当たり前だった日常が当たり前じゃなくなったとき、こんなにも不安になるんだと初めてしった。毎日のように柊史とお弁当を食べて、一緒にギターの練習をして、もはや日常の一部になっていた時間がなくなって改めて、アタシにとっての柊史が大きな存在だったことを思い知らされる。
学校にも行けず、もちろんライブハウスに行くなんてできるわけもない。スマホで電話したり、ギターの練習を見てあげたりしているのに、実際に会えないだけでこんなにも不安になるなんて。
「はぁ……アタシ、どうしちゃったのかな」
自分しか居ない部屋で一人、ボソリと弱音を吐く。柊史との仲はあいも変わらず良好で、あれから正式に入部したオカルト研究部の皆とも仲良くしているつもりだ。それでも、毎日会えないだけでこんな気持ちにさせられる。
既に時計の針は天井を指していて、こんな時間に電話をするなんて非常識な真似はいくら柊史だとしても憚られる。この時間まで起きていそうなものだけど、だとしても起こしちゃったらどうしようと思って、手にしたスマートフォンをそっと布団に置いた。明日は久しぶりの投稿日だから、別に今急いで連絡する理由はない。だから早く寝たいのに、まだ目が覚めている。
「ギター……いや、この時間に練習したらダメだよね」
部屋の隅に立てかけたギターを眺める。最後に練習したときから、アタシももっと上手くなったから早く見せたい。そう思っても今の状況はそれを許してくれない。頭にかかったモヤモヤを払うときは決まってギターを弾いていたけれども、こんな時間に弾いたらお父さんに怒られちゃう。
諦めて布団に体を横たえて、まだはっきりした意識のまま強引にまぶたを閉じてみる。そこにいないはずの柊史がいるような気がして、もっと落ち着かなくなる。それでも起きるだけの気力はもう残されていないようで、横たえた体をそのままにもう一度携帯を眺める。
来るはずのない返事を期待してみても、もちろん何も起こらない。そもそも送っていないのだから、期待することが間違いだと分かっていたとしても。アンニュイなこの気持ちを何処にぶつけようか。
「んっ……柊史……」
不意に浮かぶ、最後に柊史としたセックスの情景が体を熱くする。甘く情熱的なキスから始まったそれは、思い出すだけでも十分なほどに刺激的だった。そっと自らの手を秘部に伸ばしてみると、ショーツの下は少しだけ湿り気を帯びていた。汗とは違う、もう少し粘り気を帯びているそれの意味を理解するのに時間はかからなかった。
「バカ……どうして……」
そこにいない彼氏に向けた悪態を独りごちる。熱っぽい体をいたわるように、自分の慎ましやかな胸部に触れてみると、そちらも薄っすらと汗をかいていて、自分の手がぺたりと貼り付いて離れない。マッサージするように揉んでみるも、彼にしてもらったときのような気持ちよさはない。
「っ……はぁ、はぁ……」
寝間着をめくりあげ、今度は両手で試してみる。さっきよりは両方の乳房に刺激が加わっている分、気持ちよさは増したような気がするがそれでもまだ足りない。目を閉じ、好きな彼に触れられている自分を想像してみる。
彼の手付きを真似るように、決して乱暴ではないがそれでいて力強い、そんな愛撫を真似してみると徐々に快感が増してきた。もうちょっと、もうちょっとだけ。ツンと立った乳頭をつまんでみると、反射的に体がのけぞるほどの快感がやって来た。荒くなる息をちょっと抑え、もう一度試してみるとあの快感がやってくる。
布団に汗がにじむ。いくら何でも、恋人と会えないからって一人でオナニーなんて……。そんな自己嫌悪が頭をよぎっても、一度スイッチが入った体を慰めることはもうできない。もう一度乳房に手をあて、今度はもう片手でショーツの下に手を伸ばす。すでにトロリとした蜜で満ちた膣内に指を入れてみると、自分の体とは思えないほどに熱々になっていた。
「ひゃっ……は、あぁ、ん、ふぅ……」
指の腹のところが敏感になったクリトリスを撫でる。柊史にいじめられたときは、確かこのあたりをいっぱい舐められた、なんて思い出しながら自慰にふける。自分の指は彼の指に比べて細く短く、それでいてどこか手加減してしまっているようで、あの時みたいな気持ちよさはない。それでも、触るたびに走る電撃に病みつきになってしまう。
「ん、んいっ……そこ、だめ、柊史、柊史ぃ……」
触れるたびに彼との性行為を思い出して、また興奮が止まらなくなる。もはやショーツが意味ないほどにトロトロになってしまっていて、自分のいやしさに少しため息をつきたくなった。ここにいない彼氏の名前を呼びながら、もう一度触れてみると、また強く、そして甘い快感が心を満たしていく。
ショーツを脱ぎ捨て、更に奥まで触れてみようとしたところでようやく我に返る。隣の部屋から聞こえた物音が、自分を現実に引き戻す。こんなムラムラしたまま寝るなんて難しいように思えるが、ひとり慰めている間に時計の針は更に進んでいた。乱れた服を整え、もう一度布団をかぶる。
「はぁ……明日どんな顔で柊史に会えばいいのさ……」
長い休みが開けて久しぶりの再会を喜ぶ皆の中で、和奏はちょっと浮かない顔をしていた。別に機嫌を損ねるようなことをした記憶はないし、伝わる感情からも悪いものはほとんどない。むしろ、それは少し前に別の人から感じたそれに近くて……
話しかけてみても受け答えは自然そのもの、だというのに授業中にちらりと見ると物憂げな表情をしているようにしか見えない。直接聞くのもはばかられるが、海道にお願いするなんて真似もできない。どうしようかと考えている間にその日の授業が終わり、部活動の時間になっていた。
「柊史……ちょっと、いいかな」
「どうした?」
「その、えっと、話したいことがあるから部活が終わったら教室に来てくれないかな?」
普通、そんな言葉をかけられたらフラれるなんて心配をするところだが、彼女から伝わる感情はそういうものではない。安堵する一方、この能力がこんな形で役立つとは思っていなかっただけに何ともモヤモヤするものがある。
彼女の言葉に素直にうなずき、時刻を待つ。部活動の間の和奏はいつもと同じで、それ自体は嬉しいものだ。だが、やはりさっきの言葉が気にかかる。彼女がわざわざ呼び出すことなんて、何があるのだろうか。
「……ごめん、柊史。アタシ」
予定通り誰も居ない教室で待っていると、和奏が顔を赤らめたまま近寄ってくる。そのまま突然の口づけに状況を理解できず固まっていると、それを同意と捉えたのか彼女の舌がそっと入ってきた。ためらいがちなそのキスに、素直にオレも体を預けた。
抱き寄せると小さな体はかすかに震えていて、身長差もあって見上げるようにこちらを見てくる。こちらが体の力を抜いた瞬間、彼女はオレのズボンに手をかけ、そっと上から少し硬くなりつついたペニスをなぞり始める。またしても突然の事で、何か言おうにも言葉が出ない。指の感触が布越しでも生々しい。キスの間にすでに硬くなりつついたそれが、彼女の愛撫でもっと固くなる。
「柊史……アタシ、柊史に会えなくて寂しくて、だから」
無言で彼女を机に押し倒し、乱雑に服を脱がせる。感じていた甘いねっとりとした味はすべて、彼女自身の発情だったのだと気付かされ、オレの理性はとたんに限界を迎えた。机の上に乱雑に押し倒され、慎ましやかな胸が顕になる。スカートの下のショーツも脱がしてみると、彼女は抵抗の意思なくオレのされるがままになっていた。
チャックから硬くなったペニスを取り出し、彼女の陰裂に押し当てる。前戯もなしに押し込んだソレは何の引っ掛かりもなくずぶりと飲み込まれていった。熱い膣内をかき混ぜるように腰を動かしてみると、彼女が我慢しきれず喘ぎ始める。
「ん、は、ぁ……柊史、そこ、もっと……」
ペニスを出し入れするたびに、彼女の声が小さいながらも聞こえてくる。彼女の興奮が高まるたびに膣内のスペースがなくなり、隙間から聞こえる音がより甲高くなっていく。膣奥を突き上げるように、彼女を満足させるように何度も動かすと、オレの方も気持ちよさがましていく。
放課後の教室は既に夕日が射していて、廊下は静まり返っている。誰も居ない教室で、二人だけで愛を確かめ合う、幸せで満たされた時間。だとしても、彼女がこんな強引な手段に出た理由を聞きたくてふいに言葉が出る。。
「和奏、どうしてこんな、っ」
「だって、柊史に会えなくて、それで……ごめんね、アタシ、こんなエッチな子で」
彼女は弁明の間も腰を浮かし、もっと快感を貪ろうとしてくる。彼女の言葉を聞いて、いよいよ我慢する必要がなくなったオレは、腰を鷲掴みにして奥まで激しく突き上げる。膣奥を突き上げられるたびに、苦しそうな声をあげる彼女だが、むしろ満足げな様子だった。
愛液が泡立ち、結合部を白く汚す。上から覆いかぶさるように彼女にキスをすると、舌を伸ばしてそれに応じてくれた。その姿勢でもう一度、彼女の中をこするように動かすと、隙間から彼女の可愛い喘ぎ声が漏れ始めた。
「ん、あっ、それ、好き……かも。柊史にキスされながら、するの、好きぃ……」
肉ひだが絡まり、オレの肉棒を咥えこんで離さない。そんな彼女の中で果てるのはもう時間の問題だった。もう一度、強く突き上げて彼女の蜜壺をぐちゃぐちゃにすると、ひときわ大きく体を震わせ、そして温かい液を股の間から垂らす。彼女の絶頂で強くしまった膣内に、一気にオレも白濁した液体を放つ。膣奥に流し込んだドロドロが、彼女の愛液と混ざってより白く、オレたちの色んな所を汚す。
廊下はまだ静かで、息が荒くなった彼女の落ち着きを取り戻させるのには十分な時間があった。体を引き起こし、つながったまま椅子に座り直した。向かい合ったまま抱き合い、口づけを交わす間も彼女はまだ満足しない様子で、時折腰を動かしている。
「ねぇ……もっと、アタシのなかをぐちゃぐちゃにして、お願い……」
一つになったまま、誰も居ない教室で彼女との時間を過ごす。背徳的だが、そんなことを言われてやめられるわけもなかった。