※この作品はR-18です。

八幡奮闘記   作:ナマケモノmkⅡ

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15話?

 凛と神谷と北条の歌を聞いてから数日......

 常務からのアクションはない。......俺の取り越し苦労か?と考えながら事務所(仮)に向かって歩く......

 

??「......ぁっ......」

 

 誰かにぶつかってしまった......

 

八幡「す、すみません!」

 

 相手が落としたと思われる本を拾い......

 

八幡「......鷺沢さん?」

 

鷺沢「......比企谷さん......ですか?」

 

八幡「......何でここに?」

 

鷺沢「......少し前にスカウトされまして......今は美城常務のプロジェクトに。......比企谷さんは?」

 

八幡「俺はCPのアシスタントです。常務の......ですか......」

 

鷺沢「......何か......心p「あら?文香じゃない。どうしたの?」......奏さん......」

 

 誰だこいつ?薄っぺらい仮面しやがって......

 

奏?「おはよう、文香。彼は?」

 

鷺沢「おはようございます......こちらは......CPのアシスタントで......比企谷八幡さんです。」

 

八幡「......CPアシスタントの比企谷です。」

 

奏?「そう、あなたが......私は速水奏。常務の企画、Project Kroneに参加しているわ。」

 

 また常務か......

 

八幡「......よろしくお願いします。では、俺は行きます。鷺沢さん、また面白い本あったら貸してください。」

 

鷺沢「......はい。......お持ちしますね。」

 

速水「待ってるわね。比企谷さん。」

 

 ん?待ってる?何言ってんだあいつ......

 にしてもProject Kroneか......今度は王冠か......女王様かっての。

 メンバーは2人しかわからんが、鷺沢さんと速水。うちだとイメージ的に近いのは凛とアーニャか......一応武内さんに伝えとくかな。

 

 

 

 Kroneの件は武内さんには一応伝えた。他にも夏樹が誘われたりしているらしい。

 だが問題は外だけでなく内側でも起こっている。みくと李衣菜がギクシャクしていることだ。みくの話によれば李衣菜が何か悩んでいるとの事。

 話をする場をつくると提案したが、話してくれるまで待つとみくは言う。

 ならこちらはあいつらを信じて待つだけだ。少しお節介はするけどな......この時間ならあそこにいるか?目星をつけた場所へ足を向ける......

 

 

八幡「......おう、今日も練習か?」

 

李衣菜「あ、八幡さん。うん。最近頑張ってる。でもなかなかね......」

 

八幡「すぐにはうまくならんだろ。地道にやってけ。」

 

李衣菜「なつきちにも同じ事言われた。」

 

八幡「あ?なつきち?」

 

李衣菜「ああ、木村夏樹ちゃんのこと。」

 

八幡「なるほどね。じゃあお前は......ダリーナか?」

 

李衣菜「......何でわかったの?」

 

八幡「あいつとは音楽の趣味が結構合うからな。だからじゃね?」

 

李衣菜「へー......八幡さんロックとか聞くんだ。」

 

八幡「まぁな。嗜む程度だが。」

 

李衣菜「じゃあさ、LiSAって知ってる?」

 

八幡「ぶっ!......お前それ、夏樹に教えてもらったろ。」

 

李衣菜「な、何でそれを......」

 

八幡「俺が布教したからな。」

 

李衣菜「そうだったんだ......」

 

八幡「そんだけ仲よけりゃ、夏樹が常務に誘われてる事も知ってるよな?」

 

李衣菜「(ビクッ)......うん」

 

 ビンゴか......

 

八幡「羨ましいか?」

 

李衣菜「......そんなことない。」

 

八幡「あいつと同じステージに立ってみたいか?」

 

李衣菜「わ、わたしにはアスタリスクがあるから......」

 

八幡「......そうか。」

 

李衣菜「うん。」

 

八幡「......ま、練習頑張れよ。うまくなったら聞かせてくれ。」

 

李衣菜「う、うん。頑張る。」

 

八幡「んじゃな。」

 

 悩みの原因はわかった。なら......Prrrrr......

 

武内『はい、武内です。』

 

八幡「比企谷です。少し相談が......」

 

武内『なんでしょう?』

 

八幡「李衣菜の事で..........................ですが。」

 

武内『わかりました。お願いします。先方には?』

 

八幡「これから連絡します。」

 

武内『では、お願いします。』

 

八幡「......うす」

 

 よし。あとはあいつだな......

 

 

 

 

 計画当日。某ライブハウスで夏樹とともにあいつらを待っている。

 

八幡「悪いな。こんな事に付き合わせて。」

 

夏樹「構わないよ。面白そうだし。」

 

八幡「助かる。どうだ?楽しめそうか?」

 

夏樹「まあな。」

 

八幡「......常務の企画とは違うか?」

 

夏樹「......知ってたのか。」

 

八幡「一応な。ま、お前なら答えは決まってると思うけどな。」

 

夏樹「......そうだな。決まってるよ。......それより!ちゃんとやってきたんだろうな?」

 

八幡「一応は......え?マジでやんの?」

 

夏樹「当たり前だ。これが条件だからな。これも楽しみだったんだぜ?」

 

八幡「......さいで。」

 

夏樹「やっぱ音楽は、やりたい奴と!やりたいようにやんなきゃな!サンキュー、ハチ!」

 

八幡「そうかい。んじゃ、裏で待ってるわ。」

 

 待機する。............ギターを抱えて。

 やりたくねぇぇぇぇぇ!だが無情にも時はすぎる......

 「逃げたいな 逃げられないよ 諦めろ」

 八幡ココロの俳句......

 一句できてしまった......病気だな......

 

夏樹『よっ!来たな。』

 

 着いたようだ......

 

夏樹『ここ、デビュー前から仲間とライブやってたんだ。とにかくロックがやりたくてな。......めちゃくちゃだったけど......楽しかったな。......このステージで、ダリーと歌いたいと思ってさ。』

 

李衣菜『あのね、なつきち......やっぱり私......』

 

夏樹『ロックだと思えばそれがロック。だよな?お前の思い、響いたぜ。お陰でアタシも吹っ切れた。だから、解散ライブだ。ダリーとなつきち、一度きりの。』

 

 ......未央の声?莉嘉も?えっ?みんな来ちゃった?武内さん何してくれてんの⁉︎ふぇぇぇ......余計にやりなくないよう......

 

夏樹『イェーイ!みんなー!来てくれてサンキューな!今日は盛り上がって行こうぜ!一夜限りの限定ユニット、にわかロックwithハチ!よろしく!』

 

李衣菜『に、にわか?ハチ?』

 

夏樹『ハチ!come on!!』

 

 夏樹のギターが響き始めた。『over』だ夏樹に合わせながら俺もステージへ......

 

全員「ええっ⁉︎」

 

 そら驚くわな。もう構うか!やったれ俺!

 みくの声援で李衣菜がステージに上がり歌いだす。

 ......吹っ切れたか。みくも歌いだす。楽しめ。

 これじゃにわかロックじゃなくてアスタリスクwithナツハチじゃん。

 こんな形もアリか......俺じゃなくてウサミンをここに。......うむ、面白い。

 そして曲が終わる。メンバーからは拍手。ハイタッチする夏樹と李衣菜。そして俺.....

 

夏樹「良かったぜ、ハチ!やっぱお前サイコーだ!」

 

八幡「もう勘弁してくれ......」

 

夏樹「そんなこと言うなよ。またやろうぜ!」

 

八幡「気がむいたらな......」

 

李衣菜「八幡さん、

もありがとう。あと......ギターすごいね。」

 

八幡「......お前だって、練習すればできるようになる。だから諦めんな。」

 

李衣菜「うん!」

 

夏樹「ノってるうちに次行こうぜ!ハチ!この前のイケるか?」

 

八幡「え?まだやんの?」

 

夏樹「いいじゃねえか。ほら!」

 

八幡「はぁ、わかったよ......」

 

 このあと何曲かやった。......俺が歌うなんて聞いてない!

 

 

 

 にわかロックのライブ後、夏樹は常務のバンドを抜け、CPの企画に参加してくれる事になった。着々と準備がされる中、新たな話もある。

 秋のライブで中間審査が行われるという内容だ。基準に満たなければ、即解体。とんでもない話だ。

 そんな最中、俺は武内さんに呼び出された。なんでも常務に呼ばれたらしい。何で俺まで?

 

 武内さんとともに常務の元へ向かう。凛とアーニャもだ。2人に聞こえないよう小声で武内さんに話しかける。

 

八幡「武内さん、これ絶対引き抜きっすよ。」

 

武内「......私も同意見です。」

 

八幡「ですよね。ただ、2人はわかるんすけど何で俺まで行くんすか?」

 

武内「おそらく、アシスタントという立場だからでしょう。」

 

八幡「ですかね?ま、とりあえず行ってみましょう。」

 

武内「......はい。」

 

 常務室に着き中に入る。

 挨拶もそこそこに話は始まる。

 

常務「呼び立ててすまないな。話は簡単だ。そこにいる2人をProject Kroneに招き入れる。」

 

武内「......やはりそのお話でしたか。」

 

常務「ほう、驚かないのだな。」

 

武内「予想は......していました。」

 

 武内さんとは違い、2人は驚いている。そらいきなり聞いたら驚くわな......

 

常務「それは君の考えか?」

 

武内「......いえ。比企谷さんです。」

 

常務「君か......やはり面白いな。」

 

 まただ。またあの視線......気持ち悪い。

 

常務「まあいい、渋谷さん。あなたには新たなユニット活動。アナスタシアさんにはソロで活動してもらう。」

 

武内「待ってください!予想はしてましたが、承服はしかねます!」

 

常務「これは会社の方針だ。納得する必要はない。」

 

武内「ですが!それに秋のライブに参加と言われても急すぎます!私達には冬のライブもあります!審査に関しては冬まで待っていただけるはずでは......」

 

常務「君の部署が、審査をクリアすれば済む話だ。それとも、自信がないのかね?」

 

 嫌な言い方だ。逃げ道を完全に塞いでやがる。

 

常務「それに、彼女たちにとっても悪い話ではない。」

 

凛「ちょ!何勝手に!」

 

常務「君には特に気に入ってもらえると思っていたのだが......」

 

 動揺しながら不思議そうな顔を浮かべる凛。......あの2人か。

 

常務「ユニット名は『Triad Primus』。メンバーは、神谷奈緒と北条加蓮。」

 

 予想通りだ。さすがに凛も揺れている。俺も考えていた組み合わせだ。冬のライブの虎の子として温めていたのに......

 

常務「私は、君たち3人の組み合わせに可能性を感じた。既存のユニットにはない新たな輝きを。......君もだろう?比企谷君」

 

八幡「......はい。」

 

武内「な!比企谷さん!」

 

常務「本当にいい目をしている。」

 

 武内さんは既存のユニットがあると対抗するが、解散しろとは言っていないと返される。

 彼女たちの意思で両立していいと、甘い言葉をかける。こうしてハードルを下げて意識を向けさせる......いやらしいやり方だ。

 武内さんは食い下がるがお前には聞いていないと一蹴。あくまでも彼女たちの意思をと。

 そしてトドメだ。武内さんの言葉である、アイドルの自主性を尊重のだろ?と言われてしまう。完全に詰みだ。

 さらに火の粉は降りかかる。

 

常務「それと比企谷君。君には部署を移ってもらう。異動先はProject Kroneだ。来週から頼む。」

 

武内「待ってください!なぜ比企谷さんを!」

 

常務「......彼は優秀だ。私と同じ高さで物事を見ている。その高い能力を最高峰の舞台で発揮させる。企業の常識だろう?」

 

武内「ですが!h「君は......彼がいないと何もできないのかね?」......」

 

八幡「......少し、いいですか」

 

常務「言ってみなさい。」

 

八幡「ありがとうございます。異動に関しては社命なのでお受けします。」

 

武内「比企谷さん......」

 

八幡「ですが、一つ条件というか、お願いがあります。」

 

常務「聞くだけ聞こう。」

 

八幡「CPのアシスタントは継続させてください。もちろんKroneも手は抜きません。」

 

常務「......いいだろう。ただし所属はKroneのアシスタントだ。いいな。」

 

八幡「......はい。」

 

常務「以上だ。行きたまえ。」

 

 Project Kroneか。

 

 常務......俺をKroneに呼んだこと......

 

 

 後悔すんなよ?

 

 

 

 

 事務所に戻る。会話はない。2人とも心配そうな、不安そうな顔をしている。武内さんも同様だ。

 

八幡「武内さん。」

 

武内「何でしょう?」

 

八幡「とりあえず秋、それから冬のライブ......絶対成功させましょう。そんで、俺をCPに連れ戻してください。」

 

武内「はっ......必ず!」

 

アーニャ「兄さん、大丈夫、ですか?」

 

八幡「安心しろ。うまくやる。アーニャも困ったら相談しろよ?俺がCPのアシスタントなのはかわらんから。」

 

アーニャ「はい!」

 

武内「まずは皆さんに説明しないといけませんね......気が、重いです。」

 

八幡「大丈夫っすよ。いなくなる訳じゃ無いんすから。」

 

武内「......だといいのですが。」

 

 事務所に入りメンバー全員と、ちひろさんを集める。みんなの前に武内さんと2人立ち......

 

武内「......皆さんに、重要なお話があります。」

 

未央「なになに?新しい仕事の話?」

 

武内「いいえ.......................」

 

みく「Pチャンどうしたにゃ?」

 

武内「あの......比企谷さんですが......来週から転属となります。」

 

全員「......え?」

 

ちひろ「嘘......ですよね?」

 

武内「......決定事項です。」

 

未央「うそ......嘘!ダメだよそんなの......何で⁉︎」

 

ちひろ「......どちらにですか?」

 

武内「Project Krone......常務の企画部署です。」

 

みく「そんな......」

 

蘭智「「八幡さんが......」」

 

美波「いなくなる......」

 

 

 

卯月「.............................す。」

 

未央「......しまむー?」

 

卯月「ダメです......ダメですダメですダメですダメです!絶対ダメです!」

 

未央「しまむー落ち着いて!」

 

卯月「落ち着けません!何でですか!どうしてですか!......何で......ひぐっ......八幡さんが......」

 

 泣きながら抱きついてくる卯月を抱き返し、優しくなでる。

 

卯月「八幡しゃん......」

 

八幡「すまんな。会社の決定だから抗えないんだわ。でもな......」

 

 卯月を引き離ししっかりと目を見て告げる。

 

八幡「俺はCPのアシスタントはやめない。2部署を兼任する。完全にいなくなるわけじゃない。」

 

卯月「本当......ですか?」

 

八幡「おう。こんなことで嘘はつかん。」

 

卯月「よ......よかったでずぅ〜」

 

 泣きながらまた抱きついてくる。今日はやけに甘えん坊ですね。

 卯月の頭をなでながらみんなに依頼をする......

 

八幡「......みんなに頼みがある。ライブを成功させて、CPを存続させて......んで、俺をここに連れ戻してくれ。......俺を......ここにいさせてくれ。」

 

全員「......」

 

 

 

 

智絵里「八幡さんの......」

 

蘭子「お願い......」

 

美波「一人でなんでもできちゃう......」

 

きらり「ハッチャンからの......」

 

杏「初めての......」

 

かな子「お願い......」

 

莉嘉「だったら!」

 

みりあ「絶対に!」

 

未央「やり遂げなきゃ!」

 

李衣菜「今度は!」

 

みく「みくたちが!」

 

卯月「だから!」

 

12人「任せて!」

 

八幡「......頼んだ。」

 

ちひろ「私も協力しますね♪」

 

武内「私もです。これからもよろしくお願いします。」

 

八幡「ありがとうございます。こちらこそお願いします。」

 

ちひろ「ですがアシスタントとはいえ、2部署兼任は相当な負担ですよね?」

 

武内「......おそらくは。少なくとも前例はありません。」

 

八幡「ま、何とかなるんじゃないすか?」

 

みく「はっちゃんなら、なんとかなるにゃ!」

 

李衣菜「そうだね。大丈夫じゃない?」

 

八幡「ねえ君たち?俺のこと何だと思ってるの?」

 

みく「化け物。」

 

李衣菜「変人。」

 

八幡「......武内さん、明日退職願い持ってきます。」

 

みく「わー!う、嘘にゃ!はっちゃんはカッコよくて!」

 

李衣菜「そ、そう!すごくいい人!化け物とか変人じゃないから!」

 

八幡「......冗談だ。まあ、気にすんな。怒ってないから。トレーナーさんには、

お前らのレッスン3倍にしとくように言っといてやるからな?これは俺からのお礼だ。受け取ってくれ。」

 

みく「そ、そんにゃ〜......」

 

李衣菜「嘘でしょ......」

 

 みんな安心したようで笑いだす。いつもの風景だ。これが俺の好きな......守りたい場所。

 

未央「ところでさ。」

 

八幡「どした?」

 

未央「しまむーはいつまで抱きついてるのかなって思って。」

 

 ビクつく卯月。ぎゅっと抱きつく力が強くなり、二つのお山が存在感を増す......役得です!

 

凛「そうだよ卯月。いい加減離れて。」

 

智絵里「そ、そうです!離れてください!」

 

卯月「イヤですっ!今日は離れません!」

 

 何この娘......可愛いんだけど!

 

未央「いや〜、ハッチーモテモテですなぁ。このこのっ」

 

八幡「こら!脇を突くな!」

 

未央「えー!いいじゃん!なら......えいっ!」

 

凛智「「未央(ちゃん)まで!」」

 

八幡「お、おい......」

 

 あれ?泣いてる?

 

未央「よかった......よかったよぉ......」

 

 なんだ......こいつ強がってただけか......

 未央が泣いてる事にみんな気づく。

 

 しばらくこのまま和やかに過ぎ、落ち着いた未央が離れる。少し恥ずかしそうにはにかんだ笑顔が可愛い。

 この日、卯月は本当に離れなかった......

 

 

 

 週が明け、出勤日の今日。今いるのは常務室。そう、常務室だ。明日は出勤したら常務室に来いと通達があったのだ。

 促されるままソファーに座り、大魔王(常務)と向き合う。

 

常務「今日来てもらったのは、今後の話をするためだ。いいかな?」

 

八幡「は、はい。」

 

常務「そう緊張するな。私までかしこまってしまう。話し方も武内君と同じでいい。」

 

八幡「な、なら、遠慮なくそうさせてもらいます。」

 

 事務的なことから始まり、出勤日や通っている大学。まるで面接のようなやり取り。そして給与面。

 

常務「なるほど、大体わかった。ここからが本題だ。」

 

 ついに来たか......

 Kroneに関する進め方を確認する。メンバーが集まるまではそんなに大きな仕事はないようだ。秋のライブまで引っ張り、大々的にデビューさせる気だろう。その他にも多々話されるが、大した事ではない。

 

常務「以上だ。何か意見はあるかな?」

 

八幡「そうっすね。......デビューまでは、ステージに立たせないつもりですか?」

 

常務「当然だ。小さなステージに納まる者を集めた覚えはない。」

 

八幡「......失敗しますよ。」

 

常務「なに?......念のため理由を聞こう。」

 

八幡「少なくとも現メンバーで、ステージ経験のある奴はいません。しかも年端もいかない子ばかりです。間違いなく、萎縮、緊張、混乱......色々するでしょう。体調を崩す場合もあります。」

 

常務「成る程。ではリーダーを立ててまとめさせよう。」

 

八幡「今度はそいつが潰れます。実際見てますから。」

 

常務「ならどうしろと?」

 

八幡「小さなステージから慣れてもらうのが一番です。」

 

常務「却下だ。そのような余計な事をさせるつもりはない。さっき言っただろう。」

 

八幡「そうですか......なら、せめて舞台裏を経験させてあげてください。それだけでも大きな違いです。」

 

常務「その程度なら許可しよう。何を見に行くかは君が選んでかまわん。」

 

八幡「ありがとうございます。」

 

常務「他はあるか?」

 

八幡「そうっすね。さっきは否定しましたが、リーダーは立てましょう。名目上ですが。」

 

常務「名目上のリーダーに意味があるのか?」

 

八幡「あります。メンバーの心の支えになりますから。この人がリーダーなんだ!と思うだけで違いますので。その分俺たちがリーダーをフォローしなきゃなりません。怠った場合はリーダーが潰れます。」

 

常務「では、その件は君に任せよう。」

 

八幡「はい。では最後の質問ですが、俺が呼ばれた理由を教えてください。」

 

常務「......わかっていて聞くとは......君も性格が悪いな。」

 

八幡「......はっ!それは互い様じゃないっすかね?」

 

常務「言ってくれるな。本当に君は面白い。そういうところだよ。自己を持ち、覚悟を決めれば物怖じしない。さらには、目的の為なら手段を問わない。君のような者は珍しい。」

 

八幡「そうっすか。でも俺と常務では決定的にやり方が違いますよ?」

 

常務「到達点は一緒だ。」

 

八幡「んじゃ、好きにやらせてもらっていいんすね?」

 

常務「かまわん。ただ私の意に沿わなければ止めさせて貰う。」

 

八幡「......わかりました。」

 

常務「説明は以上だ。ではメンバーを紹介しよう。ついて来い。」

 

八幡「......うす。」

 

常務「その相槌はやめろ。不愉快だ。」

 

八幡「......はい。」

 

 武内さんと同じでいいって言ったじゃん!嘘つき!常務の嘘つき!と、くだらない事を考えながらついて行く。......なんか連行されてる気分。

 PRに到着し入ったのだが......贅沢だ......他とは段違い。優遇されてるのがよくわかる。

 

常務「集合しなさい。」

 

 さっと全員集まる。表情は......かたい。

 

常務「彼が当プロジェクトのアシスタントだ。以後、彼の指示には従うように。」

 

全員「はいっ!」

 

常務「よろしい。では私はこれで失礼する。」

 

 言いたい事だけ言ってさっさといなくなる常務。ま、こっちのがありがたい。

 

八幡「あー、今日からこのプロジェクトのアシスタントになった比企谷八幡だ。ま、宜しく頼むわ。」

 

鷺沢「はい......宜しくお願いします......改めまして......鷺沢文香です。」

 

八幡「今更っすけどね。」

 

 2人で軽く笑う。他は置いてきぼりだ。

 

速水「私も改めてになるわね。速水奏よ。」

 

八幡「この前の待ってるって......この意味だったんだな。」

 

速水「ええ、そうよ。」

 

八幡「ま、宜しく頼むわ」

 

 この後も自己紹介が続く。塩見周子、橘ありす、宮本フレデリカ、大槻唯。以上6人が現メンバーだ。そしてまず聞いて起きたい事がある。

 

八幡「いきなりですまんが、質問させてくれ。お前たち、今後どうしていきたいとか、どうなりたいって明確に決まってるか」

 

全員「え?」

 

八幡「質問の意味がわからんわけじゃないだろ?答えろ。無駄な時間使わせんな。」

 

 少し強めに言う。橘が「ひっ!」と言いながら、後ずさっている。

 誰も答えない。ま、そんなもんか。

 

八幡「んじゃ、次だ。決められた道を進むのと、自由に進むのどっちがいい?」

 

鷺沢「......私は、決めていただけると......助かります。」

 

塩見「あたしはどっちでもいーかなー♪」

 

宮本「フレちゃんもー♪」

 

大槻「アタシは〜......楽しければいいかな♪」

 

橘「私は......自分で決めたいです。」

 

速水「私もそうね。自分の道は自分で決めるわ。」

 

 

八幡「そうか......なら速水と橘には、この部署は窮屈な場所になるかもな......」

 

速水「どう言う事?」

 

八幡「ここは常務の作ったレールの上だ。道が決まってる。」

 

速水「......そう言う意味ね。」

 

八幡「おまけに大舞台でのデビューも決まってんだ。至れり尽くせりだな。贅沢だ。」

 

速水「あなた喧嘩売ってるの?」

 

八幡「ああ、そうだ。喧嘩売りに来たんだ。......常務にな。」

 

全員「えっ?」

 

八幡「ある程度自由にやる許可は貰った。だから......ぶっ壊すぞ。作られたレールを。決められた道を。壊せなきゃ脱線だ。」

 

鷺沢「......いいのですか?」

 

八幡「いい悪いじゃなくてやるんすよ。」

 

宮本「フレちゃんもやるー!」

 

八幡「おう。そのぶっ飛んだ個性ガンガン出していけ。」

 

塩見「何それ!面白そーん!」

 

八幡「絶対楽しいぞ!」

 

大槻「イイね!やっちゃお〜!」

 

八幡「ぶちかませ!」

 

速水「ワクワクするわね。」

 

八幡「だよな。」

 

橘「私は......」

 

八幡「見つければいい。これからな。」なでなで

 

橘「あっ......はい!」

 

 

 

八幡「よし。んじゃ円陣だ。」

 

全員「円陣?」

 

八幡「こんな時はやるもんなんだよ。掛け声はやるぞ。おー。だ。ほれ、速水。」

 

速水「わ、私?」

 

八幡「一言言って、Project Kroneやるぞおーだ。」

 

速水「わかったわ......作られたレールなんていらない!私たちの道を突き進むわよ!Project Krone!」

 

全員「やるぞ!オーーーー!!!!!!」

 

塩見「なにこれ!楽しい!」

 

鷺沢「......いい......ものですね。」

 

宮本「フンフン、いいねいいね〜♪」

 

大槻「盛り上がるね!」

 

速水「いいじゃない。」

 

橘「凄いです!」

 

八幡「......みんな、いい笑顔だな。」

 

全員「笑顔?」

 

八幡「アイドルは笑顔です。......俺の尊敬する人の言葉だ。」

 

 

 みんな笑いだす。ここに来てから初めて見たみんなの笑顔。やっぱこれだよな。......こうじゃなきゃ。

 

八幡「あ、あと仕事決めたから。」

 

全員「えぇっ⁉︎」

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