飛ばしているわけではない。単に書きたいものは熱がある内に書かないと冷めちゃうので。
そう言えば佐奈は「お化けさん」をやる、と言ってたのに結局本編でやれなかったですよね。というわけで、佐奈ちゃんが幽霊になります。決して暗い話じゃないよ!!
あの日から数日ほど経って、学園も文化祭ムードからは一段落した頃。後片付けで使わなかったモノを持って帰ったり、あるいは焼却炉に放り込んだりと色々片付けを済ませ、ようやく色んな意味でいつもの日常が戻ってきた。天罰がなくなって初めての日常。それだけでどういうわけか心が浮かれてしまうのは、ある意味仕方ないと自分で自分に言い聞かせていた。
「兄さん、これはどこにしまっておきますか?」
「それは……確か開封済だから冷蔵庫のほうが良いんじゃないかな」
「わかりました、こっちはまだ開いてないみたいなので棚にしまっておきますね」
当日、俺は佐奈を探して文化祭をすっぽかした。あの行動に後悔なんてあるわけがないが、よりにもよってあの日に被せられるとは、という思いも多少ながらある。それに気を利かしたつもりか知らないが、うちに押し寄せる大量の差し入れと言う名の在庫処分の整理に一苦労していた。
葵と木賊が荷車を引いて家に現れたときはちょっとたまげた。少なくとも一人で整理するのは不可能なその量に尻込みしていたが、ちょうどそこに佐奈が帰ってきたから二人で整理を始める。祖父さんはいつもどおりお店で、卯ノ花たちは例の後処理でもあるのか、ちょっと家を空けているから今は二人きりだ。
「ごめん、佐奈。帰ってきたばかりなのに」
「兄さんに頼まれて、私が断るわけないですよ。それにこうやって、兄さんと一緒に片付けできるだけでも楽しいです」
この前まで消滅の危機にあったなんてのがウソみたいな平和な時間。佐奈もそれをわかっているのか、鼻歌交じりに整理に付き合ってくれている。服装こそ制服のままだが、楽しそうにしている佐奈の様子は後ろから見ると手慣れた主婦のようだと、なんとなく心のどこかで思っていると、ふいに振り向いてこっちを見てくる。
「兄さん? まだ残ってますよね」
「あ、あぁ……佐奈を見てたら、なんか主婦みたいだって」
「私が主婦なら、兄さんはさしずめ旦那さん、ですか」
何の気無しに佐奈が放った一言に、場がなんとも言えない空気に包まれる。恥ずかしいやら、嬉しいやら。言った本人である佐奈すらもすでに顔を赤くして、恥ずかしそうにそっぽを向いてみせたあたり、こういうのはまだ口に出すのもはばかられる。いつかはそういう日が来るかもしれない……いや、確実に来るんだと思っていても、やはりまだ俺達には早い。そんなことを思いながら過ごすある日の昼下がりだった。
片付けにはかなり時間がかかり、気づいたら日差しは傾き、夕暮れ時とでも言うべき頃合いになってしまっていた。一息ついていると、祖父さんが突然こっちに顔を出してきた。
「すまぬ、暇なら店の方の手伝いを頼めんか」
「私は……そろそろ晩ごはんのお買い物に行かないと」
「それなら、たまには俺が」
「……春樹が手伝いなぞ、明日は雹でも降るかもしれんな」
「兄さんは、兄さんはもう大丈夫なの」
「そうか、まぁ佐奈がそう言うなら信じてみるか」
佐奈の口添えもあり、祖父さんの手伝いをする。ていうか、俺の評価は祖父さんの中でどれだけ低かったのか。そりゃ天罰の影響はあったにせよ、さっきの目は明らかに家事が出来ないダメ男に対するものだ。心のなかで少しだけ愚痴ってみながらも、買い物に出掛ける佐奈を見送り、そして俺は軽く着替えだけ済ませて祖父さんの手伝いをする。
「……確かに今日はカップを割ったり、お湯をこぼしたりしないな」
「そりゃ、俺だってこぼしたくてやってるわけじゃないし」
「ふむ……ならこれからは春樹にも手伝わせるか」
今までは訳あって敬遠していたわけで、普通に手伝えるなら俺も手伝いたいぐらいだ。少しして、佐奈が買い物から帰ってくる。袋から長ネギがはみ出ているあたり、今日の晩ごはんは鍋でも作るのだろうか。そんな事を思いつつ、店じまいの時間まで馬車馬のように働かされた。
晩飯前に二人は帰ってきた。やけに疲れた表情をした卯ノ花と、何が起こったかまだ理解して居なさそうなルリの対比は正直面白かったが、口に出したら後から何をされるか分かったものじゃない。黙って食卓につき、佐奈が作る料理を皆で待っていた。
「今日は白菜と鶏団子が安かったので鶏団子鍋にしてみました」
「それでは、いただきます」
皆で手を合わせ、そして鍋をつつく。相変わらず、佐奈のつくる料理は本当に美味しい。いつも美味しく食べているが、今日はより一層美味しく感じる。手伝いで身体をしっかり使ったからか、あるいは佐奈の愛情がたっぷりだからか……いかん。ちょっと浮かれすぎているかも知れない。
「兄さん、どうしたんですか」
「ああ、いや。佐奈の料理は美味いなって」
「当然だぞ、さなの料理はいつも美味しいからな」
「えへへ……改めて言われるとちょっと照れちゃいますね」
ルリの指摘もごもっともだ。佐奈の料理はいつでも美味い。そんないつもの日常が帰ってきて、ふいに涙が出そうになってしまう。皆の前で突然泣き出すのもまずいと、どうにか堪えようとしてみるが、やはり我慢できない。大粒の涙がこぼれ、目の前の器にぽたり、ぽたりと落ちていく。その異様な雰囲気に、当然のように皆が動揺し、そして心配そうに見つめてくる。
「兄さん、突然どうしたんですか」
「いきなり泣くとは、そんなに佐奈の料理が美味かったのか」
「ごめん、本当に……佐奈の料理が美味しくて」
事情を知っている卯ノ花はそれ以上、何か言うことはなかった。佐奈もようやく何が起こったのか理解したらしく、こちらにほほえみかけてくる。置いてきぼりの祖父さんとルリには悪いが、それでもようやく、本当の意味でいつもの佐奈が帰ってきたんだと思ってしまうと涙が止まらなかった。
食事も風呂も済ませ、ベッドに入る。疲れていたのか、すぐに意識は朦朧としてきて夢か現か、そんな状態になっていたときのことだった。ふいに物陰から物音が聞こえてくる。身体を起こすだけの気力もない今、どうにか首を回すだけで見れないだろうかとしたが、足の方からでは見ることもかなわない。少しだけ状態を起こしてみたが、やはりまだ見えない。されど音はまだ続いて、さらに近寄ってくる。
「……何だ」
俺の独り言に反応したかのように、ベッドの真横に黒い影が飛び出す。たまらず声が出そうになったところでその影が口を押さえつける。そうか、ようやく天罰がなくなったと思ったら、今度は祟りで一生を終えてしまうのか。短くも楽しい人生だったなぁ、そんな事を思っていたが、その手は軽く押さえられているだけで、それ以上の害意はないことに気づいた。
「ちょっと、兄さん!」
「……えっ、佐奈?」
その黒い影から聞こえた声は、聞き間違うはずのない彼女の声。愛しい妹、そして俺の彼女。黒い影から佐奈の声が聞こえた。まさか、佐奈が形を変えて……いや、あるいは佐奈の声をした悪霊が……
「もう、兄さんは驚きすぎなの……」
「どういうことだ」
「文化祭は参加出来なかったから、せっかくだと思って持って帰ってきたんです」
暗闇に目が慣れてきて、ようやくその黒い影を目に捉える。ところどころにほつれやホコリを被ったあとがあって、よく見れば明らかに作り物であることがわかる。なんだ、佐奈はそこに居るじゃないか。そう思うと一気に身体の力が抜け、笑いが出そうになった。
「それに、今日の兄さんは元気なさそうだったから……」
「ごめんな、心配させて」
「い、いえっ、決して兄さんの心配をしてたとか、そんな」
照れ隠しの言葉も、今は心地よい。被り物を取り外し、そしてその下の佐奈を抱きしめる。薄着の佐奈をしっかりと抱きしめ、肌の感触を味わう。しっかりと、そこに佐奈がいる。その感触が嬉しくて、より強く、色んな所に触れて確かめたくなる。
「その……兄さん?」
「佐奈」
名前を呼んで、すぐにベッドに抱き寄せる。姿勢を崩した佐奈が俺の上にかぶさるようにう倒れ込み、そしてソレを俺が抱きしめる。佐奈がそこにいると安心してしまった今、その肌の感触に背徳的な感情すら呼び起こされて来た。
「……兄さんはエッチです」
「エッチで悪かったな。でも佐奈が可愛いから、佐奈がそこにいるってのが分かって安心したら」
言い終わるや否や、唇が重ねられる。俺よりもちょっと暖かい体温を感じつつ、柔らかな唇が押し当てられ、しっかりと佐奈を感じられる。幸い、この時間にもなれば他の人は寝ているだろうか。布団の中に佐奈を改めて招き入れ、改めて口づけを続ける。
「んちゅっ……ん、んっ、兄さん……私、兄さんと一緒にいられて、嬉しいです」
「俺もだ。佐奈がいないなんて考えたくもない」
痛いほど強く抱きしめているというのに、佐奈は苦しそうな顔ひとつせず、俺の抱擁を受け入れてくれる。その献身性や、伝わる熱情が嬉しくて、更に激しいキスを続けてみる。
「ちゅっ……れろっ、ん、にいひゃ、兄さん、わはひ、私……兄さんのこと、すき、んっ……」
「俺も佐奈が好きだ、もういなくならないでくれ……」
お互いに愛の言葉をささやきあい、よりヒートアップしていく二人の間の情欲を押し止めるものはなくなっていった。柔らかな佐奈の肌によって、すでに下半身の逸物はしっかりと血を湛え、痛いほどに硬くなっていた。
「兄さん……もうこんなに」
布団の中でお互いのズボンを、ショーツを脱がせていく。見えないからこその興奮と言うのだろうか、佐奈の息も徐々に荒くなり、そして遮るものがなくなった今、俺のモノに自分のところをゆっくりとこすりつけ始めていた。
「はぁ......んっ、兄さん、兄さん……」
「佐奈のここ、もうこんなに濡れてる」
「それは、やっ……兄さんが、熱いのっ……」
意図的に腰をズラし、佐奈の気持ちいいところを探してみる。まだ挿入てないというのに、漏れる嬌声は艶かしく、もちっとした肌には溢れてきた愛液がべっとりとついていた。それを焦らしと受け取ったのか、佐奈が耳元で懇願するように話しかけてきた。
「兄さんの……いぢわる……や、っ、ふぁぁっ、そこは、兄さん……!」
こすれるたびに俺の中で何かが暴れるような感覚すらある。このままだと布団の中で佐奈のお腹に向けて暴発してしまいそうだ。我慢しきれず、ゆっくりと佐奈の膣口に俺の鈴口を押し当ててみる。まだ小さなその陰裂を、ゆっくりと俺の剛直で貫いていく。最初の頃は痛そうにしていた佐奈も、少しは慣れたのか嘆息を漏らしながら、入ってくるソレを受け入れてくれた。
「く、うぅ……はぁっ……兄さんの、熱くて……ん……! やぁっ、はぁ、あ、はぁ……」
「奥まで入ったよ」
「兄さん、い、あっ! そこは、ああっ」
膣奥にたどり着いたソレをゆっくりと動かし、佐奈の中をしっかりと味わうようにしてみる。膣肉が絡みつき、必死でペニスに刺激を送ってくる様と、同時に佐奈が抱きついてきて離そうとしない様子がまた愛おしく、必然その快楽も凄まじいものになる。
「や、っ……変ですぅ……兄さんの、こすれてるとこ……」
「佐奈、もっと気持ちよくしてあげるから」
「兄さん、んっ、はぁっ……」
ゆっくりとしたピストン運動のたびに、佐奈はまた喘ぎ声を上げる。本当に気持ちよさそうなその様子に、すぐにでも射精したいという欲求で満ちていく。それでも、今すぐこれを手放すのはもったいない気がして、どうにか我慢しつつこの時間を楽しんでみる。
「こすれて……兄さんの、熱くて……いい、のっ……気持ち、いい、ですっ……」
気持ちいいことを口に出しながら、そして上気した顔でこちらを見てくるたびに心臓を射抜かれたような気持ちになる。佐奈の中をこうやって弄んでいる、そんな背徳感すらあるこの状況で、限界はすぐに訪れた。
「佐奈、もう、出る」
「はあぁぁぁっ、兄さん、兄さんっ……私の、ああっ……気持ちいいの、ぁっ」
もはや最後の方は声にすらなっていなかった。彼女の声に合わせて、膣奥の弱いところを刺激しつつ、そして一気に射精する。中に満ちていく俺のザーメンが、佐奈のそこを白く染めていく。同時に佐奈も絶頂を迎えたらしく、急激に腟内が狭くなった。
「あっ、あああっ、ああああああっ!」
彼女の目にはうっすら涙すら浮かんでいるようだが、それでも満足げな様子を見るに、心配はいらないだろう。あの宇気比というか、ゲームと言うか。あれから初めて交わってようやく、ちゃんと佐奈が居て、俺が居てという事を確認できた。今はただ、それが嬉しくてたまらない。
膣内に挿し込まれたソレはまだ力を失っていないが、佐奈の様子を見てすぐに二回戦……というのは躊躇われた。ただ、掴む腕はまだしっかりと力強く、彼女が満足するまでは、こうやって二人で抱きしめあっていようと思って一晩を明かした。