年末、最後の一本はやっぱり和奏ちゃんで終わりたかったのでなんとか更新間に合わせました。
来年はもう少し仕事と小説のバランスを見つけたいところですね。
年の瀬、いつもなら親父と大掃除に取り掛かるつもりだったが今年はちょっと違っていた。親父は長期の出張から帰ってこない、静かな年末。誰も居ない家はいつも以上に寂しくて、モヤモヤする気分を紛らわせようといつにも増して掃除に気合が入る。
「ごめん、遅くなった……って、もう殆ど終わってるじゃん」
「なんだか、何もせず待ってるのも手持ち無沙汰で」
「せっかくアタシが柊史の掃除を手伝ってあげるって言ったのにぃ……」
少ししてやってきた和奏はどこかふくれっ面。近くのドラッグストアで買ってきたと思しき掃除用具が、ビニール袋からはみ出て見えていた。思わぬところで彼女の期待を裏切ってしまった事にどこか罪悪感を感じつつ、彼女から荷物を受け取る。
「頼まれてたの、これで良かった?」
「ありがとう、レシートはもらった?」
「このぐらい気にしなくていいよ、大した額でもないから」
とは言ってもいつも彼女に頼ってばかりじゃ、どこか申し訳ない気持ちにもなる。とはいえ頑なに出そうとしない和奏に根負けして、今回だけは厚意にあまえさせてもらった。
彼女が買ってきた掃除道具を取り出し、後回しにしていたところに取りかかる。年末の大掃除、一人でこの広い家を片付けるのには苦労すると思っていたが思わぬ援軍を得て非常に捗る。人の家の掃除を手伝わせるなんてと思っていたが、彼女がどうしてもと言うから結局頼ってしまった。経緯はともかくとして、恋人に甲斐甲斐しく世話をされるのもどこか嬉しい気持ちになっていた。
「それじゃ、アタシは台所から始めるね。何か分からなかったら聞くから」
「それなら俺は風呂場からやってくるよ」
手分けして掃除、まだ付き合っているだけの関係だというのにどこか新婚めいたものを感じて心が躍る。そんなオレの気持ちに気付いたのか、ちらりと覗き見た彼女と目線が合いお互いに頬を赤く染めた。
「ほ、ほら、サボってないで、早くお風呂綺麗にするんでしょ」
照れ隠しのように追いやられ、また無心で風呂場を綺麗にする。台所で掃除する和奏は水濡れしても良いようにちょっとラフな格好で、これはこれでいつも見ている彼女と違って可愛く思えた。
分担したおかげで早く進み、まだ日も高い頃合いに掃除は終わった。手で汗を拭いながら、和奏もちょっと疲れた様子でソファに腰掛けている。確か冷蔵庫にお茶でも入れていただろうか、ちょっと取ってきて彼女の労をねぎらおう。
「おかげで助かったよ、ありがとう」
「柊史が困ってたらアタシが助ける、当たり前でしょ」
ちょっと胸を張ってみせる彼女が頼もしく見えるのは何度目か、この小さな体でいつもオレを助けてくれる。なんだか愛おしくなって、お茶をテーブルに置いてから彼女をギュッと抱きしめた。
「わっ……ちょっと、いきなりすぎだって。アタシだって、その、心の準備が」
「これは手伝ってくれたお礼だから」
「またそんな事言って」
ちょっとだけ抵抗はしてみせたが、すぐにそれは止まる。ソファの上で抱きしめられた和奏はこちらをちらりと見て、反論は無意味だと悟ったのか、オレの抱擁をしっかりと受け止めてくれた。
「寒いから汗かかないと思ってたけど、意外とかいちゃうね」
「シャワーでも浴びてくる? もう換気は済んでるから入っても大丈夫だと思うけど」
オレからの提案に、彼女はちょっと悩んだ様子を見せる。別に遠慮すること無いのに、なんて声をかけようと思ったが、口の中に甘いものが満ちていく所で彼女の意図をようやく察する事になった。
「えっと、その、ほら、柊史も汗かいちゃったでしょ。だから、アタシだけ先に入るのも悪いかなって」
「それは、まぁ……」
実のところ今すぐシャワーを浴びたいほど汗をかいたわけではないが、それでも和奏からの誘いを無下にはできない。無言を肯定とみなした彼女はそっと、オレの手に自分の手を重ねてくる。長い間一緒に寄り添ってきたかのような、そんな安心感を覚えながら彼女と一緒に風呂へと向かった。
蛇口をひねり、シャワーのお湯を出す。すぐに風呂場は湯気でいっぱいになり、遅れて入ってきた彼女の姿はしっかりと捉えられないほどになっていた。一緒に入ろうと誘ってきたのは和奏だったのに、いざ服を脱ぐ段になって恥ずかしいと言ってお手洗いへと逃げ出していってしまったものだから、もうちょっとかかるかと思っていたが。
待たされたオレはと言うと、平常心を保つので精一杯だ。何度も和奏と体を重ね、一糸まとわぬ姿だって見たはずなのに、日常の中で目にするとなればいつもと違うドキドキがやってくる。彼女が戻ってきたときに情けない姿を見せたくなくて、必死で平常心を装う。
「……ちょっと、何か言ってよ」
「ごめん、ちょっと考え事をしてた」
「そんなこと言って……バカぁ……」
浴室に入ってきた彼女にシャワーを浴びせる。湯気の中でもその白い肌はひときわ白く、流れる水はハリのある素肌を伝って下へとこぼれていった。そんな魅力的な光景を前にして、正直に見惚れていましたなんて言えるわけもなく。彼女の不満そうな表情をよそに二人でシャワーを浴びる。
「もう、なんだかアタシばっかり期待してるみたいで、バカみたいじゃん……」
「オレももう緊張して、興奮して、正直こらえるのが精一杯だった」
「そ、そっか、そうなんだ……」
黙ったままシャワーを浴びるオレを見かねたのか、彼女が体を寄せる。素肌の感触、水に濡れて滑りの良くなった手足がオレの体に触れるたび、必死で抑えていた理性のたがが外れそうになっていった。
「ちょっと、和奏?」
「柊史って、こういう時だけ鈍感なんだよね」
自ら手にとったボディーソープを泡立てずに体へと塗りたくり、そしてオレの背中へと抱きつく。密着したことで彼女の感情がよりダイレクトに伝わり、同時に心臓の鼓動すらも聞こえてきそうな程だった。
そのまま彼女は体を上下に動かし、まるで自らの身体でオレを洗うかのようにしてきた。口の中にはさっき以上の甘い、蜂蜜のようなねっとりとした何かがやってきて、もはや我慢することはできそうになかった。
「和奏、もうオレ我慢できそうにない」
「えっ、ちょっと、いきなりこっち向かないで……っ」
密着した彼女の体はそのまま、正面に向き直る。すでに下腹部に痛いほど血が集まってきていて、自然と彼女の腹部にそれを押し当てる形になってしまったが、もはやそれを気にする余裕なんてない。彼女のお腹に包まれ、ペニスからは得も言えぬ快感が襲いかかってきた。
「も、もうこんなになってるんだ……んしょ、っと」
「うあっ、ちょっと、そこは」
「柊史の気持ちょ良さそうな顔、もっと見せて……」
彼女の柔らかなお腹がダイレクトに触れる。ちょっと背伸びしてキスをせがんできたものだから、そのまま抱きしめキスを交わす。シャワーのお湯も止めず、長い長い口づけを湯気で煙る風呂場の中、ひたすら交わしていた。
「んっ……んちゅっ、んんんっ」
舌が絡み、彼女の口からは唾液が溢れる。いつもと違って、少々汚しても後から洗い流せるからか、ちょっと激しいキスが続いた。
どちらが先に止まったのか、そんなこともわからないほどに熱に浮かされたオレたちは、いつしかお互いの性器を手で慰め合いはじめていた。まだ石鹸のヌメリが残るその手で陰茎を包み、ゆっくりと上下させてくるものだからたちまちに射精がやってきそうな感覚すら覚える。
「ひゃっ、だ、ダメ、そこ、そんな所触っちゃ」
「和奏だって、っ、さっきからずっと」
「それはぁ、っ……! 柊史にもっと気持ちよくなってほしいから」
このままだとすぐに零れ出てしまいそうで、耐えようと今度は彼女の体を強引に抱き寄せる。不意の動きに驚いたのか、抵抗はなくすんなりとオレの体と密着し、一瞬だけ手淫に勤しむ手の動きが止まった。
「やっ、いきなり、ずぶーって、そんな奥まで……ひゃぁっ、ダメ、ダメぇ」
ちょっと屈み、そして一気に彼女の膣内へと下から差し込む。姿勢は向かい合ったままだけれども、身長差も相まって彼女の膣奥をいきなり突き上げるような形になった。お湯とは違う、粘り気を帯びた生暖かい液体のなかに包まれたソレは、まるで馴染むかのように程よい快感を脳へと伝え続けていた。
「はぁっ……はぁっ……こんな、いきなりされたら、声、出ちゃうでしょ」
お互いの表情も見えるほど近く、室温かそれとも、熱にうなされたかのように頬を赤く染めた彼女の顔が目の前にあり、より一層の劣情を掻き立てられる。もはや止まることはできない、何かが壊れるような音が頭の中で響き、彼女を強引に抱きかかえたまま腰をゆっくりと動かし始めた。
「あっ、はぁっっ……そこ、そこぉ……せっかくお風呂、綺麗にしたのに」
「後でまた洗えばいいから」
背伸びしても足りないほど、彼女の体はオレのものが串刺しにしたかのような状態で、もはや中空に浮いていた。彼女もオレの体にしがみつき、必死で奥まで突き上げられないようにしていたけれども、泡立つソープがそれを許してくれない。背中に回った手は少し爪を立て、必死でこらえるような様子すらも愛おしく思える。
「そこ、しょこ……だめ、だめぇ……柊史の、奥まで当たって、気持ちよすぎて」
じきに彼女は自立できなくなり、壁へと背中を持たれかけたままオレとの交尾を楽しむ。彼女の小さな膣口は陰茎を手放したくないかのように強く締まり、それでいて動くたびに小刻みに震えていた。
「はぁぁぁぁっ、あっ、そこ、奥こすっちゃ、んんっ」
彼女の大事なところをぐちゃぐちゃにするかのように、何度も何度も膣奥を突いた。少しコツコツしたところが彼女にとって最も感じやすい所なのか、そこに先端が触れるたび体が大きく震える。もはや流れるお湯よりも熱くなった、和奏の膣内を何度も味わうように腰を動かし続けていた。
彼女の体が大きく震え、股の間から一層粘り気を帯びた液体がこぼれ出る。彼女の絶頂は脳を焼くような電撃となって走り、それを合図にオレも自分の精を暴発させてしまった。全て出し終えたペニスが彼女の膣から抜け落ちると同時に、オレの子種もゆっくりと彼女の膣からこぼれていった。小さな彼女の体ではすべて受け止めきることができず、今もなお股の間からは石鹸ではない、白く濁った液体がこぼれ落ちていた。
「はぁっっ……はぁっ……これじゃ、またお風呂掃除し直しだよ」
「責任とって、次もちゃんとオレがやるから」
「それは、そうだけど……んむっ……」
震える体のまま、彼女はもう一度背伸びしてオレの唇を奪う。今度は舌が絡まない、柔らかで穏やかなキス。親愛の情を示すかのような優しく静かな口づけが名残惜しくて、流れるお湯を気にすることなくずっと続けていた。
二人で体を再度洗い、今度はお互いきれいになって風呂から上がる。そんなとき、着替えている最中に、さっきの掃除道具に紛れて入っていた小さな箱の中身を見つけてしまった。すべてを察した彼女はどこか恥ずかしそうに、オレの耳元で囁いた。
「お風呂の掃除、また後で一緒にしよっか」