第7話 ギルドマスターとの素晴らしき会食
シャリリーゼとエミリカが千鳥している。
俺はそれを見ながら少年の奴隷を鞭打ちしていた。少年のやわらかな皮膚が裂け、赤い血が滲む。あらかじめ舌を抜き、喉を焼き、口を赤い糸で縫いつけておいたので少年が悲鳴をあげることはない。
鞭打ちに満足した俺は少年の#若気__にやけ__#から大量の酸を勢いよく注入した。だんだんと少年の腹が膨らみ妊婦のようになっていく。少年がカエル腹になったところでかえしのついた張り型を押しこみ、入れた酸が漏れないようにする。
俺は少年の腹を蹴飛ばし、千鳥していたシャリリーゼと後背からまぐわう。最愛の妹の背中は白磁のようになめらかで飛び散る汗が美しい。中も非常に具合がよく俺を愛撫する。俺は昂りのあまりシャリリーゼの右目に指をつっこみ、滅茶苦茶にかき回した。
シャリリーゼの口から壮絶な悲鳴が吐き出される。悲痛な叫びが俺の背筋をなで途方もない悦楽をもたらした。
「アハハハハハハハハハ!」
なんて悦びだ! なんて悦びだ! これこそが人生の愉しみじゃないか!
俺の口から生を祝す笑声が溢れる。
シャリリーゼが失禁する。だがそれも俺を煽る材料になるだけだ。そしてつっこんだ指をかき回すたびにシャリリーゼが俺を強く締めつけるので、俺は間もなくして埒をあけてしまった。
まぐわいを終えるとシャリリーゼは声もなく倒れて肢体を痙攣させた。右の眼窩からは眼球の残骸と赤黒い血を垂れ流す。
俺は手についたシャリリーゼの右目だった液体をべろりと舐めてから、シャリリーゼの右の眼窩にくちづけ、その中味を啜る。眼窩が空になるまで綺麗に舐めつくし、視神経をひきぬくと、そこには綺麗な空洞があった。
そうして俺が新しい穴に自分のものを挿入しようとしたところで、ソラリが書簡を携えてきた。
なんて間の悪い。その場で中味を確認すると、リートヒンド冒険者ギルドから面会の申込みであった。おそらく先の討伐に関することだろう。俺は会食に日を指定して饗応の準備をするようソラリに命じた。
シャリリーゼはまだ意識を失っている。手紙で気が削がれてしまった。しかたなくシャリリーゼを介抱する。
ややもするとシャリリーゼは目を覚ました。
「……お兄様。私、どうでしたか?」
「すごくよかったよリーゼ。右目はどうだい?」
「とても痛いです」
俺とシャリリーゼも回復魔法を使えないが、シャリリーゼは改変魔法という固有魔法を有している。
改変魔法は本質を変えない範囲で自由に事象を改変できる利便性の高い魔法だ。怪我をしようがシャリリーゼは元の状態に改変することができるのだ。しかし、部位欠損がある場合は欠損した状態が本質にあたるので欠損した部位を再生することまではできない。
もっとも、シャリリーゼなら材料を用意すれば混成魔法で部位欠損も治療できるのだが。
シャリリーゼはひとまず改変魔法を使って、右目の出血を止めた。眼球は俺が食いつくしてしまったので再生しない。シャリリーゼの右の瞼が閉じられる。
「エミリカの右目を使うかい?」
エミリカは這いつくばってシャリリーゼが零した聖水を舌で舐めている。
「いえ、しばらく右目はいいです」
シャリリーゼは太陽が咲くような笑顔になる。
「だって、これはお兄様につけていただいた傷ですもの。ソラリやエミリカばかりお兄様に滅茶苦茶に壊されるなんてずるいです。私だってお兄様に滅茶苦茶に壊して欲しいです」
「ああ、リーゼ! 俺の最愛よ! もちろんだとも。いつか必ず四肢をばらし、内臓をかき混ぜ、両の目をくりぬき、耳を切り、舌を切り、死の間際まで壊してあげよう」
俺はシャリリーゼのやわらかな肉体をしかと抱きとめ堪能した。そうするとまたもよおすのは自然の摂理とも言えよう。
俺達がもう一戦を終えたあと、シャリリーゼが言う。
「お兄様、あの腹の膨らんだ奴隷はなんですか?」
「ああ! リーゼが可愛いからすっかり忘れてたよ」
俺は既に事切れた少年奴隷の腹にナイフを刺しこむと、その傷口から体内にたまっていた大量の酸が噴き出す。酸は溶けた内臓と血ですっかり赤黒くなっていた。
酸の噴出が終わると、少年の内蔵は骨と皮を残してすっかり溶けてしまっていた。
「どうだい、すっかり内臓が溶けていて面白いだろう。この皮をソファにでも使おうか。いや、こいつは鞭打ちでぼろぼろにしていたからこれは駄目かな」
「ならまた他の奴隷で試せばいいじゃありませんか。私、生きたまま皮を剥いだほうが質がよくなると思います」
「それもよさそうだね。今度フェルベリカにそれ用の奴隷を見繕わせるのもいいな」
俺とシャリリーゼは嬉々としてより愉しい人皮の剥ぎかたについて話し合った。
「ローレンス様、本日はお招きいただいてありがとうございます」
リートヒンド冒険者ギルドのギルドマスター、コヨミハルカは優雅に礼をする。
コヨミハルカは生真面目そうな淑女だ。せいぜい二十代後半にしか見えないが、その地位の高さからすれば既に四十歳を超えているはずだ。動きやすい簡素な礼服を着ているのは貴族に対する礼儀と冒険者としての意識とが妥協した結果なのだろう。
コヨミハルカはこの辺りでは珍しいレーレニン族だ。レーレニン族は我がアインハルト王国から遥か北東の国に住まう一族で、尖った耳と端麗な美貌を特徴としている。また、レーレニン族は寿命が長く、百二十歳くらいまで生きると言われている。
アインハルト王国とは距離が遠く正式な国交もないことから、レーレニンの者が辺境伯領に来ることは稀だ。おかげでレーレニンの奴隷も滅多に手に入らない。俺もコヨミハルカみたいなレーレニンの女を死ぬまで思う存分に虐げてみたいものだ。
「やあ、ようこそコヨミハルカ。今日の会食を楽しんでもらえると私も嬉しい。君が礼儀正しいことは知っているがそんなにかしこまらなくても構わないさ。我が領と冒険者ギルドは持ちつ持たれつの関係じゃないか」
「ありがとうございます」
ソラリとエミリカが晩餐を給仕する。俺はまず太い腸詰(ソーセージ)に手をつける。口の中でぱりっと皮が弾けて肉汁と脂が溢れてとても美味い。
「レーレニンはあまり肉を食べないと聞いたことがあるが、今日の料理は口に合うかな?」
「食べる機会が少ないというだけで食べないというわけではありません。それにここに来る前は帝国のギルドにいましたので肉も普段から食べていました」
コヨミハルカが苦笑しながら腸詰を口に運ぶ。
「それはよかった。これで不味いと言われたらどうしようかと思ったよ」
「馴染みのない肉ですが美味しいですよ」
「ああ。これはうちのメイドが特別に伝手で仕入れているものらしくてね、馴染みないがないのも無理はないさ」
俺はコヨミハルカの答えに満足してメインのシチューを味わう。賓客が料理を満足してくれることはとても喜ばしいことだ。
「さて、今日来たのは先の討伐の話かい?」
俺達だけが生き残り冒険者だけが全滅したというのは見ようによっては怪しい話だ。コヨミハルカが疑いを持ってもおかしくはない。
「はい。その時の事情をお聞きしたくて参りました。コラッド達はランク3のパーティーです。フォレストクラブ相手に全滅するというのは不可解です。普通なら」
「そう、普通なら。だが今回は別だった。亜種がいたのだ」
「どのような亜種だったのでしょうか。討伐部位だと色が異なることしか情報がないのです」
亜種の討伐部位というのは、シャリリーゼが改変魔法で色を変えたただのフォレストクラブのものだ。亜種は今頃魔の森で仲間を率いているだろう。
「状況から推測するに、亜種はフォレストクラブを統率する能力を持っていたのだろう。あの時俺達はフォレストクラブから奇襲を受け二手に分断された。そこで運の悪いことに魔術師がやられたんだ。あれは狙われたとしか思えない」
「フォレストクラブらしからぬ知性ですね」
「ああ。正直かなり動揺したよ。そのせいで戦列も乱れた。フォレストクラブが冒険者を攻め立てていたから、その隙に俺とリーゼが高位魔法を唱えてなんとか持ち直したんだ。だけど間に合わなかった。そういうことだ」
俺は沈痛な表情を作って語る。
「俺達が助かったのは運がよかった。もし人数が少ないのがこっちだったら俺達が餌になり、冒険者が助かっただろうな」
「群れを率いる亜種というのはいくつか報告されていますが、それがフォレストクラブとなると厄介ですね。本部に報告しておきます」
「よろしく頼む」
コヨミハルカは特に疑った様子もなく頷いた。まあフォレストクラブの亜種が率いる群れを討伐しながら、片手間に高ランクの冒険者のパーティーを殺害するなど普通はあり得ないことだ。コヨミハルカからしたらそもそも俺が冒険者を殺す理由すら考えつかないだろう。理由、それは面白いからだ。
「それで今回については依頼を受けたパーティーが全滅したのでローレン様が報酬を受け取る権利があるのですが……」
「受け取れるはずがないだろう」
俺はまるで善良で責任感の強い貴族のように断固たる口調で言う。
「そこまで恥知らずではない。その報酬はそうだな、可能ならコラッド達の遺族に渡してやってくれ」
「わかりました」
「最近我が領では魔物による被害が増えていると聞いているが、もしかして亜種の出現も増えているのか?」
俺はふと気になったことを尋ねる。
「……そう、ですね」
コヨミハルカはしばし考えてから答える。
「確かに最近は珍しく亜種の報告がいくつかあります。ただ、増えているとまで断言できるほどではありません」
「そうか。なんにせよ我が領の治安は冒険者ギルドが担っているのだ。これからもよろしく頼む」
「もちろんです」
コヨミハルカは美味しそうにシチューを食べる。俺はその様子に改めて満足して、シチューに入ったポーラの肉を味わったのだった。