性欲の強い凪咲とそれに付き合わされているアキは、ゴールイン間近の男女のカップル。今日も今日とて凪咲の底なしの性欲に付き合わされ、亜鉛アプリを飲みながら性行為に励んでいたアキだったが、ふとしたことをきっかけに、容易に書き換えられない筈のアバターが女性へと変わってしまい……?
TSして女の子になってしまった男が、ふたなりになった恋人(♀)に美味しくぺろりされてしまう話です。
要約→いつもの
5(前編)
ギシギシとベッドの骨組みが軋む音が耳に障る。簡素な内装の部屋の中には、壁の傍に比較的大きなベッドが設置されているのみで、他に碌な家具など置かれていなかった。シンプルな内装というよりは、殺風景と称するのが正しい表現だろう。ベッド以外にびた一文お金は使っていないのだから、それも当然だ。ここは生活を送る場所ではなく、ただただ、彼女と退廃的な行為に浸る為だけにレンタルしている部屋なのだから。
「ああっ!! 良いぃ、奥までえっぐいのが、キテるぅ!!」
剛直を彼女の中にえぐり込む度、賛辞の声交じりの喘ぎ声が上がる。整った顔(かんばせ)を歓喜の表情に染め上げ、セミロングの金髪を振り乱し、全身を上気させる彼女を見る度、俺はこみ上げてくる射精欲を必死に我慢していた。攻め立てている剛槍を、きゅうきゅうと締め付ける彼女の名器も、待望の瞬間を今か今かと期待していることを鋭敏に伝えてくる。
「アキ、もっと、もっと激しくぅ!!」
快感の波と戦っている俺に喋る余裕など無く、その速度を上げ返答代わりにすると、更に攻め手を強めた。
空を泳いでいた彼女の両手が、何かを求めるように俺に向かって伸びてくる。察した俺は、ベッドに寝ていた状態で突かれていた彼女を両手で引き起こすと、胡坐を組んだ上に抱え込むような態勢にすると、思い切り突き上げた。
「ほぉっ!! んはぁっ、おおっ!!」
「き、きっつぅ……!!」
俺が突き上げる度に気持ち良さそうな音を奏でている凪咲は、全身を使って俺を締め付けた。俺のペニスに奉仕を続ける膣壁に、俺の背中に回された手が離さないとばかりに肌に食い込み、わずかに痛みを与えてくる。俺の顔付近に密着した豊満な胸からは、柔らかな感触と女のフェロモン全開の発情した女の匂いを感じ、俺の中の雄を強烈に刺激する。絶頂間近な凪咲の感じている表情も加わり、そろそろ俺も辛抱溜まらず、フィニッシュに向けてピストンを一層早めた。
「このまま出すぞ、凪咲っ」
「良いよ、そのまま出して、アキッ……!!」
とろんと快楽で揺蕩っている表情を俺に晒しながら、凪咲は肯定する。俺ももう我慢せず、抑え込んできた衝動を躊躇わず開放する。
ごちゅごちゅと激しい抽送音が鳴り、股間からは攪拌され泡立った液体がシーツにじわじわとしみ込んでいく。そんな些末事に構うことなく、軽い凪咲の体を少し持ち上げると、20cmに迫る男性器を全て凪咲の蜜壺に飲み込ませるように、勢いよく突き込み、絶頂を塞き止めていた栓を手放した。
「出すぞ凪咲……!!」
「きて、きてぇアキッ!!」
積もり積もった情欲を叩き付けんばかりに、凪咲の中へ欲望の塊を吐き出し続ける。貯めに貯めたザーメンが男性器の中を駆け上る解放感と、その精を凪咲に一方的に叩きつけているという、自分勝手な達成感と征服感は、最高の心地である。
「あっ、はぁぁあぁ……アキのが一杯、奥に来てるぅ……」
凪咲も満足したようで、イった余韻を楽しみつつ満面の笑みを浮かべていた。
凪咲が腰を上げると、ぬぽり、と淫らな音を立てながら、僅かに硬さを失った俺の男性器が抜ける。
「あー、スッキリしたぁ。んふふ、いやーいいね、最高だよそのチンポ」
「はいはい、それは、何よりで……」
凪咲がどっかと背中からベッドに倒れこむと、入れっぱなしだったあそこからぐちゅりと音がなる。いやらしい穴からどろりと垂れる白濁液は、凪咲汗だくの体とあわさり、そこはかとなくエロさを感じさせる。恥じらいなどどこかに置いてきたように、明け透けにがばりと開いた股間は、普通の男ならもう一回戦、と催してきそうなものだったが、俺の息子はピクリともしなかった。
「そりゃね、5回もすれば流石に満足してもらわないと困るよ。それにお前、こいつにいくらかけたと思ってんのさ?」
呼吸を整えながら軽く左手を振ると、半透明なウインドウが俺の視界の中に表示される。それを不思議に思うことなく、リストをドラッグし持ち物の一覧から炭酸飲料を選ぶと、手元に缶の飲み物が2本出現する。
「ほい」
「あんがと」
ベッドで心地よい倦怠感に浸っている凪咲に向かって、じとっと湿った視線と共に放り投げる。
俺の股間に収まっているこのデカチンは、俺の彼女であり、性欲魔人の凪咲の要望に応え、大枚叩いて買い替えたパーツアバターなのだから、これで満足してもらわないと困るのである。
2000年代初頭、隕石の墜落に端を発した環境汚染により、地球の生態系は崩壊した。地球に住む生物は例外なく影響を受け、多くの動植物が死滅し、生き残ったものも環境適応により否応なく変化を余儀なくされ、人間も多分に漏れずその被害を受けた。見た目こそ以前と同じものの、生殖機能など人体に色々な影響が出た結果、屋外で長時間の活動ができなくなった人類は、生活圏をバーチャルリアリティ、要するにネットの世界へと移すこととなった。そう、今俺と凪咲が過ごしている部屋も、お互いが動かしているこの体も、VR世界上で再現された仮想の存在なのである。
仕事も娯楽も、果ては現実世界の体の治療まで含め、今や人類の営みは、全てこのVR空間の中で行われている。仕事どころか、行政サービスや各種手続きも殆どVR空間上で行える上、VR空間に没入する為の装置には生命維持装置が付属しているため、よっぽどの理由が無い限り一年中ログインしっぱなしというわけだ。
この全長20cm超えのあそこも、VR空間だからこそできる整形――アバター変更を利用した結果だ。現実の肉体ならいざ知らず、VR空間ならばボタン1つでお手軽に購入、適用ができる優れモノだ。まぁその分、お金はかかるけどな。
この前18cmに変えたばかりだと言うのに、この性欲に取りつかれた女は、もっと刺激が欲しいの!! などと言って、強引に新しいのを買わせたのである。そのお値段、なんとびっくり20万円也。ほぼ俺の給料一か月分じゃねぇか。取り外しが可能なのか、人体にくっついているのかだけでこれだけお値段が変わるとは、理不尽にもほどがある。まぁ、これも惚れた弱みだから仕方ないと諦めてはいるが……
「ぷはぁー!! いい汗掻いたなぁ!!」
「そりゃ何よりだが、セックスをさわやかに汗をかくスポーツか何かと勘違いしてるんじゃないだろうな……?」
「流石にそれは無いよぉ。相手が大好きなアキ相手だから良いんだってー」
プルタブを開け、男らしくぐびっと缶の中身を煽った凪咲は、白い喉を鳴らしながら俺が渡した飲み物を飲み込んでいた。
荒れない程度に手入れされた肌に、痩せすぎず肥えすぎず、程よく肉付いた肉感的な身体に、豊満な胸。男の本能を擽る、抱かれ心地を重視したと言われてもおかしくない凪咲の身体は、金さえあれば手軽にワンボタンで出来る整形(アバター交換)のせいで、今時珍しくはない容貌である。
だが、凪咲のそれは、パーツ交換無しの天然ものだというから驚きだ。その美貌を遺憾なく発揮し、毎夜毎夜俺の都合は関係無しに種を絞ってくる凪咲は、正に天然エロボディに宿るべくして宿った性欲女といったところか。毎晩毎晩エッチを要求してくる凪咲を相手にするのは、正直体力的に厳しいものがあるが、これも惚れた弱みである。今日も俺は、黙って精力剤を飲む日々を送っている。
そんな自慢のボディの持ち主である凪咲はというと、視線を下に落とし何故か神妙な顔をしていた。どうにも最近見たばかりの、具体的に言えばつい先日アバターを再変更する羽目になった時の表情に類似した雰囲気の凪咲に、俺は嫌な予感が拭えなかった。
「うーん……
ねぇ、とっても失礼な事言っても良い?」
「何だよ」
俺が理由を尋ねる前に口を開いた凪咲は、きりりと引き締まった表情で俺を見つめる。
「ヤってる最中はいいんだけどさ、でかすぎて後で痛いわ。やっぱ戻そ?」
「流石に怒るぞ凪咲ァ!!」
「だってぇ!!」
凪咲から飛び出した暴言に思わず襲い掛かるも、気だるげな様子から一転、俊敏な動きでベッドから飛び降りた凪咲は、怒り狂う俺から距離をとる。
「凪咲が言ったから買ったんだろ!? いくらかかったと思ってんだよ、俺のあそこはおもちゃじゃないんだぞ!?」
「注文通りだよ、とっても気持ちよかったよ!! でも痛いんだよ、後でじんじんしてくるんだよぉ!! お仕事してる時に響いたら事でしょ!?」
「片腹痛いわ、俺の懐のほうが大ダメージだっての!! これ1つで俺の安月給一か月分だぞ!? あのワンタッチで何日分の生活費になると思ってやがる!!」
「く、クーリングオフ!! クーリングオフすれば良いじゃない!! ね、ね!?」
「アバターにクーリングオフもクソもあるかあああぁぁぁあ!!」
ぎゃーすか騒ぎながら、逃げ回る凪咲を追いかけて部屋を駆け回る。
凪咲とは長い付き合いになるが、しょっちゅうこんな騒ぎを起こしている為、いい加減慣れたものである。人間の3大欲求の内、性欲に全振りしたような色ボケ女ではあるが、かといって浮気するような尻軽女ではないし、決して悪い女じゃないのだ。明け透けな所も含めて好きになったので諦めている所もあるものの、今回ばかりはお仕置きくらいしないと気が済まない。おねだりされて仕方なくだとは言え、セックス用にアバター変更するために、こっそり貯めている結婚用の資金を下ろしている俺の心境にもなってほしい。
普段傍若無人な凪咲も、今回ばかりは自身の非を悟っているのか、だらだらと冷や汗を流し、俺から必死に逃げ回っていた。
「どうしてわかってくれないかなぁ、でかい肉棒(ロマンチック)を求める乙女心と、その反面後が怖いなっていう相反する私の葛藤が!!」
「……お前の言うロマンチックとやら、男性器に類する単語にルビ振ってあるだろ?」
「!? ど、どうしてそれを……!?」
「一体何年の付き合いだと思ってやがる、お前の考えなんてお見通しだ、この淫乱女!!」
「ぐ、ぐぬぬぬぬ……
くっそぉ、アキも女の子になればわかるよ!! もっと激しくセックス致したいなぁ、もっとあそこにボリューム欲しいなぁ、ってスパイスを求めちゃう女心が!!」
エロ以外の事には頭が回らない凪咲に俺を論破出来るだけのトークが出来る訳もなく、最終的に目をぐるぐるさせながらよくわからない事を喋り始めるのであった。またこいつの妄想が始まったかと、俺は頭の中で嘆息しながらも、凪咲の為を思い叱りつける。いつもの事といえばそれでおしまいであるが、笑って許してやれる段階は既に過ぎ去っているのだ。
……今思えば、凪咲のこの戯言(台詞)を止めていればこの後俺に降り注ぐ受難は訪れなかったのであろうが、怒り心頭の俺にわかるわけもなく。
「そうだよ、アキも女の子になれば良いんだ……!! 身長は131㎝位で、ちっぱいで、顔も小っちゃくて、そのくせ色んなところが敏感な、ちっちゃ可愛いエロロリ娘になっちゃえば良いんだぁ!!」
「言い訳かと思ったら、欲望塗れの自分の妄想じゃねぇか!! しかもえらく具体的だなおい!!」
「勿論、私の趣味さ!!」
「悪びれもせず言い切るんじゃねぇ、お前、今自分が怒られてるってわかって言ってんの!?」
ベッドを挟んで睨み合う俺は、堪えきれなくなったため息を1つ。やけくそになって叫んでいるだけだとは理解しつつも、中々謝ろうとしない凪咲に呆れている内心を隠しつつ、目を瞑ってじっと言い聞かせるように語りかける。
将来をともにしたいと思う凪咲が相手であればこそ、こうして説教するのである。最悪収入は俺が頑張るとして、凪咲は遊んで暮らすまでは許すにしても、最初から享楽的に生きるのを許すわけにはいかないのだ。男のプライドがあるからな。
「いいか凪咲、俺達は金持ちでも何でもない一般庶民だ。そんな俺達にとって、20万が大金なことくらいはわかるだろ?」
「それは、わかるけどぉ……」
ブン……となんだか聞き覚えのある電子音が聞こえた気もするが、気のせいだろうと説教を続ける。
「……うん? あれぇ?」
「凪咲、お前は昔からそうだ。目の前のことばかりで、後先考えず行動して……」
「ね、ねぇアキ? ちょ、ちょっといいかな?」
「ほら、そうやって話を逸らそうとするだろ。そういう可愛いところも好きだが、少しはお前も自制というものをだな……」
今度はピー……と高い電子音が耳に響いたが、頭に血が上っている俺は、凪咲を叱るのが先だと言葉を紡ごうとするが、凪咲は焦り交じりに俺の言葉を遮った。
「いやぁ、今は私より、アキの方が可愛いというかぁ……」
「はぁ?」
平均くらいの背体重で、如何にも普通の男の顔しかしてない俺に何を言ってるんだ。凪咲の意味不明な言葉に呆れ目を開けてみると、凪咲はもじもじとふとももをすり合わせ、両手の人差し指をつんつんと突き合わせつつ、熱い視線をこちらに送っていた。
何だ? こいつまさか、俺が無意識に勃起してしまって、それを見たこのビッチが勝手に欲情でもし始めたんじゃないだろうな? 発情期の犬でもそんな盛ってないぞと思いつつも、青筋を浮かべながら凪咲の視線を辿って、自身の下半身を見る。
すると、そこには不思議な光景が広がっていた。
雄々しくそそり立っているはずの、非常にお高くついた俺の男の象徴は存在しておらず。俺の眼下には、ひたすらになだらかな草原が広がっていたのだ。
「……は?」
俺のあれが、無い。大枚叩いてモデルチェンジした筈の息子が、元に戻っているどころか、存在自体が抹消されているのだ。あまりに意味不明で、理解の及ばない状況を整理するためか、反射的に手を伸ばしてみるが、視界に入ってきた決め細やかで真っ白な肌の小さな手に、思わず固まる。
恐る恐る目の前に手を持ち上げてみる。俺の指とは似ても似つかない、子供のように小さいちんまりとした手先。
「……はぁ?」
ふと視線を上げると――熱っぽい表情を浮かべている凪咲は一旦置いておくとして――、強烈な違和感を感じた。何だか、視線が低い。頭2つ分は身長差がある筈の凪咲を、今の俺は見上げているのだ。
心ここに在らずといった様子で、距離をとるために挟んでいたベッドを回って近づいてきた凪咲は、自分の手持ちから手鏡を取り出し、俺の全身が写るように翳す。俺はまさかと思いつつも、少しずつ近づいて恐る恐る覗き込むと。そこには、凪咲ご指名した通りの、身長は130cmくらいで、胸は小さくて、顔は小さい、可愛らしいロリっ子が写りこんでいた。
「……はぁ!?」
俺が右手を上げれば向こうも上げるし、ぴょんと飛んでみるとあちらも飛ぶ。状況が飲み込めず引くつく口元も、俺とそっくりそのまま同じ動きをするこのロリっ子。ここまで状況証拠が揃っていれば間違いない、このロリっ子は今、間違いなく俺自身だ。
「な、なんじゃこりゃぁ!?」
「よくわかんないけど、アバター書き換えるリング出てたから、アバター書き換えたんだと思うなぁ……」
「ええ!? いくらなんでも、男に女アバター適用は無いだろ!? しかも、凪咲の言ったまんまの格好なんて、どうかしてるだろ!!」
さっきはスルーしてしまったが、聞き覚えのある電子音は、アバター変更時の書き換え音だったのだ。通りで聞き覚えがあるはずである。つい最近聞いたばかりなのだから。
何やってるんだ運営は!! と叫んで、俺は頭を抱えた。
さらさらの髪の毛の感触や、きめ細やかな肌の感触はもとより、さっき凪咲が口走っていたまんまの可愛らしい容姿の女の子から、野太い男の声が出ているのは違和感しかないが、今はそれどころじゃない。
何をどうすれば、俺が目を瞑って凪咲に説教していた十秒足らずの時間で、俺のアバターが男から女になるんだ。しかも、凪咲が血迷ったように叫んでいた容姿通りの姿に変わるなんて、理解が追い付かない。
今俺たちがいるVR空間は、かつてのようにエンターテイメントの一環としての場所ではなく、第二の現実世界として構成されている。だからこそ、VR世界で使用する第二の体であるアバターはDNAの配列を元に現実世界での体を再現したものとなっており、正しい意味でもう1つの自分の体といっても過言ではないのだ。だからこそ、現実世界で言う性転換手術等と同じ要領で異性のアバターを適用させるというのは、面白半分や苛め等で強制されないよう法律で厳しく制限されており、性同一障害が認められた人が相手であろうとそう簡単に許諾されない程、適用条件が厳格に定められているのだ。しかも、犯罪に悪用されないよう、アカウントの性別の項目は個人情報の保護と共に厳重なロックがかかっている。万が一バグが起きたところで、そう簡単に変わり得るものではないのである。仮に開発者がハッキングを試みたとしても出来るかどうかもわからない、そんなレベルのセキュリティに守られている筈だった。
それを知っているからこそ、こうしてあっさり女になってしまっている事に混乱しているのだ。
「何がどうなってるんだ。まさか、テロにでも巻き込まれたのか……?」
指を握ったり開いたり、俺の思いのままに動くロリ娘に、困惑を隠せない。現実感が無いとは正にこの事。いや、正確には現実ではないのだが、実際の犯罪ですら聞いたことのない事態に、理解が追い付かない。
「私の、理想の女の子……もしかして……」
まるで意味が分からん、早く運営に通報するべきか……などと頭を回し唸っている俺に対し、ぶつぶつと何かを呟いている凪咲。一杯一杯な俺は、怪しげな笑みを浮かべる凪咲の様子に気を回す余裕なぞなく。
「声は、舌ったらずな子供っぽい甲高い声で……」
「えぅん?」
喉元にアバター変更のリングが通ったとと思ったら、俺の声が見た目相応に甲高くなり。
「もうちょっと、髪はふわふわの長めで……」
「お、おお?」
今度は鏡に映っているロり娘の髪が長くなって。
「眼鏡を、掛けてる」
「えぁ?」
ポン、と鼻の頭にのっかるのは可愛らしいデザインの赤縁の眼鏡。10秒もかからず、あっという間に凪咲の思い通りの姿へ大変身だ。
デバッグ用のプログラムでも走っているのか、凪咲の言う通りに変貌する自身の姿を見て呆然とする俺を尻目に、はぁあ!! とあらぬ声を上げながら胸を抑える凪咲。
「はあぁあぁん!! やっぱり!! アキのアバター権限は今、私の中にある……!! 完ッ璧だわ、私の理想の女の子が今、私の目の前に顕現した……!!」
「何をした、この淫乱娘!?」
喜びのあまり、涙を流しながらこちらに熱い視線を送っている不審者に詰め寄り、肩をつかんで揺するも、身長差がある上にこっちの方が低いせいで、絵面は仲の良いお姉さんと戯れている小さな女の子であった。中身はそれとは程遠いけどな。
「私の言う通りにアキのアバター書き換わるんなら、微調整もいけるかなって……ほら、アキも折角なら可愛い方が良いでしょ?」
「否定はせんが、ロリは無いだろロリは!! せめて胸のでかいグラマーな女性にしろよ!! っていうか、変更できるなら元に戻せ!!」
「いやぁ、なんだか惜しくって……」
いつの時代も、胸の大きな女性を自分のモノにするのは、男のあこがれである。だから、もしそれが自分のモノになれば、遠慮なしに揉んでみたいと思ってしまうのは抗えない男の性なのである。
……まぁ、自分のモノ、という言葉のニュアンスが些か違う気がするが、そこは気にしてはならない。
グラマーって死語じゃん、と冷静に突っ込まれるも、理解の及ばない事態の連続で沸騰している思考回路がまともに働くわけがなく。凪咲の胸元を掴みがくがくと頭を揺さぶり抗議するが、頭がお花畑状態の凪咲には通じず。
凪咲は変わり果てた俺を見て、にへらとだらしない笑みを浮かべ、のらりくらりと俺の追及をかわしている。
「惜しくってぇ、じゃない!! くっそ、こうなったらさっさと運営に通報して――」
「ま、まったァー!!」
「オ゛ッフ!!」
埒が明かない。そう思った俺が、凪咲を放ってコンソールを立ち上げ運営に連絡を取ろうとすると、慌てた凪咲から腰にタックルを食らい、視界がぐるりと回る。
ぼふ、と背中を打つベッドの柔らかな気持ちの良い感触と、情事の後で濡れた気持ちの悪い感触。綯交ぜになった、混乱しきった今の心境と全く同じ触感。どうやら、通報を阻止するためにベッドに押し倒されたようだ。
「もったいないよロリっ子!! どうせ通報したら元に戻っちゃうんだよ!? 折角なら楽しまないと損だと思わない!? ね、ね!?」
「ひ、必死すぎて怖いんだけど……」
ベッドに押し倒された俺が天井を背に見上げるのは、相変わらず色欲に満ちた色気全開の凪咲の表情。男ならば多少でも劣情がこみ上げそうなものだが、生憎、今の俺は小さな女の子。今の俺には、凪咲が捕食者にしか見えなかった。
今の貧弱な体では、女性としては小さな部類に入る凪咲の体すら押しのけることは出来まい。しかも、ウインドウを操作されないよう両手首を押さえつけられているため、運営に通報も出来やしない。
……あれ? 俺、これ詰んでない?
今強引に迫られれば、抵抗すら出来ないという事実を今更認識し、恐怖を覚える俺。
俺の目に浮かんだ怯えに気づいたのかどうか。凪咲はお構いなしに、説得という名のもと、自身の欲望を垂れ流す。
「アキも興味あるでしょ!? おっぱい触られたり、クリ弄られて、びくびくーってなっちゃう、女の子の快感!!」
「いや、無いといえば、嘘になるけど……」
ぎらついた目。その矛先が俺であることはいつもと変わっていないのに、体を貪られる側に回っただけでこんなにも感じる圧が違う。唇を湿らせるように動く舌先は、ちろちろと俺を挑発するように空を切っている。
興味が無いわけではない。実際、これで相手が凪咲で無ければ安心して身を任せたに違いなかった。そう、よりにもよって、相手がこの色情狂女でなければ。
っていうか、凪咲って女もイケる口なの? しかもこんなロリボディを? 長いこと連れ添ってきた俺でも初耳なんだけども?
「でしょ!? もう天にも昇る心地で、アキもハマっちゃうこと間違いなしなんだから!! 男のまま女イキ出来るなんて世界初だよ!? 今だけだよ!? 今のうちにやっとかないと損だよ!! ほら、今なら私の長年のオナテク駆使して天国見せて上げるから!!」
「いや、それなら自分でオナるからお前は別に――」
「いやいやいやいや!! そんな遠慮しなくても!! ここは女の先輩に任せてよ、最初から最後まで懇切丁寧に、優しーく手解きしてあげるからさ……!!」
優しくという割には力強く断言し、目を爛々と輝かせ、涎を垂れ流さんばかりに視線で俺の肢体を嘗め回しているこの女を信用するのは、俺の中身が本当にロリ娘だった場合だけだ。いや、ひょっとすると誰も騙されないかもしれないな。純真無垢な子供だからこそ、凪咲の言葉に含まれた欲望を見抜くだろうし。
いくら将来を共にしたいと思った凪咲が相手でも、こと性的な事になると途端に信頼度が下がるのである。
普通なら頭の弱い凪咲を言いくるめて終わりにするところだが、頭がお花畑どころか噴火寸前の火山のような状態で熱弁を振るう凪咲に、通常の論理が通じるわけがなかった。いくらそれっぽく話していても、頭の中は自分の理想の女の子を美味しく頂くことをしか考えていないに違いない。
ほら、もう頭の中で凌辱が始まってるぞ、きっと。口から涎を垂らすなんてまだ優しい、マウンティングを取られている俺のお腹に密着している凪咲のあそこは、妄想だけで興奮しきりのようで、とろとろと流れ出る透明な液体でぷにぷにのお腹をコーティングしていた。自分で言うのも悲しいが、俺の手触りの良い肌を楽しむように、凪咲はぐりぐりと腰を擦り付け感触を楽しんでいる。
非常にまずい。このままでは、まず間違いなく食後のデザートにされる。どうにかしてこのバグを通報しないと。
段々と加速していく凪咲の口上と共に、血走り始める眼に危機感が限界に達した時、ピンク色に染まりかけた脳細胞に名案が閃く。
凪咲の油断を誘うように、さも嬉しそうに微笑む。
「そうかそうか、それは有難いな」
「でしょ!? 私、アキへの優しさで満ち溢れてるでしょ!?」
「そうだな、とても嬉しいよ」
「えへへ……大好きなアキの為だもん、私も一肌脱いじゃうよ!!」
ちょっと下手に出てみると、御馳走にありつけると確信したのか、嬉しそうに頬を緩ませる凪咲。じゃぁ早速頂きます、とばかりにぺろりと舌を出した凪咲の不意をつくように、ぽつりと呟いてみる。
「……して、その心は?」
「合法ロリ娘を心行くまで堪能したい」
キリリとした表情で、下心満載の本音がぽろり。
「やっぱりじゃねぇか!! 俺は抜けさせてもらう!!」
「いや゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛待っでぇぇぇぇ!!」
本音が漏れ力が緩んだ隙をついて拘束から逃れ、圧し掛かっていた凪咲を突き飛ばすと、ベッドに俯せになりウインドウを開くと、運営への通報画面を立ち上げる。俺史上最速のタイムで操作し、何とか後は最後のボタンを押すだけの段階までもっていけたが、そうはさせまいとする凪咲に両足に抱きつかれ妨害された。ラグビー選手もかくや、というレベルの高速タックルだった。おかげで、押しかけた指が衝撃であらぬ方向につき抜ける。
「ごあっ、ぐ、離せ、このけだものッ!?」
「は、離すもんか……!! 私のまいすいーとはにーを、私が美味しく頂いた上にいっぱいお代わりして、おなか一杯になるまで、この手は離さないぞっ……!!」
「外見はともかく、中身が男のハニーがいてたまるか!? お前本当に見境無しだな!?」
「私の理想のロリ娘が具現化してるってだけでどうかなりそうなのに、中身アキだなんてそんなの美味しすぎるよっ!! 鴨が鍋一式しょって現れて、下味付けて盛り付けた上に、後は火をつけるだけですさぁどうぞ、って言ってるようなもんじゃんか!! ここで逃げれば、女が廃るってもんよ!!」
「それは、普通、男のセリフ、だろうがっ!!」
げしげしと足であちこち蹴りつけて何とか解放されようとするものの、俺の腰に回った凪咲の手は万力のようにビクともせず、むしろ強まるばかり。ふと気になり、首を回して抱き着く凪咲の表情をうかがってみると、蹴られて怯むどころか、むしろ抱きついた俺の腰に頬ずりしてうっとりとした表情を浮かべている。
この女が性欲に忠実な奴なのは知っていたつもりだったが、こんなに変態だったっけ……?
頼りない俺の全身にねっとりと絡む凪咲の視線に、寒気がこみ上げる。思わず緩んでしまった攻撃の手を合間にするするとベッド上を駆け上った凪咲は、振り返っている俺に見せつけるように舌をべろりと出すと、背筋を舐め上げた。
「は、あぁあぁっ……」
ゾクゾクとした寒気の様な感覚が、背筋から脳へと伝達される。だが、先ほどの恐怖から来るものではなく、こそばゆい様な僅かな快感交じりのそれに、俺は情けない声をあげ、全身から力が抜ける。意志とは裏腹に、抵抗感が削がれていく。
「あは、可愛い声」
喜色交じりの声に、凪咲の口角が吊り上がる。
男の癖になんて声をあげてるんだ俺は、戸惑った俺がそう口にする間も与えないように、凪咲は追撃の手を緩めない。
積もったばかりの新雪を踏み固めていくように、背骨に沿って背を北上していく凪咲の艶めかしい舌遣い、さわさわと脇腹を擽る軽やかな指遣い。
溜まらず漏れてしまう声に、凪咲のボルテージは上がっていくばかり。
「きゅふぅっ!? あっくぅ、や、やめぇっ……」
「TSした娘は感度抜群だって、昔から相場が決まってるんだよ? ほら、背筋舐められただけなのに、ぞくぞくーって気持ちよくて仕方ないんでしょ?」
生娘の様な声を上げてしまう自分への恥ずかしさと、凪咲の思惑通りの反応をしてしまう自分への情けなさで頭がどうかなってしまいそうだった。
態度では返事をしたも同然だったが、意地でも肯定してやるもんかと、ぽふりと顔を枕に埋める。
息苦しさなんて構うことなく、勝手に漏れ出る声を枕で押し殺す。
「そんな頑張って我慢なんてしなくて良いんだよ? アキは今可愛いロリっ子なんだから、ちょっとした刺激に敏感に反応しちゃうのも当然だよ。女の子の先輩である私が言うんだから間違いないって」
「んんんっ!?」
耳たぶを唇ではみはみとされながらの囁き。凪咲の声が鼓膜を擽る度、俺の意思とは裏腹に全身が勝手に動く。きゅっと両手を握りしめ、堪えようとする。だがやはり、女としての経験値は向こうのほうが上。
涎を絡めた舌を耳の中に差し込まれ、ぐるりと耳の穴を一周。聴覚が凪咲にジャックされたかのように、水音が俺の頭の中に満ちる。いつものセックスの最中鳴り響く淫靡な音に似たそれに、頭がふわっと浮く感覚。
俺が硬直した瞬間、すかさず凪咲はシーツと俺の体の間にするりと手を差し込むと、ロリ娘らしい薄い胸の頂点に座している突起物を、きゅ、と摘まむ。
「~~――!!」
胸から走る、今まで感じたことのない類の想像を絶する快感。触られたくらいの軽い刺激なのに、恐ろしいくらい強い快感。枕に顔を埋めて居なければ、あられのない声を漏らしていたに違いなかった。
(なんだこれ……!? 凪咲の奴、いつもこんな快感味わってんのか……!?)
指で挟み、ぐりぐりと根元から潰すように刺激されると、快感の波は更に高くなる。
普段味わっている男の快楽とはまた違う、じわりじわりと染み出すような快楽に、時折鋭い閃光が混じる。
「きゅ、っふぅぅ……!!」
「ぁぁぁ、その押し殺した声も良いけど、今のアキ、絶対可愛い顔してるよ……見たいなぁ、アキがイクの必死に我慢してるメス顔見たいなぁ。普段かっこよくて頼りがいのあるアキが、可愛くおねだりしてる姿見たいなぁ」
「ん、んんんん……!!」
突っ伏したまま頭を左右に振り、必死に否定する。少しでも顔を上げたら嬌声が出てしまいそうで、これが最大限の抵抗だった。
凪咲との行為中、プレイの一環として凪咲の胸に舌を這わせることはあれど、あくまで雰囲気作りのようなもの。実際に凪咲も、そこまで気持ち良い訳じゃないとぶっちゃけていた。なのに、いざ俺がされる側になってみるとこの様である。
敏感なんてレベルじゃない、擽るような手触りだけで心臓が跳ねる。こりこりと刺激された日には真っ暗な視界に火花が飛び、ぎゅっと目を瞑り、ベッドのシールを握りしめ耐えることしかできない。
任せろと豪語するだけあり、女体の扱いは俺よりも何枚も上手の様だった。更に質の悪いことに、凪咲は女を手籠めにするのも上手いようで。
「アキったら強情なんだからぁ。ほら、顔枕に埋めたまま、深呼吸してみ? さっきまで私が寝っ転がってたから、濃厚な私の匂いが染みついてるでしょ」
経験したことのない刺激に抵抗するのに必死で、つい反射的に、凪咲に言われた通り肺一杯に空気を取り込む。あ、と後悔するも後の祭り。嗅覚に満ちるのは、発情した愛した女の香りだった。
脳の冷静な部分が、どろりとした何かが、股の奥底から吐き出されたのをしっかりと認識してしまう。
「えへへ、ほんとに女同士ならともかく、アキなら感じてくれるでしょ? 大好きな人に可愛がってもらって、発情しちゃった女の匂い。きゅんきゅんお腹に響くでしょ?」
「ふーっ……ふーっ……」
ついさっきまで当たり前に吸い込んでいた空気が、途端にピンクに染まった気がする。
部屋に充満しているのは事後特有の性臭だが、ベッドに染み付いているのは甘酸っぱい、発情した女が発するフェロモンだ。凪咲が残した濃密な性の香りは、凡そ性行為を経験しているとは思えない未熟な体を、あっという間にアイドリング状態へと移行させた。
体の内側から堪えようのない熱が発せられる。沸き起こる性行為への渇望。いつもなら何かにぶつけて解消しているがを、この頼りない体はその発散する術がない。代わりに、足りない何かを埋め合わせるように必死に求めている。
一度意識してしまうともう駄目だった。見て見ぬ振りなどできず、余計にその感情を募らせていくばかり。
「我慢は体に悪いし、正直になった方が良いよぉ?」
「くっ……きゅふぅッ!! ふーっ、ふうぅ、ふぅぅー……!!」
凪咲より高いソプラノ声が、獣のような唸りを上げる。
ベッドから漂う凪咲の気配に加え、俯せになった俺に凪咲が伸し掛かっているせいで、背中に密着してる肌から伝わる、凪咲の鼓動、熱、期待感。さながら、全身を凪咲で包まれている錯覚さえした。
そこに絶え間なく襲い来る胸から走る甘い電流が合わさり、必死にキープしていた理性が融け始める。
凪咲という存在が、俺を捕食しようとしている恐怖の対象から、元の愛しい恋人へと徐々にシフトしていく。騙されている、誤魔化されようとしている、そう頭ではわかっているのに、体が言うことを聞かない。
「ほらぁ、アキの出来立てのあそこも、ぐちょぐちょってエッチな音立てちゃってるよ。早く私に食べてほしいなーって、私に泣いて頼んでるよ?」
「くふぅぅっ……!!」
凪咲がぐりぐりと腰を押し付けると、つられて俺の下半身も動き、ベッドに股間を擦り付けるように右へ左へと誘導される。耳を打つぐちゅぐちゅ鳴り響く水音は、興奮しきった凪咲の愛液だけではあるまい。湿った下半身の付け根の感触は、俺の受け入れ態勢が準備万端であることを俺自身に伝えてくる。
「アキったら耳まで顔真っ赤になってる。全くもう、可愛いんだから。
恥ずかしいよね、でも大丈夫だよ。今のアキを見てるのは私だけだから、安心して楽しんで良いんだよ?
私に全部任せてくれたら、もっと気持ち良くしてあげられるんだけどなぁ……?」
絶対に禄でもない事になる、頭ではそう理解しているのに、初めて味わう女の衝動という名の火に晒され続けた俺の理性は、既に白旗に手をかけていた。普段の吐精を我慢する感覚とは違う、今まで感じたことのない乾きや、底なしに餓える衝動を抑えるのに必死だったのだ。
触った瞬間イクのは決定的で、気持ち良いのは間違いない。俺は凪咲の悪魔の囁きにも似た凪咲の言葉に逆らうことで精一杯。その攻勢の前に、思わず全身の踏ん張りが解けた瞬間を見逃さなかった凪咲は、俺の身体に手を回すと、すかさず俺の身体をひっくり返す。
「ぁっ……」
しばし見つめ合う凪咲と俺。いつもと違う、凪咲を見上げる体制に、胸が跳ねる。
凪咲は相変わらず欲望全開の笑みを浮かべているものの、若干理性が戻っているのか、先ほどまでの暴走気味の様子ではなかった。だが、却って冷静になってまじまじと観察されているのだと思うと、余計に羞恥心が強くなる。
「今のアキ、やっぱり可愛い顔してるね。ぷにぷにの頬っぺた真っ赤にしながら、潤んだ瞳で私を見つめて、私に何かをおねだりしてる」
そんな訳ない、と言い返す余裕すらない。俺自身が一番よくわかっている。早くなる薄い胸の隆起も、下半身の疼きも、俺に訴えかけてきていた。
浅ましいその欲求を、見抜かれている。恥ずかしさから直視できず視線を逸らすも、凪咲に両頬に手を添えられ、視線を戻される。
「こっち向いて、アキ」
「あ、うぅ……」
間違いなく、最初に叫んでいた通りの妄想交じりの欲望が原動力だろう。
だが、情動たっぷりに呟かれると、性欲交じりの瞳がその実、愛おしさで一杯になっている様を見ると、これ以上我慢できなかった。
あそこから液体が垂れる気色の悪い感触。紛れもない、これからの行為への期待の証。
「アキは、どうして欲しいの……?」
優し気な笑みを湛えた凪咲は、静かにこちらの返事を待っている。
ああも、駄目だなぁ。
凪咲の笑みの裏に潜む性欲に忠実な性格も、何だかんだ本当に嫌がっているところはこうして選択を委ねてくれる優しい所も、全部ひっくるめて好きになったんだから、少しは騙されても良いかなと、つい甘くなってしまうんだ。
凪咲だからな、と安心している自分に呆れる。
「わかったよ。頼むから、優しくしてくれよ……?」
しっかりと顔をホールドされているから、視線だけでも端に逸らす。
こいつじゃなかったら、こんな恥ずかしいセリフ言ってやるもんか。火照る全身はきっと、発情や恥ずかしさだけじゃなく、照れによるものだ。
どうせ暴走するんだろうが、少しはこいつの良心とやらを信じてやろう。
そう思い、恋に夢見る年齢だろうこの体相応の態度として、目を瞑り、その時に思いを馳せた。火照った体からこみ上げる衝動を我慢しつつ、僅かな期待と共に凪咲のリアクションを待ち望んだ。
バレンタイーン
(もし、書くとするなら)次のうちどの蛇足が見たい?
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幸平と美衣
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慶介と恵里佳
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アキと凪咲
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真尋と亜美
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TSしちゃった連合の飲み会話