実際、天罰が外れるまではしてなさそうだけどソレ以降は一人で慰めてそうだと思った。
朝起きると体が少し重たい。少ししたら治ると思って、ベッドから起き上がってみると体に力が入らなかった。もしかして、風邪引いちゃったかな……。今日は放課後に生徒会の打ち合わせがあるから、それで資料づくりのために遅くまで作業していて……。
「葵ちゃん、大丈夫?」
「うん、多分」
「顔色悪いよ、まずは体温を測って」
お姉ちゃんに言われて、体温計を受け取る。測ったら休むことになってしまいそうなほど体が熱いことはもう分かっていたけれども、ごまかしは効かなさそう。しかも、前に無理して学校に行ってハルや皆に迷惑をかけちゃったから、それも無理をするのにためらう所がある。
「やっぱり、これだけ熱があったら学校に行くのは無理よ」
「でも、今日は生徒会が」
「生徒会長がこんな調子悪くて務まるわけないでしょ。葵ちゃんはしっかり寝て、元気になってから学校に行かないと」
お姉ちゃんも前回の件を覚えているのか、少し強引なまでに引き留めようとする。あたしも最初は無理して学校に行って、打ち合わせを済ませないとって思っていたけれども、倦怠感や体温計に表示された熱を見て、無理をしないことにした。
「……分かった、お姉ちゃんは今日もお店?」
「ううん、家にいるよ。それに見張ってないと、いつ無理するかわからないし」
「あたしもそこまでバカじゃないよ、わかった。今日は部屋で寝てるね」
食べられる程度の朝ごはんを済ませて、部屋に戻る。一応学校に行こうと思っていたからと、かんたんに結んでいた髪をほどきベッドに寝転がる。思った以上に体は疲れていたらしく、すぐに深い眠りへと落ちていった。
次に目が覚めると、日は最も高いところから少し傾いていた。学校では今頃、昼過ぎの授業が始まって、眠気との戦いが始まっている頃かな。あたしは寝たりしないけど、ハルがいつも寝ているのを見ていたから、そういうものなんだと思っている。
「はぁ……まさか今日こんなことになっちゃうなんて」
誰も居ない部屋で、一人ちょっと泣き言を言ってみる。やっぱり、こんな大事な時に弱っちゃうなんて、あたしは昔から変わってないのかな。そんなことにすら結びついてしまって、より気持ちが沈む。
「でも、ハルなら、きっとなんとかしてくれるよね」
暗いことばかり考えていても仕方ないと、気分を切り替えてみる。それに、ハルなら代わりにいろいろやってくれることは容易に想像できた。もちろんそれに頼りっぱなしなのも悪いけど、こんな時に頼りになるのがハルだって、ずっと……
「……! ちょっと、アタシったら、何考えてるんだろ」
「ハルはたしかにかっこいいけど、それとこれは……」
頭の中でグルグルして、ハルの顔が頭の中に溢れてくる。誰も見ていないのに、なんだか恥ずかしくなって布団を顔まで被って、そしてちょっとうずくまってしまう。その時に要約気付いたのが、朝のだるさはもう完全になくなっていた。体の熱っぽさもほとんど無くて、意識ははっきりしている。そうなると、この午後の中途半端な時間がもったいなく思えてくる。
「……でも、学校に資料置いてきちゃってるから何も出来ないんだよねぇ」
ちょっとだけ作業を、って思ったけれども学校に必要な書類を置いてきてしまっていた。それに、ここで物音を立てたらお姉ちゃんに寝かしつけられても困る。おとなしく寝ているのが正解かな。
「でも、ハルってここぞってときは頼りになるよね」
何もすることがなくなると、またハルのことが頭の中に満ち満ちていく。幼い頃のいろんな出来事や、ハルと恋人になって、そして……。考えはどんどん暴走して、すでに熱が冷めたはずの体がじんわりと暖かくなっていく。
「ハル……ハルぅ……」
次第に体の疼きが抑えきれなくなってきて、ふと布団の中で手を動かしてみる。片手で自らの乳房を触ってみると、まるでハルに触れられたかのような気持ちになって落ち着く。前にこんな感じで、ハルにいっぱい触ってもらったことを思い出しては、自分で揉みしだいて心を落ち着けてみようとした。
「あっ、っ、ん、んっ……や、ハル、そこは、っ、くすぐったいっ」
自分で触っているはずなのに、まるでハルに触れられているような気持ちよさがある。そこに居ないはずのハルを想像して、自分の手がまるでハルのものかのように思えて、いやらしい手つきで弄る。
「んっ、ちゅっ……ハル、んっ……」
自分の指を咥えてみると、まるでハルとキスしているような甘い気持ちになっていく。ハルとキスして、こうやっておっぱいを触られて、付き合い始めてから何度もこうやって体を重ねているはずなのに、改めて体の奥底がうずくような気持ちになる。
次第に手は乳房から秘部に伸びていって、寝間着の下に履いた、飾り気のないショーツへと伸びていく。すでにしっかりと湿っていたそこは、あたしの指をすんなりと受け入れてはみだらな水音を立てている。想像上のハルは、今あたしの体を弄んで、そしてもう濡れちゃったココを意地悪そうに指で焦らして……
「やぁっ……んっ! あ、ああぁっ……そこは、あ、は」
「ばかぁ、そこ、んっ……ハル、そんな恥ずかしいこと」
頭の中のハルが、あたしに意地悪な言葉をかけてくる。すでにショーツを湿らせているあたしの秘部を、これみよがしに弄ってはあたしから卑猥な言葉を引き出そうとして、指を動かし続けていた。
奥底まで入り込んだ指は、絡みつく膣襞をかき分けていく。そこでようやく、自分の指では満足しきれないことに気付かされる。ハルの指や舌みたいに、太くてザラザラしていない、自分のは細くすべすべしていて、思った以上の快感がないのだと。
「はぁ……っ、んっ、ハルのがほしい、ほしいよぉ……」
我慢できず、自分の敏感なところを指で摘んでみる。電撃が走ったかのような、そんな刺激的な触感に体を少しのけぞらせ、声にならない絶叫を上げる。こんなところで大声を出しちゃったら、お姉ちゃんに聞かれちゃうかもしれない。そのぐらいの理性はまだ残っていた。
「だ、めっ……ハル、ふぁあああっ!?」
体中に走る快感は限界を超えていて、名前を呼びながら更に激しく、水音を部屋に響かせながら自慰を続ける。風邪とは別の理由で汗が吹き出し、そして布団を湿らせていく。咥えていた指を離し、そしてシーツを握りしめる。痛いほどに掴んで、シワが寄っていくのを見て、より体の熱は高まっていく。
「ハル、ハルぅ……あたし、もう、だめ、ふぁああぁっっ!」
葵が風邪で休んだと聞いて、生徒会の打ち合わせは延期になった。前に倒れたときのこともあって、やはり心配だからと家を直接尋ねてしまった。もし葵が寝てたら起こしちゃ悪いと思いつつも、それでも心配なのは変わらない。そんなことを悩みながら家の外でぶらついていたら、渉さんに見つかってしまった。
「あら、ハル君。もしかして葵ちゃんのお見舞い?」
「そのつもりですけど、大丈夫ですか」
「そうだねぇ……昼は寝てたから、もうそろそろ起きてるんじゃないかな。とりあえず入って入って」
言われてとりあえず家に上がる。そして、渉さんに背中を押され、葵の部屋へと案内された。
「それじゃ、私は下に降りてるから。二人の時間を楽しんでね」
「その言い方、なんか引っかかりますね」
部屋からはうっすら声が聞こえる。とりあえず起きていることは確実そうだからとドアを開ける。するとあられもない姿で自分を慰めている葵がいた。
「あっ……は、ハル……」
「えっと、葵?」
あまりに扇情的な葵の姿を見せられて、もう我慢できるわけがなかった。