「最近なんかあれだな」
そう、スコアブックを見ていたと思った御幸が唐突に話しだした
「あ?なんだよ」
「いやなんで喧嘩腰?」
顎を上げて睨んだ俺にアハハと笑いながら続ける
「ほわほわしてるっつーか」
それから俺に向かって、いや違うなふわふわ?なんて言い出す
「あ、そうだ」
うんうん考えていた御幸の目が、ニヤついてる嫌味な口許とは反対に嬉しそうにキラキラと大きく開いた
そういえばこいつのこういう子供みたいな反応をするところが、普段のスカした態度と違って好きだったような気がする
冷静にそう思って、過去にできたんだなぁと、そうさせてくれたヤツのことを思い出してニヤつきそうな顔を必死に抑えた
が、御幸の一言でそんな俺の努力は崩れ去る
「降谷っぽい、だ」
一緒にいるとぽやーとするのもうつるんだな、なんてヘラヘラしながら何事もなかったかのようにスコアブックを眺めだした御幸
お前こそ変に鋭いところが沢村からうつってんじゃねぇのか、とは言いきれずにドギマギしてしまう
俺は理解してもらおうとか、こいつにわざわざデキましたなんて報告するつもりはなかったが、降谷の精神状態やコンディションを俺以上にわかっていないといけない正捕手の御幸には言っておこう、そう決意した
だいたい俺と抜きあってたくらいだから男同士に抵抗もなにもないだろう
練習後、御幸の部屋に押し入る
「ってわけで、俺と降谷はデキてる。以上」
さらっと「なんかいい感じになって、告白されてOKした」という風なニュアンスの説明をして御幸の反応を待った
「え、は…?ちょ、ちょっとまて男同士…え?」
予想外だ
なぜか困惑している
「お前だって気になってる奴いんだろ?あー言うな言うな、わかってる」
隠さなくていいぜ、と優しく肩に手を掛けると
「…ハイ?」
俺の言葉の意味を紐解きながら、どんどん青くなり絶叫しそうな顔をする御幸
それから混乱し、支離滅裂な話をする御幸と話を擦り合わせた
結果
「うそだろ」
御幸に気になっている奴なんて存在しなかった
さらに、そもそも御幸はゲイでもバイでもなかった
「他人のちんこシゴけてた野郎がノンケなわけねぇ」
「黒歴史掘り返すのやめろ」
俺と色々してたのは性欲を発散したかったのと、野球に専念してるのに女子に構う暇がなくそれも面倒だと思ってた時にドンピシャで都合いい奴が現れたから、というクソみたいな理由だった
詰ってやりたいが、俺だってそれを利用してた側で何も言えない
それで落ち着いてきた頃に我にかえり、これはまずいと感じたが、どう言って断っていいかわからず、話をそらすために他の話をしたり後輩の話をしてみたりしていただけらしい
一番の被害者は沢村だ
恐ろしいもので、超絶片想いヒロインしてた俺は御幸しか見てなくて、その周りの状況を狭い視界ではちゃんと捉えられていなかった
よくよく思い出すと別に沢村の話だけしてたわけでもないし、さらによく考えると哲さんとかクリス先輩や丹波さんの話の方がしてた気もする
それに俺が毎日してやってた沢村の話も「へー」って感じで相槌うってただけで、たまに
「騒ぎすぎて俺の部屋まで声聞こえてたぞ」
とかいうクレームを言われても、ヒロインの俺は(こいつ…俺に嫉妬してんだろうな…)って思ってたし
「お前ら仲良すぎだろ」
と言われたときなんか、いま思えば呆れられてるだけなのに(お前ばっかアイツに触ってんじゃねぇよとか思ってんだろ…)と純さんに借りた少女漫画のヒロインばりに枕を濡らした
思い返せば思い返すほど勘違いしていたあまりの恥ずかしさに土に埋まりたくなる
だがそれは俺にゲイ認定されていた御幸もだったらしく、ぐったりと項垂れて一言
「俺もだとしたら多すぎだろ…」
と呟いた
だな、としか返せなかった
それから御幸とのこのやり取りを思い出す度にベッドの上でのたうち回り、沢村から「この年で夜泣き?!やめてください!」と怒られる日々が続くことになったが、とにかくノスタルジックに少女漫画のヒロインぶってた過去の俺を無事に供養することができて良かったと思う
降谷にも、後からになったが御幸に話したことを告げると
「なんでですか」
なぜかめちゃくちゃ怒った
「ご、めん」
まさか降谷を怒らせるとは思わなくて、わけがわからないままいろんなパターンの原因を想像したが、どれも展開は良くない
「御幸先輩のこと、好きだったんですよね」
こいつが気づいてるんだろうなというのは分かっていたが、いざそう聞かれるとドキッとする
俺が勘違いしまくってたことなんか、恥ずかしすぎて知られたくないから変に答えにくい
「んーまぁ、なんつーか…好みのタイプだったってだけで」
告白とかもしてないし勿論付き合ってもない!とベラベラ続けていると、その言い訳じみた態度の俺をじとー…と真っ直ぐ見つめてくる
「いやっ、でも御幸はゲイじゃねぇし!」
「倉持先輩の話をしてるんです」
「おっ、おお」
まずい、言い負かされそうだ
「でも、でもな、ほら!いまはお前が一番だし!」
ぷくーっと膨れっ面になる降谷
だけどこれはいい兆候で、ちょっと照れてるときの仕草だ
「つーかもうお前しか見えないし!」
俺のクサい台詞に俯いてた顔を上げて、もっと言って!と目がキラキラしだす
それを見てこれはこのまま押し通せるな、そう確信した
そして嫉妬してる顔もかわいいぜ…なんて一瞬気が緩んだ途端、一緒に口まで緩んだ
「あいつとはカラダだけだったし!」
「え」
「ん?」
このあと恋人になって早々に二人の間に氷河期が訪れたが、数日後に
「別に過去だし浮気でもなんでもないんだからよくね?!」と主張する俺と
「倉持先輩はなにもわかってない!」と言う降谷と二人で言い合いをした
そして降谷が怒っていた理由が「そういう報告は二人でしたかった」ってことだとわかった瞬間に
「え、やば、めっちゃ彼氏じゃん」と俺が惚れ直して素直に謝り、無事に記念すべき第一回目の痴話喧嘩に終止符を打った
だが俺だって御幸と色々してたことは気にしている
降谷もまさか俺らがそんなことまでしてたとは思ってもみなかったらしくショックを受けているけど、そこについてはもう触れてこない
御幸相手にも降谷なりに動揺を見せないようにしてるみたいで、俺が思っているよりずっと大人だ
そんな健気な様子に俺の気がおさまらなくて、俺は再び単身御幸のもとへ乗り込んだ
「部屋かせ」
開口一番それだけ告げると
「え、えー…」
俺がガチのゲイだったというショックと、プラス相手が降谷っていうダブルコンボからまだ立ち直ってない様子の御幸が、全て察した雰囲気で嫌がる
そんな御幸に枕と愛用のアイマスクを持たせてケツを叩く
「練習、あるんだからな…」
「へいへい」
どこまで察したのか、そんなことを言いながら大人しく部屋を空けてくれた
でも御幸の心配は杞憂だ
今日はそこまで色々やる気はない
安心して寝てくれ、と心なしか猫背になっている御幸の背中を見送った
コンコン
暫くして聞こえてきた控え目なノックの音
「入れよ」
今日はもう俺がこの部屋の主だ
堂々と声をかける
「倉持先輩、だけですか?」
ひょこ、と顔をだして広くもない部屋を見渡す降谷
メールで伝えていた通り、ちゃんとタオルと着替えも持ってきているのを確認して「よしよし」と目の前へ座らせる
「ここんとこお前に気ぃ使わせてばっかだろ、俺もアイツも」
御幸は御幸でかなり気まずい思いをしているし、なんとなく負い目もあるみたいで、すんなり部屋を空けてくれたのもそのせいだ
今日でそんなよくわからない関係はチャラにしたい
「だから、っつーのもなんだけど」
真剣に話を聞いていた降谷の手を掴んで引き寄せる
「アイツとシたことないこと、しよう」
はっ、と息をのんで降谷の目が大きく開く
固まってしまった相手に、一世一代の恥ずかしい台詞を吐いた俺は照れ隠しに「どーすんだよ!!」と怒鳴る
それでもビクーッと大きな身体をカチカチにして黙秘する降谷
その様子に俺も冷静になってきて、怖がっている?やっぱりまだ早かったかもな、と反省しながら握っていた手をリラックスできるように擦ってやる
「あっ」
お、やっと反応したな
今日はもう「また勝手に先走ってごめん」と謝って、降谷との同室気分だけでも味わおう
そう思っていたとき、俺は気づいた
「おまえ勃ってね?」
ジャージの弛んだ皺だと誤魔化せないほど見てわかる見事な勃起
そこまで勃たせておいて本人も俺に指摘されてから気付いたのか慌てて隠そうとするので、身を乗り出して立派に主張したそれを覗き込む
なんだよ、固まってると思ったら俺との色々を想像してやがったな!こいつはこういうムッツリなところがあって可愛いんだ!
俺は今にも飛びかかりそうな身体を抑えて、ぽぽぽっと赤くなり膝を抱えてしまった降谷に語りかける
「な、どうなってるか言ってみ」
幼稚園の先生みたいに優しく背中を撫でていると、降谷がぼそぼそと話し出す
「ぼ…勃起、しました」
何かする前からそうなってしまった恥ずかしさを全面に出しながら教えてくれた
満点すぎる
「よし!ふたりですごいことしよーな!」
俺はわくわくしながら降谷をベッドに引きずり込んだ
すごいことって何なんだか自分でもわかってないが、とにかくこれからキス以上に進めることが確定して堪らない気持ちになる
わ、と俺を潰さないように両手をついた降谷に押し倒されたような体勢になり、笑っていた俺もドキドキしながら真剣な顔を見上げた
俺がおとなしくなったのを見計らって、ゆっくり肘をついて顔を寄せてくる
このキスするまでの時間が好きだ
もしかしたら俺がそう思ってるのをわかってるんじゃないかというくらいに、降谷はキスをするまでの距離の詰め方が上手い気がする
ただ単に俺の好みなのかもしれないが、そう感じる
あーしたい、はやくはやくーってなって俺から動こうとした時にドンピシャでしてくれる
そんな雰囲気を醸し出しといて、ちょこんと触れるだけのキスしかしてこないところがエロい
でも我慢できなくなった俺が舌で降谷の唇をちろっと舐めるのが終わりの合図になるくらいには健全に過ごしてきた
というかそれ以上したらまずい状態になるって二人ともなんとなくわかってて、時と場所を押さえるまで触れずにいた
寮生活は人目がある
それに部屋も学年も違う、ポジション的にもそこまでアドバイスできるわけでもない
二人が努力して近付かないと成り立たないこの関係が、逆にどうにか時間を作ろうと思わせてくれる
今日みたいなチャンスはそうそうない
一秒も無駄にせず過ごそう
いつも通り焦点の合わなくなるギリギリまで見つめ合い、俺が顎をくいっと上げて薄く口を開く
がっちがちに勃起してるくせに、そんな時でも最初のキスをするまでにこんなに間を取れる降谷が好きだ
この時間にどんどんこうやって気持ちが膨らんで、目が潤んでいく
なにもされてないのに愛されていることがわかって、はやくもっと愛されたくて、どこも触られてないのに上擦った甘えた声が出て恥ずかしい
こんな身体にされてしまった
でもかえてくれたのが降谷で嬉しい
ぱさ、と降谷の前髪が額にあたる
ゆっくり目を閉じていくと期待で溜まった涙が溢れて左目の方だけこぼれた
それが耳につたって落ちる前に、やっと降谷の唇がちょこんと触れる
その瞬間、身体中がざわついた
運動に慣れた身体のはずなのに一気に息が切れて、そのまま離れていこうとした降谷に
「あ、あー、ふるやもうムリ」
気持ちが溢れて一人で勝手に喘ぎながら、首に腕を回して引き寄せ「辛抱たまらん!」と、唇にかぶりついた
ぐねぐねと身体を擦り付け動きながらいろんな角度からキスをして、細身だが俺よりも大きな背中を撫でまわす
降谷も俺の身体の下に腕を回しぎゅうっと抱き締めてくれる
耳まで熱くて、ドッドッドと大きく脈打つ音も、下品に唾液と空気の混ざり合う音も頭中に響く
頭がぽーっとなりながら、今すぐ押さえ込まれてこのおとなしい後輩に酷くされたいと思った
俺はかなり我慢していたみたいだ
御幸のことは好きだったし本番以外はそれなりにしてたが「使ったこともない処女のケツに今すぐ俺の意思も無視して捩じ込んで腰振って精液を奥に出されたい」なんて考えたことはない
そんなこと降谷は絶対にしないし、俺だって自分にそんな趣味があったとは知らなかった
でもそんな気分だった
そんなことばっかり考えながら触られるだけで勝手に喘いでいる
これから降谷とやることへの期待でエロく高まった身体と熱にやられた脳みそのせいで、どんどん馬鹿になってく
ちゃんと気持ちが通じ合ってる状態で相手と触れ合ったことがなかったから、知らなかったんだ
こんなに俺が俺の知らないうちに勝手に俺を明け渡す準備が出来てたなんて
だけどもう知ってしまった
降谷に触れられることの悦びをしっかり認知してしまった
どうしてくれるんだよこれ、もうお前無しじゃ…
…なんてちょっといい感じに心のなかで長々と語りながら口をべちょべちょにしているのだが、少しまずいことに気付いて実は頭を悩ませていた
さっきからキスの間に俺の名前を囁きながらちゃっかり服の中に手を入れてきている降谷の、先発から完投できそうな気合いの入ったちんこがガンガンにケツにめり込んでる
本能的な行動なのかもしれないし、気持ち的には俺だって今すぐハメてくれって感じでもある
が、ここは御幸の部屋であって最後までするつもりもなかった俺のケツは物理的に準備ができてない
一応ゴムはあるけど、さっき目視した段階でサイズが合わなそうだし、なんの拡張も施されていない処女の俺は死ぬんじゃないかというレベルで正直怖じ気付いてるとこだ
頭の中じゃ強引に捩り込まれてあんあん言ってる俺も、朝練もある前日に勢いでヴァージンを捨てれるほど夢見るゲイじゃねぇ
こんなことをぐるぐる考えてる間も疑似セックス並みに降谷が俺のケツめがけて腰を振ってる
ついでにTシャツに入れられた手に乳首をつままれて、Tシャツの上から舐められるという「童貞の考える最高にスケベなことの中のひとつ」みたいな、よくわからないことになってて、
それにめちゃくちゃ感じて腰が反り返ってる俺もどうかと思うが、案外スケベな降谷が夜な夜なこんなことを俺にしたくて妄想しながらマスかいてたんじゃねえの?と思うとたまらないのだ
最初に俺が「御幸としたことないこと」と考えてたのは、愛を囁きながらいちゃつくってレベルのことだったが、そんなのもうクリアしてる
すごいことしよーぜ!なんて誘った俺が見切り発車でおろおろしてるのは格好悪いけど、俺も相談しない悪い癖を見直さないといけないと思ってたところだ
ここはバキバキの降谷には悪いが、いったんストップして正直に話してみよう
「なぁ、俺さ」
話し出したタイミングで降谷が俺のシャツをガバッと捲り上げた
そして俺に何も言わさないつもりなのか聞こえてなかったのか、シャツが邪魔にならないように咥えさせられる
え、え?と戸惑いながら従っていると、素肌に息がかかり、ちゅっと乳首を吸われた
たったそれだけでンンンと喘いで、咥えていたシャツにじゅわっと唾液が染み込んだ
ガクガクと降谷の身体を挟んでる足が突っ張って開く
Tシャツの上から焦らされていた身体が無意識に求めていた刺激に過剰に反応する
口に含まれて、硬くした舌で先端だけ刺激されたり、全体をぬとぉ…と舐められて、首まで反り返って感じ入ってしまい口からシャツが離れた
反動で降谷の頭にその食い縛ったせいでデロデロになった唾液まみれのシャツがかかる
乳首から顔を上げた降谷が、みっともなく犬みたいに鳴く俺の口に容赦なくそのシャツを押し戻す
「ちゃんと咥えてないと」
ね、と頭を撫でられて
返事の代わりにまたくぅうんと喉が鳴った
たぶん漫画にすると語尾にハートが散ってたと思う
この頃には、何か言わなきゃいけないことがあったような気もするけど俺の彼氏さいこーにかっこいい…ってことで頭が湯だってアホになっていた
俺の頭を撫でた手がゆっくり舐めてない方の乳首に降りていく
全体を揉むように動いていた手が、次第に乳首をやさしくやさしく撫ではじめる
片方はびちゃびちゃにされてるのに、こっちは触るか触らないかの所を掠めたり、たまにくりくりと指で先端を弄くられて、身体の痙攣が止まらない
そのたびにちんこからびゅっびゅっとすごい量の我慢汁が漏れてる気がして、ジャージまで汚すのはまずいと思いながらもそのもどかしさに酔って脱げないでいる
俺のちんこは降谷の腹で圧迫され、ケツにはガチガチの降谷のが服の上からでも関係ないとばかりにめり込んできてるし、乳首は気持ちいいしで全身が支配されていく
どこもかしこもその刺激で跳ねて、指から爪先まで力が入ってしまいイキやすい状態で、腹の奥で感じたことのない波がじわじわと広がっていく
やばい、まずいって、これ、おれ
勝手な期待が妄想になって、先を想像してバカみたいに感じ入って、与えられる刺激を自分で増幅させて、降谷のつたない愛撫だけでイキそうになっている
咥えたシャツは、俺の頭が反るのに合わせて伸びてしまった
もう使えないだろう
簡単に勃起した降谷を可愛いと笑ったのに、こんなところで自分が先にそうなるのは避けたいのに、身体が確実に絶頂に入る予感を察知してしまう
途端に恥ずかしくなった
必死に意識をそらそうとする
それでも、もう爪先がつりそうなくらい突っ張って、さっきから腹の下がクンッと細かく何度も跳ねて止まらない
降谷!ちょっとまて!やめろ!
そう言いたいのに、しっかり言われたことを守ってしまっている俺は「んーんー」と呻くだけだ
くくく、とケツに力が入って、谷間に入り込んでいる降谷のちんこの形がわかった気がした
あ、やばい
それにも感じはじめて、とにかく一旦やめさせようと、俺の胸に吸い付いている降谷の頭に手を差し込んで力加減もできないまま髪をぎゅっと掴んだ
その瞬間
触れるか触れないかを掠めたり、くりくりと指先で先端だけを優しくこねくりまわしていた方の指が、舐めてももらえずに半端に膨れかけていた乳首を強く
痛いほど強く
ぐっ、と押しつぶした
あ、あー、あ
びんっと痺れて、全身にこれまで以上の力が一瞬走ったあと、今度は力が抜けてがくがくと痙攣する
ギギギッ、と食い縛りすぎて奥歯が鳴って、顎の力も無くなると唾液を含んで重くなったシャツがべとりと首筋を這った
「倉持せんぱい…?」
降谷の頭を力一杯鷲掴みしていた手は、片方は身体の横に落ちて、もう片方は力無くベッドからはみ出してぶら下がっている
髪を掴んだ俺が「もっと」とすがっているように感じたのか、絶妙なタイミングで欲しかった刺激がきてしまった
俺からしたらそれは完全に不意討ちで
「せんぱい?」
イかされてた
この心配そうに俺の口から垂れた涎を指で拭う、可愛いと思っていた年下の童貞に
乳首だけで
それはもう盛大に出た
擦られてパンツから先っぽが出てたから、ジャージのゴムんところにびゅくびゅくびゅくと三回に分けておもっきし出た
降谷の腹がまだ上からつぶしているから、もうぜったい染みてる
乳首を痛いくらい強くされた瞬間に
イきそう、とかイク、とかキちゃう、じゃなくて
あ、だめなんか、なる
ってなって自我とかがブッ飛んだ
シャツを咥えてなかったらそんなことを口走っていたかもしれない
なんだそれ、なんなんだよ
しかも幸福感がやばい
こわ
もう普通の"男"じゃなくなったっていうのをイかされながら身体と脳みそに教え込まれ、痺れた
なんか泣くかも
「大丈夫ですか?」
まだ全身がドクドクして、頭もぼんやりしながらやっと降谷と目を合わす
全然大丈夫じゃねえよ
エロイこと何にも知りませんって面してたお前にこっちはなぁ
「とってきて、おれの着替え」
「え?」
いいところなのに今ですか?なんて顔しやがって
わかれよ、と目線を下げる
恥ずかしい
察してほしい
その俺の様子から、少し身体を起こした降谷
ああ、やっぱりな
ジャージから染み出てた精液が降谷のTシャツにも引っ付いてて、剥がれるときにミチ…と小さく音をたててしまった
うっわー、えろいねーやだやだ
耳が焼け落ちそうなほど熱い
そこでやっと状況がわかったようで、視線が何度か俺の顔と股間を往復して、ボボボボッと音が聞こえるくらい一気に真っ赤になった
「ごめんなさい、あの、取りにいってきます、あ、でも」
謝ったり手をばたつかせたり、それでも俺の上から退けない混乱の極みって感じの降谷を見て、あぁやっぱり好きだなあと思った
ちゃんと俺がお前のことを好きで、こんなになったんだと伝えたい
俺はお前に変えられたってわかってほしい
ちゃんと何でも言葉にして伝えてくれる降谷みたいに、俺も…
「ふるやに触られるの、よくて」
脱がして欲しかったのに…と、どうしてもイッたというワードを避けながらごにょごにょ言葉を濁す
実際やってみると声に出すってかなり大変で、恥ずかしくて難しい
言霊とかいうもんの力はすごくて
思ってるだけより、それを口に出したら相手に向かって言っても自分に返ってくる
それは自分を縛ったり、抑えたり、制限したりもするけど
「降谷にいろいろされるのきもちよくて」
解放してくれたりもする
「降谷がおれに興奮してるのが、すっげーうれしい」
そっか俺、嬉しかったんだ
言葉にしてみると気持ちが整理できて、実感になった
気持ちいいとかより先に感じてたのはそれだった
声にしたらそれが自分の声で耳に入ってきて、ぶわっと広がる
わー!と叫び出したくなりながら、気持ちが膨らみまくって「うー好きだー」と顔を覆って小声で呟いて自分の体中から吹き出す熱気を感じた
「せんぱい」
ふーふー、と荒い息を吐く降谷にぎゅううと抱き締められる
「ああ…せんぱい」
こんな色っぽい声も出せるのかーとゾクゾクしながら、いまどんな顔してるのか見てやろうと、隠すようにクロスさせていた腕を自分の顔から外す
俺の首筋に吸い付いていた降谷がそれに気付いて覗き込んできた
汗で額に張り付いてよれた前髪
上気して染まる色白の肌
その中でも唇がひどく真っ赤に見えて目に悪い
じっと見つめてくる目が、涼しげでいて眠そうな普段のものではなく、野球をしているときみたいに熱っぽく、そして濡れている
あー俺の彼氏がかっこよすぎる…マジか…
降谷みたいにじいぃんと感動してしまう
将来こいつはプロになる
未来のことなんて誰にもわからないけど、きっとなる
そのとき、俺たちがどうなってるかなんてわからない
でもこの男が俺を好きで、その目が今この瞬間、俺だけを映してくれているってのが本当にうれしい
うれしくてうれしくて、泣きたくないのに涙がたまると降谷が見えなくなるから、仕方なくまばまきをして涙をこぼす
バカみたいに一人で泣いてるのが恥ずかしくて、ごめんと笑って謝る
そんな俺を見て熱っぽい降谷の目元が優しく微笑んだ
そして唇は微かに触れているけど喋れる距離まで顔を寄せてきた降谷は、目を細めて何か呟こうと唇を動かしたが声にはせず、そのまま飲み込むようにキスをした
ふー、ふー、と降谷の荒い息につられて俺も興奮してくる
頭にすがり付くように両腕で閉じ込め、わざと下品な音を鳴らしながら降谷の唾液を飲み込む
もっと口の中を舐め回してやりたいが、ぎゅうぎゅうと抱き合ってるせいで下半身の不快感がヤバイ
流石に気持ちが悪く、キスの合間に「着替え頼む」と肩を押して体を離そうとした
したが、すごい力で押し返され動かない
お、なんだ、動かねぇぞこいつ
体格は差があるように見えても正直力では負ける気がしなかったので、そんなはずないと、モヤがかってぽーっとしていた頭が一瞬で覚めた
「せんぱい、せんぱい」
可愛らしくふうふうと切らしていたはずの息が、喉の奥から響く獣のような声に変わっている
これやべーやつだ
今になってゾゾゾと甘い危機を感じ、触れ合っていた腰を離そうと身を捩る
しかしそれを許さないとばかりに両手で骨盤をがっちり掴んでベッドに固定された
俺が暴れるのをなにも言わずに息を吐きながら押さえ付けてくる降谷にちょっと痺れて、やめろ落ち着けと怒る声が自分でも上擦っているのがわかる
俺頑張って言葉にしたよな?!なのにおまえっ!
文句を言おうにも、甘い予感が腹の底から沸き上がって脳みそもじんじんしてきた
俺の妄想なんじゃないかと思うくらい
"俺はこんなことをされたかったんだ"
と都合のいいことばかり起きている
こんなツラして本当は嫌がってもねじ伏せて欲しいと思っていたとか、恥ずかしい気持ちがバレてるんじゃないかって怖くもなるし
こんな俺の恥ずかしいところもわかっていてほしいとも思う
俺のポーズだけの抵抗に拘束がゆるんだと思ったら、いきなり思いっきり膝裏を持ち上げられた
羞恥に目の前がカッと赤く染まる
押し広がってしまった精液の不快感と、ジャージに隠れているのに裸にされて見られているような感覚にじわじわ身体が高まる
降谷のがちがちのちんこがケツの溝にそって押し付けられて、布越しなのに緊張で穴がきゅっと締まった
不慣れな動きで本能のままゆっくり擦り付けてきて、穴をハッキリと形の浮き出てる降谷のちんこが引っ掛けるたびに腹の中がきゅんきゅん躍動する
穴もちんこもタマも全部が降谷に反応して、処女の癖に誘い込むように動いたり、気持ちいいと喜んでしまっている
そのいやらしい動きが突っ張ったジャージ越しにも目に見えてわかってしまい、降谷にもバレて、口だけ弱々しく拒絶するのがアホらしい
うううー、と唸った降谷が突然起き上がり低い天井にガツンッと頭をぶつけた音がする
そして唸りながら、俺のぱかりと開いていた膝を一纏めにして持ち上げ、ジャージをパンツと一緒にずらした
「あ、わっ」
「せんぱい…倉持、せんぱい」
中途半端に脱がされかけたジャージとパンツに拘束され閉じた膝を抱え上げられてケツだけ丸出しの俺
出した精液で俺から見える場所は大惨事になっている
そして自分の足で遮られて見えなくなった降谷が、見えなくてもパンツをおろして勃起したちんこを出したのがわかった
わかったというか、むわっとした熱気と共に俺のケツに生ちんこが当たっている
その感覚と、その事実に一気にどこかが切なくなってシーツをぎゅうぎゅう掴む
濡れるはずがない俺のケツからぬちぬちと音がする
ああ、と声が漏れた
ケツの穴丸出しのそこに降谷が何度も何度も先っぽやカリを滑らせて、先をねだられる
知識として知っているのか、本能的にそうしてるだけなのかわからない
本当にやめないと、と思いながらもこのまま好きにされたいって気持ちが大きくて魅力的で勝てない、負けたい
全身を、思考を、なにもかも征服されて屈したい
両手を挙げて、素っ裸で全てを明け渡して降伏したい
ぐに、ぐに
とうとう滑った先端が、一点にまっすぐめり込む
「せんぱい、せんぱい…倉持せんぱい…!」
持ち上がるケツを押さえ付けぐいぐいとつつかれる
「すきです…すきです倉持せんぱい」
あ、ああ、降谷…おれも好き…
もっと奥に…っ
なんて、うまくいくはずもなく
「いででででっ」
俺の括約筋はそんなにやわじゃない
やめい!と腹筋に力をいれて起き上がり手加減なしで降谷の頭にチョップを食らわす
あぶねー、ホントにあぶなかった
パンツをずりあげながら降谷と向き合う
勃起ちんこ片手に涙目だ
「い、いたい…」
それにヒドイと言いたげな目でじとっと睨んでいる
「いやムリだろ、さすがに」
明日も朝練あるしケツ初心者だからお互いに準備しないと怪我する、と真剣に怒っていたらピクリと降谷の身体が跳ねた
「初心者…」
「あ?そーだろ」
俺たちそこまでいってねーじゃん
そう言った途端に
ぱあぁあ、と花が咲いたように表情が輝く
「もしかしてお前…」
降谷は勘違いしていた
俺が御幸とはカラダだけだったと口を滑らしたのを、ヤッてたと思い込んでいたらしい
「先輩!」
んぎゅううう…と抱きしめられる
うれしいうれしいと伝わってきて、俺もうれしい
まさかあんなに強引に事をすすめようとしてたのが御幸とのことがあってだとか、それが早とちりだったことに降谷がこんなに喜ぶとも思わなかった
まぁ好きな相手が処女だとうれしいか
よかったよかったと上機嫌の降谷の、形のいい頭を撫でる
だけどまず
「よしよし、んで俺の服をさ」
早朝に見つからないように洗わないといけなくなった俺の服の着替えを部屋から取って来て欲しいとお願いしたところで、あんなことになったんだった
気を取り直して目的を思い出すと、降谷も抱き締めていた俺から離れる
そしてお互い見つめ合って、重大な問題にやっと気付いた
「それじゃ出歩けねぇか」
まじまじと勃起してる降谷のちんこを見て感動してしまう
押し付けられてはいたが、初対面だ
俺があまりにも見るので恥ずかしそうにパンツにしまいこんでしまったものの、隠すには無理がある
そしてさっきの勢いはどこへやら、ぽっと赤くなった綺麗な顔で壁まで後ずさってしまった
かわいいやつ
狭いベッドの上の空間で離れたって、そんなの一瞬で詰められる
逃げる降谷をタタッと手をついて追いかけた
「構ってやれなくてごめんな」
ぐいっと頭から降谷の膝の間に割って入ってぱんぱんに張った股間に話しかける
ぴたーっと背中を壁につけて逃げ場を失った降谷が、口をパクパクさせて俺を見下ろす
「降谷、おれも好き」
いっぱい言ってくれてありがとうと太股に頬擦りしながら目を見て伝えると、ひゅっと腹や股の付け根に力が入るのがわかる
よし、もっとこれから俺に何をされるか考えろ
わくわくしてさっきから語尾が甘く上がってしまう
一度目にしたものが服を押し上げ主張するそこに、挨拶がてらキスするとガタッと大袈裟にベッドが揺れた
俺の二の舞になって二人で御幸のパンツを借りるわけにもいかないので、ジャージもパンツもずらす
元気な降谷のちんこがパンツにひっかかっても気にせず引っ張ると、ぐぐぐと抵抗して飛び出たそれがびんっと腹を打った
おー、と声が出る
俺も興奮で目元が熱い
たぶん俺はいま酷く物欲しそうな顔をしてちんこを見つめてる
これは俺が"そういう奴"なんじゃなくて、お前のだからだって教えたいけど、言い訳がましいかな
肘をついて左手で根元を支えながら、ゆっくり見せつけるように、ぷっくりと汁の溢れそうになっている敏感な先端にやさしく唇をつけた
「あ、あ、せんぱい」
右手で意外としっかり生えてる陰毛をじょりじょり撫でながら、ちゅっちゅと音を鳴らして触れるだけのキスを繰り返す
唇がテカってぬるぬるする
「せんぱい、でそう、です」
壁に張り付いていた背中はもう前屈みになって、俺の後頭部に熱い息が当たる
俺はイイと背中反るんだけど、
こいつ感じると丸まるタイプか
気持ちいいのこわがっちゃう系だろ
かわいいなオイ
「はえーって、まだ待てよ」
どの口でとは思うが、俺はまだまだ舐め足りない
べろっと長い舌で段差の部分をぐるりと舐め回すとベッドがミシッと音をたてた
ガクガクと射精を我慢して震える降谷の固くシーツを握りしめる手が目に入って、投手の大事な手に何かあったらいけないと指を絡めとる
これでお互いに手が塞がった状態だ
肘で上半身を支えて頭を動かし、舐めてばかりいたちんこを、吸い付きながらじっくり咥えていった
うっ、と唸りながら少し上体を起こした降谷のおかげで動きやすい
ほらちゃんと見とけよ
そうやってかなり下品に音をたてた
どんな顔してるのかチラ見したら、眉を寄せて目をつぶっている
必死に我慢するような表情で唇が震えていて、可愛くてちょっと笑ってしまった
はっと目を開いた降谷
顔を見られていたことに驚き、笑われたことの怒りと羞恥で目がうるうるしている
握りしめられた力の入った手を親指で撫でてごめんと伝えると、手を振りほどかれた
怒らせたかと反省してたらすぐにその両手は俺の頭や顔を撫でだした
さっきよりリラックスしたように身体から力を抜いた降谷は、今度はじっくり俺がしゃぶるのを見ることにしたらしい
よしいいな?続けるぞ
本格的に咥えてやろうと体勢を整えていると、降谷の手が俺の耳をマッサージするように動き出した
熱い耳を、さらに熱くなっている指先が揉んだりなぞったりして、しゃぶりだした俺も気持ちよくなる
手のひらで包まれると、ごぷごぷと音が頭のなかで反響して脳が犯される
どんどん自分が追い込まれていって、これじゃいけないと喉を締めて責めてみるが、それもなんだか気持ちいい
いやまて口まで性感帯になってる場合じゃないぞと焦った
口に入らない根元部分までを手でシゴいて、握ってみたら跳ね返すようにぐんっと太くなって目が眩む
降谷のは長い
誰と比べてるかと言われれば答えにくいので言ってはやらないが、長い
そしてメガネ程ではないが、想像していたより膨張して太さもある
体毛だって、俺は薄くてアイツが濃かったので極端なものしか詳しく知らないが、たぶん薄くもない
色白で背も高く綺麗な顔だがまだ幼さもあってか、こんなに男らしく育っているとは思っていなかった
あーやっぱたまんねー
北海道からトコトコやってきた俺の可愛くて格好いいこの男をはやく味わいたい
気分が高まる
じゅぽじゅぽ頭を動かしていたら、不意に耳を弄っていた手に力が入って動きにくくなった
んーんー呻いて文句を言うと、ぐいぐい顔を持ち上げられる
顔の角度を変えられて、ぬとぉ…と口から竿が出ていく
掴まれて降谷と向き合うまで誘導されるまま顔を上げると、口の中にカリまでしか残らない
かといって全ては出ないように固定されてしまって、俺は歯が当たらないように注意するので精一杯だ
一見冷たくも見える顔で俺を見下ろす降谷と目を合わすと、耳を親指の腹で揉みこまれてうっとりしてしまう
顔は見せておけという無言の圧力に、そのままどうにか気持ちよくできないかと舌で口の中の大きく傘張っている先端をべろべろしてみる
裏筋やカリのくびれをぬるぬるの舌でくすぐる
強くしすぎないように加減するので喉の奥の舌の根元がつりそうだ
喉の筋肉がそれにあわせて動く
そこまでもじっと見ている降谷に、どんどん主導権を奪われていく
熱い息を漏らす降谷の腰が浮いて先っぽが俺の上顎に当たって滑り込む
それが気持ちよかったのか何度か俺の頭を固定したまま腰を突き上げたが、生理現象で俺が軽く嘔吐いたのがわかってピタリとやめてしまった
大丈夫ですか、すいませんと涙のたまった目元を拭われる
ああ、もったいない
苦しいのにそれより先に残念な気持ちになった
優しい降谷がこういうのを恐れて俺を無視して行為をすすめないのはわかっている
それでもイケナイ先輩の俺は嘔吐く喉に突っ込んで、お前ので膨らむ喉を見たり触ったりされながら「ここまで届いてる」ってのを感じてほしかった
ぽー、とそんなことを考えて喉を鳴らす
唾液が出まくって垂らさないように降谷のに吸い付きながら飲み込むと自分の唾液も美味しく感じる
俺こんな奴だったんだ
ここまで脳内ピンク色になるとは思わなかった
AVで見るような「これ気持ちよくねーだろ」って思っていたプレイもこいつとなら想像しただけで堪らねぇ
まだ未熟な喉がそんなことに対応できるわけがないので、ここでねだるわけにもいかず、ただただいつかシてみたいと切なくなりながら耳をくすぐる降谷の大きな手に甘える
このままじゃイけないだろうと俺の唾液で濡れた竿をシゴきながら、いままで触ってやれなかったタマのほうも揉む
それを触られると思ってなかったのか、オナニーするときも自分で触ったりしないのか敏感だ
次はここも舐めてやるからな~と意思を込めてよしよししているときゅううと競り上がった
限界も近かったんだろう
ああもうすぐ出るなという期待と、はやる気持ちでシゴくスピードをはやめて、口の中では唾液を泡立てるくらい舌と頬と上顎を使いながらめちゃくちゃにつるつるの先っぽを責める
見れたもんじゃない面してるのはわかっているが、それを見られているのにも感じた
派手にへこんだり膨らんだりする頬で、中でどんなことをされているのか視覚にも教え込む
「あー…」
降谷の、喉の奥から競り上がってきた声が低く漏れた
かわいく喘ぐと思っていたのに、責める俺の耳に届いたのはそんな雄臭い声で、頭と腹の奥が痺れる
主導権を取り返したはずが、すぐに支配される
もう俺は征服済みだとわからされる
はやく喉の奥も、食道も、胃まで満たしてほしくて目の前が興奮でぐるぐるしてきた
「くらもち、せんぱい」
ふ、ふ、ふ、と息が短く切れだした降谷
気持ちいいよな、出せよ
どうしようもなく蕩けてるだろうツラで笑ってやると、せんぱいせんぱいと呟きながら
ずぽっ、と俺の耳を揉んだりくすぐったりしていた指を急に穴に挿れた
んんんン
完全に語尾にハートを散らしながら眉間を寄せて歯を立てないように我慢する
小刻みに腰を上げ、それでも嘔吐いた俺を気にして突き上げないようにしながらも、俺の上顎からその少し奥の柔らかい部分で降谷のちんこの先っぽが気持ちよくなっていく
自分だけじゃなく、耳をずぼずぽと高速でピストンしている指が強弱をつけて俺も追い込んでくる
挿入にあわせて俺のしゃぶる音が脳内だけで響いたり解放された瞬間に耳から聞こえてきたりと変化して、降谷が無意識にこんなことしてるとしたら怖い
俺のしてほしいことの上をいきそうで怖い
こんな刺激がきたら、と期待するのを超えてくる
がっちり固定された頭に、自由に動かせないまま口の中を蹂躙され両側から穴を犯されてトロトロになっていく
その様を一部始終
雄臭くなっても綺麗なツラの、ついこの間まで中学生だった年下の男から見られ続ける
俺の仄暗い欲望が満たされてしまう
あーくそ、あー…
俺の眉間がぴくく、と痙攣した
擦られて熱で焼き切れそうな耳にぐっと指が強く押し挿いって、短く手入れされた爪がそれでも奥の内側に刺さる感覚がして顎から飲み込めなくなった唾液が垂れる
俺の頭を鷲掴みしていた長い指がミシ…と後頭部にめり込んだ
短く唸った降谷
その瞬間喉に叩きつけられる粘着力のすごいそれを反射的に飲み下す
んぐんぐ喉が勝手に動く
喉に張り付いて苦しい
それでも嘔吐く暇もなく身体が欲して、舌がまだびゅくびゅくと出してる途中の降谷の穴を卑しく舐め回してしまう
こめかみをぐうう、と押し込む親指の圧で涙がこぼれ落ちていく
耳を塞がれてドクドク自分の心臓の音が聞こえてくる
びくびくして力の抜けていく降谷の両手に一気に締め付けが無くなって頭に血が巡る
垂れ下がっていくちんこを名残惜しく思い吸い付きながらボロリと出した
降谷の両手をそのまま俺の顔を包むように上から押さえて、口の中で精液を味わう下品な様を手のひらに伝えてやる
アメを舐めているように舌を頬に当てて中からも降谷の手のひらを刺激する
降谷の息が整いだしたころ、やっと俺も口の中の味が薄らいだ
舌で精液の味を覚えているところも、飲み込むところも全部見せた
こんなん引かれるとかそんな感覚もなくて、思考がブッ飛んだ
うにゃうにゃといつまでもその感覚に浸って手のひらに頬擦りしていたら、降谷に薬指と小指で顎の下をくすぐられた
ん?と目を合わすとびちょびちょした俺の唇に親指が触れて、理解する
んあ、と口の中を見せた
スケベめ
満足げに微笑んだ降谷がベッドから長い手を伸ばしてティッシュを取り俺の口の周りを丁寧に拭う
それから今さら俺に隠しながらべとべとの股間を慌てて拭きはじめた
絶対にその状態じゃティッシュが張り付くだろ…と様子を見ていると、ごそごそしていた背中が諦めたように肩を落とす
渋々パンツとジャージをずり上げる降谷
放置したら後から痛い思いをするのにと思わなくもないが、俺の下半身の状態からすると何倍もマシだろう
パンツが張り付いてすぐには脱げそうにない
自分の状況にげんなりしていると、降谷は少し離れた場所にあったゴミ箱に向かって丸めたティッシュを見事に投げ入れた
俺でもあれくらいなら楽勝で…なんて対抗しようとしたが、ここは御幸の部屋だと思い出し、ゴミは回収しようと頭にメモしておく
新しくゴミ箱買ってやるから許せ御幸
「倉持先輩」
きちんと服を整えた降谷が名前を呼びながら抱き締めてくる
いまコイツのちんこにティッシュがついてるんだと思ったらおかしくて、そんなとこも可愛く感じるんだから人の欲目ってのは果てしない
好きです好きですうれしいですと言葉にも態度にも表してくれるが、さすがにキスはしてこないか
俺なんて自分のケツにめり込みかけたちんこ舐めてんだからな、と言いたくなるが気持ちはわかるのでキスはしないでやった
中までは無理だったが穴の周りはキレイに洗っといたから俺的にセーフだ
やさしく抱き合いながら、お互いの身体を手のひらで撫で合って微睡む
二人とも一発ずつ出して気だるくなって、でもオナニーのときとは違う疲労感に自然と口角が上がる
満たされて
心地よく疲れて幸せで、
そのままベッドに倒れて目を閉じて…
「いやまて服!降谷!ゴー!」
布団の誘惑に負けるところだった
ガバッと起きて降谷を外に叩き出す
こんなとんでもない状態で寝たら後悔しか残らない
降谷が戻ってくる前に俺は自分の下半身をどうにかしないと
ウエットティッシュでかぴかぴになって皮膚の張り付いたちんこを、パンツの上から湿らして少しずつ剥がす
ここで急げば命取り
血を見ることになる
降谷が出ている間に俺はそんな間抜けな作業に励んでいた
その頃5号室では
着替えを取りに来た降谷に
「降谷まで何しに来た!」
沢村が吠える
「いきなり御幸先輩が入ってきて勝手にもっち先輩のベッドで寝はじめるし、何なんだいったい!」
倉持の育児放棄を嘆きながら降谷と御幸に突っかかるが、二人とも素知らぬ顔で流していた
しらーと無視しながら倉持の着替えを選んで、一応御幸には挨拶をしてから部屋を出ていく降谷
御幸も「おう」と返事はしたものの、アイマスクをつけて寝る姿勢を貫いた
ぐぬぬ、と唸っていた沢村も降谷を追いかけはせず、そのままぶつぶつ何か言いながらベッドに横になった
その気配に御幸は、なんで俺がこんな気苦労をしないといけないんだ…と思いながらもホッとする
言われるがまま部屋を明け渡したあと、仕方なく5号室の倉持のベッドで寝ていた御幸
自分の知らぬ間に降谷とそんなことになっていた倉持に、すこーし妙な疎外感を感じて不思議な気分にはなったが、自分は手身近な倉持と抜きあってただけだ
そう二人がデキていることには関わらずにいようと心に決めていた
その矢先に降谷が倉持の着替えを取りに来たので、なぜ着替えが必要なのかを考えないよう、ひたすら無心になった
あー…俺のベッドが無事でありますように…
後日、
倉持から新しいゴミ箱を「わるいな」と言葉少なに手渡された御幸は、ほくほくと最近調子のよい降谷を横目に、考えることをやめた