよくしてくれた、お礼です」
「雪菜さん、ちょっと怖い……んあっ、あっ、やだ、敏感」
「おっぱい、ピンピンしてますね」
雪菜が浅葱の乳首を噛む。膣を指で弄りながらの攻撃に浅葱は切ないため息を漏らした。
「ん……あむ……れろ……浅葱さん、こっちも敏感なんですね」
「瘴気の所為よ」
「そうですね。それは、間違いないと思います……あむ、ちゅ」
雪菜は乳首を吸いながら、Gスポットを愛撫する。
「あ、気持ちイイ♡ ん、ん……ふう、ふう……ふはぁ♡ あ、ああ、ああん♡ う、んふぁ……雪菜さんに、舐められてるなんて……ん、あう……んあ……」
「浅葱さん、早くイッてくださいね」
「イクって、そんな、だって、んん……あたし、もう……イッて……ん、はう、あ、んああ!」
浅葱が二度目の絶頂をした瞬間、豊満な浅葱の胸から白い雫が迸る。
「ひゃっ……あ、え?」
「え、何、なんで……?」
二人揃って呆然とする。
なんと、浅葱の乳首から母乳が出たのである。
「ど、どうして」
「きっと、あの瘴気の効果なんでしょう。浅葱さんのおっぱい、張ってきてますし、一時的に母乳が出るようになったんですね」
「なんで? どういうこと?」
「分かりませんけど、この瘴気を作った人は、そういう性癖だったってことでしょうね」
「どこまでヘンタイなのよ。って、雪菜さん!?」
浅葱の母乳を零さないように、雪菜が乳房に吸い付く。膣肉への愛撫も継続する。萌葱はますます強くなる快感に困惑しながらも抵抗できず、腰砕けになる。
「ちゅる……ちゅる……ちゅる……浅葱さんのおっぱい、甘くて美味しいですよ」
「雪菜さん、そんな恥ずかしいこと言わないで……ん、ああ……ふあ、あ、あ、やだ、なんでこんなに……」
もじもじとする太ももを押さえて、雪菜の指が膣を弄る。快感が差すようにそして骨の髄に響くほど深い。
もはや人生の半分以上を同じ男を夫と仰ぎ暮らしてきた仲だが、ここまで身体を許したことはない。だというのに、雪菜の指も舌も何もかもが気持ちよく、頭が真っ白になってしまう。
「あ……また、イク……気持ちイイ……!」
飛ぶ。
瘴気で極限にまで高まった快感が、雪菜に指技で脳まで叩き込まれた。理性と一緒に意識が吹っ飛ぶ。それくらいの快感が炸裂して、浅葱の視界を真っ白に染め上げた。