不定期に挟み込む小話。
酒場。
そこは割と重要だったりする情報から、時には下らないなんてことのない雑談まで、多種多様な話題で溢れかえる盛り場。
そのカオスな空間に足を踏み入れる。
⇒お酒を注文する
立ち去る
適当に飲み物を頼んで、小さな丸テーブルの席に座る。
「・・・・・・なんだか、白く濁っているわね」
自分で選んだものにケチをつけながら、軽く口をつける。
独特な匂いが口一杯に広がり、少しとろみがあるような、いやに口に残る舌触りに、思わずべぇと舌を出す。
ちびちびと一緒に頼んでおいた水を挟みつつ飲んでいると、話し声が聞こえてくる。
「なあお前、チマンラコダケっていうキノコを知っているか?」
「チマ・・・・・・なんだって? とにかく知らないな、そんなへんてこな名前のキノコは」
へんてこな名前ね。
「そいつには色んな特徴があるんだが、なによりも見た目がすごいんだ」
「ほーん。というと?」
「それがな、それはそれはとっても立派なチ○コの形をしているんだよ」
(な!?)
唐突に出てきた言葉に驚く。
「なにぃ!? とっても立派なチ○コの形だって?!」
(なに同じ事言っているのよ!)
「最初はまるで皮被りのようで頼りないんだが、二週間もすると一気にでっかくなるんだ」
「ほえー、おれのチ○コもそんくらい立派に成長してほしいもんだ」
「まったくだぜ。でまぁ、なんとなく想像も付くだろうが、こいつの胞子がまた独特でな、中に液体が詰まっているんだよ」
そこでぐびっと一口、男が酒をあおる。
(液体って、まさか白い・・・・・・)
「つーことは、やっぱり白いのか? ザーメンみたいに?」
「んっぷはぁ、ああ、白く濁っていて、まるで精液みたいなんだ」
(こいつら、ここは飲食する場なのよ! 変態!)
いくら混沌とした酒場とはいえ、流石に品がなさすぎる男性のシモの話題に憤りと恥ずかしさを覚える。
しかしそんな事を気にするでもなく、品の無い男たちの、品の無い会話は続いていく。
(最悪、座る席を間違えたわね・・・・・・)
ふと、語っている男の目線がちらちらとこちらに向いている事に気づく。
「そうそうそれでその胞液なんだがな、かなり栄養価が高いんだ」
男は続ける。
「キノコ自体も女性や一部の男性に人気らしい。俺は遠慮したが」
「俺もさすがにそれはごめんだなぁ」
いや、見ているのはあたしだけじゃなく、あたしの手元……?
(あれ、なんだか身体が)
ようやく注文した飲み物が半分近くまで減って来たとき、アルコールが回ってきたのか、ポカポカと熱が生まれ、それがお腹全体を覆いこむ。
(ううん、酔いとは違う、なにかしらこれ?)
「でもそいつを食べるとだな、男はチ○コビンビン精力増強の効果があるんだと。でも味は覚悟した方がいいとさ」
「うえー」
ぷちゅり
正確にはおなかのより深い所、女性の大切な場所にその熱が流れ込み、そこにある子宮が活動し始め、牝のフェロモンを纏った液体が分泌される。
「!!」
しかし不思議なことに、そこに官能は生まれずただただ女性器が活性化している感覚だけが残り、むしろ力が湧いてくるような気さえしていた。
(なんなのこれは!?)
経験したことの無い経験に不安を感じる。
「――で女性にはな、――やすくなる、――促進、子――卵の効能があるんだ」
「ほほ――! そ――は興味深―な」
男たちの話し声は聴こえるけど、いまはそれどころじゃない!
いまもなお分泌され続ける愛液が瞬く間に極薄生地のショーツを濡らし、その内に秘めた恥丘が透けて見えそうになる。
(ああっ! これじゃまるであたし、お漏らししているみたいじゃない!!)
今はまだ誰も気付かれていないけど、いつ感付かれるか。
一刻も早くここから離れたかった。
(でも、これは飲まないと……)
ここのマスターはひどく気難しい人で、注文したものは全部腹の中に入れろ、入らないなら二度とここに入るな。という程で、この街でもっとも情報が飛び交う場所に入れなくなることは避けたかった。
(これを、全部……)
目の前には白く透明感の無い液体がグラスに半分も残っていた。
飲んだ感じ、アルコール度数はかなり低いようで、一気にいけないことはなさそうだった。
ならば、と覚悟を決める。
両手でグラスを持ち、ゆっくりと傾ける。
どんなもので配合したのだろうか、こってりとした感触が唇に触れ、口の中に注がれ、喉を通っていく。
(うええ、喉にひっかかってるぅ)
(それにこの匂い、気持ち悪くなりそうなのに、嫌いになりきれない……)
ごきゅ、ごきゅ、と、音が鳴るほど必死に飲み込む。
それでも口内のあちこちにへばりついて、中々飲みきれない。
その間も股間からは蜜が染みだしている。
それは女性用下着が吸収できる水分量をオーバーし、ついに椅子に小さな染みを作ってしまう。
(いや! は、はやくっ)
そんな中、一人の男と目があってしまう。
(まさか、気づかれた!?)
自身の恥ずかしい姿を見られたことで、今までなかった官能が膣を緩やかに巡りだす。
かゆみ程度のそれを抑えるように、太股同士をもじもじと擦り合わせてしまう。
(こんなことで、どうしてあたし、感じちゃうのぅ)
もうなりふり構っていられなかった。
やっとの思いで残りを口に含んで、水で流し込む。
「なんだ、用事でも思い出したかい、お嬢ちゃん?」
答える余裕なんてなかった
なんとか嚥下しきると、素早く立ち上がり、叩きつけるように支払いをすませ、急いで立ち去る。
あたしが座っていた椅子には、濃厚な交尾を望む牝の気配が残っていた。
「んでこのチマンラコダケは中々市場には出ないんだが、ここだとたまにその胞液を混ぜたものが飲めるんだが」
酒場の主人に問いかける
「おういマスター、今日はあの酒は無いのかい?」
「今日はついさっきなくなっちまったよ」
「つーことは、もしかしてあそこにいためっちゃかわいい子にか?」
いやらしい笑みを浮かべて主人は返す。
「あんな白く濁った酒、他にはおいてないぜぇ」
「じゃああの子、今ごろは……へへへ」
後に起こるであろう少女の痴態を妄想し、それを肴にして男たちは酒を飲み続けた。
もし需要があったら派生した物語が……?