※この作品はR-18です。

雪の楽園   作:ホネ

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NFLの開幕戦を見たせいで投稿が一日遅れました……申し訳ありません……。


さて、今回はちょっと挑戦的な感じでの文章の取り組みを……
今までとはちょっと違った書き方をしてみたので楽しんでいただければ幸いですm(_ _)m


第五十三話

『今日はありがとね』

留美からのLINEだった。既に俺は留美の大学での採用面接の日程を全て終えて今はホテルの一室で休んでいる。

『おぅ、こっちこそありがとな。留美の友達にも会えて良かったわ』

『それどういう意味?』

『そのまんまだ。ちゃんと素で話せる友人が居るみたいで安心したわ』

『八幡、親みたい』

『俺からすれば娘みたいなもんだ』

『八幡って娘みたいだと思ってる人とキスするの?』

『それは言わないでくれ………』

『今日はキスできなかったね』

『当たり前だ』

『私は誰も見ていない時にしたかったんだけどなぁ』

『随分と大胆になったな留美は』

『1回だけチャンスあったの覚えてる?』

『そんな時あったか?』

『うん、茜がお手洗いに行ってクロが別件の電話で席を離れた時、他の生徒も居なくて私達二人だったのに、八幡こっち見てくれなかった』

『そりゃあ仕事中だしなぁ』

『うん、葦間さんの方見て何かジェスチャーでやり取りしてた』

『あぁ、あの時か』

『そうだよ。私、八幡のことずっと見てたのに』

『恥ずかしいなそれ』

『葦間さんはそれに気づいてさりげなく私に親指立てて合図くれた』

『それであいつ面接の後、変にニタニタしてたのか』

『八幡にもああいう気遣いとかあればいいのに』

『善処します……』

『こうやって言われて、捻くれたこと言わないようになっただけ成長なのかな』

『どういう妥協の仕方だよ……』

『昔の八幡だったら絶対屁理屈こねてたと思うよ』

『我ながらそれは否めない』

『自覚はあるんだね』

『なかったら相当痛いやつだろ』

『あっても相当痛い人だよ……』

『それは言わない約束だ』

『そんな約束は私とはしてないけど?』

『暗黙の了解ってやつだ』

『また屁理屈…』

『これも駄目か?』

『もう慣れてるからいい』

『その言い方だと実に俺の言動に飽き飽きしているように取れる』

『相手にそう受け取られるって思ったことはないの?』

『ちょ、マジの説教止めて汗 本当、気を付けますから』

『別に怒ってないよ(笑)』

『留美に説教されたら暫く立ち直れる気がしない』

『それは私が歳下だから?』

『いや、一番言われて納得する相手だからだ』

『一応、私のことを認めてくれているって思ってもいいの?』

『なんというか今更な発言だな』

『あんまり八幡って人のことちゃんと褒めないし』

『もっと言う方が良いのか?』

『その方が私は嬉しいよ』

『そうか』

『でも取ってつけたような言い方したらすぐ分かるからね?』

『それはまぁ、うん。留美なら直ぐに気づくだろうからな』

『私じゃなくても分かると思うよ。八幡って嘘下手だから(笑)』

『俺ってそんなに分かりやすいのか……』

『うん。だから正直、奥さんに浮気もバレてると思うんだよね』

『………マジか』

『多分………』

『結衣の様子は家だと別に何も変わらないんだけどなぁ』

『奥さんが八幡に見せている顔ってそれが全部じゃないと思うけど』

『どういう意味だ』

『今日の私を見れば分かるでしょ?』

『……そういうことか』

『うん。別にいちばん大切な人に見せる顔が全てってわけじゃないんだし』

『そう言われると急に怖くなってきたな』

『今更って気はするけど』

『ご尤も過ぎてぐうの音も出ない』

『雪ノ下さんとは上手く行ってるの?』

『まぁな。それなりには』

『浮気にそれなりとかあるの?(笑)』

『言い方の問題だろ汗 順調ですって他の女に言うほど俺は度量無いわ』

『確かにそうだね……。逆に自信満々に言ったらドン引きしてたかも』

『それはもう隠す気が無いやつだな』

『それ自虐?』

『勘弁してください』

『はいはい(笑) ねぇ、八幡はこの後の予定ってどうなってるの?』

『この後ってのはアメリカから日本に戻るまでの日程ってことか?』

『うん。どういう風にまわるのかなっと思って』

『この後はこの州の他の大学を一日一校ずつお邪魔して今日みたいなイベントをやる予定だな。あと、ついでに他の州の大学もやって、その後に東海岸の大学もやる』

『結構行く所あるんだね』

『そうだな。留美はボストン来るんだよな?』

『うん、一応行く予定だよ』

『うち以外のところにも行ってみるのか?』

『何社かは受けてみようかなって』

『まぁできるだけ多くの選択肢を持つことは重要だな』

『八幡も何社か受かってそこにしたの?』

『いんや。逆に俺はここしか受からなかった』

『え、そうなの?』

『まぁ、合う合わないの問題もあるし、多ければ優秀ってことでもないから』

『それはそうだけど』

『留美は結構内定貰ったか?』

『うん、何社かは既に貰ってる。でもなんか下心で採用されたみたいなところも多かったよ』

『留美の容姿なら仕方ないかもな』

『私は別にモテたいわけではないし……』

『女性が社会に出るなら見た目も武器にしたほうが色々と楽にはなるぞ』

『その分苦労もあるでしょ?』

『そりゃそうだな。同性からの嫉妬やら有る事無い事噂されたりな。実際、大学時代に結衣が根も葉もない事言われてたらしい』

『ばっかみたい。いい歳してまだ子供みたいなことするんだね』

『大人だからこそって考え方もあると思うけどな』

『うーん……。それ言っちゃったら認めちゃうようで嫌だなぁ』

『俺も認める気はないぞ。大人なんだからそこらへんの感情のコントロールは少なくとも仕事中はしてほしいものだ』

『八幡の職場でも感情のコントロールが出来ない人居るの?』

『まぁな。でも、揚げ足を取るつもりはないが人間はそもそも感情のコントロールが出来ない動物だと思う。一瞬だけ抑えるとかは出来るかもしれなが、喜怒哀楽はどんな人間でも出るものだし、抑えようと思っても溢れ出る』

『それ聴くと、私会社勤め嫌になってきたなぁ……』

『組織に所属するってのはそういうことだな。俺も毎日めんどくさいなぁと思って生きてる』

『偉いね、八幡は』

『まぁ養う家族がいるからってのがある。金もらえるんなら我慢する。弊社は給料も良いしな』

『やっぱりそこは大事だね』

『最低限は無いと無理だ。でもこれも長くは続かないんじゃないかとも思う』

『じゃあ今のモチベーションは奥さんだけどそのうち変わるんじゃないか?ってこと?』

『その聞き方はちょっと性格が悪いな』

『えへへ。でも、そういうことでしょ?』

『“YES”とは言えんわ』

『でも“NO”も言えないんだね』

『それ言ったら完全に嘘だろ』

『それ“YES”って言うのとどう違うんだろう……』

『日本の政治家ならこの違いをよく知っていると思うぞ』

『急に話逸らさないでよ(笑)』

『それにしても留美も小悪魔になってきたな。先に話逸したのは留美だろ?』

『それは否定出来ないけど』

『どこでこういうことを覚えたのやら……』

『好きな人を落とすために女の人は変わる努力をするんだよ?』

『………』

『もぅ。なにか言ってよ八幡』

『最近、留美のストレートなアタックにどう対応していいのか分からない……』

『照れてるの?』

『まぁな』

『じゃあ嬉しいってこと?』

『そうだな』

『やったー^^』

『凄く素直に喜ぶのな』

『私だって子供みたいになる時はあるよ(笑)』

『俺かて留美が子供みたいにならないとは思ってないからな(汗)』

『怪しい(-_-)』

『え、そこ疑われるの?』

『冗談だよ^^;』

『留美の冗談は結構冷や汗かくときがある』

『え、そんなに分かりづらいかなぁ?』

『普段、冗談を言わないからな』

『八幡話している時は結構言ってると思うけど』

『こうやってオンラインで話してる時はだろ?面と向かっての時はもっとこう、純粋な感じで攻めてくる』

『じゃあ今は?』

『小悪魔系だな』

『ギャップちゃんと出てる?』

『狙ってたのか?』

『ちょっとね』

『なら成功してるぞ』

『えへへ^^ 嬉しい』

『ボストンにはいつ来るんだ?』

『二日目と三日目に行く予定だから一日目は午前中は授業に出てその後に最寄りの空港に向かうよ』

『学期中なのか。なかなか大変だなぁ』

『日本人しかボスキャリに興味ないからね笑 流石にこっちの大学が私達の事情を汲むなんてことはないからね(・。・;』

『そうなんだな汗 じゃあもし、時間があればうちにも寄ってくれ』

『勿論行くよ。寧ろ、八幡の会社が第一希望なんだから』

『それはとても嬉しいが、こっちも仕事が山積みになるだろうから余り時間は取れないかもしれんがよろしく頼むわ』

『大丈夫。ちょっとだけでも話せたら私は嬉しいから』

『……留美って本当素直になったよな』

『そう?思春期過ぎて丸くなったのかな』

『俺は良い意味で変わったと思うぞ』

『そう?なら良かった^^』

『おぅ。あと、留美って結構顔文字使うのな』

『意外?』

『だな』

『八幡は顔文字とかスタンプとかも使わないよね(笑)』

『意外でもなんでもないだろ?』

『うん(笑) でもそれが良いと思う』

『安心しろ。俺の性格が変わることはまずないと思う』

『性格は変わらないけど節操はだらしなくなってるよ?』

『それは言わないでくれ(汗)』

『まぁ私は八幡のこと拾ってあげるから安心して^^』

『何その、最後の保険みたいな』

『私って結構包容力あるよ?』

『急に自分を売り込んできた。まぁでもそれは日々の立ち振舞から十分伝わってる』

『うん。八幡は継続的にアプローチしないとはぐらかしそうだからね』

『よくわかってるじゃないか』

『褒められてもあんまり嬉しくないんだけど……でも届いてるみたいで良かった』

『いや、あの俺既婚者だからね?』

『不倫してるくせに……』

『留美さん、本当勘弁してください』

『これさえ言えば八幡は言うことをきくね(笑)』

『心臓を握られすぎてて辛い』

『色々八幡のバレたらマズイ情報持ってるよね』

『留美が1,2を争うくらい持ってる』

『ドラマだと私、殺されちゃう人じゃない?』

『お金よこせとか言って揺すってくる奴な』

『それ、完全な負け犬キャラじゃん』

『別に留美がそういうキャラとは言ってないだろ』

『そうなるかどうかは八幡次第なんだよね~(チラッ)』

『段々と心苦しくなってきた』

『ちょっといじめ過ぎちゃったかな(汗)』

『いじめられ慣れているから平気だ』

『なんかごめん……』

『そこ同情しないで!余計に悲しくなっちゃうから^^;』

『今度私が慰めてあげるね^^』

『それはありがたい。どんな風に慰めてくれるんだ?』

『それも八幡次第かな♡』

『………ぉ、ぉう』

『ドキッとした?』

『大分な』

『そっか、良かった^^』

『じゃあそろそろ寝るわ。明日も仕事だからな』

『学生に対して営業かな?』

『まぁな。社会人も中々楽なもんじゃない』

『人間関係はどんな場所でも悩むんだね。八幡はしばらくそれを拒んでたっぽいからリハビリも大変だったんじゃない?』

『リハビリ言うなし汗 ……ってもうこんな時間か。そろそろ寝るわ』

『うん、遅くまでありがとう。おやすみ』

『あぁ、おやすみ。ボストンで会えたら嬉しいな』

『そうだな。ぜひうちの場所にも顔を出してくれ』

『うん、そうするよ。じゃあね!』

 

 

 

続く




描写を無しでLINEのやりとりだけで留美と八幡の会話オンリー回。
逆に周りの情景が邪魔になっている気もしたので一度全部取ってみたら留美の表情が想像しやすくなるメリットもあるかと思いました。


(まぁ読者の方がどう思うかが一番重要なわけで………(汗))



次回の投稿も1週間後を予定しております。
また読んでいただければ幸いです^^
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