※この作品はR-18です。

オムニバス形式・ヒロインたちのその後   作:しゃもじん

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ヤンデレは未履修です。正直、上手く書ける気がしないので結局今回もなんとなく中途半端さが残っちゃったかも、などと不安ばかり感じる今日このごろ。



時を経て(和奏)

 最近、和奏の様子がおかしい。他の人からしたらそんなことはないのかもしれないが、すぐそばにいるオレは、その変化を強く感じさせられる。きっかけ、なんて言うのは思いつくわけもないし、いつからかなんて明確なタイミングはない。ただ、とにかく最近の和奏は、何かに怯えているのか、あるいはただオレに依存するようになったのか、どちらにせよ今までとは何かが違うようだ。

 

「……どしたの、柊史」

「なんでもない。それより、流石に教室ではそんなに近寄らなくても」

「そんな、これぐらいが普通じゃないの?」

「いやお前たちの距離はおかしいだろ」

 

 最近は登校中に合流して、二人で登校するようになった。突然提案してきたとはいえ、このぐらいは恋人らしいことがしたい、という理由は最もだ。冬も近くなってきたことで、最近の和奏は首にはマフラーを巻いている。そのくせ手袋はつけず、タイツを履くわけでもないその様子は見ている方も寒くなってしまいそうだ。そんな様子を見かねてか、あるいは恋人らしいことの一つとしてなのか、冷たい和奏の手を温めてあげるのが毎朝の日課になった。

 そう、思い出したら最初はこの程度だったはずだ。オレと合流した和奏がなれた手付きでヘッドホンを外し、そしてオレに手を差し出す。握り返して学校までの道のりをゆっくり歩く。それが日常だったのはもう遠い昔のように思えた。今では腕にしがみつくような形でオレのそばに近寄ってくる。姫松の制服姿の二人が、そんな密着してイチャイチャしているものだから同校に限らず、他校の生徒からも結構目線を集めてしまう。普段の和奏なら、そんな目立つような行為を喜んで行うわけもないはずなのに、最近はむしろ見せつけようとしているんじゃなかろうか。

 

「もしかして、海道が妬いているだけじゃない?」

「いやどう見てもおかしいだろ!最初の頃はこんな見せつけてくるような真似はしなかっただろ?」

「そんなこと言われても、アタシにとってはこれが普通だから」

 

 普通と言い切られて、オレも多少困惑の色を見せずにはいられない。そんな動揺を見抜かれたのか、さっきよりも締め付けが強くなる。最初の頃のようなからかい半分な海道が、今はどちらかと言うとオレへの心配が強まってきているようだ。口の中に広がる酸味と、はちみつを煮詰めたかのような極端なまでの甘みに頭がクラクラする。ともかく、この状況を脱さないと先にオレの身体が持ちそうにない。

 

「まぁ、確かに最近和奏が甘えてくるようになったかも」

「そう、アタシはこれが普通だと思っていたけど」

「ただ、教室でここまでベッタリだと目立つから、ね」

 

 言い方に気をつけつつ、なんとかして和奏をオレのそばから離す。それでもやっぱり距離感が近い。こんなに近くでイチャイチャしてくるようなイメージはなかったのに、最近の和奏はずっとこの調子だ。

 

「俺が言うような話じゃないけどさ、お前ら、教室ぐらいはもう少し距離感ってのをな」

「はいはい、わかったから」

 

 離れたことで、ようやく少し酸っぱさは引いてきた。ただ、まだ横からひたすらに強い好意が向けられ続けているようで、甘さばかりがひたすら続く。さらに、この様子を見たクラスメイトから次々と好奇の目を向けられることで、身体がズシッと重くなる。

 

「っと、そろそろ席に戻るわ。お前ら、もうちょっと周りの目を気にしろよ」

「わかってるけどさ」

 

 分かっているけれども、和奏が離そうとしない。なんてことを言ったら後から何を言われることか。最近の彼女が何を考えているのか、まだオレのことを好いていてくれることだけは分かっても、それ以外まったくわからなくなってきてしまった。

 

 

 

 放課後、部活動はほどほどに、2人の時間を取るためにライブハウスへ移動する。先に行っておいて良いと何度言っても、最近はずっと教室で待っているから迎えに行くのが恒例行事だ。

 

「ごめん、少し長引いた」

「うん、大丈夫。それで、今日は部活で何してたの」

「今日は男子が2人ぐらい相談に来たかな」

「それで、部員の皆は誰が」

「綾地さんと、今日は因幡さんがいたかな。椎葉さんは用事があるからって」

「ふーん……」

 

 何故かつまらなさそうな顔をする和奏。別に、部活動のことは前から伝えてあったし、いまさらそのことで何か言うようなことはないと思っていた。だが、今の様子だとどう見ても部活動に不満があるのだろうか。

 

「ねぇ、もうちょっとアタシとの時間も増やせたり、しないかな」

「これ以上部活休んだら皆に迷惑が」

「アタシ、最近はバイトも少なくなっちゃって、一人だと寂しいな……」

 

 何時になく不安そうな顔を見せる。元々、一人でいることをそこまで寂しがるような性格じゃなかっただろうに、なんてことは思っても口に出さずしまっておこう。ただ、今の和奏が明らかにオレを必要としていることだけはその表情からも伝わってきた。

 

「わかった、それじゃ土日でどっちかでいいかな」

「平日がいいな。だって、柊史が部活に行ったら……ううん、なんでもない。やっぱり土日でも大丈夫」

「そうか、ならまぁ……」

 

 こちらの提案に、なぜか一瞬だけ悲しそうな顔を見せる。そんなに平日にこだわる理由があるのだろうか。それとも、もしかしてそれ以外の理由が。

 

「だって、柊史が他の女の子に浮気とかしちゃわないか不安だから……」

 

 ささやくような声で言ったその一言を、オレは聞き漏らさなかった。ただ、その言葉を捕まえるべきか否かを迷っている間に、荷物をまとめた彼女は教室を出ていこうとしていた。完全に気を逸した以上、また何かの機会にその不安を払拭してあげるべきなのだろう、と思いつつ今日も二人でライブハウスへ向かった。

 

 

 

 ライブハウスでの練習はいつもどおり。基本的にはオレのベース技術を向上させつつ、時折2人でセッションをやってみる。徐々に形になるその過程が、2人で何かを作り上げていくように思えて、この時間がとても好きだ。

 

「ふぅ……一旦休憩。最近どんどん上手くなってきたよね」

「和奏の教え方が良いからだよ」

「うひひ、ありがと。それなら、ちょっと新しい曲に挑戦してみたいんだけどどうかな」

 

 そう言って今までとは違う、もう少しテクニカルな楽曲の楽譜を見せてくる。褒められたとはいえ、まだ初級者のオレには少しばかり難しすぎる気がする。とはいえわざわざ勧めてきたんだ。試しに弾いてみるのも悪くない。

 

「ちょっと難しいように思うけど、練習頑張るよ」

「よーし、それじゃアタシもビシバシ鍛えて行くよ」

 

 嬉しそうにオレの指導をする和奏の様子は少し眩しくもあり、楽しそうでもある。ギターを弾いているときは本当に真面目な顔をしているのに、弾き終わると一気に顔をほころばせ、オレに笑みを投げかけるその様子。ライブハウスでオレしか見られないその様子は本当に好きだ。

 

「ねぇ、柊史。やっぱりこの曲教えるのに、練習の頻度もっと上げたいんだけど」

「さっき土日にって言ったけども」

「できれば平日でもう1日。難しいから、指が覚えるまできっちりやらないと」

 

 突然、口の中に薬のような風味を感じた。しかもその口ぶりもいつもと違う。何かに怯えているのか、妙な焦りが隠れている。ここでようやく、教室で感じた疑問を聞くことができる。

 

「もしかして、オレが部活に行くのを止めさせたいの?」

「えっ、いや、そういうわけじゃ」

 

 単刀直入な質問にオロオロとする。この能力のことは伝えているとはいえ、ここまで細かく分かるとは言っていない。もっと言えばオレも、細かく分かるわけではないから少しは予想を込みで話をする必要があるのだが。どうやら今回はあたりのようだ。

 

「別に、部活動は今までどおりで変わったことはしてないよ」

「……ごめん、柊史が部活動に行っている間、少しだけ不安なんだ」

「不安って、何が」

「だって、部活って柊史以外皆女の子だよね。もしかして、突然取られたりしないかなって」

「まさか、そんなことは」

 

 否定しても、和奏から向けられる目線は真剣そのものだ。今更、そんなことを心配されるとはちょっと思っていなかっただけに、あの言葉が衝撃的だったわけで、そして今の質問に対する答えも想像出来なかった。

 

「だから、オレが部活動でそんなことにはならないから」

「……アタシさ、前に夢で柊史がとられちゃう夢を見たんだ」

 

 少し間をおいて、話し始める。ようやくその怯えの正体を知ることができる。今は黙って、和奏の話を聞くほかなかった。

 

「アタシが見たのは、部活動にすら入ってないときの柊史が突然女の子と付き合うお話。誰だったか、はよく覚えてないけれども、突然すぎてアタシはただ見ているしかできなかった」

 

 その話をする間、和奏からは重苦しい空気と苦味が伝わって来る。ただ、ところどころにうっすらと嘘の味がすることで、何かを隠していることにだけは気づいた。何を隠しているのか、そこまではわからないのがこの能力だが。とはいえ、この不安だけは表情や様子、そしてこの伝わる感情すべてが本物だと教えてくれる。

 

「だから、もっと柊史とそばにいる時間を増やしてその夢が現実になってほしくない」

「……オレたちは、もう付き合っているんだし、今もこうやって二人で過ごす時間が好きだから大丈夫だよ」

 

 緊張感に気圧されて乾ききった口を開く。そしてなんとか安心させようと言葉を紡いだ。わずかに潤んだ目でこちらを見る和奏は、本当に悪夢から覚めたばかりの子供のようで。持っていたベースをいつもより乱雑に置いて、逆側の椅子に座る和奏を抱きしめた。肩に頭をうずめた和奏が、少ししてオレの身体に手を回して抱きしめてくる。それからしばらく、その震える身体を掴んで離さずにいた。

 

 

 

 ライブハウスを出てから、今日はまっすぐ帰らなかった。和奏をそのままにしているわけには行かず、落ち着くまでカラオケへと場所を変えた。父親に遅くなるとの連絡を済ませて、そのままお店へと入った。時間はまだギリギリ夕方とも言えるような時間で、お店に制服姿の二人が入るところは怪しまれることもなかった。

 

「……ねぇ、柊史。お願いだから、アタシをもっと安心させて」

 

 部屋に入ってすぐに、電気もつけずにオレへと抱きついてくる。改めて密室に入ったことで一気に感情が爆発したのか、押し倒すかのように抱擁を迫ってくる。勢いをそのまま受け止めたオレは押し倒され、カーペットの床に組み敷かれた。強引に唇を奪われ、その行動の唐突さに驚きつつも全身で受け入れる。生々しく動く舌を口の中に挿し込まれ、口元を唾液まみれにすることも気にせず、粘膜同士を触れさせ合うように熱くキスを交わす。溢れる互いの液を和奏が指ですくい、そして息継ぎのたびに妖艶に舐め取るその様子が興奮を高めていった。すでに腕を押さえつけられ、強引なまでに口の中を蹂躙されているというのに、オレの身体は正直な反応を示していた。

 

「んんっ、ちゅっ、柊史……」

「今日の和奏、ちょっと強引でっ」

「だって、柊史のこと大好きだから」

 

 強引な口づけから始まった恋人同士の接触は、互いの理性のタガが外れ、エスカレートしていくばかりだ。和奏が手を緩めたかと思えば、片手で器用に学ランのボタンを外し、そして中のシャツすらはだけさせてくる。同時に片手が空いたオレも、制服をはだけさせようと、少しだけ強引に和奏に掴みかかる。少し身を捩らせ躱そうとしたとき、お互いの上下は逆に入れ替わり、今度はオレが押し倒す形に。

 

「ちゃんと和奏のことが好きなの、教えるから」

「んっ、いいよ、早く来て」

 

 逆転したことで自由になった両手を使い、和奏の上半身から衣服を剥ぎ取った。顕になったその小ぶりな乳房と、薄桃色の乳暈をすべて掌で包み込んでは感触を楽しみ始める。それでは不満だったのか、和奏も同じようにオレの服を強引に掴み、そして胸板を露出させる。

 

「もっと、いっぱい抱いて……」

 

 片手でオレの背中を抱き寄せてきたのに合わせ、今度は肌と肌をぴったりと密着させるようにしつつ、キスを交わす。みずみずしい肌がオレの少し荒れた肌にふれあい、そして鼓動を伝える。互いの鼓動は少しずつシンクロしていって、すでにここがカラオケボックスの一室だということすら忘れてしまったかのように熱い抱擁を続ける。

 

「あっ、はぁっ、ぅ、んんんんんっ!」

 

 一息、大きく吸い込んでから強く口づけをされ、口の中をすべて吸い取られる。強引に和奏の口内へと導かれた舌は、その中で触手のように絡みつくそれでもてあそばれていた。

 

息苦しくなるほどの口づけがゆるみ、呆然としているとベルトがゆっくりと緩められ、そしてオレのモノが顕になる。外気に晒された陰茎はすでに膨大な血液を湛えていて、十分な強度を得ていた。先程までお互いを求め合うかのように口づけを交わしていた、その口唇で今度はペニスを咥えてくる。

 

「はぁ……やっぱり、柊史の大きくて、アタシの口には入り切らないかも」

「んっ、くうっ」

 

 いつもなら7分目ほどまで咥えていたその陰茎を強引に咥えこもうとして、少しむせる。先程までキスをして十分なほど唾液を湛えた口内は、その中に挿れただけですでに射精を促してくるようだ。

 

「あっ、今ちょっと震えた……もしかして、もう出ちゃうの」

「だって、和奏の口の中、気持ちよすぎて」

「ダメ、今日はアタシの口じゃなくて……こっちにお願い」

 

 そう言って、口からペニスを引き抜き、乱雑にスカートの下に履いたその布を脱ぎ捨てた。寝転がった状態でははっきりと見えないが、この暗さでもはっきりと分かるほど、その秘密の園はぐっしょりと濡れていた。片手は地面に手をつき、もう片手でその双丘を掴み、強引に柔肉を開いて見せつけるその様子に耐えきれず、起き上がってすぐに一物をあてがった。

 

「あっ、いいっ、そこ、気持ちいいのっ……」

 

 根元まで深く挿し込み、そこからゆっくりと抽送を始める。この姿勢で擦れるところが、和奏にとって最も気持ちいいところなのか、声は上ずり、もはやまともに話せる状態ではなさそうだ。

 

「あああっ、んんっ、ぁ、っ……いいっ、そこ、もっと奥までっ」

 

 徐々に姿勢が乱れ、地面にうつ伏せのような形で倒れ込む。そのままだと挿入し続けることが困難になってきたため、今度は片足を抱え、そして和奏を横向きに倒す。さっきよりも深く串刺しにする形を取り、引き続きピストンを続ける。

 

「んひぃっ、そこ、しょこのおく、あたってきもひいいの……」

 

 言葉を紡ぐことすら困難になるほど乱れた和奏を見て、さらなる硬さをましたその陰茎は、そろそろその限界を迎えようとしていた。身体の奥底から湧き上がるような和奏への愛をすべて、一番深いところで噴出させた。

 

「んっ、あっ、きたっ、きたぁ……柊史のがいっぱい、アタシの中ででてるぅ……」

 

 そのまま引き抜いたら床に大量の精液を垂らしてしまいそうだからと、結局その姿勢でじっとしていた。あまりに大量の射精で視界がクラクラと歪む中でも、その身体を支えきっていた。

 

「ねぇ、まだできる……?今日はもっと、柊史をアタシに感じさせてほしいな」

 

 すでに今までにないほどの射精を導かれたというのに、そういう和奏を見て今度は正常位で交尾を始める。肉欲だけではなく、ただひたすら和奏を満足させるためのセックス。される和奏も足を背中に回し、しっかりとオレを掴んで離さない。お互いに愛を伝え合うために行われるセックスは結局、部屋を時間で追い出されるまで続いた。

 

 

 

 帰路、カラオケボックスを出てからは柊史が送ってくれた。もう遅いから、1人にするのは心配だと、そうやって向けられる好意が今のアタシにはとっても嬉しい。この”世界”に来る前に見た、柊史が他の女の子と付き合うたくさんの未来。それはここでは起こりえないと思えるだけの愛を受け取った今、ようやく心から幸せになれたと思ってもいいのかな。

 

「……アタシ、どうしてこれだけ遠回りしちゃったんだろ」

 

 それは、2人が恋仲になるまでにたどった回り道を指してなのか、あるいは何度も見た”世界”を含めてのことなのか。別にどっちでも良い。ただ、今は柊史とこれだけ幸せになれたんだ。それだけで十分かな。

 




もうちょっとドロッドロに依存してくれても良かったけど、仮に書くならもう少し長い、それこそ本とかにするほうが良さそうですかね。
それはそうと、執筆は平成最後の日なのに公開は令和最初の日という記念すべき小説になりましたね。そろそろ夏コミの原稿も書かなきゃ(現実逃避)
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