※この作品はR-18です。

雪の楽園   作:ホネ

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今回からいよいよ海外編に入ります。海外編は舞台があまり馴染みの無い場所になりがちなので描写はしっかり書きこんでいきます。
また、今まであまりスポットライトが当たっていなかったキャラに焦点を当てつつメインはしっかりと際立つような章にできれば良いなと考えております。

それではどうぞm(__)m


第二十五話

空港は多くの利用客で賑わっていた。数百メートルもの長さがあるチェックインカウンターに数多の航空会社が整列し、乗客の荷物を預かっている。チェックインカウンターの後ろに鎮座する長いベルトコンベアに乗客の荷物が次々と乗せられていた。流石、海外への玄関口といったところか。場内アナウンスがひっきりなしに流れていた。待合椅子には両親のチェックインの手続きの終わりを待っている子どもたちがゲームをしながら待っている。そういえば、運の悪いことに日本の旅行シーズンと今回の出張が被っていた。場内にある電光掲示板にはまだ俺達が乗る航空便は表示されていなかった。大事を取って早めに集合場所に入ったが、どうやら早く着きすぎてしまったようだ。最近では飛行機には搭乗しないが、空港内部の売店やイルミネーションを鑑賞する目的で空港を楽しむ人も多いと聞いた。空港探検もしてみたかったが、まずは集合場所の確認を優先した。

「おう、来たか」

既に芦間が居た。一番最初かと思っていたが違ったか。

格好を見て芦間は渡航慣れしているのがすぐ分かった。背負えるタイプの黒いビジネスバッグに、一週間の宿泊分にはちょうどよいサイズの灰色のスーツケースに旅行先で購入したであろうステッカーがびっしりと張り付いていた。こいつはこういった趣味が無いと思っていたので少々意外だった。

「お前って結構旅行するのな」

「いんや、シール集めが好きなだけで旅行行ってないぞ。コレは面白いと思ったシールをただヴィレヴァンで買い集めるって趣味の名残だな。そもそも留学していて海外にずっと居たからさ、あんまりそれ以上どっかに渡航する気分になれなかったわ」

「そ、そうか」

なんて紛らわしい。てか、こいつが留学経験あったの忘れそうになる。未だに芦間が流暢な英語を話す姿を想像できないわ。

「ヴィレヴァンはいいぞ。面白いものがいっぱいあるから」

「俺もよく行くから分かる。基本的には本しか見ないが」

「結構変わった本があるよな、あそこって。旅行記だけの棚とか、古典だけの棚とか」

芦間はスーツを脇に抱えながら、あたりを見渡していた。ちょうど視線の先に人事の島田さんと智佐吹さんの姿が目に入った。二人共、ビジネスレベルのドレスコードをしっかりを遵守した正装でやって来た。まぁ、このイベントにドレスコードもへったくれもないのだが。

「おはよう!早いねぇ〜トシも比企谷君も」

「お二方も随分とお早いですね。まだ30分もありますよ」

芦間が陽気な声で二人を迎えた。

「いや、流石に上司が一番遅いのもどうかと思ったからさ。でも、君らど真面目だからそんな気遣いも水泡に帰したところってわけ」

智佐吹さんがむくれたような顔をした。

「そりゃあ申し訳ないことを」

「まぁそこにまで気を払われるのもどうかとは思うから全然構わないよ。じゃあ、先にひとまずチェックインしちゃいますか」

「早く着きすぎたので受付にもう少し待ってくれって言われるかもしれないですね」

「とりあえず聞いてきましょう。私が行ってきますよ」

そういうと人事の島田さんがチェックインカウンターに向かった。こういうのは下っ端である俺や芦間がやるべきなのだろうが、島田さんが割と何でも自分でやりたがるタイプだったので、静観した。最近はカウンター前にある機械でチェックインと航空券の発行を行って荷物預かりだけカウンターで行う航空会社も少なくない。俺たちが搭乗する航空機の会社も多分に漏れずその一例の一つだった。

「昨日は良く眠れたかな?」

ふと隣に智佐吹さんが居た。他愛のない会話にもなにか含みがあるのではないかと警戒してしまう。思わず身を引きそうになったが、芦間に妙な勘ぐりをされたくなかったので、そのまま聴いていた。

「生憎とよく眠れませんでしたね。いかんせん、妻が激しかったものですから」

本来であれば避けるべき話題だが、あえて牽制の意も込めてそのまま事実を伝えた。智佐吹さんは一瞬目を丸くするも直ぐに元の調子に戻った。

「そっか、なら飛行機の中でぐっすりと眠ると良いよ。因みに隣、私だけどね♡」

そう言うと、智佐吹さんは俺の胸を人差し指で小突いた。くりくりと乳首の先を狙ってこね回すように指をなぞらせている。彼女は全然堪えてなかった。寧ろ、闘争心に火を点けてしまったようだ。もし俺が寝ようものなら何かしでかす気満々だ。寝首を掻かれるかもしれない。一瞬たりとも気を休める時が無さそう。早くもお先真っ暗である。

搭乗口の椅子で待っていると一色から電話があった。そう言えば智佐吹さんと三人で飲んで以来、あいつに何も連絡せずただ黙って空港まで来てしまっていた。うーん、出たくない。絶対あいつ怒ってる。いろはす激おこぷんぷん丸。

しかし、放置なんてのは言語道断の極み。事を荒立てる結果にしかならない。なので仕方なく場所を離れて、彼女の着信に応対した。

「おう、どうした?」

『どうしたじゃないでしょう!?なんで電話してくれないんですか!』

もう既に世紀末でした。いろはす最終形態なう。

「いや、あの。ほんとすいません。色々と立て込んでまして…」

『もう!それはこっちだって分かってるんですよ!だけど電話して欲しかったんです!』

なんと身勝手な。今に始まった話でもないが。

『向こう一週間くらい会えなくなっちゃうんですから、その前に一回くらい連絡下さいよ…。私だって、寂しいんですよ…?』

一転、一色は泣きそうな声色になっていた。もう、女の子って難しい。というよりは卑怯だろ…。

「…悪かった」

『そ、そんなに謝らなくても…。そりゃあ、私だって、すごくわがままな事言っている自覚はあるんですよ?でも、先輩が心配なんです』

「そのことだが、この前、智佐吹さんと何話したんだ?」

率直な疑問を一色に伝えてみた。

『え、あの人から聞いてないんですか?智佐吹さん、先輩に告白したって言ってましたよ。昨日LINE来ましたから私に』

貴方達、いつの間に連絡先交換していたのね。仲良くなったから交換しましたって感じでは全く無さそうだけども。というかそんなことまで連絡し合っているのか。

「いや、まぁ。そうだな。それはそうなんだが、他に何か話したのかと思ってだな…」

『と言われても、他には特に何も話してないんですよね〜。ただ、二人同じ目的同士、協力して先輩を陥落させてやろうって結託しただけです』

それは大事なんですけど。何か話がやばい方向に…。

『先輩、智佐吹さんには気をつけてくださいね。あの人この出張中に先輩の事寝取る気ですよ』

「それ聞いて、どうしろっていうんだ!?」

『理性を強く保って下さい!雪乃さんならともかく、あの人に先越されるのは絶対に嫌です!!』

「そこで何故雪ノ下が出てくる…」

というか雪ノ下ならともかくとは何だ。俺がどんだけ節操無く色んな女に手を出すと思っているんだこいつは。

『だって、先輩智佐吹さんすごくタイプでしょ?見た目とか性格とか。ああいうエロい大人の魅力出してる人にとことん弱いじゃないですか。何年私が先輩の追っかけやってると思ってます?後から出てきた女に負けたくないですよ!しかも年上の女に!』

「そこ重要なのか?」

『重要ですよ!なんせそれで先輩が堕ちちゃったら先輩が年上好きってことじゃないですか!先輩は年下好きじゃないといけないんです!』

「意味が分からん…」

『とーにーかーく!毎晩きちんと私に電話すること!安全確認怠ったらペナルティですからね!あの時は勢いで手を組んじゃいましたけど、実際はあの人敵ですからね敵!』

「勝手にルール強制しておいて、ペナルティって独裁者かよ…。あと敵ってもうちょっと言い方なんとかしなさい…」

『じゃあ先輩、気を付けてくださいね!お土産は私と玉木さんの分ちゃんとお願いします!』

「相変わらずそこはちゃっかりしてるのな」

『待ってますからね!ではでは!』

「おぅ、土産はきちんと買っとく」

そこで俺は電話を切った。一色と電話すると毎回精神的にすごく疲れる…。

「いろはちゃんから?」

「うお!?」

隣に智佐吹さんがいた。いつの間に。電話の内容聴かれてないだろうなぁ…。

「変なこと吹き込まれたんでしょ?」

「そうですね、邪推もいいとこでしたよ」

「どうせ、私が比企谷君を寝取るとかそんなこと言ってたんじゃない?」

「凄いですね。まさにそのまんまです」

「失礼な!いろはちゃんには義理があるからね。つまみ食いぐらいしかしないよ!」

「それもうアウトです」

「もう、いけずだなぁ比企谷君は」

周りには芦間も島田さんもいなかった。二人になると凄い甘えてくるなこの人。出来るだけ、芦間と一緒に居るようにしよう。

 

 

飛行機の中では智佐吹さんは意外にもおとなしかった。というか本当に隣の席だった。俺よりも先に眠りについていた。出張前まで激務に追われていたようだったので致し方ないだろう。俺の肩に頭をあずけて静かに寝息を立てていた。彼女の赤茶色の艶のある長い髪からシャンプーのいい匂いがするので俺は変な気分になって全く眠れないんですけどね。

既に機内は消灯され、暗くなっていた。俺はそっと彼女の寝顔を盗み見た。

年上の上司には全く見えない。均整の取れた顔つきだが幼さを感じさせる。胸には暴力的な大人の魅力を蓄えていた。本当に綺麗な人だよな…。俺この人に告白されたのか。未だに信じられない。

それにしてもどうしようかこの状況。俺は今窓際の席に座っており、智佐吹さんが通路側だ。彼女は俺を窓際に押しやるように体を寄せている。ついでに腕も絡められていた。トイレに行きたくなったらどうしよう…。

ほらな。そういう事考えだしたら尿意を催してきた。

「すみません。ちょっと腕離しますよ…」

寝ている智佐吹さんに独り言のように語りかけながら、腕を離した。その後、もたれ掛かる彼女の身体を真っ直ぐに戻して、後方にあるトイレへと向かった。

ラバトリーの中で自分の顔を見た。昨日は結衣と激しく交わったせいか寝不足だ。ただ、目の下に隈は出来ていない。流石に飛行機の中で何時間かは寝ないと空港についた後もしばらくは移動で身体を休めることが出来ないので体力的な問題が生じる。それにしても昨日頑張りすぎてしまった。今でも鮮明に彼女との一夜が蘇る。間違いなく一番興奮した夜だった。いかん、鏡にとてつもなく気持ち悪い男が写っている。放送できないようなニヤケ顔。悲しいことにそれは俺なんだよなぁ。

ドアを開けると大きな金髪の男性が立って待っていた。どうやら待たせてしまったらしい。“I’m sorry”とぎこちない英語で挨拶を返した。男性は笑顔で問題ないと表情で答えてくれた。気流で揺れる機体の中、暗くなった足元に注意しながら自分の座席へと戻った。

席では智佐吹さんが先程のまま気持ち良さそうに眠っていた。すやすやとあまりにも無邪気に寝ているものだから、彼女を起こさないよう慎重に前を跨いだ。

前足を自席のフットレスト付近に置いて、もう片方を引き寄せようとした時だった。智佐吹さんの胸元が無防備になっているのが目に入ってしまった。長旅の中、ボタンを上まで締めておくのが辛かったのだろう。谷間の上端がはっきりと見えてしまう。臀部が当たらないよう気遣って正面を向き合って通ろうとしたのが間違いだった。気にしまいと思えば思うほど下半身が熱くなる。

細心の注意を払ってもう通路においた足を持ち上げた。そのまま軽くジャンプし、窓際に降り立つことに成功した。

なんとか、自分の席に戻ることが出来た。なんだかもの凄いいらないところでエネルギーを消費してしまった気がする。

着席し息を整えてシートベルトを締め直したその時だった。丁度、智佐吹さんがまた俺に寄りかかり、シャツがはだけてしまった。ちらと首元を見ると、思った以上に素肌が露出してしまっている。上空一万メートルでは機内の気温も下がり、時期によっては夏でも暖房具が必要になる。彼女の足にはレストランのナプキンのようにブランケットが置いてあった。ブランケットを上までかけなおそうと彼女のシートベルトを外した。シャツも乱れてしまっているため位置を整えるか迷ったが、流石にこのままもなぁ。今は周りも暗いし、本人も寝ている。そう思い、そっと胸元に手を伸ばした時だった。

突然、伸ばした右手を掴まれた。心臓が跳ね上がり、驚いて声を漏らしてしまうすんでで口元を手で塞がれた。

「寝込みに手を出すのは駄目だよ〜?」

いじらしく笑う智佐吹さんがこちらを見ていた。

「もしかして、暗闇の中、隣に座る無防備な女性を見て欲情しちゃった?」

旅路の始まり早々に暴漢の嫌疑をかけられるとは想定外だ。ところが、襲われかけた(?)本人は事実とは裏腹に何やら嬉しそうだ。

「そんなつもりはないですよ。ただ、服がはだけていましたし、寒くなりそうだったので毛布を肩までかけてあげようかと思っただけです」

「だと思ったよ。比企谷君紳士だからね」

「分かっていたならからかわないでほしいですね。寿命縮みました」

「それは困るなあ。君には長生きしてもらわないと」

「長生きの為には智佐吹さんとは距離を取らないといけないですよ」

「もう、人を疫病神みたいに」

小さな声でお互いが囁き合うようにして言葉を交わした。話しているのは俺達だけのようだ。機内に伝わる轟音が静寂を語るのは奇妙な話だが、実際そうだった。

「もう周りの人は皆寝ちゃったかな?」

智佐吹さんは隣の通路に座っている乗客を横目で見るように誘導した。確かに通路に座る乗客たちは全員寝ている。前の乗客は映画を見ていた。後ろの乗客も既に夢の中だった。芦間と島田さんは離れた席に座っている。

「そうですね。日本からの便ですけどよく見たら殆ど周り外国の人ばかりですね」

「うん、皆旅行帰りだったり、出張帰りなのかもしれないね」

智佐吹さんがぽんと肩に頭を乗せてきた。いかんせんエコノミーの狭い座席なのでズレることも出来ない。俺が動けないのを良いことに。

「ねぇ、私のおっぱい見て興奮した?」

彼女は耳元で艶めかしい声を浴びせた。

「どうしたんですか急に?」

「だからぁ…私のおっぱい見て、おちんちん大きくなったの?」

「な!?」

彼女の手がいやらしく身体を這い始めた。胸元を撫で、耳たぶを優しく甘噛している。いつの間にか座席の間の肘掛けが後方に追いやられていた。今俺と彼女の間を隔てるものが何も無い。同時に後ろに座る乗客が間から覗き見るリスクも無くなった。

暗い雰囲気と誰かが聞いているかもしれないという緊迫した状況が下半身を意識させる。

「えい♡」

「うっ…」

突如智佐吹さんが股座に手を伸ばし砲身を手に掛けた。そのまま上下にズボンの上から優しく肉棒を摩擦した。

「ぐっ、うぅ…」

悶えるような淡い快感に身を捩らせた。

「あぁ、八幡君。大きくなってくよ♡」

智佐吹さんが更に身を寄せた。右半身が柔らかい感触に包まれる。甘い吐息が耳をくすぐった。機内だぞ…。まさかこの人、本気なのか。

隣に寄り添う彼女の目を見た。まずい。完全に目が座っている。

「いろはちゃんに言われたんでしょ?私には気を付けてって。じゃあ駄目じゃない。私が隣に座るって言った時点で君は芦間くんや島田さんと席を交換しなきゃ…」

彼女の声が呪詛のように鼓膜にこびり付いて離れなかった。

 

 

続く




飛行機って結構エッチな妄想出来る場所だと思うのは自分だけでしょうか?( ゚д゚)ポカーン
という思いから書いてみました。密室の空間。狭い座席。誰かが見ているかもしれないという背徳感。という自分の趣味をぶっこんでみました。
八幡がまだ受け身なせいでプレイに限りがあるのが残念…。
次回は一応一週間後の予定ではありますが今回と次回はつながっているので早めに投稿しようと思っています。

今回もありがとうございました。次回もまたよろしくおねがいします!m(__)m

(結衣とのシーンの次が、オリキャラx八幡のエロシーンて…)
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