ようこそ強姦魔のいる教室へ 作:生太郎
私は走っていた。
相手は息を荒げて私を追ってくる。
変な勇気を出さなければよかった。
もっと人を頼るべきだった。
自分一人で解決できるなんて考えるべきではなかった。
私は後悔に苛まれながら逃げ続けた。
「はぁ、はぁ、逃げないでよ! ねぇ雫っ!」
追いかけてくる男の人が何か言っていた。
私はグラビアアイドルとして活動していた時には雫と名乗っていた。
男は私の裏の顔を知っていた。
偶然この学校で出会ってしまい、その人はストーカーと化してしまった。
ネットには「ずっと君を見ている」と言う気持ち悪い書き込みをされ、ポストには大量の手紙を入れられていた。
もうやめてくれと言うつもりだった。しかし逆上した男が襲い掛かってきた。
「はぁ……はぁ……っ!」
早々に体力が尽きてしまい、男との距離が狭まっていく。
人のいる場所に逃げ込むはずだったのに、反対側に進んでしまったようだ。どんどん周りが薄暗くなっていた。
辿り着いた先は、行き止まりだった。
「そんなっ!」
「はぁ、はぁ……雫、やっと追い付いたよ」
男がニヤニヤと笑っている。
身の毛もよだつほどの気持ち悪さだった。
「やめて……来ないで……」
男が距離を詰めてくる。
「恥ずかしいからって逃げないでよ。僕たちが結ばれるのは運命なんだよ!」
「そんな運命……知りません」
「ああ、雫。僕の雫」
私の腕がつかまれた。
逃げないといけないのに動けない。
あまりの恐怖に腰が抜けてしまい、地面に座り込んでしまった。
「ひっ、いやっ」
男が身体を寄せて来た。
情欲にたぎった目がおぞましい。鳥肌が立ってしまう。
「やめて……やめてください……」
男が私のかけていた眼鏡を外した。
「ははっ、やっぱり雫だ! 本物の雫だ!」
男が歓喜の声を上げた。
それで勢い付いたのかプチプチと私の制服のボタンを外していく。
「いやぁぁぁ!」
「いいから僕の愛を受け入れてくれよ!」
上着とシャツが地面に落ちた。
男が鼻息を荒げながらブラを押し上げ、私の乳首をべろべろと舐め始める。
気持ち悪い。おぞましい。誰か助けて。
「最高だよ雫! おっぱいは柔らかいし、いい匂いがするし、もう最高だよ!」
「やだ……誰か……」
男がズボンのチャックを開けた。
先端の皮がべろんと垂れている肉棒だった。
男は恥垢が溜まっていて不潔なそれを、私の口に押し込んだ。
「んぅっ! やっ! んんっ!」
嫌がる私の頭をつかまれ、男が腰を前後に動かす。
じゅぽじゅぽと男のものをしゃぶらされる。
息が苦しい。気持ち悪い。最悪だった。
でも男はやめてくれない。嬉しそうに笑っている。
私が嫌がっているのがわからないのだろうか。
「あああぁぁぁ! もう駄目だ! 出すよ、雫っ!」
男が情けない声を上げながら、ブルブルと腰を震わせた。
喉の奥に生暖かい液体が放出される。
知識としては知っていた。口の中に射精されたのだ。
「おえっ」
すぐに地面に精液を吐き捨てる。瞬間、男が私の頬に平手を打った。
パンッと乾いた音がする。
頭の中が真っ白になった。
「駄目じゃないか、雫! 僕の愛を吐き出すなよ!」
「ご、ごめ……ぅぅぅっ」
私は咄嗟に謝りそうになってしまった。
しかし、謝るようなことをしたわけではない。
黙っていると、男が不機嫌そうに鼻を鳴らす。
「なら吐き出せないところに注ぎ込んでやるよ!」
「え? いやああぁぁぁぁ!」
男が私の両足を持ち上げる。
何をするつもりなのか、その姿勢で理解してしまった。
下着がずらされて、精液が付いている肉棒が私の膣口に押し付けられる。
「やめてください……お願いします……それだけは……」
「はぁ、はぁ、いくよ、雫。僕たちはこれから一つになるんだ」
「やだ! 助けて! 助けて! 綾小路君! 綾小路君っ!」
男が腰を突き出した。
「いやああああぁぁぁぁぁ!」
私は痛みから目を見開いた。
入っていた。
男の勃起した肉棒が、私の膣内に侵入を果たしていた。
処女が奪われた。
とても現実とは思えない出来事だった。だから夢だと思いたかった。
男が腰を振り始めた。その痛みは現実だった。
「ああっ、最高だ! 雫、すごく気持ちいいよぉ!」
「なんで……どうして……」
両足を広げられて、男がパンパンと腰を叩き付けて来た。
初めての相手に何の気遣いもしていない。自分勝手なセックスだった。
「いいよ! 雫の中、暖かくて僕のものを優しく包み込んでくれてるよ!」
「うっ、うぁ、いやっ、やめて」
「う、うわっ! 締まるぅっ!」
突然、男が腰を密着させた。
何をしているのかと思うと、男がブルッと震えた。口の中に出された時と同じだ。
「え、出してるの?」
「ごめんね! 気持ち良すぎて出ちゃったよ!」
「ひぃっ! いやっ、いやっ、いやあぁぁぁぁ!」
私は胸から悲しさが沸き上がってきて、顔を覆って泣いてしまった。
それを男が何を勘違いしたのか。
「嬉し泣きだね。そんなに僕との子どもが欲しかったんだ」
「違います! 勝手なことを言わないで下さい!」
今さらキレても手遅れだ。
それに男の機嫌も悪くなってしまった。
「まだ僕を受け入れてくれないのか。それならもっと愛を注ぎ込んでやる!」
「いやっ! やだっ! もういいでしょ!」
「うるさい! 早く僕のものになれ!」
男がピストンを再開した。
精液のおかげで滑りがよくなった膣内を男のペニスが激しく出入りする。
「うっ、あっ、あっ、あっ」
気持ちいいとか、そういうことはよくわからなかった。
ただ男のものが膣を出入りするたびに自然と声が出てしまう。
それを男はまたしても勘違いして「感じているんだね。嬉しいよ」と言っている。
私はもう反論する気力もなくなって、ぐったりと横になってされるがままになっていた。
「いやっ……あんっ、あんっ、あっ、あっ……」
男は私の胸を揉みながら腰を動かした。
二度射精したおかげか、動きには余裕が出てきている。
「はぁ……あっ、あっ……あんっ、あっ、あっ、はぁ、あっ」
「雫っ! 雫っ! また出すよ!」
「ひっ、いやっ! やめて! 中に出さないで!」
男がパンパンと腰を叩き込む。
私は抗議の声を上げるが、当然のように聞き入れられなかった。
「……ふぅ」
「いやっ、いやぁっ!」
秘肉の奥深くに精液を注ぎ込まれた。
二度目の膣内射精だった。こんなに出されたら赤ちゃんが出来てしまう。
「ふぅ、ふぅ……これで孕んだかな?」
胸が痛い。苦しい。
頭がおかしくなりそうだった。
男は私の足をつかむと、また腰を振り始めた。
「あっ、あっ……あっ……あっ……」
精液と愛液が混ざりあった液体が、じゅぽじゅぽと下品な音を立てていた。
何時まで続くのだろう。もう終わって欲しいのに。
どれだけ待っても綾小路君は助けに来てくれなかった。
まさか。
いや、そんなはずは。
しかし、それしか考えられない。
体調不良で休んでいる可能性もある。しかし、そうでなかったら。
ジジイは見当たらない。
そう言えば昨日の夕方から姿をくらませていた。
佐倉は綾小路が助けるはずだった。
しかし俺が強引に須藤事件を終わらせてしまったせいで、綾小路の警戒が佐倉から外れていたとしたら。
「せ、先生……」
「どうした、田中。顔が真っ青だぞ」
「佐倉は休むという連絡を入れているんですか?」
茶柱先生は不審そうに俺を眺めた。
朝のホームルームで「佐倉はいないのか。珍しいな」と呟いた直後である。
「いや、連絡は入っていないが」
「先生! 気分が悪いので早退します!」
「まだ朝だぞ。それに声は元気そうだ。保健室で休めば――おいっ!」
俺は返事を待たずに教室を飛び出した。
大丈夫だ。こういう時のための茶柱先生との契約である。
チート能力を生かして全力ダッシュする。
駆け込んだのは寮の自室だった。
大急ぎでパソコンを立ち上げる。中古の貧弱スペックなので起動の時間に苛立ちを覚える。
「クソッ、さっさと動け!」
その間に綾小路に連絡を入れる。
佐倉の連絡先を教えてくれというメールを送信した。
「遅いんだよ、この化石が」
茶柱先生からの報酬と一之瀬から貰ったポイントで買いかえるべきか。
ブツブツと悪態を吐きながらソフトを立ち上げる。
学校のサーバーをクラック。保存されていた監視カメラの映像を漁り始めた。
範囲が膨大なので、当たりを付けて絞り込む。
学校は除外。学生寮も除外。
繁華街。それと住み込みで働いている従業員の寮が狙いだ。
ヒット。
繁華街のメインストリートに取り付けられたカメラが路地裏を走る佐倉を撮影していた。
出てくるのは一瞬だった。佐倉は路地を走り抜けていた。その後すぐに男が通り過ぎる。
路地裏に監視カメラはない。
佐倉は逃走に失敗したのだろう。本当にどん臭い。横に曲がれば助かったのに。
映った男の顔をアップにする。
解像度が微妙だが、対象を絞り込めればそれでいい。
電気屋に勤めている者の履歴書をリストアップして、顔写真から候補を絞り込む。
綾小路から返事がきた。
俺の様子から何かを察したのか、佐倉の連絡先が送られてくる。
それと一緒に「位置情報には反応がなかった。電源が切られている可能性が高い」と書かれていた。綾小路も俺と同じ結論に達したようだ。
原作ではGPS機能を使って佐倉の居場所を特定していたが、その手は使えないようだった。
舌打ちしてから従業員の寮の監視カメラを調べにかかった。
深夜だった。
廊下に設置されていた監視カメラがすべてを捉えていた。池や山内のように、こいつもレイプを隠すのが下手くそだ。
男が佐倉をお姫さま抱っこして寮の部屋に連れ込んでいた。
男物の服で顔を含む上半身が隠されていたが、少女の細い生足が飛び出ていた。
生々しい光景だった。
男は挙動不審に周りを見回しながら部屋に入って行った。
寮の二階。電気屋に勤務していて、そこに住んでいる人間。
ヒット。
今は何時だろう。
時間の感覚があやふやだった。
気が付いたら部屋に連れ込まれていた。
路地裏でレイプされて気を失ってしまったようだ。
たぶん男の部屋なのだろう。
「あっ、あんっ、あっ、あっ」
「はぁ、はぁ……雫っ、雫っ!」
男の人が私を組み敷いて腰を振っている。
何度も休憩を挟んで、もう二十回以上も抱かれていた。
ぐちゃぐちゃと音がする。
私の性器を男のペニスがかき分けていた。
愛液と注ぎ込まれた精液とが混ざり合ってドロドロになっている。
「うっ、うぅぅぅ、出るよぉ!」
「あぁっ……あっ、やぁぁ……」
腰をがっちりとつかまれて、逃げることはできなかった。
お腹の中にじわりと熱が広がっていく。
何度も注がれているが一向に慣れることはない。
「ふぅ……すごいよ雫。僕、何度でも出せそうだよっ!」
男は三分ほど休憩してから、また腰を振り始めた。
私は綾小路君の顔を思い浮かべる。
一度だけ一緒に買い物に行った男の子。デジカメを修理に出すのを手伝ってくれた。
私のことを変な目で見ない人だった。
綾小路君だけは他の男の子とは違う気がした。
「ああぁ、雫っ! すっごい締まるぅぅ!」
「あっ、ああっ、ああっ、あっ」
大股開きにされて、男のペニスが差し込まれる。
男は私の胸を揉みながら、ベロベロと乳首に舌を這わせた。
「うっ、いやっ、あっ、あっ、あんっ」
「うっふぅぅぅ! 出るよぉぉぉ!」
「……あっ、いやぁぁ」
男が膣の一番奥を狙うように、腰をぐりぐりと押し付けた。
意識していないのに涙が流れる。男がその涙を舌ですくい取った。
その時だった。
部屋の窓がパリンと割れた。
従業員用の寮に到着する。
俺は園芸用品を収納している倉庫からパクってきた梯子をかけた。アサクリみたいに壁を昇ることもできるが、流石にそれは不自然すぎる。これからの俺の行動はどうしても不自然になってしまう。できるだけ不審な点は潰しておかなければならない。
梯子をかけてから、助走を付けて駆け上がるように二階のベランダに昇った。
その勢いのまま窓を叩き割る。
破片で手を切ったが気にせず鍵を外して部屋に踏み込んだ。
肥満体の男が少女の上で腰を振っている。
その隣ではジジイが菩薩のような笑みを浮かべていた。
ジジイはすぐに俺に気付き「レイプっ!?」と素っ頓狂な声を上げている。
「ひっ、ななな、なんな、なんだ!?」
お前こそ何を言っている。日本語を使えないのか。
「佐倉」
「綾小路、君?」
悪いな、人違いだ。
俺はいたたまれない気持ちになった。しかし、今は感傷に浸っている時ではない。
「ふふぉ、不法侵入だぞ!」
そっちこそ婦女暴行の現行犯だ。
しかし自分の行為を棚に上げてこいつを批難するのは身勝手だろう。
俺だって何人もの女の子をレイプしている。
不本意極まりないが、こいつと俺は同類だった。
だからその道理は通らない。俺にはこいつを批難する資格がない。
故にこいつには別の言葉を贈ってやることにする。
俺は拳を振り上げた。
「俺の獲物を横取りしてんじゃねぇ!」
「ふぎぃっ!」
男の顔面をぶん殴る。
歯が数本飛び散り、男の醜い身体が床を転がった。
「レイプぅぅぅぅぅぅ! オーマイゴッド!」
ジジイが絶叫した。うるせぇ。神はお前だろうが。
「ひぃっ! 殺される!」
短小で包茎という救いようのないブツから、ジョロジョロと黄色い液体が漏れ出していた。
「誰が殺すかよ。豚箱で反省してろ」
男をぶん殴って気絶させてから、部屋にあったガムテープで縛り上げた。
それからぐったりと横たわっている佐倉のところに足を運ぶ。
「……綾小路君」
佐倉が涙で濡れた目で俺を見上げた。
視界がぼやけているのだろう。俺は指で涙をすくってやった。
「違う。よく見ろ」
「…………あ、田中、くん」
期待していた王子様じゃなくて本当に申し訳ない。さぞ落胆させてしまったことだろう。
俺の行動の結果がこれだ。何だかやり切れない気持ちになる。
身勝手な言い分だが、櫛田の時はこんなに心は痛まなかった。
俺は佐倉だけはメンタルが弱いからと土俵に上げていなかった。佐倉のことを見下していた。それは大人が子供を見守るような目線だったと言うことだ。だからこそ、こんなにも俺は動揺しているのだろう。
「悪いが警察を呼ぶぞ。いいな?」
佐倉は俺をぼうっと眺めていた。
「おい佐倉」
「え、あ、何ですか」
意識が朦朧としているようだ。
休む暇なく犯されていたからだろう。
「警察だ。呼ぶぞ」
流石にこれは警察を呼ぶしかない。
池や山内みたいに泳がせておく理由もないからな。
「……は、はい」
佐倉が熱っぽい顔をして俺を見詰めていた。
本格的に体調が悪化してきたようだ。緊張から解放されて張り詰めた糸が切れたような状態になっているのだろう。
「わかった。もうお前は何もしなくてもいい。身体を休めておけ」
「……はい」
俺は佐倉を休ませてやることにした。
もちろん警察への事情聴取などはあるだろうが、せめてそれまでは休息を取らせてやった方がいいだろう。
俺は警察に電話をかけた。
「事件ですか?」と明るい声が返ってくる。「強姦です」と言うと、相手の声が鋭くなった。
事情を伝えると三十分ほどかかると言われた。
特殊な学校だから警察が入ってくるまで時間がかかるのだろう。
それから茶柱先生に電話をかける。
授業中だから出ないだろうなと思っていたら予想通り。なので学校に電話をして、事務員にかなり怪しまれながらも放送で先生を呼び出して貰うことにした。
先生は二十分ほどで到着した。
他の教師や用務員を引き連れて部屋に突入してくる。
佐倉は制服に着替えていた。
証拠を現場に残さないためだろう、男は佐倉の私物をすべて部屋に持ち去っていた。
「ひっ」
新たに現れた男性に驚いたのか、佐倉が俺の後ろに隠れてしまった。
茶柱先生が全裸で転がされた男を見て目を細めている。
「……これは、まさか事実だったとは」
「嘘だったら悪趣味すぎるでしょう。そっちの方が佐倉にとってはよかったのでしょうが」
「違いない。……いや、冗談を言うのも不謹慎に思えるな。佐倉、大丈夫か。いや、大丈夫なわけがないか。私は教師なのだが、こういう時にかけるべき言葉が思い浮かばない。とにかくすまない。すべて私たち教師の力不足が原因だ」
「は、はい」
佐倉が消え入りそうな声で返事をする。
警察のサイレンの音が聞こえた。茶柱先生が苦虫を噛み潰したよう顔をした。
「すいませんが通報させて貰いました。流石にこれは内密に処理できないですよね?」
「ああ、そうだな。お前の言う通りだ」
部屋に入ってきた警察たちが男を組み伏せていた。
男は無抵抗なのに集団で押し倒してから手錠をかけている。マニュアルなのだろう。
「午前十時二十六分、婦女暴行の容疑で被疑者を逮捕する!」
逮捕されるべき人物がここにもう一人いるんだよなぁ。
「ひっ、あ、あのっ、ご、ごめんなさい」
俺の後ろで震えていた佐倉が、ついに背中に抱き着いてきた。
ガチガチと歯が鳴っている。警察たちが怖ろしいようだ。
「佐倉。事情聴取とかは俺も一緒に受けられるように頼んでみるよ。お前一人で怯えることはない。俺を頼ってくれていいからな」
「はい……はいっ!」
佐倉が俺にぎゅっと抱き着いてきた。