誤解(和奏)
月日が流れ、俺と和奏、そして海道は同じ大学に進学した。趣味と、あとは和奏との時間を作りたくて続けていたベースもある程度形になってきたおかげで、最近は3人で大学サークルのライブイベントとかにも出るようになってきた。
「なあ柊史、ちょっと俺の友達からさベース弾けるやつを借りたいって話が来てるんだけど」
「海道ならオレよりもっと上手い知り合いとか知ってるだろ」
「それがさ、他の連中にあたったらもう全員埋まっちゃってるんだよ。今度のライブ、俺達は和奏ちゃんの予定合わないから出ないけど、予定が空いてるなら助けてくれないか?」
もとより人に頼み事をされて断るのは苦手だった。しかも、海道からここまで頼まれては無碍に断りにくい。
「……わかった。ところで海道はどうするの。」
「俺も別のバンドに呼ばれてる。同じライブには出るから、何かあったら呼んでくれ。」
そう話してる間に、海道からトークアプリ経由で連絡先が送られてくる。
「とりあえずこの二人な、先に送ったひとがボーカルとギターで、こっちがドラム。正直そんなに上手い連中じゃないから、お前も気負わなくていいぞ。」
なかなか辛辣な評価だが、その話しぶりに全くの遠慮がないことからも、そのバンドメンバーは海道と親しい友人なのだろう。
「それじゃ、あとはよろしく頼んだ!そろそろ次の授業が始まるからな。」
立ち去る海道を見つつ、新しいバンドメンバーとの顔合わせについて相談する。明日早速合わせられそうということだ。
「柊史、今度のライブで助っ人に呼ばれたんだって?本当に大丈夫なの、練習できる?」
「オレだって子供じゃないし、もうある程度は弾けるよ。」
「ふーん、昔はまともに弦を押さえられなかったのに、そんなこと言えるまで成長しちゃって」
大学帰り、週1ぐらいでライブハウスを借りて二人で練習するのは高校のときから変わらない。日によっては海道も来るが、今日は助っ人に呼ばれたほうを優先している。
「昔に比べれば結構上手くなったでしょ。」
「まあ……確かに、あたしの指導のおかげでずいぶん上手くなったね!」
「うんうん、どれもこれも和奏ちゃん最高っす、ちっぱい最高!」
「ふーん、柊史の命日は今日がいいみたいね」
「ごめんなさい言い過ぎました」
「ったく……昔もこんなこと言われて怒ったなぁ」
そう言いつつ、今日もいつものように練習をする。間違いなく昔よりは上手くなったと思うが、まだ和奏や海道には追いつける感じすらしない。もちろん違う楽器なのだから単純な比較はできないだろうけど、それでも明らかな差を感じずにはいられない。それでも、こうやって一緒にバンドをしているのが楽しいと思えるようになったのは本当に良かった。
「……」
「どうしたの、そんなボーッとして。」
「いや、今更だけどバンドやってよかったなって。」
「あー、まぁ……もともと私のに巻き込んじゃって悪いなって思ってたけど、それなら良かった。」
そうこうしているうちに時間は経ち、スタジオから出る。そういえば来週からは助っ人で呼ばれた方の練習に専念しないと。
「あっ、そうだ。来週からさっきの助っ人の方に専念しないといけないから、来週はナシでいい?」
「そうだよね、そっちの方も頑張ってね!」
翌日、ライゼリヤに呼ばれて顔合わせに行く。海道にも来てほしかった気が少しはするが、まあ大丈夫だろう。
「保科くんだよね、よろしく。僕は山下です。」
ギター、ボーカルの山下と海道は中学校の同級生らしい。
「海道に頼んだのは僕だけど、本当にこんなヘタなバンドの手伝いなんて頼んじゃってゴメンね。」
やたらと腰が引くその発言の裏に何かある様子はない。本当に穏やかそうな性格だ。
「いやぁ助かったわ。私たちのバンド、なかなかベースだけ見つからなくて。あっ私は江口、もう3年だけど、タメ口で全然構わないよ。」
そう話す女性はドラムの江口さんだ。女性でドラマーって、ちょっとめずらしい気がする。
「正直オレもまともに弾けないですけど、力になれるならよかったです。」
「いやいや、もしかして海道が強引に引き連れて来たんじゃないかってヒヤヒヤしてたぐらいだよ。」
山下の海道評価が垣間見えるが、あいつそんなにぐいぐい来るタイプだったか…?
「それじゃ、早速だけど合わせてみようと思うんだけど、大丈夫?」
「オレは一度やったことある曲なんで大丈夫です。」
「ライブハウスは二駅となりだから、移動しようか」
会計を済ませ、ライブハウスへ向けて出発する。
「保科くんって、確かいま大学1年生?」
「はい、ようやく大学に慣れてきたぐらいです」
「だからタメで良いって、なんか他人行儀なのダメなのよね。私」
遠慮がない人だが、言葉の裏はなんにもなさそうだ。ただただガサツな人、というところか。
「しっかし、保科くん、相当練習してるのね。前うちのバンドにいたベースの子じゃ指そんな状態になってなかったよ。」
確かに豆ができてちょっと指の形がおかしくなっている。
「正直そんなに詰めてやってるつもりはないですけど、山下くんも結構できてますし。」
すると江口さんは、唐突に二人の手を取りまじまじと眺める。
「ふーん…ギターって大変そうね、私ならこんな手になるまで練習したくないわ」
まあ、女性だと指とか綺麗にしたい人もいるだろうから、気持ちがわからないわけではない。ただ、ふと和奏が頭に浮かんで、なんとも言えない気持ちにもなった
「ああ、いやごめんね。ちょっと気に触った?」
話しながら、視界の端に和奏が映った。だが、今日は確かもとから用事があるって言ってたから、こんな時間にここにいるはずは……。ちょうど和奏のことを考えてたから、誰か似ている人を見間違えたのかもしれない。
「いえ、特に……」
「もう、江口さんは本当に遠慮がなさすぎですよ。」
「悪い悪い、本当に悪い意味はないんだよ。ごめんね。」
そして電車に乗り、ライブハウスに向かう。
合わせてみた感触は悪くない。もともと練習していた曲という事もあって、突然加わった割にはうまく行っている。
「よし、この調子ならライブまでに間に合いそうね。」
「保科くん、本当に手伝ってくれてありがとう、短い期間だけどこれからもよろしく頼むよ」
「オレなんかでいいなら、いくらでも呼んでください。」
感謝されるのも悪くないな、と思いつつ帰路につく。
日は流れ、バンド自体はなんとか形になった。ライブも完全な成功、とは言えないがほどほどにはうまく行った。
「柊史、なかなか様になってたぞ。」
「海道も、やっぱり上手いな。」
「そりゃ、オレだって相当練習してきたんだからな、頼られたなら完璧に仕上げないと、ってな。」
「おつかれ保科くん、よかったらこの後打ち上げなんだけど来る?」
「はい、ぜひとも」
答えかけたところで携帯が振動する。わざわざ電話なんて誰だ。
「あっ、ちょっと電話」
騒がしい会場から一旦外に出て、電話に出るとそれは和奏からだった。
「もしもし」
「もしもし、ライブどうだった」
「うん、そこそこにはできたかな。前よりははるかにできるようになってきた気がする。」
「ふーん、それならよかった。」
電話越しとはいえ、さっきから妙なクスリっぽさを感じている。しかもその裏にはトゲトゲしさもある。短い期間とはいえちょっと連絡がおろそかになってしまったことを怒っているのか。
「なあ、和奏。なにか怒ってないか?」
「え?別になんにも。ただ柊史が助っ人なのに失敗しちゃわないか心配だっただけ。」
「そっか。」
口とは裏腹に、さっきから明らかにイライラが伝わってくる。…今日は予定変更だ。打ち上げもちょっとは興味があるが、人混みが苦手だし抜け出せるならその方がいい。
「和奏、このあとは空いてる?」
「えっ、まあ。今日の用事はもう終わったからいつでもいいよ。」
「それじゃ、ちょっとあとでうちに来てくれないか。」
今日は親父も出張でいない。さっきから感じてるイライラの原因を聞くなら、家が一番いいだろう。
「まあ、いいけど。打ち上げとかないの?行かなくていいの?」
さっきとは打って変わって、イライラから不安や恐怖、のようなものが伝わってくる。ますます混乱してきた。オレは何か悪いことをしたのだろうか。
「もともと人混みは苦手だ。海道は行くらしいけど、オレはそこまで知り合いが多いわけでもないしな。」
ピンポーン
「空いてるよ」
「お邪魔します」
「でさ、なんで私を呼び出したわけ。」
話し方こそ穏やかだが、その裏にはなぜか恐怖のようなものが感じられる。怒ってるならまだわかるけれども、何故怯えているんだ。
「さっき電話で怒ってたみたいだから、ちょっと気になって。」
「別に、怒ってるわけじゃ……」
「そうなの、本当に?」
「……はぁ、そっか。柊史に隠し事してもバレちゃうよね。」
隠し事、やっぱり何か裏はあったらしい。
「実は、この前用事で駅に通りかかったとき、柊史と女の人がいい雰囲気だったのが気になってて」
言われてハッと思い出す。ライブハウスに移動するとき、確かに江口さんと妙に距離感が近かった。
「もともと、バンドの助っ人って話を聞いてたからあんまり気にしないようにしてたけど、あれを見るとちょっと…ね。」
「……」
「それで、ほら、こうやって呼び出されて。もしかして柊史が浮気……ってそんなことはないよね。」
そう話すその心境は相当穏やかではない。さっきからフラフラするぐらいの恐怖と怯えの感情が見えている。
「……ごめん。全くそういうつもりはなかった。不安にさせてごめん。あの人の距離感が近すぎただけだから、心配させてごめん。」
「…本当に?本当に柊史は浮気とか、そんなことはしてないよね?」
「本当だ、疑われるようなことをして悪かった。」
「よかったぁ…」
途端に崩れ落ちる和奏を支えようと掴み上げる。そしてオレの感じてた不安とかの感情も一気に消え去った。
それから、もう良い時間だったから晩飯を作り、二人で食べた。
「本当、柊史が浮気なんてしてなくてよかったぁ…」
「オレが浮気するほど軽薄な男に見えたのか…」
それはそれでちょっとだけショックだ。
「違うって、でも、ああいう場面に出くわしちゃうと、その、彼女としては不安になるの!正直これが本当だったら今すぐ柊史をぶん殴ってたかも。」
「本当に許してください、何でもしますから。」
「ふーん、本当になんでもするんだよね?」
背筋が凍るような感じがちょっとだけしたが、ここで嫌とか言ったら本当に殴られでもしそうだ。
「オレができることなら。」
「それじゃ、そんな柊史にはこう、だ!」
途端に抱きついてきて、首元に噛み付くような勢いでキスをしてくる。完全に痕を残すためという感じで、正直ちょっと痛い。そのままベッドに押し倒される。
「うひひ……私の柊史なんだからね、他のところ行っちゃダメなんだからね」
和奏は服ををゆっくり脱がせつつ体中のいたるところにキスマークをつけようとしてくる。ほとんど為すがままにされたオレは、反抗することすら許されないまま、ソファの上で服を脱がされていく。
「あたしにこんなことされておっきくしちゃってるの、もしかして柊史ってドM?」
そういいつつ、和奏はオレの陰茎を可愛がるように撫で回す
「そんなこと……」
「ふーん、それならこっちにもマークしておかないとね」
陰茎を口に入れ、ゆっくりと味わうように舌で回す。気付いたら和奏も自身の秘部を一人で慰め始めている。
「んっ、んちゅ……ほーら、そろそろ出したくなってきたでしょ。」
「うっ…もうきつい…」
「だーめ、あたしを不安にさせたバツなんだから、勝手なタイミングで出しちゃダメ」
そうは言いつつも、オレ自身の限界をそろそろ迎えそうだ。
「和奏……そろそろ…」
「もちろんこっち、だよね」
そこにはショーツを脱ぎ、秘部をすでに濡らした少女がいた。さっきまで咥えらえていたものはすでに唾液まみれで、月光にあてられてうっすら光って見える。そして一気に、和奏はイチモツの上に腰を下ろした。
「はっ、ああっ。ちょっといきなり過ぎたかな……今日は私が先にイカせるんだからね」
オレを気持ちよくさせようと淫靡な腰使いで必死に動く。たまらず腰が引けた瞬間、より強い力で押さえつけられる。
「んっ…逃げようなんて…思っちゃダメ」
激しく動くその腰と、中のキツさに耐えられず、精をすべて中に吐き出した。我慢が長い分、相当長い間小刻みに振動するその間も腰の動きは止まらず、それどころか完全に搾り取ろうと膣内はより収縮してくる
「あっ、あっ、いいよ…どんどんあたしの中に出しちゃいなさい…」
射精は収まったが、それでもまだ一定の太さを維持したオレの陰茎を弄ぶように、まだ腰を動かしている。
「ようやくイッたんだ、それじゃ今度はアタシが気持ちよくなるね」
さっきとはちょっと違う腰使いで、今度は自分の膣内で気持ちのいいところを探るように動き回る。
「あっ…そこ、いい…」
嬌声を上げながら腰の動きを早める和奏に合わせて、オレも動かないなりに腰を動かす。徐々に痙攣していくその膣内で、再度オレの陰茎は大きくなっていく。
「ん…あっ…うわっ…また大きくなった…もう、私もイッちゃう…」
体が一気に強張ったかと思うと膣内が激しく収縮する。そのままへたりこんできて、挿入したまま胸元に倒れかかってくる。頭をゆっくりと撫でつつ、顔をこちらに向けさせちょっと上体を起こして舌を絡ませつつキスをする。
「ふへへ……明日学校だけど、こんなにキスマークだらけで行けるのかな」