遊びに使いすぎたせいで手持ちの奴隷が減ってきたので、新しい奴隷を買いに行くことにした。適当な変装をしてシャリリーゼとソラリと共になじみの奴隷商へ顔を出すことにする。
ベルカエルカは辺境にある町としては栄えているほうだろう。冒険者や商人の出入りが盛んだからだ。
ゴールドマン辺境伯領は北をダードン山脈、西を魔の森に囲まれているため魔物が非常に多く生息している。魔物は人間の生活圏を脅かす存在であるため討伐しなければならないが、それを全て領軍で行うのは手間と費用がかかる。そこでゴールドマン辺境伯領では、冒険者ギルドに魔物の討伐を委託しているのだ。
他の領では冒険者ギルドの設置に否定的だが、冒険者ギルドは非常に便利だ。
「お兄様、今日はいい天気ですね」
「ああ、そうだね」
シャリリーゼはぎゅっと俺の腕に抱きつく。町娘の格好をしてもシャリリーゼの美しさが陰ることはない。周りからは金持ちの美男美女が町に遊びに来ているように見えるだろう。
俺達が御用達にしているラマンド商会は大通りから少し外れた目立たない場所にある。奴隷商という商売柄もそうだが規模としてもあまり大きい商会ではないのだ。
「いらっしゃい、領主様」
俺達が店に入ると、燃えるように赤い髪の女性がにやりと笑う。肌の露出が多く、何よりも胸の深い谷間が見える服装は多くの男を篭絡したに違いない。
彼女がこの店の長、フェルベリカだ。まだ三十歳をすぎたばかりだというのに自分の商会を持つ彼女は非常に有能だ。そしてその艶も衰えるどころか増すばかりだ。
「ああ。今日も買いに来た」
「それならばこちらにどうぞ」
俺達は店の奥に通される。奥には様々な奴隷が収容されている檻があった。ほとんどの奴隷が将来の主人になるかもしれない俺達に注目している。
奴隷たちはみな粗末な服を着ているが決して汚いわけではない。食事も多くはないにしても相応に与えられているのだろう。
俺がフェルベリカの店を気に入っているのは、商品の扱いが丁寧だからだ。確かに奴隷の生き死になぞどうでもいいが、俺が買うかもしれない商品を粗雑に扱うのは我慢ならない。それをどう使いどう壊すかは買主たる俺の自由であり、奴隷商が手を出してよい領域ではないのだ。
俺は檻の中から見目のよい女を三人、少女を二人、少年を二人選ぶ。シャリリーゼは屈強な青年を二人、少年を二人、少女を二人、そして妊婦を選ぶ。
「最近は戦闘用奴隷の値段が上がってましてね、それでもよろしいですか」
「構わない。それとあと五人くらい肉のついた奴隷をみつくろってくれ」
「かしこまりました。それではいつものように奴隷は」
「ああ、明日にでも持って来てくれ。ソラリ」
ソラリが袋から大量の金貨を取り出し、フェルベリカに渡す。
「いつもごひいきにありがとうございます」
「なに、気にするな。そうだ、明日は暇か?」
「ええ、まあ。都合をつけることはできますが」
「ならば時間を空けておけ。軽くだが宴を催そう」
俺の言葉にフェルベリカは赤い笑みを浮かべた。
翌日、フェルベリカは奴隷を届けに屋敷を尋ねてきた。彼女は胸の大きく開いた赤いドレスを着ている。俺の内でちりちりと欲望の火が燃えるのを感じた。
行儀よく会食をした後に、屋敷の地下にある大部屋に移動する。分厚い石壁はどんなに悲鳴をあげたところで外に聞こえることがない。部屋にはたくさんの大きなベッドや石台が置かれており、壁や棚にはあらゆる拷問道具が揃えられている。そして、隅には小さいものながら調理場があった。
ソラリがさっそく五人の奴隷達を連れてくる。黒髪の女、醜女の少女、精悍な青年、美少年、妊婦だ。
「さあ、フェルベリカ。君は平民の奴隷商だが、俺は君のことを大事な友人であると思っている。先に好きなのを選んでくれ」
「不敬ながら私も貴方達のことをかけがえのない友人だと思っているとも。それじゃお言葉に甘えさせてもらうとするかね」
フェルベリカが選んだのは、精悍な青年だった。俺は黒髪の女を、シャリリーゼは美少年を選ぶ。
俺はさっそく黒髪を掴んで後ろから玉門を貫く。女は唐突な挿入に悲鳴をあげる。甲高い悲鳴が無性に癪に障ったので、犯しながら右耳を食いちぎり、隷属魔法をかける。
「お前は幸福だ。笑え」
女は至福に満ちた表情で笑い続ける。今、女は幸せだ。奴隷になったことも。無理矢理犯されたことも。右耳を食いちぎられたことも。全てが幸せだった。
そして俺は絶頂の瞬間に小さなナイフを女の右目に突き刺す。女は失禁して尿がその腿を伝って床を汚す。
俺はナイフを動かし傷口を抉った。右目をナイフで貫かれ、血まみれの顔で女は笑う。
俺は左目もナイフで抉りながら次は女の後ろを犯す。光を失った女は血の涙を流しながら笑う。調子の狂った女の笑い声が響く。女はもちろん幸せだ。
女をゆっくりと犯しながらシャリリーゼのほうを見てみると、シャリリーゼは美少年をひたすら鞭で打っていた。シャリリーゼが使っているのは戦闘用の鞭だ。少年の皮は裂け、肉は破れ、体中から血を流し今や虫の息で倒れている。
シャリリーゼは恍惚の表情で少年へ聖水を放ち、悦楽にその身を震わせる。それからシャリリーゼは改変魔法で少年の傷を治すと聖母のように囁く。
「さて、貴方にはもう一度鞭打ちを受けてもらいたいと思います。嫌ですか?」
少年を必死で首を縦に振る。
「そうですか。ならばあれを犯し、殺しなさい。私が満足できるようにできる限りむごたらしく。それができたら特別に鞭打ちはやめてあげましょう」
シャリリーゼは妊婦を指さす。少年自分が行うべき所業に躊躇いを見せると、たちまちシャリリーゼの美貌が不機嫌に歪む。
シャリリーゼは再び少年が虫の息になるまで鞭打ちを続けた。そしてまた傷を治すと、妊婦の前で同じ問いをする。
少年は今度こそ妊婦に襲いかかった。少年は乱暴に犯しながら腹をかばおうとする妊婦の顔を執拗に殴る。妊婦が必死に抵抗するので、少年はその両腕を拘束する。
「これじゃあつまらないわ。もっと面白くしないとまた鞭打ちよ。ほら、これでも使いなさいな」
見物をしながら自分を慰めていたシャリリーゼは少年にナイフを渡す。
「ねえ、このまま赤子を取り出したらどうなるんでしょうね」
シャリリーゼの声はとても甘く、それ故少年の心は恐怖に染まった。自分が生きるために少年は震える手で犯している妊婦の腹を裂く。
血が溢れ、腸が零れたところで少年はたえきれずに嘔吐する。傷口から少年の吐瀉物が妊婦の腹に入る。
その無様な姿にシャリリーゼはこらえきれずに笑ってしまう。俺もおかしくなってつい笑ってしまった。
「リーゼ、あとは俺にやらせてくれないか」
「是非もありません」
俺は幸せそうな笑みを浮かべる女を捨て置いて、妊婦の開かれた腹から目視できる子宮を切り開いて赤子を取り出す。ずるずるとへその緒がつながっていたので、さっさと切り離す。
俺がシャリリーゼに赤子を渡すと、シャリリーゼは母親の前で、
「ほら、可愛い息子でしょう」
と産まれたばかりの赤子を見せる。母親は我が子との対面に涙した。赤子もぎゃあぎゃあと泣き始める。
「うるさいですね」
至近距離で赤子の泣き声を聞いたシャリリーゼは顔をしかめた。そしてごく自然に赤子の首を捻る。鈍い音がした。シャリリーゼが手を離すと、赤子の首はだらりと落ちて二度と泣くこともなくなった。
痛みも忘れ母親が絶叫する。
「子もうるさければ親もうるさい。生きている価値がないですね」
「待て、母親は生かしておいてくれ」
「お兄様がそう言うなら」
シャリリーゼが母親を治している間に、俺は少年に隷属魔法をかけて、ひたすら母親を犯し続けるよう命令する。そして赤子の死体はソラリに渡して指示をした。
手持ちぶさたになった俺達はフェルベリカの愉しみに加わる。縄で拘束されたフェルベリカは、若気に張り型を挿入された青年に組み伏せられて喘いでいた。フェルベリカは嗜虐も被虐も嗜める教養ある淑女であるが、今は被虐を愉しんでいるようだ。
俺はたまらなくなってフェルベリカの若気に挿入する。シャリリーゼは青年に毒薬を飲ませてから繋がっている俺達三人を遊び用の鞭で激しく打ちのめす。
俺はすっかり昂ってしまい、フェルベリカの奥に吐精してしまった。
「私が思うにはだよ」とフェルベリカが醜女の少女に自分の二つの穴を舐めさせながら言う。
「奴隷ってのは世界からなくなることはないね。いや、もしかしたら自由やら平等やらが幅を利かせて今みたいに奴隷をおおっぴらに売り買いできなくなる時代が来るかもしれない。けれどもそれは奴隷という名前がなくなっただけで、必ず奴隷的存在は残っているに違いないさ。人間は上から弱者を虐げることによって幸福を得られる生き物だからね。たとえ金がなくとも権力がなくとも頭が悪くとも容貌が醜くとも、下にいる弱者を虐げることは誰だってできる。そしてそれこそが人類最高の娯楽なのだよ!」
「我が友フェルベリカ!」と俺は言った。
「いやはや、君の深い見識には感心するばかりだ。付け加えるなら君の言う奴隷をおおっぴらに売り買いできない時代と比べて、奴隷制度のある今の時代は実に文明的で健全だと思うね。
弱者を虐げて喜ぶことは人間の魂に染みついた根源的な習性だ。奴隷制度はそういった人間の悪徳をきちんと認めて秩序ある社会――ああ、社会に秩序などいらないという反論はひとまずおいてくれたまえよ。その反論には正当な価値があることは確かだが現状として社会が秩序を志向している以上、それを前提に議論しようじゃないか――の一端に組みこんだ非常に優れた制度なのだよ。
だってそうだろう? 奴隷という名前で弱者が誰であるかをわかりやすく示し、その弱者を虐げることにはなんら法による罰を与えず、虐げる資格のある強者であるかを金銭という明確な尺度で測ることができるのだ。それが奴隷制度を廃止してみたまえ。誰も彼もが強者を僭称し、奴隷的存在は影のうちに虐げられて、法律は不当な悪徳を取り締まることなく、真の強者が正当な権利行使として弱者を虐げる場合に限って、法律とやらがその力を発揮することになるのだ。そんな社会の秩序なぞ腐った張りぼてでしかないのだ」
「お兄様、強者の悪徳とそうでない悪徳とには如何様な違いがあるのでしょうか」
「それはだな、まず強者の悪徳とは賞賛されこそすれ蔑まれることはない。何故なら強者の悪徳は己の意思と欲望に忠実に従い、自らの持つ力によって実現しているからだ。自己のために生きるということが人間の本質だ。このような悪徳は人間性のまっとうな発露と言えるだろう。
ところがそうでない悪徳、さしずめ弱者の悪徳ときたらとんでもない! なるほど、弱者の悪徳も一見すると己の意思と欲望に従い実行されているように思える。しかし、それはまやかしで周囲の環境により植えこまれたものにすぎない。そして悪徳の実現さえもが自己の力によるものではなく、社会の情勢、他者の助力、偶然の機会などによって後押しされて辛うじてなされたものなのだ。このような悪徳になんの価値があろうか! 外見上弱者の悪徳は人間の本質の発露であるように見えるが、内実は全く異なる。
以上が強者の悪徳と弱者の悪徳の違いだよ。わかったかね、シャリリーゼ?」
「はい、お兄様。とてもよくわかりました」
「よろしい。聡明な妹を持って俺は実に幸せだ。さて、ではここでもう一つばかしお楽しみと行こうじゃないか。ソラリ!」
隅の調理場にいたソラリが作りたての料理を持ってくる。
俺は母親を犯していた少年を邪魔なので殺し、その料理を母親の目の前に置いた。
「これがついさきほどまでお前の腹の中にいた赤んぼだ。せっかくだからもう一度腹の中に入れてやるといい」
母親は狂死せんばかりに絶叫する。狂ってしまうと面白くないので、隷属魔法をかけて正気のまま赤子の姿煮を食べるように命じる。
母親は落涙しながら我が子を食らう。赤子を食べてから嘔吐したので、その吐瀉物を残らず啜るよう命じる。これで子は無事に母の元に戻ったわけだ。めでたしめでたし。
俺達三人はその滑稽な様子を見物しながら、ソラリの作った料理を味わった。