※この作品はR-18です。

八幡奮闘記   作:ナマケモノmkⅡ

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12話?

 アイドルフェス当日。

 自分が出演するわけではないのに、相変わらず緊張してしまう。

 ちなみに、今回も武内さんからチケットを4枚いただいた。今までのお礼も兼ねて、雪ノ下、由比ヶ浜、戸塚、小町の四人に渡した。

 余談だが、雪ノ下にチケットを渡した際、「これでみくにゃんに会えるのね......」と狂喜乱舞していた。あの雪ノ下がだぞ?あの光景は今でも忘れられん......

 壊れかけのゆきのんリターンズ......

 

 

 開演直前。現在舞台裏では出演者全員が集まっている。

 先発の先輩方は衣装を着込み、PCメンバーは出番まで時間がある為、先日配られたTシャツ姿だ。

 そんな中、気になるのが美波だ。

 メンバーのちょっとした事にも気を掛けている。

 

八幡「(少し気負い過ぎだな......声かけとくか......)」

 

 美波に声をかけようと思い、一歩踏み出したところで、タイミング悪く川島さんが喋り出してしまった。全体への注意喚起、それと楽しみましょうと全員に告げる。そして......

 

川島「じゃ、円陣組むわよ〜。楓ちゃん掛け声よろしく!」

 

高垣「はい。それじゃあ、円陣組んで、エンジンかけましょー♪」

 

 ボフォッ!くっだらねぇ!ここ最近で一番くだらねえ!

 

川島「わかるわ〜。先輩にボケられるとどう反応していいか困るわよね〜。」

 

 苦笑いの川島さん。今ギャグに気づいたアイドル。そして、固まるCPメンバー......気まずい。ここは俺の最高のギャグで高垣さんに乗っかろう。

 

八幡「いやいや高垣さん。そんな掛け声じゃ誰も『機関』でしょ。エンジンだけに......」

 

全員「............」

 

 ............あれ?ダメだった?てか、めっちゃ滑ってんじゃん!

 

高垣「比企谷君......」

 

八幡「ひ、ひゃい!」

 

高垣「素晴らしいわ!」

 

 そう言いつつ手を握ってくる。なんで?......柔らかいな〜。なんかいい匂いするし......

 

八幡「......は?」

 

高垣「あなた最高よ!」

 

 あれ?ウケた?......わけじゃないな。みんな意味がわかってない。ちょっと待て!近い近い近いいい匂い......

 

凛「ね、八幡。どういう意味?」

 

 こいつ......滑ったギャグを説明させるとか......なんて残酷な事を......しかもなんで怒ってんの?足蹴らないでもらえます?

 

八幡「あー、エンジンて日本語で言ったら機関だろ?だからエンジンと聞かないの『聞かん』をかけたんだ。」

 

全員「な......なるほど......」

 

高垣「とても高度な返しを瞬時にくれるなんて!あなたすごい才能の持ち主ね!」

 

八幡「あ、ありがとうございます?」

 

高垣「八幡君、あなたとは改めてお話ししたいわ!今度時間をちょうだい!あと、私の事は楓って呼んでね?」

 

 あ、ひらめいた。少し恥ずかしいが、ネタのためだ......

 

八幡「わ、わかりました。か、楓さん......『かえで』いいですか?」

 

全員「ぶふぉっ!」

 

 あ、今度はウケた。

 

楓「最高よ!文句なしだわ!私の目に狂いはなかった!あなた私のプロデューサーになってちょうだい!」

 

八幡「何のプロデュースさせる気っすか......」

 

川島「もう、締まらないわね〜。楓ちゃん、やり直し!」

 

楓「は〜い。では、改めて!346プロ、サマーアイドルフェス!みんなで頑張りましょう!」

 

全員「おーーーー!」

 

 このやり取りで、俺は大事なことが頭から抜けてしまった。

 

 

 

 すでにライブは始まっている。

 

 何か忘れているのだが......

 

 

 ......そうだ!美波の件だ!まずい、円陣のやり取りですっかり抜けてた......美波を探さないと。

 

 

 あ、あれはアーニャか......

 

八幡「すまんアーニャ。美波見なかったか?」

 

アーニャ「ミナミなら、チエリとリハーサルルームに......」

 

八幡「助かる。アーニャ、付いてきてくれるか?嫌な予感がする。」

 

アーニャ「‼︎はい!わかり、ました!」

 

 ダメだ。嫌な予感しかしない。思い出すのは2年前。分実で雪ノ下が倒れた時のこと。

 今の美波と雪ノ下の状況が似すぎている......

頼む。何も起こらないでくれ!

 

 リハーサルルームのドアを少し乱暴に開け中に入る。アーニャが戸惑っているが、気にしている余裕がない。

 そして......

 

 嫌な予感は当たってしまうもの......

 

 

八幡「美波!」

 

アーニャ「ミナミ!」

 

智絵里「は、八幡さん!美波さんが......」

 

八幡「智絵里!何があった!」

 

智絵里「振り付けを一緒に確認してたら......気持ち悪いって......その......私のせいで......ぐすっ」

 

八幡「落ち着け、智絵里......」

 

 智絵里を抱きしめ頭を撫でる。こいつまで落ち込ませるわけにはいかない。

 だが、落ち着くのは俺もだ。落ち着け。考えろ。どうするのが最善だ......

 

八幡「......どうだ?落ち着いたか?」

 

智絵里「......はい......」

 

八幡「じゃあ、武内さんに美波が救護室に行ったって、伝えて来てもらえるか?」

 

智絵里「は、はい!」

 

 智絵里を今一人にはできないな......

 

八幡「おう。頼んだぞ。アーニャも付いて行ってくれ。」

 

アーニャ「да!」

 

 俺は美波を運ぼう。......あれしかないよな。

 

八幡「すまん美波。少しさわるぞ。」

 

 一言断り美波を抱き上げる。いわゆるお姫様だっこだ。恥ずかしいなどとは言ってられない。

 

美波「大丈夫。歩けるから......」

 

八幡「馬鹿言ってんじゃねえ。立つ事すらできねえじゃねえか。んな状態で歩けるわけねえだろ。」

 

美波「......ごめん。」

 

八幡「気にすんな。少し揺れるが、我慢してくれ。」

 

美波「......うん。」

 

 

 救護室に駆けつけきた武内さんとちひろさん。2人とも愕然としている。アーニャも同様だ。

 今ちひろさんに体温を計ってもらっているが、おそらく今日は無理だろう。......俺のせいだ。

 

八幡「すみません、武内さん。......俺のせいです。」

 

武内「なっ!なぜひk「こうなるかもって......少し思ってたんです。」......」

 

八幡「以前にも同じ様な経験があったので......わかってて防げませんでした。だから......すみません。」

 

美波「違う!八幡君のせいじゃない!私も夜遅くまで練習してたりしたから......すみません、プロデューサー。もう大丈夫です。」

 

 起きようとする美波を、アーニャとちひろさんが止める。当たり前だ。体温計に表示されている数字は38.7。まともに動けるはずがない。

 

 どうすればいい......

 

 そして無情にも武内さんから言葉が紡がれる。

 

武内「新田さん......許可できません。......もうわけ、ありません。」

 

ちひろ「でも、LOVE LAIKAが出られないとなると調整が......」

 

美波「待ってください!私が出られないのはいいです!でもそれじゃ、アーニャちゃんが......」

 

 こんな時まで人の心配かよ......

 こいつの為にしてやれること......

 一か八かだが......

 

八幡「蘭子。」

 

武内「えっ?」

 

八幡「美波の代理を、蘭子にやってもらいます。」

 

ちひろ「比企谷君なにを......」

 

八幡「合宿から今日まで、蘭子は2人とずっとレッスンしてきました。振りも歌詞も一通り問題ありません。」

 

武内「ですが......」

 

八幡「決めるのは本人ですが、あいつなら受けてくれます。だよな?アーニャ。」

 

アーニャ「はい!ワタシも、ランコに、お願いします!」

 

八幡「武内さん......」

 

武内「......わかりました。相談してみましょう。」

 

八幡「ありがとうございます。それと美波。」

 

美波「......なに?」

 

八幡「全体曲までに死んでも体調戻せ。」

 

美波「......え?」

 

武内「比企谷さん!何を言ってるんですか!」

 

八幡「戻ってこい。......リーダーとして。」

 

武内「許可できません!」

 

八幡「分かってます!無理な事を言ってるのも、美波の体調の事も!でも......美波は頑張ってきた。それを俺も見てきた。頑張ってきたこいつを舞台に立たせてやりたい。美波の頑張りをお客さんに見てもらいたい!......だから!」

 

 両膝と両手を床につけ、頭を下げる。

 

八幡「お願いします。美波をステージに立たせてあげてください。」

 

美波「八幡君!」

 

ちひろ「比企谷君何やってるんですか!」

 

八幡「お願いします!こいつの......美波の成果を、お客さんに見せてあげてください。」

 

武内「......」

 

アーニャ「ハチマン......」

 

美波「八幡君......」

 

武内「......わかりました。」

 

八幡「!!ありがとうございます!」

 

武内「ただし、体調が戻ったらです。それまでここから出ることは許しません。千川さん、彼女を見ていていただけますか?」

 

ちひろ「それだと業務が......」

 

八幡「俺がちひろさんの分もやります。」

 

ちひろ「......わかりました。比企谷君、あとでお仕置きです!それといい加減立ちなさい。」

 

八幡「......はい。宜しくお願いします。」

 

武内「では、急いで控え室に戻りましょう。」

 

八幡「はい。」

 

アーニャ「да!」

 

 

 控え室に戻り全員に経緯を説明する。不安そうではあるが、折れてはいない。気がかりだった智絵里も大丈夫そうだ。

 そして美波の代役へと話は進む。

 

 結果、蘭子は引き受けてくれた。蘭子語ではなく、全員に伝わる様「やってみたい。」と言ってくれた。

 

 まもなくCPの出番。

 トップバッターは蘭子。本来ならそのままLOVE LAIKAに移るのだが、蘭子の着替えの関係でアスタリスクの2人にMCをお願いした。

 ......自分で考えた策だが、穴が大きすぎる。迷惑をかけすぎだ。

 

 着替えもすみ、LOVE LAIKA ver.蘭子の出番。

 

蘭子「我が友......いえ、八幡さん。見ててください。用意してもらったこの舞台......絶対に成功させます!」

 

八幡「しっかり見てるからな。......行け!我が友よ!封印を解き放ち、第2形態を顕現させよ!」

 

蘭子「!!......フッフッフッ。我が第2形態!刮目せよ!」

 

 頑張れ!蘭子!頼んだぞ!

 

 イントロに合わせ振りが始まる。蘭子の振りにはアーニャほどのキレはない。

 だが、彼女に合った、流れる様な動き。合わない様で合っている。2曲連続で疲れもあるだろう。だが、そんな様子を微塵も感じさせない見事なパフォーマンス。......最高のステージだよ。

 

 

 ......無事曲を終えた。最初は訝しげだった観客も最後には大声援をくれた。よかった。本当に良かった。

 頑張った2人を全力で迎えようとしていたのだが......

 

蘭子「雨が!」

 

 飛び込んできた蘭子が叫ぶのと同時に雷が落ちる。そして停電。

 次はニュージェネだ。......あいつらにとって最悪のタイミング。

 

 おそらく、再開しても客は少ない......

 

 

 

 

 私達は今、舞台裏で待機してる。落雷での停電と豪雨でライブが休止しているから。

 美波が倒れたって聞いた時はどうなるんだろうって思ったけど、不思議と不安はなかった。

 だって、八幡がなんとかしてくれる。頼りすぎかなって思うけど......

 実際に八幡はとんでもない案を言ってきた。蘭子を代役にするとか、全体曲には美波が戻ってくるとか。

 いつもは挙動不審で頼りないけど、みんながピンチの時は凄く格好いい。ホント、ずるいな......

 

かな子「もうすぐ再開できそうだって!」

 

卯月「よかったです!」

 

智絵里「でも......まだ、雨降ってるね......あ、ご、ごめんなさい!」

 

未央「平気平気〜!」

 

智絵里「ごめんなさい。私、気が利かなくって......美波さんが倒れた時も、何もできなくて......」

 

かな子「智絵里ちゃん......でも、すぐに報告してくれたじゃない!」

 

智絵里「それは......気が動転しちゃった私を、八幡さんが......抱きしめながら撫でてくれて......落ち着けたから......それからプロデューサーに報告してきてくれって、指示までくれたんです。」

 

 あいつはまた......

 

智絵里「だからせめて......自分のやれること、ちゃんとやらないと!」

 

杏「それでいいんじゃ〜ん。杏なんてやれることやるだけで精一杯だよ。」

 

かな子「そうだよね!やれることやろ!」

 

卯月「はい!頑張ります!」

 

杏「それにしても、あいつって変なヤツだよね〜」

 

未央「あいつって、ハッチーの事?」

 

杏「そーそー。いつも先回りして色々考えてて、ありえない方法で解決して。ホント変なヤツ。」

 

凛「たしかにね。でも、だからこそ信じられる。」

 

智絵里「それに、ちょっと目は怖いけど、とっても優しいです。なでなでも気持ちいいし......」

 

卯未「「あー(はい)、それはわかる(ります)」」

 

 えっ?みんななでてもらってるの⁉︎私まだ......

 

未央「あのなでなでは反則だよねー。癖になるっていうかさ。」

 

卯月「とっても気持ちいいですよね〜。」

 

 たぬ......卯月の顔がふやけてる。なんかムカつく......

 

智絵里「はい、またなでてほしいです......」

 

かな子「そうなんですね......」

 

未央「でもまあ、今はライブの事考えよ!それで、バッチリ成功させれば、ハッチーもなでてくれるよ!」

 

かな子「そうだね!」

 

未央「よーし!みんな、がんばろー!」

 

全員「おー!」

 

 

 まもなく再開される。

 

 いつもの掛け声ジャンケン。今日も勝てた。嬉しいな......

 

プロデューサー「ステージ、OKです。」

 

「「「はいっ!」」」

 

プロデューサー「あの......実はまだ、お客様が戻りきっていなくて......」

 

未央「そっか......大雨降ったばっかだもんね......」

 

 こんな時あいつなら......八幡ならきっと......

 

プロデューサー「d「でも、やるしかない。」......はい。」

 

卯月「うん!」

 

未央「もう逃げない。見てくれるみんなを笑顔にするっ!」

 

プロデューサー「......よろしくお願いします。」

 

「「「はい!」」」

 

プロデューサー「それと、比企谷さんから伝言です。『最前ど真ん中を見てみろ。』だそうです。」

 

卯月「一番前の......真ん中ですか?」

 

プロデューサー「はい。見れば意味はわかります。」

 

凛「わかった。」

 

 さあ、行こう!

 

「「「チョコ!レー!トー!」」」

 

 

 最前中央......あれはっ!

 雪ノ下さんと由比ヶ浜さん。それに、戸塚さんと小町まで......

 そっかこういう事か。卯月も未央も同じ様な顔してる。......ホントずるいな。

 

未央「みなさーん!はじめましてー!」

 

「「「ニュージェネレーションズです!」」」

 

 曲が始まった。楽しい。嬉しい!みんなこんな雨の中......

 ありがとう八幡。最高の贈り物だよ!

 

 ......私達の曲も終わり、C-I、凸レーションも無事に成功。今はアスタリスクの出番。

 そんなとき、八幡が美波と美嘉を連れてきた。いないと思ったら美波のところ行ってたんだ......

 

美波「プロデューサーさん!おまたせしました!」

 

プロデューサー「新田さん!大丈夫......ですか?」

 

美波「はいっ!」

 

美嘉「バッチリだよ!熱も下がったし、少し踊ったけど問題なし!」

 

プロデューサー「そうですか......よかったです。」

 

八幡「お待たせしました。......じゃあ美嘉、ちょっくら頼むわ。」

 

美嘉「まっかせといてっ★」

 

プロデューサー「比企谷さん、今度は何を......」

 

八幡「すんません。美嘉に少しMC頼んだんです。」

 

 八幡のやつ、また何か企んでる......

 

プロデューサー「わかりました。城ヶ崎さん、お願いします。」

 

 美嘉がステージに向かうと、みくと李衣菜が入れ替わるように戻ってきた。

 

みく「あー!美波チャン!」

 

李衣菜「もう大丈夫なの?」

 

美波「うん。もう大丈夫。ごめんね、心配かけて......」

 

八幡「ほれ、それは後だ。さっさと着替えてこい。」

 

みく「わかったにゃ!」

 

李衣菜「まってて!」

 

 みくと李衣菜が戻りこれで全員。そっか......全員で歌えるんだ!

 

莉嘉「ねぇねぇ!円陣やろうよー!」

 

 全員で円陣を組む。そっか、掛け声決まってなかったね。

 

凛「掛け声は?」

 

みりあ「ファイト!オー!かな?」

 

李衣菜「よし!それで!」

 

 みんなで美波を見る。

 

美波「えっ?ダメよ。本番前に熱出しちゃったし......リーダーしっかk「ミナミン!みんな待ってたよ!」」

 

全員「うんっ!」

 

 いいタイミングだね未央。失格って言わせたくないもんね。

 手を繋ぐ。美波は驚いてるけど......ここにいる「全員」で気持ちを1つに!

 

美波「......ありがとう!それじゃぁ、みんな!シンデレラプロジェクト!」

 

 右足を一歩前に踏み込む!

 

全員「ファイトー!オー!」

 

 

 

 全体曲も無事に終わり終演。

 今は武内さんと共に届いたファンレターや会場アンケートを運んでいる。

 

八幡「武内さん、今回も......色々とすんませんでした。」

 

武内「......比企谷さん。私は少し怒っています。」

 

 ですよねー。いつもこんな勝手ばっかやってたらそら怒るわ。

 

八幡「すみません。」

 

武内「怒っています。一人でなんでもやってしまう比企谷さんに......それ以上に、それを指を咥えて見ているだけの私自身に。」

 

八幡「えっ?」

 

武内「比企谷さんのやり方は少し強引ですが、いつも助けられてばかりです。そして思うのです。比企谷さんがいなかったら、このプロジェクトはどうなっていたのかと。」

 

八幡「......変わんないっすよ。」

 

武内「変わらない......ですか?」

 

八幡「はい。変わんないです。俺がやってるのは手を貸してるだけですから。」

 

武内「......そうかもしれません。ですが、あなたの存在は大きい。彼女たちの、そして私の心の支えになっています。」

 

八幡「......そっすかね?」

 

武内「そうです。」

 

八幡「なら......よかったです。」

 

武内「では、運んでしまいましょう。」

 

八幡「......うす。」

 

 

 撤収作業の中、箱を運ぶ......楓さんが喜びそうだな。

 みんなのところに持っていき、仕分けをしつつ渡して行く。

 卯月の「アイドルみたいです......」の天然ボケに全員で突っ込んだのは笑えた。

 次は未央のだな......

 未央に渡すとその場で読み始める。こら、離れなさい。仕分けしにくいでしょ!

 

未央「ハッチー......」

 

八幡「ん?どした?」

 

未央「アリガトね。」

 

八幡「なんのこっちゃ......」

 

未央「......あの時怒ってくれて、私をつなぎとめてくれて......」

 

八幡「俺はなんもしてねえよ。」

 

未央「そんな事ない。あの時の事があったから、今日頑張れた。ゆきねえにゆいねえ、こまちゃんに戸塚さんも応援してくれて......凄く嬉しかった!」

 

八幡「そうか......」

 

未央「うん!だから、ありがとう!私、アイドル辞めないでよかった!」

 

八幡「......いい笑顔だよ。最高だ。」

 

未央「うん!しまむー!これ見て!」

 

 そう言って離れて行く未央。武内さんは凛と話している。

 ぼーっと仕分けをしている......

 

美波「八幡君......」

 

八幡「......どした?」

 

美波「今日は、本当にありがとう。あと、ごめんね。」

 

八幡「......どっちも言われる覚えがねえな。」

 

美波「そんな事ないよ。助けてもらったし、ステージにも立たせてくれた。それに......土下座までさせちゃって......」

 

八幡「......あれは、俺がやりたくてやったことだ。別にお前の為じゃない。」

 

美波「相変わらずだね。じゃあ、そういう事にしておくね。」

 

八幡「おう。そうしてくれ。」

 

美波「うん。ねえ、八幡君。」

 

八幡「なんだー?」

 

美波「......目閉じてくれる?」

 

八幡「......別に構わんが?」

 

 よくわからんが、目を閉じる。何?何されんの?もしかして引っ叩かれる⁉︎

 

 chu!

 

 頬に柔らかいものが一瞬触れる......まさかっ⁉︎

 

八幡「お、おまっ!今なにs「内緒だよ?」......言えるわけねえじゃん。」

 

 ふふっ!と笑いながら去って行く......やられた......

 

 

 ファンレター合戦も終わり、ステージの縁に座るみんなの横に立つみんな銘々に話をしている......

 

凛「私、前に346プロのライブでフラワースタンド届けに行ったことあるんだ。」

 

未央「へ~。」

 

卯月「そうんなんですか?」

 

凛「うん。楓さんたちが出ててさ、自分が同じステージに立つなんて思ってもみなかった。」

 

卯未「「えっ⁉︎」」

 

卯月「それって秋のライブですか?」

 

凛「え、うん。」

 

未央「私、それ見に行った!」

 

卯月「私も、スタッフで......」

 

卯未「「えー⁉︎」」

 

未央「これって運命だよー!」

 

卯月「その時準備中にガラスの靴落としちゃって......」

 

未央「それって階段のところ?」

 

卯月「はい、そうですけど......」

 

未央「ごめん!ぶつかったの私!」

 

卯月「え......えええええええ!」

 

凛「それ私も見てた......」

 

未央「うそ......」

 

卯月「信じられません......」

 

凛「ホントだね。その時誰かに靴拾ってもらわなかった?」

 

卯月「そうなんです。お礼も言えてなくて......」

 

八幡「あ?礼なら言われたぞ?」

 

卯月「えっ?」

 

八幡「え?」

 

卯月「あの時の人って......もしかして八幡さんですか⁉︎」

 

八幡「え?気づいてなかった?」

 

卯月「全く......」

 

未央「全然......」

 

凛「これっぽっちも......」

 

八幡「......」

 

卯月「奇跡です......」

 

未央「そうかも......」

 

凛「ホントに......」

 

「「「運命です(だね)!」」」

 

八幡「そうかもな......」

 

 ホントは違うんだが......まあ、いいか。確かに3人があの場にいたのは、偶然という名の奇跡だ。

 

 そう思うのも悪くない。

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