アイドルフェス当日。
自分が出演するわけではないのに、相変わらず緊張してしまう。
ちなみに、今回も武内さんからチケットを4枚いただいた。今までのお礼も兼ねて、雪ノ下、由比ヶ浜、戸塚、小町の四人に渡した。
余談だが、雪ノ下にチケットを渡した際、「これでみくにゃんに会えるのね......」と狂喜乱舞していた。あの雪ノ下がだぞ?あの光景は今でも忘れられん......
壊れかけのゆきのんリターンズ......
開演直前。現在舞台裏では出演者全員が集まっている。
先発の先輩方は衣装を着込み、PCメンバーは出番まで時間がある為、先日配られたTシャツ姿だ。
そんな中、気になるのが美波だ。
メンバーのちょっとした事にも気を掛けている。
八幡「(少し気負い過ぎだな......声かけとくか......)」
美波に声をかけようと思い、一歩踏み出したところで、タイミング悪く川島さんが喋り出してしまった。全体への注意喚起、それと楽しみましょうと全員に告げる。そして......
川島「じゃ、円陣組むわよ〜。楓ちゃん掛け声よろしく!」
高垣「はい。それじゃあ、円陣組んで、エンジンかけましょー♪」
ボフォッ!くっだらねぇ!ここ最近で一番くだらねえ!
川島「わかるわ〜。先輩にボケられるとどう反応していいか困るわよね〜。」
苦笑いの川島さん。今ギャグに気づいたアイドル。そして、固まるCPメンバー......気まずい。ここは俺の最高のギャグで高垣さんに乗っかろう。
八幡「いやいや高垣さん。そんな掛け声じゃ誰も『機関』でしょ。エンジンだけに......」
全員「............」
............あれ?ダメだった?てか、めっちゃ滑ってんじゃん!
高垣「比企谷君......」
八幡「ひ、ひゃい!」
高垣「素晴らしいわ!」
そう言いつつ手を握ってくる。なんで?......柔らかいな〜。なんかいい匂いするし......
八幡「......は?」
高垣「あなた最高よ!」
あれ?ウケた?......わけじゃないな。みんな意味がわかってない。ちょっと待て!近い近い近いいい匂い......
凛「ね、八幡。どういう意味?」
こいつ......滑ったギャグを説明させるとか......なんて残酷な事を......しかもなんで怒ってんの?足蹴らないでもらえます?
八幡「あー、エンジンて日本語で言ったら機関だろ?だからエンジンと聞かないの『聞かん』をかけたんだ。」
全員「な......なるほど......」
高垣「とても高度な返しを瞬時にくれるなんて!あなたすごい才能の持ち主ね!」
八幡「あ、ありがとうございます?」
高垣「八幡君、あなたとは改めてお話ししたいわ!今度時間をちょうだい!あと、私の事は楓って呼んでね?」
あ、ひらめいた。少し恥ずかしいが、ネタのためだ......
八幡「わ、わかりました。か、楓さん......『かえで』いいですか?」
全員「ぶふぉっ!」
あ、今度はウケた。
楓「最高よ!文句なしだわ!私の目に狂いはなかった!あなた私のプロデューサーになってちょうだい!」
八幡「何のプロデュースさせる気っすか......」
川島「もう、締まらないわね〜。楓ちゃん、やり直し!」
楓「は〜い。では、改めて!346プロ、サマーアイドルフェス!みんなで頑張りましょう!」
全員「おーーーー!」
このやり取りで、俺は大事なことが頭から抜けてしまった。
すでにライブは始まっている。
何か忘れているのだが......
......そうだ!美波の件だ!まずい、円陣のやり取りですっかり抜けてた......美波を探さないと。
あ、あれはアーニャか......
八幡「すまんアーニャ。美波見なかったか?」
アーニャ「ミナミなら、チエリとリハーサルルームに......」
八幡「助かる。アーニャ、付いてきてくれるか?嫌な予感がする。」
アーニャ「‼︎はい!わかり、ました!」
ダメだ。嫌な予感しかしない。思い出すのは2年前。分実で雪ノ下が倒れた時のこと。
今の美波と雪ノ下の状況が似すぎている......
頼む。何も起こらないでくれ!
リハーサルルームのドアを少し乱暴に開け中に入る。アーニャが戸惑っているが、気にしている余裕がない。
そして......
嫌な予感は当たってしまうもの......
八幡「美波!」
アーニャ「ミナミ!」
智絵里「は、八幡さん!美波さんが......」
八幡「智絵里!何があった!」
智絵里「振り付けを一緒に確認してたら......気持ち悪いって......その......私のせいで......ぐすっ」
八幡「落ち着け、智絵里......」
智絵里を抱きしめ頭を撫でる。こいつまで落ち込ませるわけにはいかない。
だが、落ち着くのは俺もだ。落ち着け。考えろ。どうするのが最善だ......
八幡「......どうだ?落ち着いたか?」
智絵里「......はい......」
八幡「じゃあ、武内さんに美波が救護室に行ったって、伝えて来てもらえるか?」
智絵里「は、はい!」
智絵里を今一人にはできないな......
八幡「おう。頼んだぞ。アーニャも付いて行ってくれ。」
アーニャ「да!」
俺は美波を運ぼう。......あれしかないよな。
八幡「すまん美波。少しさわるぞ。」
一言断り美波を抱き上げる。いわゆるお姫様だっこだ。恥ずかしいなどとは言ってられない。
美波「大丈夫。歩けるから......」
八幡「馬鹿言ってんじゃねえ。立つ事すらできねえじゃねえか。んな状態で歩けるわけねえだろ。」
美波「......ごめん。」
八幡「気にすんな。少し揺れるが、我慢してくれ。」
美波「......うん。」
救護室に駆けつけきた武内さんとちひろさん。2人とも愕然としている。アーニャも同様だ。
今ちひろさんに体温を計ってもらっているが、おそらく今日は無理だろう。......俺のせいだ。
八幡「すみません、武内さん。......俺のせいです。」
武内「なっ!なぜひk「こうなるかもって......少し思ってたんです。」......」
八幡「以前にも同じ様な経験があったので......わかってて防げませんでした。だから......すみません。」
美波「違う!八幡君のせいじゃない!私も夜遅くまで練習してたりしたから......すみません、プロデューサー。もう大丈夫です。」
起きようとする美波を、アーニャとちひろさんが止める。当たり前だ。体温計に表示されている数字は38.7。まともに動けるはずがない。
どうすればいい......
そして無情にも武内さんから言葉が紡がれる。
武内「新田さん......許可できません。......もうわけ、ありません。」
ちひろ「でも、LOVE LAIKAが出られないとなると調整が......」
美波「待ってください!私が出られないのはいいです!でもそれじゃ、アーニャちゃんが......」
こんな時まで人の心配かよ......
こいつの為にしてやれること......
一か八かだが......
八幡「蘭子。」
武内「えっ?」
八幡「美波の代理を、蘭子にやってもらいます。」
ちひろ「比企谷君なにを......」
八幡「合宿から今日まで、蘭子は2人とずっとレッスンしてきました。振りも歌詞も一通り問題ありません。」
武内「ですが......」
八幡「決めるのは本人ですが、あいつなら受けてくれます。だよな?アーニャ。」
アーニャ「はい!ワタシも、ランコに、お願いします!」
八幡「武内さん......」
武内「......わかりました。相談してみましょう。」
八幡「ありがとうございます。それと美波。」
美波「......なに?」
八幡「全体曲までに死んでも体調戻せ。」
美波「......え?」
武内「比企谷さん!何を言ってるんですか!」
八幡「戻ってこい。......リーダーとして。」
武内「許可できません!」
八幡「分かってます!無理な事を言ってるのも、美波の体調の事も!でも......美波は頑張ってきた。それを俺も見てきた。頑張ってきたこいつを舞台に立たせてやりたい。美波の頑張りをお客さんに見てもらいたい!......だから!」
両膝と両手を床につけ、頭を下げる。
八幡「お願いします。美波をステージに立たせてあげてください。」
美波「八幡君!」
ちひろ「比企谷君何やってるんですか!」
八幡「お願いします!こいつの......美波の成果を、お客さんに見せてあげてください。」
武内「......」
アーニャ「ハチマン......」
美波「八幡君......」
武内「......わかりました。」
八幡「!!ありがとうございます!」
武内「ただし、体調が戻ったらです。それまでここから出ることは許しません。千川さん、彼女を見ていていただけますか?」
ちひろ「それだと業務が......」
八幡「俺がちひろさんの分もやります。」
ちひろ「......わかりました。比企谷君、あとでお仕置きです!それといい加減立ちなさい。」
八幡「......はい。宜しくお願いします。」
武内「では、急いで控え室に戻りましょう。」
八幡「はい。」
アーニャ「да!」
控え室に戻り全員に経緯を説明する。不安そうではあるが、折れてはいない。気がかりだった智絵里も大丈夫そうだ。
そして美波の代役へと話は進む。
結果、蘭子は引き受けてくれた。蘭子語ではなく、全員に伝わる様「やってみたい。」と言ってくれた。
まもなくCPの出番。
トップバッターは蘭子。本来ならそのままLOVE LAIKAに移るのだが、蘭子の着替えの関係でアスタリスクの2人にMCをお願いした。
......自分で考えた策だが、穴が大きすぎる。迷惑をかけすぎだ。
着替えもすみ、LOVE LAIKA ver.蘭子の出番。
蘭子「我が友......いえ、八幡さん。見ててください。用意してもらったこの舞台......絶対に成功させます!」
八幡「しっかり見てるからな。......行け!我が友よ!封印を解き放ち、第2形態を顕現させよ!」
蘭子「!!......フッフッフッ。我が第2形態!刮目せよ!」
頑張れ!蘭子!頼んだぞ!
イントロに合わせ振りが始まる。蘭子の振りにはアーニャほどのキレはない。
だが、彼女に合った、流れる様な動き。合わない様で合っている。2曲連続で疲れもあるだろう。だが、そんな様子を微塵も感じさせない見事なパフォーマンス。......最高のステージだよ。
......無事曲を終えた。最初は訝しげだった観客も最後には大声援をくれた。よかった。本当に良かった。
頑張った2人を全力で迎えようとしていたのだが......
蘭子「雨が!」
飛び込んできた蘭子が叫ぶのと同時に雷が落ちる。そして停電。
次はニュージェネだ。......あいつらにとって最悪のタイミング。
おそらく、再開しても客は少ない......
私達は今、舞台裏で待機してる。落雷での停電と豪雨でライブが休止しているから。
美波が倒れたって聞いた時はどうなるんだろうって思ったけど、不思議と不安はなかった。
だって、八幡がなんとかしてくれる。頼りすぎかなって思うけど......
実際に八幡はとんでもない案を言ってきた。蘭子を代役にするとか、全体曲には美波が戻ってくるとか。
いつもは挙動不審で頼りないけど、みんながピンチの時は凄く格好いい。ホント、ずるいな......
かな子「もうすぐ再開できそうだって!」
卯月「よかったです!」
智絵里「でも......まだ、雨降ってるね......あ、ご、ごめんなさい!」
未央「平気平気〜!」
智絵里「ごめんなさい。私、気が利かなくって......美波さんが倒れた時も、何もできなくて......」
かな子「智絵里ちゃん......でも、すぐに報告してくれたじゃない!」
智絵里「それは......気が動転しちゃった私を、八幡さんが......抱きしめながら撫でてくれて......落ち着けたから......それからプロデューサーに報告してきてくれって、指示までくれたんです。」
あいつはまた......
智絵里「だからせめて......自分のやれること、ちゃんとやらないと!」
杏「それでいいんじゃ〜ん。杏なんてやれることやるだけで精一杯だよ。」
かな子「そうだよね!やれることやろ!」
卯月「はい!頑張ります!」
杏「それにしても、あいつって変なヤツだよね〜」
未央「あいつって、ハッチーの事?」
杏「そーそー。いつも先回りして色々考えてて、ありえない方法で解決して。ホント変なヤツ。」
凛「たしかにね。でも、だからこそ信じられる。」
智絵里「それに、ちょっと目は怖いけど、とっても優しいです。なでなでも気持ちいいし......」
卯未「「あー(はい)、それはわかる(ります)」」
えっ?みんななでてもらってるの⁉︎私まだ......
未央「あのなでなでは反則だよねー。癖になるっていうかさ。」
卯月「とっても気持ちいいですよね〜。」
たぬ......卯月の顔がふやけてる。なんかムカつく......
智絵里「はい、またなでてほしいです......」
かな子「そうなんですね......」
未央「でもまあ、今はライブの事考えよ!それで、バッチリ成功させれば、ハッチーもなでてくれるよ!」
かな子「そうだね!」
未央「よーし!みんな、がんばろー!」
全員「おー!」
まもなく再開される。
いつもの掛け声ジャンケン。今日も勝てた。嬉しいな......
プロデューサー「ステージ、OKです。」
「「「はいっ!」」」
プロデューサー「あの......実はまだ、お客様が戻りきっていなくて......」
未央「そっか......大雨降ったばっかだもんね......」
こんな時あいつなら......八幡ならきっと......
プロデューサー「d「でも、やるしかない。」......はい。」
卯月「うん!」
未央「もう逃げない。見てくれるみんなを笑顔にするっ!」
プロデューサー「......よろしくお願いします。」
「「「はい!」」」
プロデューサー「それと、比企谷さんから伝言です。『最前ど真ん中を見てみろ。』だそうです。」
卯月「一番前の......真ん中ですか?」
プロデューサー「はい。見れば意味はわかります。」
凛「わかった。」
さあ、行こう!
「「「チョコ!レー!トー!」」」
最前中央......あれはっ!
雪ノ下さんと由比ヶ浜さん。それに、戸塚さんと小町まで......
そっかこういう事か。卯月も未央も同じ様な顔してる。......ホントずるいな。
未央「みなさーん!はじめましてー!」
「「「ニュージェネレーションズです!」」」
曲が始まった。楽しい。嬉しい!みんなこんな雨の中......
ありがとう八幡。最高の贈り物だよ!
......私達の曲も終わり、C-I、凸レーションも無事に成功。今はアスタリスクの出番。
そんなとき、八幡が美波と美嘉を連れてきた。いないと思ったら美波のところ行ってたんだ......
美波「プロデューサーさん!おまたせしました!」
プロデューサー「新田さん!大丈夫......ですか?」
美波「はいっ!」
美嘉「バッチリだよ!熱も下がったし、少し踊ったけど問題なし!」
プロデューサー「そうですか......よかったです。」
八幡「お待たせしました。......じゃあ美嘉、ちょっくら頼むわ。」
美嘉「まっかせといてっ★」
プロデューサー「比企谷さん、今度は何を......」
八幡「すんません。美嘉に少しMC頼んだんです。」
八幡のやつ、また何か企んでる......
プロデューサー「わかりました。城ヶ崎さん、お願いします。」
美嘉がステージに向かうと、みくと李衣菜が入れ替わるように戻ってきた。
みく「あー!美波チャン!」
李衣菜「もう大丈夫なの?」
美波「うん。もう大丈夫。ごめんね、心配かけて......」
八幡「ほれ、それは後だ。さっさと着替えてこい。」
みく「わかったにゃ!」
李衣菜「まってて!」
みくと李衣菜が戻りこれで全員。そっか......全員で歌えるんだ!
莉嘉「ねぇねぇ!円陣やろうよー!」
全員で円陣を組む。そっか、掛け声決まってなかったね。
凛「掛け声は?」
みりあ「ファイト!オー!かな?」
李衣菜「よし!それで!」
みんなで美波を見る。
美波「えっ?ダメよ。本番前に熱出しちゃったし......リーダーしっかk「ミナミン!みんな待ってたよ!」」
全員「うんっ!」
いいタイミングだね未央。失格って言わせたくないもんね。
手を繋ぐ。美波は驚いてるけど......ここにいる「全員」で気持ちを1つに!
美波「......ありがとう!それじゃぁ、みんな!シンデレラプロジェクト!」
右足を一歩前に踏み込む!
全員「ファイトー!オー!」
全体曲も無事に終わり終演。
今は武内さんと共に届いたファンレターや会場アンケートを運んでいる。
八幡「武内さん、今回も......色々とすんませんでした。」
武内「......比企谷さん。私は少し怒っています。」
ですよねー。いつもこんな勝手ばっかやってたらそら怒るわ。
八幡「すみません。」
武内「怒っています。一人でなんでもやってしまう比企谷さんに......それ以上に、それを指を咥えて見ているだけの私自身に。」
八幡「えっ?」
武内「比企谷さんのやり方は少し強引ですが、いつも助けられてばかりです。そして思うのです。比企谷さんがいなかったら、このプロジェクトはどうなっていたのかと。」
八幡「......変わんないっすよ。」
武内「変わらない......ですか?」
八幡「はい。変わんないです。俺がやってるのは手を貸してるだけですから。」
武内「......そうかもしれません。ですが、あなたの存在は大きい。彼女たちの、そして私の心の支えになっています。」
八幡「......そっすかね?」
武内「そうです。」
八幡「なら......よかったです。」
武内「では、運んでしまいましょう。」
八幡「......うす。」
撤収作業の中、箱を運ぶ......楓さんが喜びそうだな。
みんなのところに持っていき、仕分けをしつつ渡して行く。
卯月の「アイドルみたいです......」の天然ボケに全員で突っ込んだのは笑えた。
次は未央のだな......
未央に渡すとその場で読み始める。こら、離れなさい。仕分けしにくいでしょ!
未央「ハッチー......」
八幡「ん?どした?」
未央「アリガトね。」
八幡「なんのこっちゃ......」
未央「......あの時怒ってくれて、私をつなぎとめてくれて......」
八幡「俺はなんもしてねえよ。」
未央「そんな事ない。あの時の事があったから、今日頑張れた。ゆきねえにゆいねえ、こまちゃんに戸塚さんも応援してくれて......凄く嬉しかった!」
八幡「そうか......」
未央「うん!だから、ありがとう!私、アイドル辞めないでよかった!」
八幡「......いい笑顔だよ。最高だ。」
未央「うん!しまむー!これ見て!」
そう言って離れて行く未央。武内さんは凛と話している。
ぼーっと仕分けをしている......
美波「八幡君......」
八幡「......どした?」
美波「今日は、本当にありがとう。あと、ごめんね。」
八幡「......どっちも言われる覚えがねえな。」
美波「そんな事ないよ。助けてもらったし、ステージにも立たせてくれた。それに......土下座までさせちゃって......」
八幡「......あれは、俺がやりたくてやったことだ。別にお前の為じゃない。」
美波「相変わらずだね。じゃあ、そういう事にしておくね。」
八幡「おう。そうしてくれ。」
美波「うん。ねえ、八幡君。」
八幡「なんだー?」
美波「......目閉じてくれる?」
八幡「......別に構わんが?」
よくわからんが、目を閉じる。何?何されんの?もしかして引っ叩かれる⁉︎
chu!
頬に柔らかいものが一瞬触れる......まさかっ⁉︎
八幡「お、おまっ!今なにs「内緒だよ?」......言えるわけねえじゃん。」
ふふっ!と笑いながら去って行く......やられた......
ファンレター合戦も終わり、ステージの縁に座るみんなの横に立つみんな銘々に話をしている......
凛「私、前に346プロのライブでフラワースタンド届けに行ったことあるんだ。」
未央「へ~。」
卯月「そうんなんですか?」
凛「うん。楓さんたちが出ててさ、自分が同じステージに立つなんて思ってもみなかった。」
卯未「「えっ⁉︎」」
卯月「それって秋のライブですか?」
凛「え、うん。」
未央「私、それ見に行った!」
卯月「私も、スタッフで......」
卯未「「えー⁉︎」」
未央「これって運命だよー!」
卯月「その時準備中にガラスの靴落としちゃって......」
未央「それって階段のところ?」
卯月「はい、そうですけど......」
未央「ごめん!ぶつかったの私!」
卯月「え......えええええええ!」
凛「それ私も見てた......」
未央「うそ......」
卯月「信じられません......」
凛「ホントだね。その時誰かに靴拾ってもらわなかった?」
卯月「そうなんです。お礼も言えてなくて......」
八幡「あ?礼なら言われたぞ?」
卯月「えっ?」
八幡「え?」
卯月「あの時の人って......もしかして八幡さんですか⁉︎」
八幡「え?気づいてなかった?」
卯月「全く......」
未央「全然......」
凛「これっぽっちも......」
八幡「......」
卯月「奇跡です......」
未央「そうかも......」
凛「ホントに......」
「「「運命です(だね)!」」」
八幡「そうかもな......」
ホントは違うんだが......まあ、いいか。確かに3人があの場にいたのは、偶然という名の奇跡だ。
そう思うのも悪くない。