『もしもし?あ、八幡!明日帰るんだよね~?』
「あぁ、そっちは今何時だ?」
『こっちはお昼すぎだよ!丁度お昼ご飯食べ終わった感じ~』
電話越しに聞こえる妻の声は溌剌としていた。シャワーを浴び終えてバスローブを着ながら雪乃のシャワーの終わりを待っていたところに結衣からの着信が入ったのだった。雪乃にはそれとなく着信が入ったことを伝えてから電話を受けている。
『結構長い出張だったよね~』
「あぁ、流石に疲れた。もう二度目は無いと思っていたんだけどな」
『八幡引きこもりだもんね』
「こら、自分の旦那さんを悪く言うもんじゃない」
『えへへ~。でも私はそういうところも好きだよ~』
「そう言っていただけるとこれからも自分が変わる必要がないんだと再確認出来る。いつもありがとう」
『相変わらず向上心ないよね……』
「これでも成長はしているぞ?」
『まぁ昔の八幡なら、絶対何かと理由つけて出張とか断ってたよね』
「出張で仕事がサボれるのなら喜んで出張に行くんだけどな」
『性根が腐ってる!?』
「おい、別に俺そんな行動原理だけで生きているわけじゃないからな…」
『大丈夫だって~。それは分かってるから!』
「たまに結衣にすら疑われているんじゃないかと思う時がある」
『まぁ、本当に疑ってるからね』
「味方は居ないのか俺に……」
『大丈夫!たとえ、八幡がクズでも私は奥さん辞めないから!』
「なんの宣言!?」
『選手生命ってやつだよ!』
「それを言うなら“選手宣誓”じゃないのか?急に命かけられても困るよ本当」
『うん、それだと思う!』
「いや、それしかないと思う」
『ひどい!ちょっとの間違いくらいいいじゃん!』
「ちょっとの間違いでえらい誤解を生んでしまうのが言葉ってもんなんですよ」
『おぉ……なんか深い』
「俺が面倒くさいこと言ったらすぐそれを言うようにしてないか?」
『え、バレた?』
「図星だったことが何よりも悲しい」
『ちょっと~!落ち込まないでよ~~!』
俺が結衣といつもの調子で話していると洗面室の奥の扉が開かれる音がした。おそらく電話越しの彼女には聴こえないくらいの小さな音だ。どうやら雪乃がシャワーを浴び終えて出てきたらしい。
俺は生唾を飲み込んで彼女の登場を待った。バスローブ姿の雪乃が楽しみで仕方なかったからだ。
結衣との会話のキャッチボールを繋げつつ雪乃を待つ。
彼女が姿を現した。想像以上の色気をまとっていた。
雪乃はお待たせと口の動きだけで表現しながらベッドへ乗ってきた。
『……どうしたの八幡?』
電話の向こうでは結衣がおそらく怪訝な表情で俺の応答を待っている。彼女に不審感を持たせないためにも、俺は彼女との会話を続ける他無かった。
「いや、何でもない。ただ、部屋の外で音がしたから何事かと思ってちょっと息を潜めてた……っ!?」
雪乃はというとバスローブ姿で俺の股間をまさぐり始めた。そして既に硬直していた男根を手に取ると髪をかきあげてゆっくりとねぶり始めた。
気持ち良い。
温かい快感が浸透するように体中に染み渡っていく。俺はたった今最愛の妻と電話をしているというのに目の前ではその妻の親友に肉棒を差し出してしゃぶらせている。なんという背徳感だろうか。罪悪感には勿論苛まれている。それなのに怒張した男根はそれを糧にするかのように限界を超えて肥大化していった。
「ん……ちゅ……。あむ……ん……」
ねっとりと愛を感じさせるような口淫に酔いしれながら妻との会話を続ける。彼女は今三浦達との休日を楽しそうに話していた。
『それでね~、あたしがさ~……』
気がつけばもう結衣の話題は別のものに切り替わっていた。俺は雪乃の頭を撫でながら彼女の話が終わるのを待った。
雪乃が上半身に登ってきた。きつく結んでいたバスローブの紐を緩められた。ひとしきり肉棒を舐め終わると手で再び扱き始める。フリーになった舌を使って、露出した右の乳頭を飴玉を舐めるようにちろちろと転がした。
雪乃の舌使いは先程とは違い激しさを増していた。じんわりと広がる優しい快感から痺れるような強烈な快感に支配される。声を漏らさぬよう、苦悶の表情を浮かべながらも携帯だけは離さない。手の速度も段々と早くなっていった。今にも砲身が火を噴きそうな程膨れ上がっていく。快楽に身を任せてしまいたいという欲望をなけなしの理性で懸命に上から押さえつけていた。
『ねぇ、八幡は日本に帰ってきたらどこに行ってみたい?』
「そう、だなぁ……。最近はシャワー生活だったから、ゆっくり温泉にでも浸かりたい気分だ」
『あ、それ良いね!私も久しぶりに旅館に行きたいかも。ってそっか~。そっちってあんまりお風呂文化って無いんだっけ?』
「そうだな、基本シャワーだな。それで……どこの旅館に行きたいとか希望はあるのか?」
『う~ん……じゃあそういうのは特に無いんだけど、でもどこに行くかは八幡と一緒に決めたいかなって』
「……じゃあ、日本に帰ったら………探してみるか」
『うん!明日本屋さんに行って雑誌でも買ってこようかな!』
弾むような声で話す結衣をBGMにして雪乃の奉仕を受け続ける。雪乃は肉棒を掴んでいた手とは反対の手で乳頭を刺激した。乳首は未だに自分はそこまで開発されてはいないのだが、このペースだと近い将来にでも胸だけで相当感じてしまうような男に調教されてしまいそうだ。
「ん……まだ、終わらないの…?」
雪乃が俺にだけ聴こえるように小さな声で囁いた。雪乃は俺の耳にむしゃぶりつくと耳殻を丁寧に舌先でなぞった。
『えへへ……八幡とお風呂……』
「くちゅ……ん、れろ……。はちまん、、、わらしとシャワー、浴びたのに……」
両の耳を美女の声で犯される。しかも右に目をやればバスローブが少しはだけて胸が少し露出している雪乃の淫らな姿があった。目が合うと雪乃は俺の口を啄んだ。
(そ、それだと、話が出来ないじゃねーか……)
(いやっ…。早く私を見て……)
そこから彼女は止まらなくなった。乳首を舐め、耳をしゃぶっては、肉棒を激しく扱いた。
「なぁ……結衣。そろそろ……」
『え?あぁごめんね!そっちもう夜遅いんだよね。早く寝て明日起きないとだよね!?』
「そうだな明日のフライトは10時だから結構早いな」
おそらく徹夜で向かうことになりそうだけど。眼の前の女王様が嫉妬に狂いそうになっているのでギリギリまで解放してもらえないだろう。横に添い寝するようにして体を密着させて息子を扱いてるし。携帯を持っていない俺の手を自身のバスローブの間に滑り込ませるように持っていき、胸を揉ませていた。
「ん……好き」
何度も頬にキスをされる。いつかミスして音を立てるようなキスをしないか冷や汗をかきながら結衣との話を切り上げる方向に持っていきたかった。多少強引に思われるかもしれないが、これ以上はこちらもボロを出しかねない。
『じゃあ、また明日かな?夜に戻ってくるんだよね?』
「そうだな。夕方頃に空港に着いてそれからだから着くのは夜になると思う」
『分かった!楽しみにしてる!』
「あぁ、俺もだ」
『それじゃあね!おやすみ!』
「あぁおやすみ……」
通話を終えた。マイクが音を拾わなくなったのを確認すると雪乃がいやらしい音を響かせながら愚息を頬張り始めた。
「んじゅ、じゅぶ……じゅ、じゅ。……遅いわよ。ん……じゅるる。じゅぷ……んちゅ……」
「ぉ、ぉい……。勢いが……いつもより、、、ちょ。ペース大丈夫か?」
別段体力の多いタイプでもない雪乃がこの調子で奉仕を続ければ間違いなくガス欠になることは目に見えている。それでも今日の彼女は何かの強壮剤でも摂取したかのように勢いの衰えを知らなかった。
口内の粘膜にとめどなく摩擦され絶頂への階段を急ピッチで登っていく。結衣との電話中にも愛撫され仕込みをされていたせいかもう間もなく射精してもおかしくないほどに腰が浮いてきてしまっていた。
「ん!じゅる!じゅぼじゅぼじゅぼ……じゅるる。じゅ、ちゅ、ちゅ……ちゅる。じゅ!んむ……はむ……!んちゅ……じゅぼ!」
「うぅぁ……駄目だ……雪乃……で、出る……!」
欲望に逆らえなくなった俺は雪乃の頭を乱暴に掴むとそれを持って身勝手に上下した。
「んん!むぅ!!ん!……じゅ、じゅ。ふぅ!んんんんんん!!!!」
焦らされ続けて溜まりに溜まった欲望のマグマが溶岩が弾けるかのように絶世の美女の口の中で破裂した。吐精した肉棒は治まることを知らず何度も子種を放っていた。その度に雪乃の体がビクビクと脈打つように跳ねて懸命に白濁とした濃厚な性液を飲み込んでいた。
「……くぅ、ふっ……ぅ。けほ……けほ……」
体液を雪乃の口の中に放った時はいつも決まって雪乃は咳き込む。そうなるのであれば飲まなければよいのにと毎度のごとく言っているのだが、雪乃はそれをやめようとはしなかった。
「はぁ……、ま、毎回すごい量が出るな本当に」
「けほ……そ……それはこっちの台詞よ………」
「出るのだけじゃなくて毎度お前が吸い出そうとするからこっちも生気持ってかれるんじゃないかってちょっと恐怖だからな?」
「そ、その前に私の頭を持って乱暴に腰を振ってくるのもかなりの恐怖なのだけれど……」
「そ……それに関してはなんの申し訳も立たない……」
「怖いけど……貴方が気持ち良いのなら別にいいわよ……」
「こら、頭を撫でるんじゃない……」
「ふふふ。絶頂した後の貴方って凄く可愛いから」
「パンさんよりもか?」
「貴方ではパンさんの足元にも及ばないわ。身の程をわきまえなさい」
「そこは絶対に譲らないんですね…」
「比べる対象がおかしいのよ」
「唯一神みたいになってるみたいだな」
「別にそういうことではないのだけれど。私にだってパンさんと同じくらい、いえ、パンさんよりも大事な……譲れない物が今はあるのだから」
何この可愛い女の子。思わず、心臓が飛び跳ねそうになった。
「おい、それは何だ?」
「ふふふ。何でしょうね?」
「それはもしかして今お前の目の前に居る人か?」
「今私は窓の方を向いているから目の前には人は居ないわね」
「意地悪を言うなよ……」
本気でしょげてしまう。それを見て楽しそうに微笑む彼女が見られるからトントンだけど。
「うふふ。なら、教えてあげる」
「本当か?」
「寂しくなって今私のことを背中から愛おしそうに抱きしめている人が私の大切な人よ」
「それは良かった」
「ねぇ、このまま押し倒して。もう濡れているから早く挿れて……」
「今日はどうする?」
「正常位……がいいわね。顔が見たいから…貴方が動いて」
「分かった…」
「ねぇ、八幡」
仰向けになった雪乃の腟口に再度固くなった肉棒をあてがっていると雪乃がそれを優しく撫でてきた。
「どうしたんだ?」
「貴方のことをとても愛しているわ……」
「俺もだ。雪乃のことを愛している」
その言葉の終わりとともに俺は雪乃の体を一気に貫いた。またたく間に上がる嬌声を聴きながら酔いしれるように俺は腰を打ち続けた。これまでの遅れを取り取り戻すかのように、彼女を求めた。空が明るくなる頃には互いの体液で汚しあったシーツだけをそこに残していた。
続く
今回はここまでです。いつも読んでくださってありがとうございますm(_ _)m
次回も1週間後投稿。ストックも8話分くらいはあるのでこの調子で書き溜めていきたい。第4部ももうすぐ終わります。このSSの大きな区切りとなると思います。(第5部もあります。というか最初のプロットでは実はこのSSは4部で終わるつもりでした…)
それでは次回もまたよろしくお願いします。
今回の最後の会話やこのSSの登場人物の言動について……。
俺ガイルという作品が『言語化・言葉の限界』というものを書いているが故に、八幡とか雪乃に『好き』とか『愛してる』を言わせてしまうと凄く違和感が出る………。
とはいえ、この作品の登場人物は誰も彼もが言葉の魔力や鎖に酔って、寄り縋っている危うい状態なのでそれがうまく表現出来ていれば幸い。