暁の堕姫~堕ちていく人妻~ 作:人妻大好き
綾瀬はスーツケースを引きながら空港に降り立った。
キラキラと輝く高層ビルが橋の向こうに林立しているのが見て取れる。
「絃神島、じゃないか」
かつて、そう呼ばれていた人工島も今は暁の帝国と呼ばれている。その名の通り、夜の帝国として日本から独立したのである。
それが二十年前のことだ。綾瀬が絃神島での勤務を終えて本土に戻ってから、一年と経たず大きな動乱があった。紆余曲折の末に第四真祖が皇帝となって、暁の帝国が立ち上がったのである。
皇帝は暁古城。綾瀬が勤務した彩海学園に通っていた学生であり、第四真祖の吸血鬼だ。あの当時からすでにこの道筋は立っていただろう。獅子王機関内部の権力抗争で第四真祖の力を利用するのは当たり前のように計画されていた。独立されたのは組織としては失策だったが、上層部の何人かは想定内とばかりに権力抗争を優位に進めていた。綾瀬はそんな獅子王機関の動きを我関せずで眺めていた。所属組織ではあっても、思い入れはない。命じられた仕事を過不足なく遂行するだけだ。
そうしていたら、獅子王機関が割れる騒ぎがあった。綾瀬の関わらないところで、致命的に崩れた組織。綾瀬はそのタイミングで見切りをつけて、退職し、フリーの調律師として様々な魔術師や攻魔師を相手に仕事をしてきた。
旧絃神市国、現暁の帝国に足を踏み入れるのは、実に二十年ぶりになる。
「様変わりし過ぎだな」
空から見ても分かることではあったが、絃神島の頃よりも面積が遥かに広がっている。経済大国となった暁の帝国は、四国ほどの大きさにまで国土面積を増やしている。
かつての彩海学園も、二十年も経てば建て替え、増築もあって見覚えのない姿になっていた。
綾瀬は適当にぶらぶらと街中を見て回る。
すべて人工的に造り出された大地と街は、初めから区画整理されていて無駄がない。同じ形のビルが同じように並んでいる風景も珍しいものではないが、古い地区は半世紀になるので、さすがに雑多な印象が見え隠れするようになる。
綾瀬がかつて工房としていた工業団地は、国の研究施設に生まれ変わっていた。二十年前の時点で、それなりに古さを感じる団地だったので、当然の結果だろう。
「ここか」
見上げるタワーマンションの中に綾瀬は自宅兼個人事務所を構えることになった。
綾瀬の店を訪れる客は、多くが攻魔師や魔族だ。夜の帝国に居を構えたほうが集客力が上がるというのは当たり前である。
絃神島は昔から大都会だった。
夜になっても昼のように明るい場所は珍しくなかった。
高層ビルの上から眺める街並みは、記憶にある絃神島よりもなお一層、煌びやかに輝いて見える。荷解きをして、一息ついたころにはすっかり日も暮れて、想像以上に輝かしい夜の帝国の姿が浮かび上がる。
「悪くない立地だな」
タワーマンションもいくらでもある。同じくらいの高さのマンションが林立すれば、どれだけ高層階にいても夜景を楽しむことはできないが、綾瀬のオフィスは幸いにして、他のビルよりも頭一つ高い場所にあった。
この景色を眺められるだけでもちょっとした王になった気分だ。
しばらく自己陶酔に耽っていると、インターホンが鳴った。玄関のロックを解除して、来客を迎え入れる。
「お久しぶりです、先生」
「久しぶりだな、姫柊」
そこにいたのは二十年ぶりとなる姫柊雪菜だった。綾瀬が店を出すことになったとどこからか情報を得た雪菜は、引っ越し作業が一段落する時間帯に様子を見に来ると連絡を寄越していたのだ。
姫柊と呼ばれて雪菜は笑った。
「もう、今は姫柊じゃないですよ」
「そうだったな。暁だ。それに、お妃様でもある。いいのか、こんなところに一人で来て」
雪菜は第四真祖の血の従者となった。恋仲になり、結婚して子どもも設けた。第四真祖が暁の大国の皇帝なので、雪菜は名実共に暁の帝国の皇后である。
血の従者となったのは二十代の前半だったか。雪菜は人間だが、主となる吸血鬼の魔力によって永遠の若さが約束されている。今の雪菜も三十代半ばでありながら、若々しく幼さすら見て取れるくらいであった。
「わたしなら大丈夫です」
と、雪菜は言う。
「仕事帰りなんです。先生が出店されると聞いたので、昔のお礼も兼ねてお祝いに来ました」
雪菜はスーツ姿だった。
すらりとした身体つきは昔のままでスーツで真面目そうで引き締まった印象を強めている。
「今の暁の立場でスーツなのか」
「仕事は仕事ですから。うちは歴史ある皇帝家というわけでもありませんし、他の娘もみんなそれぞれ普通に仕事してますよ」
「いいのか、帝国がそれで」
とはいえ、複数いる皇帝の妃がそれぞれの得意とする分野で実績を上げているのも有名な話だ。
「昔診た患者が玉座でふんぞり返るようなことになってなくてよかったよ」
「ふふ、そんなことをいていたら、娘に呆れられてしまいます」
「娘さんか」
「零菜って名前です。彩海学園にいるんですよ」
「そうなのか。けっこう大きいんだな」
「そうですね。最近はちょっと小生意気になってしまって困っています」
雪菜が母の悩みを抱くようになるとは思いもよらず、二十年の時間の流れを実感した。
「いいお部屋ですね」
雪菜が事務所を見回して言った。
「それなりにな。今まで、いろいろと稼がせてもらったし」
「ここで調律を?」
「ここではさすがにね。この先に専用の部屋を設けてあるんだ」
「ちょっと見てもいいですか?」
「ああ、好きに見ていいぞ。まだ、誰も使ってないからな」
雪菜が調律室に入る。
一人分のベッドがあるが、可変式のソファといった作りだ。電動でベッドは起き上がってソファになる。
「どうだい、暁。二十年ぶりに施術でもしてやろうか?」
「人妻ですよ」
「施術っていっても、みんな一様に性調律するわけじゃないぞ。あれは最高効率を求めたときのもんで、知る人ぞ知るってやつだ。滅多なことじゃしない裏メニューだよ」
「そうですか。それは、よかったです。でも、性感には訴えるんですよね?」
「裏メニューはな。表向きは普通の調律師だよ。だから、今まで問題なくやってこれたんだ」
綾瀬の施術は魔力や霊力の流れを整えて魔術や異能の発動効率を上昇させる。綾瀬はその道のプロであり、体内の力の流れを整えるということは身体について深い理解がないといけないので、性感に訴えることで効率を引き上げることも難しくはないが、それは信頼のおけるごく一部の者に限って行う特別メニューだ。
「先生、さっきの話」
「ん?」
「施術のこと。受けないとは言ってないですよ」
「何?」
雪菜が気恥ずかしそうに言う。
驚いた綾瀬だったが、雪菜の求めを断る理由もなかった。獅子王機関から離れた綾瀬は欲求を優先する。仕事に支障のない範囲で。雪菜ほどの美人の身体に触れられるのならそれに越したことはない。問題があるとすれば雪菜の立場だ。
「大丈夫ですよ。先生は調律師として一級の腕前だと評判ですから」
一流の調律師の下に雪菜が通うのは不自然ではないという理屈だ。
「普通のメニューじゃなくて、裏メニューを希望するって?」
「ダメですか?」
「ダメじゃないが、どうして? 別に裏である必要はないと思うが?」
「それは……その……わたしの口からは」
裏メニューが性感に訴える調律だと知りながら、それを施してほしいと言う。人妻であり母親でありながら、そんなことを望むのは――――実は珍しいことではない。主に家庭の問題でストレスを抱えている場合に多い要望だ。
雪菜は皇帝の妃として、多大な責任を背負っているだろう。思春期の娘もいるので、仕事も家庭も大変なのだ。それに、第四真祖は複数の血の従者を囲っている。力のある吸血鬼にとって血の従者は自分の身を守るための親衛隊であり、国にとっては武力そのものだ。だが、雪菜のような第四真祖の妃として仕える者にとっては寵愛を巡るライバルでもある。
雪菜と第四真祖の関係が悪いと言う話は聞いたことがないが、雪菜が目立つ存在でなくなっているのも事実だった。
雪菜は欲求不満なのだ。性的な面だけでなく、様々な面でだ。
「まあ、いいさ。本番付きの裏メニューをあえて希望するっていうのなら、断る必要もないからな」
「その、そんな風に言われるとちょっと……」
「事実だろう。事実をありのままに受け入れろ。二十年前みたいにな」
雪菜がまだ学生だった頃に、綾瀬は彼女と関係を持った。短い時間であったが、真面目で堅物だった雪菜を「ケツ穴狂い」と自称させるまでに堕とした事実がある。
「俺も確かめてみたくなったぞ。お前が昔みたいなケツ穴狂いなのかね」
「な……それは、その……昔の話です!」
恥ずかしそうに雪菜は反論した。
あの時の自分は正気ではなかった。綾瀬と関係を持ったのも、自分の存在の危機で、上からの命令だったから仕方なくだ。
確かに、快楽に屈して肉欲を求めてしまったが、それは二十年も前のことである。
「昔の話を蒸し返してきたのはそっちだぞ」
「そ、れは、そうかもしれませんけど」
雪菜は歯切れ悪く言う。
昔の話と一蹴するのなら、そもそも綾瀬の元に来る必要もなかった。
それに裏メニューを希望している。それは、つまり綾瀬とそういう関係になるという意思表示に他ならない。
綾瀬は雪菜を施術室に通した。
新設したばかりの設備である。
淫靡な雰囲気を醸し出す薄暗い空間にベッドが置かれている。観葉植物に戸棚、シンクまでついていて、ホテルかアパートの一室のようだ。
「そこに腰かけて、リラックスして」
「ありがとうございます」
雪菜は温かいハーブティーを受け取った。
喉を通っていくハーブティーの味わいと香りに緊張も解れて、リラックスする。
「姫柊、じゃないんだったな。どう呼べばいい?」
「暁、だと紛らわしいので雪菜でいいですよ」
「じゃあ、そうさせてもらう。本当にいいんだな、雪菜」
「はい」
雪菜は頷いた。
服を脱ぐ。
綾瀬と雪菜は二十年前に身体を交えた仲だ。その後、連絡を取り合っていたわけではないが、こうして再開し、行為に及ぶことになれば自然と昔のように触れ合うようになる。様子を見る必要はなかった。初めての相手ならばまだしも、馴染みのある相手だ。身体を許すハードルも低くなる。
ベッドの上で雪菜を背後から抱きしめる。手を前に回して、ほどよい大きさの乳房を揉んだ。
「柔らかいな。三十超えた人間とは思えないぞ」
「血の従者ですから。身体は二十代ですよ」
「そうだったな。いつまでも若々しくて、その分だけ持て余すんだろうな」
「あ、う……んっ……別に持て余してるわけじゃ……んん」
雪菜の乳房をゆっくりと丹念に解していく。
スペンス乳腺を圧迫しながら乳房を持ち上げて、ずっしりとした重さを体感する。
「乳首、勃ってきたぞ。早いな」
「ん……こんなに触られたら、それは、そう、です」
「いや、そうかな。かなり早い方だぞ。実は感じやすいんだろうな。それとも、ずいぶんと期待してたかな」
「違、あっ……ん、んっ……んんっ……はあ……はあ……」
「こんなに乳首勃起させてたら、言い訳できないな」
「ふうぅ♡」
雪菜が苦し気に声を上げる。
乳首を摘まむだけで、敏感に反応を示してくれるので綾瀬も分かりやすい。
綾瀬は雪菜を焦らすように乳首を重点的に責めた。それも弱く、触れるだけの力加減だ。絶頂させない。微弱な快感を乳首に溜め込ませる。
「ふう、ふう、ふう、ふう、はあ、はあ……うあ……っ、あ、う……はあ、ん。ふう、はあ、ああ……」
切なげに雪菜は呼吸を早くする。
身体をぷるぷると振るわせて、身を捩る。乳首を丹念に愛撫され続け、腰が自然と上下してしまう。
「乳首、ばかり、責めないでください」
「どうして?」
「どうしてって、だって、んんっ♡」
雪菜の首筋を綾瀬は舐めた。そして、ちょんちょんと耳を舌先とつつき、わざと音を立てて啜った。
「はあうぅ♡ それ、ダメっ、あん♡」
いやらしい水音が頭に直接響いた。快感で思わずイキそうになるが、刺激が微妙に弱い。あと少しに届かないもどかしさに雪菜は苦しんだ。
さらに、三分ばかりの時間をかけて綾瀬は雪菜の乳首と耳だけを虐め続けた。
「はう……はあ、ん……はあ、あ、あ、はあ……ん、あう、あっ……はあ、はあ、はあぁ♡」
「イキたそうだな、雪菜」
「あ、う……それは、ん、ん、ふう……はあ、うあ、あ……う……んん……ふう、ふう、はあぁ♡」
綾瀬のいやらしい手つき。吐息。舌。言葉。様々な刺激が雪菜を昂らせている。じっくりと愛撫された身体はすっかり快感に弱くなっていて、今にも狂ってしまいそうだった。
「雪菜。お前、実際のところどうなんだ?」
「どうって、どういうことですか?」
「この敏感な胸。最後に旦那に触らせたのはいつだ?」
「……ぁ、う……覚えてないです。ふう、はあ……う、う」
「本当に? 嘘だったらもっと焦らすぞ?」
「ほ、本当です。だって、もうしばらくあの人とはシテないから……ん、あ、うう」
「もったいないな。俺だったら毎日抱いてもいいくらいなのに」
「な……なに、言ってるんですか。そんな、う、ん……わたしより、魅力的な女性は、たくさんいます。ふう、う、はあ……はあ……ぅ♡」
「なるほどね。雪菜は堅物だしな」
「あ……う、ふぅん♡」
びくん、と雪菜の身体が軽く跳ねた。乳首を強めに摘まんだだけだ。
真面目で融通の利かない性格が災いしたのか。それとも、単に相手が節操ナシだったのか。ともあれ雪菜はいつの間にか夫とご無沙汰になってしまったらしい。
女に事欠かない夫。けっして一番というわけではなく、独占できる立場でもない。雪菜の立ち位置は徐々に下がっていって、そのことにずっと不安を抱いていたのだろう。
今更、妻としての立ち位置に固執はしない。しかし、この身体はどうにもならない。欲望を解消することができないまま、何年も我慢を重ねていたのだ。
「そしたら、雪菜。今日は思いっきりイっていいぞ。恥も外聞もなく」
「え……ふあっ」
雪菜の股座に綾瀬は手を伸ばした。
びしょびしょになっていた秘所に指を突っ込む。
暖かく柔らかく濡れた膣肉を強引に掻き回す。
「んぎいいいいいいい♡ あ、あ、あっ、そんな、急にっ、ひあ、あ、あ、んああああああ♡」
溜め込んだ快感が爆発するように雪菜の身体を駆け巡る。
じゅぶじゅぶと愛液を掻き出して、クリトリスも何度も指を往復させる。刺すような快感が雪菜の頭を焼いた。
「ひあ、ひあ、ひああああ♡ あ、あ、あ、あ、あああ♡ 止め、ダメ、んあ、ん、ひあ、あ、あ、んあ、はへあああ♡」
雪菜は身体を反らして藻掻く。
綾瀬は雪菜の身体を抱きしめたまま、乳首を抓りながら膣内を掻き回した。
「ふひ、あは、なあ、あ、あ、あ、あああ、だ、ダメ、ダメ、イクっ、んあ、あ、あ、ああ、こんあ、あ、我慢、できな、ひ♡」
「いいぞ、イケ、ほら、イってしまえ」
「あひ、あ、あ、あ、あ、あ、あああ♡ ひぐ、イグイグっ、あ、い、イグぅぅぅう♡」
ぶしゅああっ、と勢いよく潮を噴いて雪菜は絶頂した。
喉を反らして嬌声を叫ぶ。綾瀬は、がっくりとする雪菜を抱きかかえた。
「はあ、はあ、はあ、はあ、あ、すごい、気持ちイイ……はあ、はあ、はあぁ♡」
雪菜は満足げに大きく吐息を漏らした。
「誰に配慮することもなく、絶頂できるのは気持ちイイだろう?」
「は、い……ん、すごかったです。はあ、久しぶりに、こんなに……はあ、はあ」
「ふふふ、そうか。そしたら、雪菜。尻向けろ」
「あ……はい」
雪菜の背筋にぞくぞくとした甘い感覚が流れて、思わず笑みを浮かべてしまう。
雪菜は綾瀬に言われるがままにベッドの上でうつ伏せになり、尻を持ち上げて見せる。
もっちりとした肌が汗で湿っている。尻肉は桃のようにぷっくりとしていて張り付くようなきめの細かい柔肌だ。
「久しぶりの雪菜のアナルだな。二十年ぶりなんて、そうそうないぞ」
そう言いながら、綾瀬は指にオイルを絡ませる。媚薬成分を含んだアロマオイルだ。これを塗った指を雪菜の肛門に押し込んだ。
「う、お」
綾瀬は思わず声を漏らしてしまった。
雪菜のアナルは予想以上に強く締め付けてきたのだ。てっきり使い込んでがばがばになっているかと思ったがそうでもない。
「あう、う……く」
「雪菜、どうした。ずいぶんと固いじゃないか」
「うう……はあ、そんなこと、言われても……ん、ん、んんっ」
雪菜のアナルの中でゆっくりと指を捩じる。アロマオイルを染み込ませるようにしていくと、すぐに滑りがよくなった。ぬぷぬぷとアロマオイルの力を借りて指を出し入れする。
「はあ、はあ、はあ、はあ……う、う……ふう、はあ、ん……あ、あう、はあ、はあ、ううう♡」
「セックスレスだったな。ここはどうなんだ、雪菜。自分で慰めたりしてなかったか?」
「ん、ん……そんなこと、してない……んっ、ふう、あっ……お尻は、忘れようとしてたんです。ん、でも先生が帰ってくるって聞いて、この前一度だけ、ふう、ふう、自分でしました、けど……んあっ」
「あれだけケツ穴狂いにしてやったのに、忘れようとしてただって?」
「あん、んあ、だって、こんな、いやらしい……ん、ん、ふうあ、お尻なんて……」
「旦那としなかったのか? 今まで一度も?」
「誘えるわけないじゃないですか! こ、こんな、変態染みたセックスなんて……ふう、はああ♡」
雪菜は嬌声を上げた。綾瀬が指を深くまで押し込んで、ぐちゅぐちゅに掻き回したからだ。
「てことは二十年間ほぼ未使用だったってことか? ケツ穴狂いの変態には、かなりきつかっただろうなぁ」
「違うっ、違うんですっ、そんな、わたしはそこまで、じゃ、んあっ……はう、この前まで、ちゃんと意識しないでいられたんですっ、ん、ん、ふはっ、あ、そこ、気持ちイ……ぁっ」
はっと雪菜は目を見開いて口を閉じた。
どれだけ今での自分がアナルセックスから離れて、まっとうになったと主張しようと雪菜に刻み込まれた悦楽を求める心までは誤魔化せない。
アナルに指を突っ込まれて切なげに腰を震わせ笑みを浮かべているのだ。悦ぶ身体を口先だけで偽ることはできない。
「ふあ、あ、あ、あ、ん、あ、お尻、激しいっ、あ、んああ♡ ふぐ、う、う、あっ、指、そんな、ぬぷぬぷされたら、んひぃ♡」
激しく指を動かして、雪菜のアナルを徹底的に掘り返す。二十年前の快感を思い出させるように。そして、指を引き抜いてからペニスをアナルに押し当てる。
「う、あっ、それ……」
「ああ、本番だぞ、雪菜。待ちに待ったな」
「あ、あ、ああ……♡」
愕然と、雪菜はペニスを見つめる。しかし、期待に染まり切った目をしている。
「おちんちん、大きい……はあ、はあ、はあ」
「何が忘れようとしただ。雪菜。入れてもいないのに期待だけで愛液がだらだら出てるじゃないか」
「あ、んあっ、違いますっ、こんな、それは……っ」
「もう二十年か。最後の日、ケツ穴狂いだって認めたじゃないか」
「あ……ん……それは、そうですけど。んんっ……」
雪菜を後ろから抱きしめて、耳元で囁く。ペニスは挿入せず、尻の割れ目に擦り付けて存在感をアピールする。
「今更、何を気にすることがあるんだ。素直になれよ。ここまで来て、意地を張る意味もないじゃないか。気持ちよくなりに来たんじゃないのか?」
「う、あ……はあ、ん……ぁ」
綾瀬は雪菜の胸を掴んで、乳首を指先で執拗に愛撫した。コリコリと固くなった乳首を摘み、こね回す。
さらにうなじから耳まで舌を這わせて、耳の中に粘着質な音を流し込む。
「は――――ぁ、やあ……そんなこと、んあ、はあ、あ、あ、あっ」
(イキそうで、イケない。この感じ、焦れったくて、おかしくなりそう)
「や、あ、あ、あ、あ……もう、無理、です……はあ、はあ、意地悪しないでください♡」
シーツを鷲掴みにして、雪菜は全身を震わせた。
「意地悪をしているわけじゃない。雪菜が嫌なことはしないし、して欲しいことをするだけだぞ」
「じゃ、じゃあ、もう……もう……入れてください」
「入れて欲しいのか?」
「は、はい……わたしのお尻に、先生のおちんちんを入れて、思い切りイカせてください……」
絞り出すように雪菜は言った。
か細く羞恥に震えた宣言だったが、今はそれで十分だった。
「分かった。ちゃんと、力を抜くんだぞ」
そう言って、綾瀬は雪菜のアナルにペニスを押し当てて、腰を沈めた。
指で十分に解したアナルは亀頭に合わせて口を開き、ゆっくりとペニスを飲み込んでいく。
「ふぐ――――あっ!」
アロマオイルを潤滑油として、ぬるりと内部に侵入するペニス。雪菜の直腸内はキツイ締め付けで、事前準備なければ容易には掘り進めなかっただろうが、十分に解れていて、アロマオイルもあるので締め付けを愉しみつつも、根元までずるりと挿入できた。
「あ、あああ、奥まで、入って……あ、ああっ♡」
「く……ふふ、どうだ雪菜。そら、一番深いところ、お前が大好きだった場所だぞ」
「あぐ……ふひっ、あ、んああ♡ そ、そこ……あ、あ、あああ♡」
小刻みに動く綾瀬のペニスが雪菜の思い出の場所を突く。二十年前に開発され、調教された部位を的確に突いてくる。
長年、未使用ですっかり忘れてしまっていた快楽が、一突きで思い出される。
「ああああああああ、お、思い、出しましたっ、あはっ、あ、あ、そこ、気持ちイイとこ、はあ、はあ、あ」
「いいぞ。もっと思い出せ。昔は治療だったが、今は違う。純粋に、愉しめ」
「ひぎぃ♡」
綾瀬は力強く雪菜のアナルを制圧する。
太いペニスで直腸を押し広げ、ずんずんと体重をかけてしっかりと奥深くを愛撫する。
「んお、んお、んおぉ……おお、ぁ……大きい、太い、固いっ、あ、あ、あ、熱いぃ♡ はあ、はあ、んく……お、奥、当たって、ひぃあ♡ あ、あ、あ、ああっ、い、イイ♡ んあ、んあ、んああ♡ おおおぉ♡」
雪菜は野太い嬌声を上げる。
足を踏ん張って、枕を抱きしめて、くぐもった呻き声で綾瀬に応える。
「お尻に先生のおちんちん……んふぅ♡ お、お、おっ……イクっ、あ、あ、昔、みたいにっ……あ、んぐ、ふぐぅ、う、おお♡」
「どうだ、雪菜。期待には応えられたかな?」
「期待? きた、いって」
「アナルセックスしてほしくて、ここに来たんだろ?」
パンパンパン、と強く腰を打ち付ける。
「はぐ――――んぐ、おほぉっ♡ あ、あ、ああ!」
「どうした?」
「ひぐっ、あ、んお……それ、それは、んん!」
「今更意地を張るな」
ひと際強くペニスを叩きつける。
「あんぁあああっ、す、すみません! あ、ふぐっ、あ、そ、そうです。先生が来るって聞いて、久しぶりにお尻、お尻でできるかもって、思って、期待、してましたぁ♡」
「二十年間我慢してたんだもんな」
「はい、はいぃ」
「分かったから、今日は好きなだけ愉しんでいけ」
「あ、ありがとうございます。い、イキます。先生のおちんちんで、ケツ穴イキますぅ♡」
「おお、イケ。好きなだけイキ狂え。ここには俺とお前しかいないからな」
「ふああああああああああああああああああああああああああああ♡」
加速する抽挿。
雪菜は声を堪えるのをすっかり忘れて、喉を反らして絶叫する。
引き締まる直腸がペニスを絞り上げる。精液を欲しがる膣肉のようにしっかりと食らい付いてくる。一時はアナルセックスを忘れようとしたのだろうが、心身に刻み込まれた快楽は二十年では消えなかった。
「おお、おお、んおおおっ、ふぐぉ♡ あは、んあ、ふう、はあ、はあ、はあ、ああああ、気持ちイイぃ♡」
尻肉を震わせて快楽を叫ぶ。
一児の母であり一国の皇后の一人でもある雪菜であるが、今はアナルを犯されて悦んでいる一匹のメスでしかない。
「娘さんが見たらどう思うかな」
と、耳元で囁いてみる。
「え……あっ、零菜のことは……」
さすがに母だ。娘の話題を出すと我に返る。
現実を認識させれば、昂った身体すら冷えてしまう。しかし、それでも綾瀬は抽挿を止めない。
「あ……ふぐっ、ああん♡」
「雪菜、こっち向いて」
「ふあぅ、んん!?」
雪菜の上半身を捻らせて、後ろを向かせる。柔らかい唇を奪い、舌を押し込んでディープキスをしながらアナルを犯す。
「んちゅ……ん、んんっ……ふあ、反則、ん、あ……ん……ちゅ……れる……んんぅ♡」
雪菜はすぐに抵抗を諦めて綾瀬に身を委ねた。
(こんな、ずるい。零菜のことを意識させておきながら、キスまで。気持ちよくなったらいけないのに)
「ふぐぅ、んん……ちゅぷ……んん――――んあ、はあっ」
唇を離して脱力した雪菜をさらに快楽が襲ってくる。
思い出してしまったアナルの快楽に雪菜は抗えない。たとえ、愛娘を意識したとしてもだ。むしろ、現実の立場を意識したからこそ、それを穢してしまう今の自分にどうしようもない背徳感を得てしまう。
「んひっ、んあ、んあ、ああ、あああ……こんな、ダメ、ダメなのに……い、い、イクっ、お尻、イクっ、あ、ああああ♡」
「その調子。ラストスパートだ。しっかり締めろ」
「はい、締めます! 締めますっ! は、ふ、ああ、ああ、あああああ!」
ペースを上げていく綾瀬。
雪菜もそれにつられて快楽をどんどんと昂らせていく。射精が近いペニスの感触に雪菜のメスが反応してしまう。
「あ、あ、ああああ、射精、射精するんですね? ん、ふう、はあ、はあ、あ、あ、ああ、来て、来てくださいっ! そのまま、中にっ!」
「いいだろう。イクぞ」
「ひ――――あ、ああああああああああああああああああああああああ♡」
真っ白な粘液が雪菜の直腸内を犯していく。魔力を帯びた特別濃厚な精液だ。それが大量に注ぎ込まれる。
「ひ、あ、あ、イク、イク、あっ……あっ……あっ……すご、い……ぴくぴくしてる。わたしの、お尻の中で……あ、あ、あっ」
雪菜が脱力しながら絶頂の余韻に浸る。
実に二十年ぶりになるアナルセックスだ。すっかり、昔を思い出してしまい、淫蕩な笑みを浮かべて脱力する雪菜。
まだまだ未成熟だった二十年前と違い、今の雪菜は母になってすっかり熟れている。アナルセックスの具言は、綾瀬からしても絶品というほかなかった。
雪菜の尻穴からペニスを抜く。しっかりと引き締まったアナルは最後までペニスに吸い付いてくる。
「ん、あう♡」
ちゅぽん、とペニスが抜けて、精液がアナルから零れる。
その刺激で雪菜はまた軽くイったらしい。
「今日はここまでだな」
「……はい」
「また、いつでも来ていいからな。歓迎するぞ」
「ありがとうございます、先生」
雪菜は呆けた表情のまま頷いた。
久しぶりの絶頂で、体力が尽き果てている。心地よい疲労と満足感で、すっかり心身共に蕩け切ってしまった。
「また、来ます」
アナルにはまだ激しい抽挿の感覚が残っている。
膝が笑いそうなくらいに絶頂の余韻があって、今すぐに次の段階に進みたいくらいだった。