世界を支配できるとすら言われる力の塊、6つのピースを全て月読アイに奪われてしまった結月ゆかり、弦巻マキ、琴葉茜、琴葉葵、東北ずん子。
彼女らはアイが封印を解くことで街を破壊し地下から現れた巨大なタワー、テメンニグルを登り屋上を目指す。
果たして彼女の、アイの邪悪な企みを阻止することが出来るのか!!!!
「あは、あはははははは!遅いよゆかりお姉ちゃん、もう始まっちゃったよー!」
「な……っ!?もう、どうしようもないんですか……っ!」
ゆかり達が遂にたどり着いたタワー屋上、しかし既に魔法陣は起動してしまっていた。六角形の屋上の隅それぞれに建てられている石の燭台からは赤黒い光が天へと注がれ続けている。
「アイちゃん!本気なの!?本気で、そんなことするの!?」
「マキお姉ちゃん何言ってるの?今更止めるなんてそんなつまんないことやーだよ!」
「このっ、力尽くで止められへんと分からな───!」
激昂し魔法陣の中央に立つアイに向かって走り出す茜。しかし一歩踏み出した瞬間足元に燭台の1つから光線が飛ぶ。
「なっ!?」
「ダメだよ茜お姉ちゃん。大事な行事の時は静かにって先生に習ってないの?」
「アイ、ちゃん……!」
茜は足元に開いた穴に思わず震え上がり葵に支えられる。ニヤニヤと、牙のようにすら見える歯を剥き出しに笑うアイにずん子が1人立ち向かった。
「んー?ずん子お姉ちゃんどうする気なの?戦うの?私と?」
「例え、例え無駄だとしても!このまま世界を滅ぼさせなんてしません!最低でも一矢報いてみせます!」
「あははは、あははははははははははは!!威勢がいいね、さすがずん子お姉ちゃん!」
楽しげに笑いながらアイはゆっくりと魔法陣の上から浮かび上がり、赤黒く染まり雲が渦巻く空を背にして吐き捨てる。
「調子に乗るなよひよっこお姉ちゃん達?」
稲光が、雷鳴が何度も轟き世界を破滅へと導く。紫色の瞳を輝かせるアイの威圧に5人は一瞬で膝をついてしまった。
「まあ所詮こんなものだよね、お姉ちゃん達だもん。今の私に勝てるわけないよ、凄い力が漲ってるんだもん!今ならなんだって出来そう、世界を壊すどころか創ることさえ出来ちゃいそうだよ!」
「う、うぐ……っ!」
「アイ、ちゃん……!」
「体が動かへん……!」
「うあ、あ……」
「終わり、なんですか……!?」
動けなくなった5人を見下ろし、高笑いを上げるとアイはぶかぶかの袖ごと両腕を広げる。そして5人どころか世界へ聞かせるかのように朗々と宣言した。
「これでおしまいだよ、世界もお姉ちゃんお兄ちゃん達も!あは、あはははは、それじゃあ、さようなら!めでたしめでた───」
「そこまでだよ。おイタが過ぎたね、アイちゃん?」
「し……?え?かふ……っ!?」
「え?……アイちゃん……?」
涙すら浮かべて笑いながら中に浮かぶアイの背後に突如として誰かが現れる。そしてアイが振り向く前に嫌な音が響いた。肉が千切れ骨が砕かれ、そして皮膚を突き破り血が吹き出す音。
アイの小さな体、小さな胸から1本の赤く血に塗れた腕が突き出していた。肌は全て血の赤に染まっているのにその黄緑色に塗られた爪だけが何処か異様に目立って目に付いてしまう。
「アソビにしてはやり過ぎだよ」
「え、あ……!?うぐ、なんで、なんでここに……っ!?」
ぼたぼたと胸から、口から溢れる血も気にせずアイが振り返る。そこには青緑のツインテールを靡かせアイと同じ高さに浮かんだ一人の少女、電子の歌姫、原初の歌姫、始まりの歌姫初音ミクがいた。
「初音、ミク……っ!?」
「ミクさん!?」
「ミクちゃん!?」
「ミクさんやて!?」
「ミク先輩!?」
「ミクさんが!?」
「正解。久しぶりだねみんな、元気……そうじゃないね、仕方ないけど。さて、それじゃあアイちゃん。アソビの途中だけどお片付けの時間だよ」
なんでもない風に5人に笑いかけ空いている手を振る程に余裕があるミク。そのまま空いた手を前に突き出し指を鳴らす。
パチン。
ミクがしたのは指を鳴らす、ただこれだけ。
それだけ世界は変わっていった。赤黒く渦巻いた雲に覆われた空は一瞬で雲一つない美しい青空へ、タワーの魔法陣は停止し無害化、アイに漲るピースの力すら封じ込まれてしまう。
「はい、お片付けおしまい」
「……もう少しだったのに……!」
ずぶり、と腕を引き抜くとアイの首根っこを掴みミクが屋上に降り立つ。床に着いた瞬間青緑の粒子がアイを包む。それが消滅すると服や顔を汚す血も貫かれた胸の穴も消滅していた。
「これからは程々にしなよー?」
「…………ふーんだ」
ミクの乱入、これだけで全ては終わり世界は救われた。
ちなみにアイは暫くミク監視の元で過ごすらしく束の間の平和が訪れるようだ。
めでたしめでたし……
「私達の!」
「冒険の!」
「意味は!」
「なんだったん!」
「ですかー!」
END?
前回なんてないよ(
というわけで適当に思いついた妄想を書き連ねていく短編集ですよろしくお願いします!!!
誤字脱字ありあり添削なしなしです許してね!