アンケートの集計終わりました!詳細はあとがきにて_(._.)_
「八幡、これってどうしたら良いの?」
「ルミルミ。仕事中なんだから、ちゃんと『比企谷さん』って言うようにしような」
「八幡だって私のこと『ルミルミ』呼びしてるじゃん」
俺の机のところにまでわざわざやってきて、手順の説明を要求してくる留美。本来であれば教える役目は俺ではないのだが、何故か彼女は俺のところにまで来るのだった。理由はなんとなくわかる気もするが、わからない。そう、そういうことにしている。
留美曰く、智佐吹さんの手が空いている時は彼女に聞くらしい。まぁ、あの人の場合、手が空いている時が珍しいので、基本的には他の人に聞くことになるのだが。
つまり留美の実質的な教育係は俺ということである。ロサンゼルスの就活の時、留美が部下になったら自分が育てると豪語していたはずの上司は滅多に顔を見せない。あの時の発言の是非を問いたいところだ。
「それなら、お前の近くの席の葛西さんとかに聞けばいいじゃね―か…」
「なんかあの人、下心丸出しで話しかけてくるから嫌い」
「え、あの人そんなことないと思うんだけど」
「入って一週間ぐらいで連絡先聞かれた。一応業務の連絡もあるし交換したんだけど、その後しばらくして、2人きりの食事に誘ってくるメッセージばっかりだよ」
「ほぇー…あの人そんなイメージ無かったが」
「疑うなら証拠見せようか?」
「いや、それは俺が見たらいけないものだろ絶対…」
留美が携帯を出して本気で見せてこようとしてきたため制止した。俺、あの人と偶に業務で連絡取り合うから変なところで溝を作りたくないんだよ。ただでさえ普通に苦手なのに。いや、もうその話聞いちゃったから溝できちゃったんだけどね。
「…君たち本当に仲がいいですねぇ~」
俺たちの会話を隣で聞いていた芦間がジト目で睨んでいた。
「それにしてもさっき話していた話題に関しては少しばかり興味深かったなぁ」
「お前ってそういう話に首突っ込むタイプだっけか?」
「まぁ聞いたところで明日にはどうでも良い情報になっている気がする」
「だよなぁ…」
「でも、あの人経理の人と二人で飯食ってたのこの前見たけどな」
「え、そうなの?」
どんだけ不倫がはびこっているんだよ、ここ。俺が一番言ってはならないことだとは思うけど。
「経理の子ってあの背の高い子でしょ?」
「あ、そうっすそうっす。経理の中ではマドンナ的な…って何下世話な話に興味津々なんですか智佐吹さん…」
後ろを振り返ると、美人で有名なうちの上司がそこに立っていた。さり気なく俺の肩に手を置いているのが、ちょっとドキドキする。隣の留美の温度が下がっているような気がするのは気のせいだと願いたい。
「2年くらい前に私も葛西に口説かれたけど、未だにそうやってとっかえひっかえ漁っているんだね~あいつ」
「その話し方からして、意外に女子コミュニティでは有名なんですか?」
「真紀も口説かれたって言ってたし。まぁ二人共速攻で断って、何かあったら口説いてきたことばらしてやるって脅しておいたから、それ以降は何も無いけどね。本当奥さんが可哀想」
その発言に彼女以外の全員の血の気が引いた。この人と玉木さんを敵に回すのだけは絶対にやめておこう。
「いろはちゃんにも手を出そうとしたみたい。というか彼女は比企谷君にお熱なのによくチャレンジしたなと褒めてあげたいぐらいだけど」
「なんで唐突に爆弾投下したんですか」
おかげでルミルミが修羅の相になっているじゃないですか。彼女がへそを曲げたらしばらく戻らないんだから大変なのに。責任とってくださいね(いろはす風)
「まぁあの人とっても綺麗だから仕方ないですね」
留美がふてくされたように吐き捨てる。それは自分を口説いてきた葛西さんへの同情などでは決してないことはこの場にいる全員が理解しているだろう。
「留美から見てもそう思うのか?」
気まずくなって話をそらすように話題を振った。留美は俺の意図を汲み取って更に気色ばんだような表情をしたが、周りに悟られないように直ぐに戻した。
「うん。あんなに美人な人少なくとも私は会ったことない。あくまで私の個人的な感性に依るものってことわりはあるけどね」
「そ、そうか…」
ここ10年近くはいろはとずっと顔を合わせていたから俺視点の彼女に対する評価は全く当てにならないので聞いてみたのだが。思った以上の高評価(?)が返ってきて驚きを隠せない。確かに今のいろはは誰が見ても美人であるというのは間違いないのだが、留美が言うと説得力が違う。
「留美ちゃんが言うから重みがありますよね」
「そ、そんなことないです…」
芦間が同じようなことを口にしていた。留美も留美で今年の新入社員の中での女性人気は他の追随を許さない圧倒的一位だろうからなぁ。そのくせ褒められるとこれなのでうぶなのがまたあざとい。いろはとは違って天然物のあざとさ。
「それで、何か用でもあったから俺らのところに来たんじゃないですか?」
珍しく芦間が真面目に軌道修正をした。今世紀とまでは流石にいかないが、今月最大のびっくりであることには間違いない。
「あ、そうそう。来月ね、B社の案件で出張があるんだけど…」
「お断りします」
「はや」
智佐吹さんが全てを言い切るよりも早く口を挟んだ。この流れは確実に俺に出張の話が飛んでくると経験で知っている。
「まぁお察しの通り、比企谷君に頼もうと思ってたんだけどさ」
「メンバーは?」
「うん?君一人。まぁ国外じゃなくて名古屋なんだけどね」
「ゑ?」
「もしかして私と行きたかった?」
智佐吹さんが怪しく微笑む。だから留美をわざと焚きつけるような言動は控えて欲しいというのに。
「良いなぁ~出張」
「会社勤めにもう飽きが来ているのか?入ったばっかりだろ?」
「別にそういうことじゃないですよ比企谷さん」
「こんな時だけ急にビジネスライクになるなよ…」
やはり留美の機嫌が悪くなっている。これはあとが怖い。
「女子からの不意の敬語って殺意を感じるよね」
「芦間は余計なことを言わなくて良い」
「いろはちゃんもそんな感じなの?」
「智佐吹さんは何故急に一色の話題を口にしたんですか…」
話が逸れてしまったが、どうやら俺は出張をしなければいけなくなったらしい。
……。
「ーーーということで俺は近いうちに名古屋の方に行かなければいけなくなったらしい」
「へ~、引きこもりの先輩が出張となるとまた大変そうですね」
「全くだ。誰かに変わってもらいたかったが」
「ねぇ先輩。それって誰か他の人も一緒に行くんですか?」
「いや。今回は俺一人らしい」
「そうですか。それなら安心ですね」
二人で昼食を取りながらいろははホッとしたような表情を見せた。
「何が安心なんだ?」
「先輩が出先で愛人候補を増やさないかって心配ですよ」
「どこまでも信用がないんだな俺は…」
「そんなこと言っておきながら自身の行動を振り返ってみればいくらでも思い当たる節があるんじゃないですか?」
「………。そうだな、バーゲンセールかってぐらい一瞬で黒歴史が頭の中で一列に並んだわ」
「自分で言うのもどうかとは思いますけどね…。反省する気ゼロじゃないですか」
「というか出張といってもたったの一日でしかもほぼクライアントに拘束される状態になるので旅行気分なんてものには一ミリもなれない。自由時間があるのかすらも怪しいレベルだな」
「そうやって変なフラグを建てるのも先輩の悪い癖だと思います」
「いや、本当にないから。マジよりのマジだから」
「ふ~ん…」
いろはは微塵も俺を信頼していない模様。まぁ知ってた。
「やっぱり先輩はわたしが管理したほうが良いのかなぁ」
「何しれっとサイコパスみたいな発言してるの君?」
「冗談ですよ。GPSアプリをこっそりぶち込むだけで許してます」
「え、嘘。お前入れてんの?」
「いや、冗談ですよ。流石にそこまでデリカシーの無いことはしませんってば。あ、でも先輩のスマホのパスワードは知ってますよ」
「おい。全く安心できねーじゃね―か」
「先輩、エビフライ貰っても良いですか?」
「俺が良いよと言う前に口に運ぶのやめようね。あと、さっきのツッコミ終わってないからね」
「良いじゃないですか別に~。わたしに見られたら困るLINEとかあるんですか?」
「それは嫁が旦那に言うやつだろ…」
「やっぱり愛人に携帯見られたら困ります?」
「お前、もしかしなくても”愛人”って言いたいだけじゃないか?」
「あ、バレました?」
「バレバレです☆」
「全然似てない」
「マジトーンで返さないでいろはす」
「あだ名じゃなくてちゃんと名前で読んでくださいね」
「いや、ここ会社だから駄目だろ…」
こいつ本当相変わらずだなぁ。まぁ、こういう関係になる前よりもわがままっぷりを表にずっと出すようになった気がする。それはいい傾向だとは思っている。ただ、俺以外の男への接し方は更に悪化したので相殺どころかマイナスだ。
「ねぇ先輩。次はいつ会えそうですか?」
結構な寂しがり屋だなぁ。会う度に言われている気がする。
「ん?今会ってるだろ?」
「怒りますよ?」
「『は?』って言われるよりも何倍も怖いなそれ」
「ムカついた分だけ次回余分に搾り取ります」
「それは嬉しいような、恐ろしいような…」
「先輩ってどんなプレイとか体位でやってみたいですか?」
「なっ!?」
おま、食事中だぞ…。しかも周りで誰が耳を傾けているかも分からないような場所で。
「大丈夫ですよ。わたしだって周囲を警戒しながら話していますから。先輩じゃあるまいし」
「余計な一言を言わなくて良い。というか、お前普段からそんなことばっかり考えていたのか?」
「え?そんなことってどんなことですか?」
「いや、その。俺とどういう事をしてみたいとかそういう話…」
「暇さえあれば妄想ばっかりしてますね。先輩と肉体関係になった時のシミュレーションの回数はそれはもう数え切れないくらいです☆」
あざといポーズを決めながらとんでもない発言をしてくる後輩。
「しかしまぁ、益々俺がお前に好かれる理由がわからないな。なんで俺なんかを好きになったんだ?」
「愚問じゃないですか?多分、先輩がわたしを好きになってくれた理由と同じですよ」
いろははナプキンを手に取ると、俺の口元についたソースの汚れを拭き取った。
「出来る奥さんって感じがしません?」
「口元吹いただけでその称号を獲得できたら、世の中の女性が皆いい女になるぞ」
「むぅ。褒めてくれたって良いじゃないですか」
「めったに褒めないから良いんだろ。ほら、普段怖い先生が褒めてくれた時って印象に残るやつ」
「不良が善行したみたいなのですか?」
「まぁな。俺ああいうの超嫌いだけど」
こち亀の両津の兄貴がめっちゃ良いこと言ってるやつね。アレ共感しかない。最初から悪いことしないやつが偉い。そして俺は偉くない。
「だったらわたしがいい事した時の先輩からの評価も爆上がりしても良くないですか?」
「俺に悪いことしてたって自覚はあるのね」
「無かったら本当に嫌なやつじゃないですかわたし…。もしかしてその可能性も追われてました?」
「いや、それはないだろ。お前、頭良いし気も遣えるし」
「そ、そうですよね…」
「間違えた。計算高いし。頭の中で電卓弾きまくる系女子だし」
「一瞬でも先輩のことを見直したわたしが馬鹿でした」
いろはは呆れていた。
「先輩はわたしと何かしたいこととか無いんですか?」
「正直、お前と居られたらそれでいいって感じだなぁ」
「………。急にドキッとすること言わないでくださいよ。全然予定していないところで言われたから結構クラっときてます」
「それは何よりだ」
俺はいろはの生姜焼きを一切れ無許可で取った。いろははそれを全く咎めることなくそれを俺が食べるところを自愛の表情でじっと見つめている。
「じゃあ、先輩。うちに来ませんか?」
「え?」
「そのですね…。先輩にわたしの手料理でも食べてもらえたらなぁって」
「それは嬉しいが、休日にそれは流石に厳しいだろ。平塚先生をスケープゴートにして出かける方法も何回も使えるわけじゃないし」
「先輩の平塚先生に対する扱いが酷いですね…。多分8割ぐらいわたしのせいですけど」
「安心しろ、今日の夜に二人飲みすることになってるからそれでフォローは出来てる」
「ちゃんと帰れるんですかそれ?」
「チェーン店でバカ飲みするだけだから問題ない。俺が飲まなければ良いだけだからな」
「平塚先生が呑んだくれるのは確定事項なんですね…」
「合流前にウコンの力とか液キャベを相手のために買って会場に乗り込むのがルールみたいなところある」
「ご愁傷様です」
「全くだ」
「でも先輩って平塚先生のこと大好きですもんね」
「まぁな。あれでも恩師だからな」
「そういう意味で聞いたんじゃないんだけどなぁ…。まぁ良いです。わたしの家に来るのは平日の仕事終わりとかでも大丈夫ですか?」
「早上がり出来た時だな。とはいえ、予定が立てづらいけど平気なのか?」
「もし先輩が押しかけてきたら、みたいなシミュレーションを毎日やっているのでいつでもウェルカムですよ☆」
「お、おぅ…」
「いや、ドン引きしないでくださいよ…。自分でも危ないなって自覚は無きにしもあらずですが」
「……無駄な努力にならなくて良かったな」
「お陰様で。じゃあ来てくれるのを楽しみに待ってますね♡」
いろはは嬉しそうに席を立つと一足早く食堂を後にした。ちょっとだけ手に触れてくるのやめてほしい。しばらくいろはのことしか考えられなくなる。
続く
だいぶ前に始めた100万PV行ったら俺ガイルのヒロインでSSを書くというアンケート企画。
集計期間はPVが90万を超えるまでという縛りだったのですが、先週ついに90万PVを突破しましたのでここで締め切りをさせていただきます。(本当に90万行ってびっくり、、、)
結果は以下のようになりました!
雪ノ下陽乃 44%
川崎沙希 27%
平塚静 9%
ガハママ 20%
思っていたよりもはるのん勢力が強いことに驚き( ゚д゚)
というわけでどのくらいの長さになるかはわかりませんが、はるのんメインのものをショートで書きたいと思います。もちろんエッチありで。ただ、世界線は今書いているものとは別になります。この世界線に無理やりねじ込むと話がこんがらがるのが目に見えているので…(汗)
プロットも何もかもが白紙の状態からの作成。100万PVまでには完成させたいと思いつつ気長にお待ちいただけると嬉しいですm(_ _)m
最近、他の方が書いた『俺ガイル』SSをR18、非エロ問わずそこそこ読むのですが、『その手があったか!!』と別目線で読んでしまう。R18作品とかだと特に…
総合UA100万記念で書いてほしいキャラ
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雪ノ下陽乃
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川崎沙希
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平塚静
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ガハママ