ようこそ強姦魔のいる教室へ 作:生太郎
エレベーターを出た俺たちを出迎えたのは大量の野次馬だった。
「タナカスだ。坂柳もいるぞ」
「一之瀬を捨てたんだろ。何でここに来るんだよ」
俺は有栖の手を引いて、野次馬たちの間を通り抜ける。
と言うか、有栖が俺の手をつかんで放してくれないのだが。
「礼司君! 遅いよ!」
俺を見付けた桔梗が声を上げた。
有栖の足の速さに合わせていたからな。
「お姫さま抱っこしてもいいんですよ?」と言われたが、俺にそこまでの勇気はない。
桔梗は俺に駆け寄って、何時ものように腕に抱き着こうとした。
が、その直前にフリーズする。
桔梗の定位置とも言うべき場所は、侵略者によってすでに占有されていた。
「え、なんで? なんで坂柳さんと手を繋いでいるの?」
「有栖。もういいだろ」
「駄目です。はぐれたらどうするんですか」
こんなところで、はぐれるわけがないだろう。お前は幼児か。
有栖は悪戯っぽく笑ってから、桔梗に見せ付けるように俺の右腕に抱き着いた。
「櫛田さん。すいませんが、そう言うことです」
「……そう言うことって言われても。ふざけないでよ」
桔梗が目を細めて、ボソボソと暗い声で呟いている。
本性が漏れかけていた。やべぇよやべぇよ……。
桔梗の後からやって来た鈴音も俺と有栖を冷たく睨み付けていた。
「礼司君。話は後でゆっくり聞かせて貰うわ。でも今は――」
鈴音が視線を帆波の部屋に向ける。
部屋の前はBクラスの連中が陣取っていた。
その手前で固まっているのがDクラスの集団だ。
「田中か。どの面を下げてここに来た。お前は一之瀬と別れたと聞いているが」
部屋の前で腕組みをしていた神崎が、俺を見付けて険悪な視線を向けてくる。
横にいた柴田もチッと舌打ちしていた。
千尋ちゃんはなぜか俺を見下す笑みを浮かべている。
「帆波は中にいるのか?」
「お前に教える必要があるのか疑問だが……今は真嶋先生と茶柱先生が中にいる」
神崎は俺を嫌っているようだが、律義に俺の質問に答えてくれた。
たしか事情聴取と言っていたな。
池と山内は別室で取り調べか。
そっちは一年の残りの担任が向かっているのかもしれない。
「殴ったって言っても軽くだよ、軽く。撫でるようなもんだって」
Dクラスの集団の中に須藤がいた。
奴は頭をボリボリ掻きながら周りに自慢げに言いふらしている。
「あいつらがドアに体当たりするから、俺は止めるために殴るしかなかったんだよ。一応ダチだからな。間違ったことをしていたら止めないといけないだろ。あいつらにドアを蹴破れるとは思えないけどよ、ほっとくわけにもいかないよな」
それを見ていた鈴音は小声で呟いた。
「すっかりヒーロー気取りね」
「一応ヒーローなんじゃないの?」
桔梗が半信半疑ながら呟くが、鈴音は違うと首を横に振った。
実際それで帆波が助かっている。今回の須藤はヒーローと言ってもいい活躍をしていた。
「で、軽く殴っただけなんだけどよ、あいつらすぐに吹っ飛んで動かなくなったんだ。あまりに手ごたえがなさすぎて思わず笑っちまったぜ」
ダチといいながら、須藤は池たちのことで気に病んでいる様子もなかった。
「俺は喧嘩とか得意だから、こういう荒事は慣れてるんだ。最近はそうでもないけど昔はやんちゃしていたからな。地元で一番喧嘩が強い奴って言えば俺の名前が真っ先に出てくるぐらいだぜ」
はえー。すっごいビッグマウス。
犯罪行為を自慢する不良と同レベルである。精神的に成長していない須藤はこんなものだ。
周りにいるDクラスの男子たちも好奇心を満たすために須藤の話を聞いていたが、須藤のことはどこか冷めた目で眺めていた。池と山内を殴ったせいで興奮している須藤はそれに気付いていないようだが。
なお、須藤の横にいた綾小路が俺を淡々と眺めていた。
ヤバいですね☆
「ベラベラと口ばかり達者な奴だ。Dクラスはどいつもこいつも救いようがないな」
「返す言葉もないぜよ」
神崎が皮肉を言ってくるが、まったくもってその通りだった。
帆波の部屋を襲撃した池と山内。
友達を殴ったことを自慢する須藤。
協力関係のBクラスを裏切った田中。
見事なまでにクズばかりである。
で、坂柳さん。あんた何時まで俺の腕に抱き着いてるの?
「あ、礼司君。ちょっとしゃがんでくれますか?」
「え、何で?」
「髪にホコリが付いてます」
マジか。俺は自分の頭を手で払う。
「取れていませんよ。ほら、しゃがんで下さい」
「ああ」
俺は何の疑問も抱かずに、有栖に言われるがままに片膝をついた。そうしないと有栖の手が俺の頭に届かないからだ。
「ちゅ」
え、なに。なにやってんの、坂柳さん。
「は?」
鈴音がカムチャッカファイアーしている。こわい。
「……潰す」
桔梗がダークネス化している。こわい。
「みんな、お待た――せ」
俺の横から帆波の声が聞こえた。
振り返ると、帆波が驚いて目を見開いていた。
「れいじ、くん……」
やがて二つの瞳から、ポロポロと涙がこぼれ始める。
「ふふっ」
有栖が悪魔のように笑っていやがった。
Bクラスの連中が親の仇のように俺たちを睨んでいる。
「弄んで捨てた一之瀬に追い打ちをかけに来たのかよ。最低だな」
柴田が俺を罵ってくる。
いや、それ誤解だから。有栖が勝手にやったことだから。
と言うか、坂柳ラスボスさん。
今のは狙ったようなタイミングだった。と言うか狙ってやったのだろう。
「ち、違うよ、みんな。私は捨てられてないから」
「一之瀬。現実を見ろよ。田中はもうお前を相手にしてないぜ」
帆波が袖口で涙を拭いながら言い訳していた。
残念ながらその状態で言ったところで説得力は皆無である。
千尋ちゃんが勝ち誇ったように笑っていた。
俺はその表情を見て確信した。
南雲か千尋ちゃんの二択だったが、あの噂は千尋ちゃんが流したのか。
「礼司君! なんで坂柳さんとくっついてるの! 早く離れてよ!」
帆波がBクラスの人の輪を突破して俺たちに食ってかかる。
「礼司君は私の彼氏なんだからね! 浮気は駄目! 絶対!」
「あんっ。礼司君。まだ中に入っている感覚がして少し歩きにくいです……」
有栖がわざとらしく内股になって、もじもじしながら言った。
俺は白目を剥いて、夜空を眺めた。ああ、今夜は月が(天丼)
「うがあああぁぁぁぁ!」
帆波がドアの横にある水道メーターの蓋に頭をゴンゴンぶつけ始めた。
「そうだ……これは夢なんだ……目が覚めたら私は十二歳で……あ、それなら万引きしないで済むのかな……」
帆波が壊れた。
ところで万引きって何だ?
有栖はそんな帆波を楽しそうに眺めてから、俺に声をかけてきた。
「礼司君。私の部屋で続きをしませんか?」
「だめぇぇぇっ! 礼司君は私のなんだもん!」
帆波がガバッと起き上がって、真正面から俺に抱き着いてくる。
流石にこの行動には俺もドン引きなんだけど。
Bクラスの奴らも表情が引き攣っているし、千尋ちゃんは忌々しげに舌打ちしていた。
帆波がここまで捨て身になるとは考えていなかったのか、有栖の口元が引き攣っている。
「一之瀬さん。流石にその行動は見苦しすぎますよ?」
「うわあぁん。もうやだよぉ。どうして私ばかりこんな目にあうのよぉ」
「あ、あの。一之瀬さん。私の話を聞いていますか?」
「特別試験でボロ負けするし、変な噂は流されるし、占い師のお婆さんが発狂するし、知らない男子がドアに体当たりしてくるし、彼氏が寝取られちゃうし。うわぁぁん。もうやだぁ。お母さん、たすけてぇ……」
そう言えば占い師の言う通り、帆波は俺に傷付けられまくっている。
相性はいいと言っていたが、現状を見ればその言葉も怪しく思えてきた。
「……帆波。なんか、ごめんな」
「礼司君。一之瀬さんは頭の病院に連れて行くべきかもしれません」
俺たちが壊れた帆波を扱いかねていると、帆波の部屋から先生たちが出て来た。
「お前たち。まだいたのか。もう夜も遅い。さっさと部屋に戻れ」
真嶋先生がパンパンと手を打ち鳴らして野次馬たちを追い払っている。
それでも今の帆波が面白すぎるのか、野次馬たちは中々去ろうとしない。
「田中だったな。この状況を何とかできるか?」
「無理っす」
騒動の中心にいるのが俺と見た真嶋先生が無茶ぶりをしてくる。
「田中。こう言う時は、いかなる事情があろうとも男が悪者にされるんだ。無駄に抵抗しない方がいいぞ。女というのは怖いからな」
「あ、あの、真嶋先生」
「お前にはまだ理解できないかもしれないが、慰謝料で済む方が幸運なこともあるんだ。一緒に死んでと言われることもある。田中。今のうちに解決しておけ。絶対にその方がいい」
ほぼ初対面なのに何言ってんだ、この先公。
でも先生の言葉には怖ろしいほどの実感がこもっていた。
仕方ないな。
「帆波。落ち着けよ。周りに見られてるぞ」
「……知らない」
「後で恥ずかしくなるぞ。後悔しないうちに離れろって」
「やだ。離れないもん」
俺は真嶋先生の方を見た。
先生は遠い目をして首を横に振った。
使えねぇ。俺は真嶋先生の後ろにいた茶柱先生に視線で助けを求めてみる。
茶柱先生は腕組みをしながら溜息を吐いた。
「これ以上ここにいるとポイントを減点せざるを得なくなるぞ」
「やべっ! 部屋に戻るぞ、みんな!」
野次馬たちはあっさりと散ってしまった。
やっぱり茶柱先生は……最高やな!
それに比べて真嶋先生は……はぁ、つっかえ。やめたらこの仕事。
「礼司君! 坂柳さんのこと、後で聞かせて貰うからね!」
鈴音や桔梗たちも人の流れに逆らえず、エレベーターに吸い込まれていく。
それでも帆波は離れてくれない。
なのに先生たちは何事もなかったように帰ろうとしていた。
「茶柱先生。俺たちも池と山内のところに行こう」
「そうですね。田中。ほどほどにしろよ」
「おい教師。え、マジで。マジで帰っちゃうの?」
不純異性交遊とかで止めるとかできるだろ。
俺の懇願をさらっと無視して教師二人がエレベーターで去ってしまった。
残されたのは俺と帆波と有栖の三人だけだ。
帆波と同じ階の生徒がドアの隙間からチラチラ見ているのが鬱陶しい。
「さて、静かになりましたね」
「……そだね」
深夜である。俺はもう疲れ切っていた。
病弱なはずの有栖はなぜかピンピンしているけどな。
「礼司君。先ほども言いましたが、私の部屋に来ませんか?」
「だめ。礼司君は私の部屋に来るの」
帆波が俺をぎゅっと抱き締めて、ぷくっと頬を膨らませて有栖を睨む。
幼児退行しすぎですよ、一之瀬さん。これはこれで可愛いけど。
「俺、部屋に帰るわ」
帰って寝よう。そう思っての発言だった。
しかしこいつらは曲解して受け取りやがる。
「礼司君の部屋ですか。それでも構いませんよ」
「だめ! 私も行く!」
「……ちゃうねん」
俺は溜息を吐く。
仕方ないので正面からへばり付いていた帆波を抱き上げると、後ろから有栖がしな垂れかかってきた。前後を美少女でサンドイッチされたハーレムクソ野郎タナカスは、やれやれ系主人公のように溜息を吐いた。
「お前ら熱いんだよ」
真夏である。
俺は文句を言うが、二人とも聞く耳を持っていなかった。
時計は深夜の三時を刻んでいた。
俺はテレビの電源を消した。小さい音量で流れていた深夜番組がブツッと消える。
「やっと寝てくれたか」
帆波が俺のベッドで寝息を立てていた。
精神的な疲れがあるはずなのに、興奮して目が冴えていたのだろう。池と山内の襲撃が怖かったとか、俺に何度も電話しても出てくれなかったとか、急に有栖と仲良くなっているのが理解できないとか、ずっと愚痴ばかり聞かされた。
帆波は着替えを持って来ていなかったので、下着の上に俺のシャツ一枚だけである。
めっちゃ無防備だった。襲ってくれと言っているような状況だ。
「礼司君。やっと二人きりになれましたね」
いや、帆波が寝てるから。二人きりとは言えないだろう。
ちなみに有栖も下着の上に俺のシャツを来ているだけだった。
めっちゃ無防備だった。襲ってくれと言っているような状況だ。
だが、俺はシリアスな顔をする。
「有栖。今日みたいなのはこれきりにしてくれないか」
「今日みたいなこと? レイプのことですか?」
「……違うから」
それを言われると抵抗できなくなる俺である。
駄目だ。俺が握っているはずの弱味の映像がまったく意味を為していない。
「礼司君」
有栖がシャツを脱いでいた。
水色の下着だけになっている。雪のような白い肌がまぶしく目に焼き付いた。
「おい。やめろって。帆波が横で寝てるんだぞ」
「大丈夫です。声は我慢しますから」
そう言う問題ではない。
しかし有栖は聞く耳を持たず、俺の手を取って己の股間に導いた。
「礼司君……んっ……」
勝手に人の手を使ってオナってやがる。
くちゅりと水音がして、俺は指に湿り気を感じた。
処女を奪ったのはつい先ほどなのに、身体は大丈夫なのだろうか。
「わかりますか? 私の身体が、礼司君を欲しがっているのが」
「有栖。今日はもう休んだ方がいい」
「私は大丈夫ですよ。それよりもセックスのことをもっと知りたいんです」
「……そうか」
俺は観念した。
床にタオルケットを敷いて、そこに有栖を寝かせる。
有栖は期待に目を輝かせて俺を見上げてくる。
俺は有栖の膣内に指を入れたままピンク色の乳首に吸い付いた。
「くっ、ふっ、うぅぅぅっ――!」
有栖が股をぎゅっと閉じて悶え、腕を口に当てて声を押さえている。
やっぱ声を我慢するのは無理っぽくね?
「……はぁ……はぁ……礼司君……これも、気持ちいいですね?」
「そうか。よかったな」
「はい。もっとして下さい。……あっ、ああぁぁっ! ふあぁっ!」
駄目やん。声めっちゃ出てますやん。
俺はベッドで寝ている帆波に目を向けた。
すぴーっと鼻で息をしていた。大丈夫だ。寝ているな。
「うっ……ふっ、くっ、くぅぅぅぅっ!」
有栖の身体がビクビクと震える。もう絶頂しちゃったよ。
これで終わりでいいかと思っていると、有栖が意味深に微笑んでくる。
有栖が両足を広げて、性器を指で広げて俺に見せびらかしてきた。
「礼司君。入れないんですか?」
「……入れたいけど。うーん。入れるか」
「ふふっ。我慢しなくていいんですよ。私で気持ちよくなって下さいね」
あかん。悩殺される。
そこまでされて挿入しない男はいない。
俺は有栖にのしかかり、勃起したペニスを膣口にあてがった。
有栖が切なそうに俺を見上げていた。
「んっ、ああぁぁっ」
ゆっくりと挿入する。二度目のセックスのため抵抗もなく侵入していく。
有栖は目尻に浮かんだ涙を指ですくっていた。
「大丈夫か?」
「はい。気持ちが高まりすぎてしまったみたいです。これが幸せなのでしょうか?」
知るかよ。
俺もなぜか胸が切なくなって、思わず有栖をぎゅっと抱き締めてしまう。
「礼司君。その。ちょっと苦しいです」
「ごめん。でも、もう少しだけ」
「……いいですよ。私にいっぱい甘えて下さい」
甘えてねぇよ。
段々と気持ちが落ち着いてきた。
今のは何だったんだろう。そろそろストレスがヤバいのかもしれない。
「有栖。あんま声を出すなよ」
「はい、そうですね。一之瀬さんが起きちゃいますからね」
有栖が小さく笑う。
俺はそれを見てから腰を動かし始めた。
「んっ、あんっ……はぁ……あっ……」
やっぱり、声を我慢できていない。しかしもう止まることはできない。
「はぁ……あっ……あっ……あんっ……」
ところで帆波は起きていないだろうか。
俺は何げなく振り返り――心臓が止まりそうになった。
帆波が目を見開いて、俺たちの行為を凝視していた。
「んっ、あっ……礼司君……やっぱり、セックスは気持ちいい、ですね……」
「あ……うん……そうだね……」
「あっ、あっ、はぁ……声が、出ちゃいます……ああっ、ひうぅっ!」
有栖は俺とのセックスに夢中で気付いていないようだ。
帆波はあわあわと口を動かし、なぜか目を閉じてしまった。なぜだ。
俺は思考を放棄して、有栖とのセックスに意識を戻した。
「あんっ! あっ……やっぱり、だめですっ。声が……あっ、ああっ!」
帆波がとっくに目を覚ましていることには気付いていても、有栖の大きなあえぎ声で不安になってしまう。
「あっ、あっ、あっ! あんっ! いやっ! ああんっ!」
「有栖。声が」
「気にしなくても大丈夫ですよ。一之瀬さんは寝ています。そうですよね?」
有栖は帆波を横目で眺めて、寝ている帆波にわざとらしく問いかけた。
いや、有栖も気付いている。
気付いた上で帆波を煽っていた。なんて奴だ。
俺はもう諦めて腰を振るしかなかった。
「あっ、あっ、んあっ、あんっ! いい! いいです! ああぁぁっ!」
有栖は肌を上気させて、俺に抱き着いて淫らに身体をくねらせる。
亀頭が子宮口を何度も小突き、その度に有栖が喜悦の声を上げる。
「あっ、ああっ! 礼司君っ! あっ、激しいっ! あっ! ああぁっ!」
とっくに有栖は声を我慢していない。
「……っ……ん……」
帆波の方を見ると顔を真っ赤にして、布団をもぞもぞと動かしていた。
……どう見てもオナっていた。
なんだこいつ。
俺はドン引きしたが、それはともかく有栖とセックスしている途中である。
有栖は帆波に勝ち誇るように流し目を送ると、俺の身体に抱き着いてきた。
「あんっ! あぁっ! ひうっ! ぁんっ! あぁっ!」
次第に有栖の膣内が締め付けを強めていった。
間もなく達するだろうと見て、俺は腰の動きを速めていく。
激しいピストンにさらされ、有栖が甘い悲鳴を上げていた。
そろそろか。俺はラストスパートをかける。
中に出していいのだろうか。
……まぁいいか。さっきも出したし、もう同じだろう。
「あっ! い、イクっ! あっ! あっ! イクっ! イクぅぅっ!」
俺は有栖の膣内に精液を注ぎ込む。
有栖は俺に抱き着いた。
両手と両足で俺にしがみ付き、絶頂の痙攣をしている。
「んっ、くぅぅぅぅ――!」
帆波も身体を丸めてビクビクしていた。……こいつもイッたのか。
「……はぁ……はぁ……んっ、ちゅ」
有栖が俺の唇に吸い付いてくる。
帆波は一度目を開けて悲しそうに涙をこぼし、また目を閉じて寝たフリをしていた。
「礼司君。少し休憩したら、もう一回しましょうね」
「マジかよ。お前の体力どうなってるの?」
「どうなっているんでしょう? もしかすると命を削っているのかもしれません」
「洒落にならない冗談はやめようね」
有栖本人もよくわかっていないようだ。
でも二回戦はやらない。流石にキツすぎる。精神的に。
ところでジジイはどこに行ったんだ?
朝になって帆波と有栖を追い払った後。
俺の部屋に来た桔梗が神妙な顔をして言う。
「ついに黒幕が動き出したんだと思う。池君と山内君は黒幕の指示に従って今回の騒動を引き起こしたの」
「そうだな。俺もそう思う。だが、黒幕の指示が不可解だ」
俺も頑張って真面目な顔を作った。
池と山内は帆波の部屋のドアに体当たりをした。
完全に頭のおかしい人である。
監視カメラの映像が流出したら地上波に流れるレベルの狂人だった。
「今回は一之瀬さんに対する脅しかな」
桔梗は昨晩はほとんど寝られなかったようだ。
眠たそうに目をこすったり、口に手を当てて欠伸をしている。
「これは私の予想だけど、黒幕は次のターゲットを一之瀬さんに定めたんだと思う」
「……帆波が俺に近しい存在だからか」
「うん。黒幕は礼司君のことを目障りに思ってる。だから礼司君の身近にいる存在に危害を加えて、礼司君を屈服させに来てるんだよ」
池と山内が桔梗をレイプしていたのを止めたことで、俺と黒幕の対立は決定的になった。黒幕は俺を消すために桔梗もろとも公園を爆破しようとするぐらいだ。
そこで、桔梗の身体がテーブルに倒れ込んだ。
寝てしまったか。一睡もせずに黒幕について熟考していたんだ。無理もない。
「……レイプできんかった」
眠ってしまった桔梗をベッドまで運んだ後、ジジイが泣きそうな顔をして助けを求めて来た。
昨夜の失敗のせいで己を見失っているようだ。普段らしからぬ狼狽ぶりである。
俺は念のためベランダに出て窓を閉めた。
眠っているとは思うが、俺とジジイの会話を聞かれるわけにはいかないからな。
「すまん。タナカス。レイプのやり方を教えてくれんか」
「はぁぁぁ?」
俺は困惑していた。
こいつは今まで俺のレイプの何を見ていたんだ。
このレイプ神の面汚しが。貴様は四天王の中でも最弱である。
「タナカスよ。やはりお主を洗脳してレイプさせるか」
「許してセンセンシャル!」
と言ってもレイプのやり方なんて言葉で説明するものでもない。
俺は思案した。駄目だ。やっぱりいい言葉が思い浮かばない。
「何で体当たりなんだ? そこから意味わかんねぇんだけど」
「二人に一之瀬をレイプしろとギアスをかけたら暴走した」
「あー。あれ、やっぱ知能が低下するのか」
俺がひよりをレイプした時もすごく馬鹿になっていたからな。
元々の知能が低い池と山内では擁護できないレベルまで頭わるわるになるのだろう。
……と言うか、何でこの二人なんだ?
洗脳できる対象はそんなに増やせないのか。
あるいは何らかの条件があるのか。
「通りすがりの女をレイプさせた方がいいんじゃない?」
「モブ女をレイプしたところで満足できぬ」
「わがままだなぁ」
呆れながらも考える。
なぜ、池と山内なのだろう。
ジジイが洗脳したのは俺と池と山内だけだ。
この三人の共通点。それは――。
「レイプしたことがある人物しか操れないとか?」
「レイプ!?」
ジジイが動揺している。いや、ミスリードの可能性もある。完全に信用するわけにはいかない。
あとは俺に洗脳をチラつかせるだけで実際にやって来ないのも気になった。
もしかして、レイプが減って弱体化してるとか?
それとも洗脳には回数制限があるのか。
判断材料はまだ足りない。だが、この瞬間に着実に一歩進んだ気がする。
「まぁいいか。じゃ、愛里のところに行ってくるわ」
「あっ、おい、待てい。レイプのやり方を――」
夏休みは二週間しか残っていない。のんびりしていたら二学期になってしまう。
早く愛里を外出できるようにしないと、努力むなしく退学になってしまう。
廊下に出る。
綾小路とすれ違った。
こうして顔を合わせるのは久しぶりだな。挨拶ぐらいしておくか。
「綾小路きゅん。やっはろー」
「池たちを操ったのはお前だな」
綾小路は俺の気さくな挨拶を流した。
池たちを洗脳したのは俺だと決め付けていた。
冷や汗が背中を濡らす。
いや、あの、また爆弾は勘弁して頂けませんか。
「田中。やはりお前の力は脅威だ。放置しておくにはあまりにも危険すぎる」
あっ……あっ……(ポックル)
綾小路はそれだけ言うと去っていった。
以前の焼き直しだ。
せっかく休戦状態になっていたのに。
ちなみに池と山内は一か月の停学になっていた。Dクラスのクラスポイントも一人あたり三十ポイント吹っ飛んだ。もうあいつらの居場所なくなってると思うよ。
今日も駄目だった。
佐倉……いや、愛里は扉の前で固まってしまう。
「……ごめんなさい」
「いいよいいよ。気長にやろう。愛里ならきっと大丈夫だって」
俺は無根拠に愛里を励ました。
一応、夜の外出までは成功していた。
誰かとすれ違う度に愛里は声を押し殺して俺に抱き着いてきたが。
夏休みは二週間しか残っていない。
この分だと間に合いそうにない。……これは荒療治が必要になるか。
「礼司君。あの。私、礼司君の負担になってるよね?」
「そんなことはないぞ。これは俺がやりたいからやっているだけだから」
いや、まぁ、ぶっちゃけしんどいよ。
でも愛里みたいな可愛い女の子が困っているなら助けるのが男だろう。
なお、俺の呼び方は田中君から礼司君にクラスチェンジしている。やったぜ。
「愛里。中に戻ろうか」
「……うん」
俺は愛里の手を引いて部屋に戻る。
毎日のように愛里と面会を続けるうちに茶柱先生の監視は外れていた。
「礼司君。ごめんね」
愛里と一緒にソファに座る。
肩が触れ合う距離。あと一歩のところで止まっている。
「もう、やっちまうか」
俺の呟きが聞こえたのだろう。愛里が俯いて顔を赤くしている。
このまま進展がなければ愛里が退学になってしまう。
いっそ恐怖のセックスの記憶を上書きしてしまえば改善に向かうかもしれない。
「なぁ、愛里。キスしてみるか?」
「え、あ、その……はい」
愛里は首をコクンと振った。
内向的な愛里は自分からは何も要求してこない。俺の言葉をいじらしく待つばかりだ。
ちゅ、と唇を合わせる。
「愛里。可愛いよ」
「そ、そんなこと、ないです」
「本当だって。愛里はもっと自分に自信を持った方がいい。あ、もう一回キスするね」
「あ、はい。……んっ、ちゅっ」
控えめな愛里の性格がすっげぇ新鮮なんだけど。
周りにいるのはガツガツ来る肉食系が多いから、愛里みたいなタイプは新しい。
俺は愛里の身体をぎゅっと抱き締めながら、思う存分キスをする。
「愛里。触ってもいいか?」
「う、うん」
愛里の眼鏡の奥にある瞳が見開いた。
しかし、それは拒絶ではない。ただ単に驚いただけだった。
「んっ、くっ……あっ、うっ、くぅ」
服の上から胸を触る。
ずっしりとした存在感。流石は元グラドル。トップクラスの巨乳である。
「礼司君。あの、変な声、出ちゃうから」
「出していいぞ。ここには俺と愛里しかいないからな」
「で、でも、恥ずかしいよ」
「愛里の恥ずかしい声を、もっと俺に聞かせて欲しい」
愛里は顔を真っ赤にして俯いてしまった。
可愛いなぁ。
思わずぐっちゃぐちゃにレイプして泣かせたくなる。
だが駄目だ。愛里は壊れものを扱うように大事にしないといけない。
こいつは男をサドの深淵に引きずり込んでくる魔性の女だな。
今度は愛里の下半身に手を伸ばす。
ロングスカートのホックを外し、隙間からショーツに手を入れた。
くちゅりと指先がぬめりに触れる。
「……あっ」
愛里が甘く鳴いた。
指を入れると、ずぶずぶと沈んでいく。
本人には言えないが、処女ではないのもあるのだろう。
「……うっ、ふぅぅ、はぁっ、あっ」
愛里は自分の口に手を当てて、声を押し殺して感じていた。
俺は愛里の膣内に入れた指をくいっと動かしてみる。
「んっ、んんっ! あっ、はぁっ……はっ、あぁっ!」
膣内は愛液でどろどろだ。それに感度がいい。これはもしや。
「愛里。もしかして自分で慰めてる?」
愛里は恥ずかしそうに頬を染めて、コクリと頷いた。
やっぱりそうか。
ストーカーにレイプされただけでは、こんなに身体は開発されないからな。
「週に何回ぐらいしてるの?」
「……えっと、あの。しゅ、週に三回ぐらい、かな」
嘘だな。俺は詳しいんだ。
この分だと毎日ヤッているのだろう。
高校一年生なのに熟れた身体を持て余しているとか罪深すぎる。
「もしかして、俺のことを考えながらとか?」
愛里はコクリと頷いた。
可愛い。抱きしめたい。と言うか抱き締めた。
「あ、あの。失望、したよね?」
「そんなことはないよ。俺の愛里への気持ちは、そんなことでは変わらないから」
「……礼司君。あうぅっ」
感動して嬉し涙を流す愛里。ちょろい。
「愛里。もう我慢できない。その……挿れても、いいか?」
愛里はストーカーにレイプされている。
セックスに忌避感を抱いていても不思議ではない。
愛里は目を伏せた。
これは……駄目かもしれないな。
「あ、あの。本当に、私でも、いいの?」
よっしゃ。釣れた。
「いいんだ。俺は愛里を抱きたい」
「……でも、私の身体は汚れてるのに」
「汚れてない!」
俺は大声で否定した。演技派タナカスである。
「愛里の身体はどこも汚れてない! 愛里は綺麗だ! それに、ほら!」
俺は愛里の手を誘導してフル勃起した股間を触らせる。
「あっ、固くなってる。それに、暖かい……」
「ああ。愛里のせいでこうなってるんだ」
昨晩は有栖とヤッているのに、俺の身体はまだ元気である。
流石はチートだ。なお精神は――。
「あ、あの。本当に、私でいいの?」
「何度も言わせるな」
「……あっ」
俺は愛里をベッドに押し倒した。
一枚ずつ服を脱がせていく。豊満な肢体が俺の目の前に現れた。
「愛里。抱くぞ」
「……う、うん。礼司君なら、いいよ」
俺は愛里に一度キスをしてから、肉棒を膣口にあてがった。
ぐっと押し込んでいく。膣内は抵抗もなく俺のものを受け入れた。
「あっ、ああっ! 礼司君の、大きい、よぉっ!」
そりゃストーカーの粗チンと比べたらな。
愛里は俺の身体に抱き着いて、唇をふるふると震わせた。
俺は慣らし運転でゆっくりと動き始める。
「あぁっ、あっ、あんっ、あんっ」
愛里の膣内は有栖のようにキツくは締まらなかったが、俺のものをじっとりと包み込んで絡みついてきた。
あ、ちょっと待って。この身体、すごいぞ。
今までやった中でもトップクラスだ。こりゃストーカーもハマるわ。
「やばい。愛里の中、すっげぇ気持ちいい」
「ほんと?」
「ああ。最高だ」
俺は愛里と口付けをする。
愛里はとろけた目をして、エッチすぎる身体を俺にこすり付けた。
興奮が止まらず、俺は最初からハイペースで腰を振る。
「はあっ、あっ、あっ! 礼司君! あっ、好きっ! 好きなの!」
それは本当に恋心なのか。ただの依存心ではないのか。
俺はわずかに逡巡するが、そんな思考はすぐに快楽に流されていった。
愛里も自ら腰を動かして快楽を貪っていた。
「ああぁぁっ! やぁぁっ! こんなの、はじめて!」
俺は愛里の腰をつかんで、叩き付けるように肉棒を打ち込んだ。
「ああんっ! ああっ! 気持ちいい! 気持ちいよぉ!」
粘膜と粘膜がこすれ合っている。
俺は今更ながらにゴムをしていないことに気付いたが、もう止まれなかった。
「ああぁっ! んあぁっ! ああっ! ああんっ!」
愛里があえぎ声を上げながら舌を出していた。
キスを求めているのだろうか。そう思いながら唇を合わせる。
「んっ、ちゅ、んっ、んっ、ふっ」
上からも下からも淫靡な音色が響いている。
愛里とのセックスに浸っていると、やがて俺は射精の気配を感じた。
「愛里。もう」
「……あっ」
愛里は涙目で俺を見上げると、無言で俺の身体に足を絡めてきた。
いや、待って。このままだと中に出ちゃうから。
「いや、あの。愛里さん」
愛里は俺の肩に手を回してぎゅっと抱き着いてくる。
いいのか?
混乱してよくわからないまま、俺の身体は勝手に腰を振っていた。
抜き身のペニスが愛里の膣内を直接こすり上げてかき回す。愛里は自らも腰を振って、より深く繋がろうとしていた。
駄目だ。このままだと膣内に射精してしまう。でも気持ちよすぎて離れられそうになかった。
「あっ、あっ、あっ、いっ、いっちゃう……ああぁ! イクっ! いやあぁぁぁ!」
俺と愛里の身体が密着する。
そして愛里の身体がビクンビクンと跳ねるように痙攣した。
「あっ、あっ、あっ! ああぁっ! ああぁんっ! いっ、くぅぅぅぅ!」
亀頭と子宮口がキスをする。
俺はそこに精液を注ぎ込んだ。
「ああっ! 熱いのが入ってくる! ああぁぁぁっ!」
愛里は甘ったるいあえぎ声を上げて絶頂した。
俺の肉棒がドクドクと脈打ち、愛里の子宮を汚していく。
「……はぁ……はぁ。すごかった」
こっちもすごかったわ。
熟れた身体という感じで、搾り取られそうになった。
でも、中出しして大丈夫なのだろうか。俺って最近そればっか心配してるな。