ガリウスと検討した結果、やはり一度ダートン山脈を視察するべきだという結果になった。適当な文官に任せるよりは俺とガリウスが判断した方が迅速に済む。まあ、気晴らしの小旅行だと思えば悪くない。
シャリリーゼは孤児院設立の準備やら例の回復薬の改良やらがあるということで今回の視察には同行しない。ついでにトトノトリアを表舞台に立たせるための教導も任せておこう。
シャリリーゼがいないとソラリを使い潰せないので、現地で適当に調達しなくてはならないのが少し面倒だ。しかたない。ガリウスかラコーニコフにでも用意させるか。
俺はソラリの顔をどうにかしてもらうため地下の実験室に向かう。
シャリリーゼはチャンチャの腹を切り裂いて中の蟲を鉄棒でぐちゃぐちゃに潰しては新しい蟲を放りこむという作業をしていた。爛々と輝く瞳には紛れもない加虐の愉悦が浮かんでいる。内臓を鉄棒でかき回される激痛にチャンチャは絶叫しているが、そんなものはシャリリーゼの加虐を煽ることにしかならない。
蟲袋の中で蟲を虐殺し、そこにさらに蟲を入れる。これを繰り返してから混成魔法を使うことで、蟲の毒性を強化しているのだろう。どんな蟲にするつもりか気になったが自分の要件を済ませることにする。
「リーゼ、ソラリの顔を元に戻してくれないか。道中目立つと使いづらくてしかたない」
「わかりました。適当に直しましょう」
シャリリーゼはソラリの包帯を解き、その醜貌を改変魔法で復元する。太目の眉に垂れ目。右目の下には泣きぼくろがあった。唇は厚く、やわらかな赤をしている。
五官が機能するならば容貌をいじることは本質の改変にあたらないので、シャリリーゼはこれを自由に変えることができる。ソラリの新しい容貌が果たして以前と同じものであるのか俺には判断がつかなかった。ソラリの詳細な容貌なぞ記憶する価値もない。
「お兄様、今回の視察にチャンチャを持っていくつもりはありませんか? 必要なら広範囲を捜索できるような蝿なぞを入れておきますけど」
「今回は他の冒険者の目があるからな。悩ましいところだ」
元冒険者であるチャンチャは蟲袋になった恩恵により限界までその身体能力を行使できるため、その戦闘力はラコーニコフにも劣らない。蟲を使えば今回の視察で役に立つことは間違いない。しかし、蟲もさることながら妊婦のようなチャンチャの体躯は悪目立ちしてしまうだろう。コヨミハルカがいる手前、余計な面倒は避けるにこしたことはなかった。
「蟲なら暗夜に乗じて使えば大丈夫ですよ。膨れた蛙腹も蟲を減らせば問題ないでしょう。なんなら容姿も適当にいじっておきましょう。新しい蟲を試してみてほしいのです」
「リーゼがそこまで言うのであれば持っていこうか。調整を頼む。終わったらチャンチャの精神を戻そう」
俺はそうシャリリーゼに頼んでから実験室を後にした。
「それではローレンス様もダートン山脈に行ってしまわれるのですね」
「ええ、数日中には出るつもりです」
就寝前に俺はトトノトリアにダートン山脈の視察に行くことを告げる。
「コヨミハルカに頼んで優秀な冒険者を選んでもらっている。フレイムリザードの亜種がいたとしても問題ないさ」
俺はなんでもないように言う。実際余程の事態がない限り今回の視察は何事もなく終わるだろう。
「それよりも」
俺は話題を変える。
「トリィがこの屋敷に来てからだいたい一か月が経つがどうだろう、何か不便なことや気になることはないかい?」
「とんでもないです。ローレンス様には大変よくしていただいております」
トトノトリアはやわらかな笑みを浮かべ、自身の部屋を見回す。生家の離れと比べ、この部屋は広くて調度品も整っており、辺境伯の婚約者の部屋として相応しいものだ。
「屋敷は車椅子でも移動しやすいように配慮されておりますし、屋敷の皆様も私に対して嫌な顔一つせず丁寧に接してくださいます。その、向こうではターニャ以外にまともに話せる者がいませんでしたから……」
「今までおかしかったのです。これがトリィに対する正当な待遇ですよ」
俺がザックソー伯爵を暗に批判してみせると、トリィの顔がかすかにこわばる。俺がザックソー伯爵よりトトノトリアを優先してみせたのだ。損得勘定をすれば政治力のあるザックソー伯爵より代えの利くトトノトリアを優先するべきではない。
俺は真剣な表情を作ってトトノトリアに語りかける。
「トリィ、貴女はもうザックソー家の人間ではなく、このゴールドマン家の人間なのです。代え難い僕の伴侶なのです。それをわかってほしい」
「で、ですが私はまだ婚約者でしかありません……」
「ザックソー伯爵から婚礼は好きな時期に挙げてよいと許可をもらっています。つまり僕達が正式な夫婦になるかは僕達の胸三寸次第なのです」
俺は跪いてトトノトリアの手を握り、彼女の瞳を見つめる。
「そして僕の心は決まっています。トトノトリア・ザックソー様。どうか名実共に私の伴侶となってくださいませんか」
一瞬何が起こったのか理解できずに目を見開いていたが、やがてその意味がわかるとトトノトリアは大粒の涙を流す。
「はい。喜んで貴方の妻になります」
もはや余計な言葉は必要なかった。俺はトトノトリアを両手で抱きかかえて俺の部屋まで運ぶ。彼女は赤くなった顔を俺の胸にうずめた。
両手の塞がった俺の代わりにターニャが部屋の扉を開けた。ターニャは深くお辞儀をして俺達を見送った。
部屋は二人だけの世界だった。
俺はやわらかなベッドにトトノトリアをおろす。これから何をするのか当然トトノトリアも理解していた。潤んだ瞳で俺を見上げる。
「ローレンス様……」
「トリィ、綺麗だよ」
トトノトリアの唇から首筋にかけてキスの雨をふらす。彼女の口から恥じらいの声が漏れるが構わずに続ける。
トトノトリアの日に焼けていない白い肌は波打つ蜂蜜色の髪を際立たせている。俺はそのやわらかな髪に鼻をうずめ匂いを嗅いだ。かすかに花の香りがした。
「ロ、ローレンス様!」
頭髪の匂いを嗅がれることを嫌がって、トトノトリアは身をよじって小さな抵抗をする。俺は彼女の唇を奪い口内を存分に味わうことで、その抵抗を蹂躙した。
俺はそのままゆっくりと服の上からトトノトリアの乳房を愛撫する。彼女の胸は掌におさまるくらいの大きさだった。
キスを続けながら頃合いを見計らってゆっくりと服を脱がす。トトノトリアは身じろぎしたが拒むことはなかった。
「綺麗だよ」
俺はトトノトリアの耳元で優しく囁き、そのまま耳孔に舌を挿しこむ。
「や……、あっ、汚いですぅ」
「トリィに汚いところなんてないさ」
わざと大袈裟に水音を立ててやるとぶるっと体を震わせ可愛い声で鳴く。
「トリィ、僕の可愛いトリィ。さあその可愛い顔をもっと見せておくれ」
「やっ」
トトノトリアの顔を覗きこむと、彼女は右手で青痣を隠した。その手を乱暴に掴み引き剥がす。トトノトリアは怯えに涙を滲ませた。俺は愛おしい微笑みを作り、彼女の青痣にそっと口づけをする。
「何を隠す必要があるのです。前にも言いましたがトリィ、貴女は美しい。これでは証明になりませんか」
トトノトリアの瞳から涙が零れる。これまでの境遇による強烈な自己否定が融け、凍った心が本来のぬくもりを思い出したのだ。
「愛してるよ」
婚約者の涙をそっと吸い取る。彼女の涙はまだ清らかであるが、これがいつの日か淫蕩に耽り流されるかと思うと内心興奮するものがあった。もちろんそんな考えはおくびにも出さず、彼女を思いやるような愛撫を続ける。
今まで手をつけていなかった乳房に手をのばす。トトノトリアの肌は肌理が細かく、手を滑らせると心地よい感触がした。
他人に胸をさわられるという初めての羞恥に、トトノトリアの呼吸が荒くなる。掌に収まった乳房はしっとりとした熱を帯びていた。そのやわらかな小山を堪能する。指を脇と胸の境まで滑らすと、快感かこそばゆさか身を縮める。
機を見計い、俺はとうとう小山の頂に指を到達させる。頂を強くこすると、トトノトリアから熱い吐息が漏れた。それからも乳房をこねながら思い出したように乳首を刺激する。
トトノトリアが胸への愛撫に気を取られているうちに、俺は閉じた茂みを訪れる。他の体毛の割に彼女の茂みは濃く
「大丈夫。僕に任せて」
トトノトリアがとっさに足を閉じて拒もうとしたので、耳元で優しく囁く。その甲斐あって彼女の抵抗は微かなものになった。
あらためて彼女の玉門をなぞる。わずかながらだが湿っており、このまま愛撫を続ければ十分俺を迎える準備が整うだろう。
夢見がちな愛の言葉を囁き続けながら玉門を愛撫し、いよいよ陰核にふれる。
「ひうっ!」
その刺激は生娘にはいささか強すぎたようで、かん高い声をあげた。それを無視してやんわりと陰核をいじり続ける。やがてトトノトリアの陰核はむっくりと自己主張し始めた。
俺は陰核を口に含み、その包皮を舌で剥く。
「ああ、そのようなところ……、汚いですからおやめになってください!」
もちろん俺はやめない。執拗に舌で陰核をねぶり、トトノトリアの未開発な性感を刺激していく。
「トリィ、汚いところとはこういうことを言うんだよ」
俺はトトノトリアの若気に舌を入れる。彼女の若気は強く俺の舌を締めつけた。
「ローレンス様!」
これ以上初夜で若気を攻めるは酷というものだろう。俺は若気から口を離し、指で玉門の愛撫することに戻る。
「トリィ、確かにここは不浄とも言えるところだ。しかしそれがなんだというのだろう? 僕はトリィを愛している。清浄だろうが不浄だろうが僕の愛に変わりはない。いや、むしろ誰もがふれない不浄なところにさえふれ、君を感じてみたいのだよ」
俺は改めてトトノトリアに宣言する。
「トリィ、貴女は僕のものだ。今夜僕は貴女を貰う。いいね?」
「…………はい、お慕いしております。ローレンス様」
トトノトリアの準備は整っていた。俺はゆっくりと彼女を貫いていく。トトノトリアから苦悶の声が漏れる。
「痛むかい?」
「いえ、でも大丈夫です。どうぞ続けてください」
破瓜の痛みにトトノトリアは顔を歪ませ、強く俺の背中を抱いた。彼女の爪が背に食いこむ。
そうして最後まで貫くと、純白のシーツには紛れもない破瓜の証が残っていた。
「全部入ったよ、トリィ」
「そうですか」
涙を零しながらトトノトリアは微笑む。
「これで私達は一つに結ばれたのですね……」
破瓜の痛みに耐えて喜ぶトトノトリアは愛おしくなるほど健気だった。俺は優しく彼女の髪を
「これで終わりではないのですよね」
「ああ、まだだ。でも焦ることはない。今夜はこれで終わりでもいいさ」
「もう少し待ってください。で、でも最後までお願いします。だって私はローレンス様の妻なのですから」
「ああ、わかったよ」
そうしてしばらくトトノトリアの髪を梳ってから、動き始める。トトノトリアは濁流に呑まれた幼子のように必死で俺の背に縋る。閨を離れてもゴールドマン家において、いや、この世界において生きるためには俺に縋る他ない。ささくれ一つない華奢な手は俺に縋り
「ローレンス様、ローレンス様、ああっ、ローレンス様ぁ!」
トトノトリアの腔内は青い蕾のように固く、女として未成熟だった。その青い蕾を恣に荒々しくこじ開けていく興奮が脳髄に染み渡る。ああ、生娘を食べる愉しみよ!
溜まった興奮は脳髄から精巣に下り甘美なる一瞬を待ちわびる。
「トリィ、出すよ。受け止めてくれ」
「はい、はい……! ローレンス様、ああ、あぁ!」
「トリィ!」
一際奥まで貫き、俺は欲望のまま白雪を汚した。その吐精の快楽は筆舌に尽くしがたい。
たっぷりと吐き出した後、俺は自分のものを引き抜く。玉門からとぽりと破瓜の血に濁った精液が漏れ出した。
俺達は汗だくだった。生きた熱を持ったトトノトリアの肉体をぎゅっとかき抱く。
「ありがとう」
「そんな感謝されるようなことなど……」
「言いたい気分なんだよ。言わせてくれ」
「それなら私の方こそありがとうございます」
「痛かったろう」
「でも証ですから」
俺はトトノトリアの青痣をそっと撫でる。
「僕はこれがトリィの魂を損なうものだとは思わないけれど、もしもトリィが望むならこれを消す方法があるかもしれない」
「本当ですか!?」
トトノトリアが半身を起こし驚きを露わにする。俺はその肩を押さえてベッドに戻した。
「あくまで可能性だ。リーゼが調合魔法を持っていると以前話したね。この固有魔法を上手く応用すればトリィの青痣を治せるかもしれないそうだ。もしかしたら両脚をも。まだ研究に手をつけ始めたばかりだからやっぱりできないかもしれない。だから過度な期待はしないでいてほしい」
実際、シャリリーゼの固有魔法を用いればトトノトリアの肉体的欠陥は完治する可能性が極めて高かった。
「わかりました。ああ、それでも痣と脚が治るかもしれないなんて夢のようです。シャリリーゼ様が私のためにそのようなことをしてくださっているとは!」
「あの子もいきなり来た僕の婚約者に対して素直に好意を示せないだけで歓迎しているんだよ」
「明日にでもお礼を申し上げませんと」
「それは成果が出てからにしてやってくれないかな。そうしないと変に気負ってしまうかもしれないから」
「わかりました。ローレンス様がそう仰るなら」
「さ、今夜はもう疲れただろう。お眠り」
俺はトトノトリアの額に軽く接吻する。初夜の疲れか、目を閉じるとトトノトリアはすぐに寝てしまった。満足そうな安らかな寝顔だ。
さて、俺も寝るとするか。
もう一度だけトトノトリアの寝顔を見てから目を閉じる。夢は見なかった。
風邪をひいてしまいました。次回投稿が乱れる可能性があるかもしれないので、あらかじめ謝っておきます。すみません。