学校の試験は一段落して、今度は彼女も試験に向けた勉強を意識する時期に。テストならば同じ学校の先輩に聞いたほうが良いのだろうが、大学の試験ならば俺でも十分教えられる。そんなわけで時折こうして、お互いの家を行き来することが増えてきた。
「遅くなった、待たせた?」
「大丈夫、こーくんが来る前にアタシも聞きたいところまとめてたから」
今日は俺の家だから、彼女には近くのお店で待っていてもらった。テストもないこの時期だが、店内には案外参考書を広げた学生が多いように思える。愛衣と同じ制服の子もちらほら見かけるけれど、今更彼女を見失うようなことはなかった。
手早く荷物をまとめた彼女を連れ、家へと上がる。自分の家に帰ってきたことで少し気が抜け、カバンをとりあえずリビングに放る。彼女もまた、移動する間に多少集中が切れてしまったようですぐに勉強会ができそうな様子じゃなかった。
「悪い、結構暑くて汗かいてると思うんだけど、臭くない?」
「アタシは気にならないけど、シャワーでも浴びてきたら?」
「そうする、冷蔵庫からお茶とか出しとくから、喉乾いたなら飲んどいて」
「ありがと」
勝手知ったる我が家でくつろぐ愛衣を背に、自分は風呂へと向かう。キッチン仕事となれば火の近くにいることも多くて、こんな暑い日だと汗も結構かいてしまいがちだった。せっかく、彼女がやってきたというのに隣で臭いを発しているのはちょっと申し訳ない。
「こーくん、アタシもシャワー借りていい?」
彼女の声が聞こえ、生返事ながらもOKと素直に返す。店から家まで、さほど距離があるわけではなかったけれど、それでもちょっと汗をかくには十分すぎる距離だった。それにしても着替えとか持ってきているのだろうか、汗だくの下着を着直すのは気持ち悪いだろうに。
「ど、ども……」
「って、ええっ。何してるの」
「何って、シャワー借りるって」
蛇口をひねり、温かいお湯が出てきた頃に彼女がやってきた。想定外の事態に目を白黒させながらも、隠すところは……隠せそうにない。完全に気を抜いて、シャワーを浴び始めていたのだから無理もなかった。
「だって、こーくんがシャワー借りていいって言うから……」
「あ、あのー、愛衣さん?」
「それに、前アタシがお風呂のときに入ってきたのはこーくんだよね!?」
「だからそれは事故だって」
身に覚えがないといえば嘘になる。とはいえ、あのときは彼女に呼ばれてボディソープを取り出したがための事故だ。必死に否定しようとしても、事実そうなのだから言い返しようがない。まだお湯は出始めたばかりで、彼女の姿はやけにはっきり見えた。日焼けの跡は最近少し薄くなったけれど、やっぱりまだぼんやりと見えて、それがまたこの部屋の灯りに照らされ色っぽく見えた。
「普段覗くのはむしろ俺のほうなのに」
「あーっ、やっぱりあの時わざとだ。アタシのお風呂が見たくて入ってきたんでしょ」
「そういうわけじゃ……あるけど」
もっとも、今のほうがよっぽど恥ずかしいだろうにというツッコミを入れたくてたまらない。あの時、あくまで俺は服を着ていて彼女も浴槽に体を沈めていた。正直言って、くつろぐ彼女の表情程度しか見えない。それが今では、彼女も一糸まとわぬ姿で浴室のドアを開き、そして俺もまた同じような姿でお湯をかぶっている。
「たまにはこーくんが恥ずかしがるところだって見たいし、アタシばっかりこーくんに色々されるのも」
「と、とにかく湯気が部屋まで行っちゃうから」
「こーくんとお風呂、もしかして前の水着以来ですか?」
いつもは自分が彼女に無茶なお願いをしてばかりだと言うのに、今日の彼女はひと味違う。仕返しをするかのように、やたらと積極的で、それでいてちょっと変態的ですらある。まるで、普段の自分を見せられているような。そのことに思い至ってしまい、今度は別の意味で頭を抱えそうになった。
ピトリと彼女の肌が背中に触れる。ハリのある乳房が押しつぶされ、徐々に密着面積が高くなっていく。入ってきてすぐは驚きのほうが勝って興奮しようがなかったけれども、こんな直接的な事をされて、躰が反応しないわけがなかった。
「あれれ、ここ大きくしちゃって、もしかして期待しちゃってた?」
「ば、馬鹿言うな、こんなことされてこうならないほうが無理だ」
主導権を握ったことで一層調子づいた彼女が、胸に手を回す。思わず手にしたシャワーを落としそうになりながら、なおも固くなっていくペニスを必死で押さえつけようとした。押し付けられる胸の位置が、彼女との背丈の差をちょっと実感させてきて、なんだかひどく背徳的な行為をしているような気すら起こしてくる。
「お体、かゆいところないですかー?」
「そこ、はぁっ……愛衣、今日なんかおかしいって」
「アタシはおかしくないよ、こーくんが勝手に想像してるだけじゃん。アタシはシャワー借りるって言っただけなのに」
前に言ったような言葉をそっくりそのまま返される。彼女の手は胸から腹へ、そしてしっかりと固くなったモノに指先が触れた。細いそれがちょっと触れるだけで、体中にビリっと電流が走る。突然動いたことに彼女も驚いたのか、ちょっと体を震わせながら、それでも恐る恐る、もう一度それに手を伸ばしてきた。
「こんなに固くしちゃって、説得力ないよ」
指が絡み、カリから竿へとなぞるような手の動き。一瞬腰が弾けた瞬間、彼女は逃すまいと少し力を入れてそれを握りしめる。ちょっと痛いけれど、今の自分にとって、それはただの快感へとすぐに昇華されていった。
指先が鈴口へと伸びて、穴を塞ぐようにいじる。まだちゃんと洗ってもいないからと、ちょっと腰を引いて誤魔化そうとしても許してくれそうにない。ぷにぷにと当たる乳房、小さな体、その全てで俺を捉えて離そうとしてくれなかった。
「はぁ……っ、出して、アタシがいっぱい出してあげるから。こーくんの気持ちよさそうなところ、全部見たいから」
腰が砕け、膝が笑う。ペニスはビクビクと震える事をやめないまま、地べたにゆっくりと尻もちをついてしまう。それでもなお体を抱きかかえて、射精を促す姿は普段の彼女からは想像できそうにもない。
「ちょ、そんなところで倒れたら……っ!」
彼女も同時にしゃがみ込み、柔らかな双丘で頭を抱きとめる。乳房に包まれたまま、絶頂を迎えたその瞬間は、極楽と言っても過言では無いほどの快楽を体にもたらしてきた。
「ぅぅ……っ」
吹き出した精液は彼女の手を汚すだけではとどまらず、浴室の壁すらも白く汚していく。洗い流さなければなんて思う余裕は残っているわけもなく、力の入らないその体で、とめどなくあふれる白濁液を眺めるしかできそうになかった。
「うわぁ……こんなに出るって、思ったよりこーくんって溜め込んでた?」
「正直、今日家まで歩いてる最中から」
「変態……でも、まだ出せるよね」
思った以上のそれに少し引いているのか、それでも彼女は手を動かし続ける。一度絶頂を迎えたはずのそれは、彼女の手さばきでなおも十分な硬さを保ち続けていた。体を支えていたはずの愛衣は、いつしか立ち上がり、俺に背中を向けてペニスの位置を確かめるように腰を動かし始める。
「はぁっ、ふぁ……す、すごい、こんな深いところまで、はぁっ……」
風呂の熱気と彼女の興奮、どちらが原因か考える余裕なんて奪われていた。ずっぽりと膣奥まで沈められた陰茎が、彼女の小さな膣でゆっくりと跳ねる。そのたびにお互いの口からは嬌声が漏れ、それ以外のことなんて考えられないほどになっていた。
「こんなに深くまで……ああっ、はぁぁっ、そこで動いたら……っ」
表情は見えないけれど、想像以上に深く刺さったそれに驚く彼女の声だけは聞こえる。風呂場に響く嬌声、肉と肉が擦れ、愛液が泡立つ音。どれも性欲を溜め込み、発散する宛を探していた本能的なところをこれでもかと言うほどに刺激してきた。
お互いの体液が混ざり合い、十分な潤滑を生み出していく。出しっぱなしのシャワーはこぼれる声をかき消すように床を打ち付けるけれど、それを上回る程の声が溢れる。二度目の射精は、あまりにあっけなくやってきてしまった。
「うっ……はぁっ……」
「ぁ、はぁっ、もう出ちゃったんだ……もうちょっと、アタシは我慢できそう、なのに」
挑発的な彼女が、今度は自ら気持ちよくなろうと腰を動かす。グラインドの動きは加速して、膣奥の色んな所を突き上げてはまた引き抜き、そして気持ちいいところを定めるように腰を下ろす。
「は、はぁっ……う、く、ふぁぁ……い、くぅ……いっちゃう、アタシもいっちゃう」
大きく締め付け、そしてしばらくして震えながら弛緩していく。力尽きたのか、彼女の体重がゆっくりと体にかかり、そして後ろへと倒れてくる。小さな背中、日焼けの跡はまだ消えないその綺麗な背中を眺めながら、限界を超えた絶頂の快感に浸り続けた。
「愛衣が、こんなに積極的だなんて……びっくりした」
「えへへ、こーくんだって溜まってると思ってたから……」
風呂の壁や色んな所を汚しながら、お互いの愛を確かめ合う。すぐに勉強モードに切り替えられなさそうな今、もうちょっとだけこの余韻を楽しんでみたかった。