凛と神谷と北条の歌を聞いてから数日......
常務からのアクションはない。......俺の取り越し苦労か?と考えながら事務所(仮)に向かって歩く......
??「......ぁっ......」
誰かにぶつかってしまった......
八幡「す、すみません!」
相手が落としたと思われる本を拾い......
八幡「......鷺沢さん?」
鷺沢「......比企谷さん......ですか?」
八幡「......何でここに?」
鷺沢「......少し前にスカウトされまして......今は美城常務のプロジェクトに。......比企谷さんは?」
八幡「俺はCPのアシスタントです。常務の......ですか......」
鷺沢「......何か......心p「あら?文香じゃない。どうしたの?」......奏さん......」
誰だこいつ?薄っぺらい仮面しやがって......
奏?「おはよう、文香。彼は?」
鷺沢「おはようございます......こちらは......CPのアシスタントで......比企谷八幡さんです。」
八幡「......CPアシスタントの比企谷です。」
奏?「そう、あなたが......私は速水奏。常務の企画、Project Kroneに参加しているわ。」
また常務か......
八幡「......よろしくお願いします。では、俺は行きます。鷺沢さん、また面白い本あったら貸してください。」
鷺沢「......はい。......お持ちしますね。」
速水「待ってるわね。比企谷さん。」
ん?待ってる?何言ってんだあいつ......
にしてもProject Kroneか......今度は王冠か......女王様かっての。
メンバーは2人しかわからんが、鷺沢さんと速水。うちだとイメージ的に近いのは凛とアーニャか......一応武内さんに伝えとくかな。
Kroneの件は武内さんには一応伝えた。他にも夏樹が誘われたりしているらしい。
だが問題は外だけでなく内側でも起こっている。みくと李衣菜がギクシャクしていることだ。みくの話によれば李衣菜が何か悩んでいるとの事。
話をする場をつくると提案したが、話してくれるまで待つとみくは言う。
ならこちらはあいつらを信じて待つだけだ。少しお節介はするけどな......この時間ならあそこにいるか?目星をつけた場所へ足を向ける......
八幡「......おう、今日も練習か?」
李衣菜「あ、八幡さん。うん。最近頑張ってる。でもなかなかね......」
八幡「すぐにはうまくならんだろ。地道にやってけ。」
李衣菜「なつきちにも同じ事言われた。」
八幡「あ?なつきち?」
李衣菜「ああ、木村夏樹ちゃんのこと。」
八幡「なるほどね。じゃあお前は......ダリーナか?」
李衣菜「......何でわかったの?」
八幡「あいつとは音楽の趣味が結構合うからな。だからじゃね?」
李衣菜「へー......八幡さんロックとか聞くんだ。」
八幡「まぁな。嗜む程度だが。」
李衣菜「じゃあさ、LiSAって知ってる?」
八幡「ぶっ!......お前それ、夏樹に教えてもらったろ。」
李衣菜「な、何でそれを......」
八幡「俺が布教したからな。」
李衣菜「そうだったんだ......」
八幡「そんだけ仲よけりゃ、夏樹が常務に誘われてる事も知ってるよな?」
李衣菜「(ビクッ)......うん」
ビンゴか......
八幡「羨ましいか?」
李衣菜「......そんなことない。」
八幡「あいつと同じステージに立ってみたいか?」
李衣菜「わ、わたしにはアスタリスクがあるから......」
八幡「......そうか。」
李衣菜「うん。」
八幡「......ま、練習頑張れよ。うまくなったら聞かせてくれ。」
李衣菜「う、うん。頑張る。」
八幡「んじゃな。」
悩みの原因はわかった。なら......Prrrrr......
武内『はい、武内です。』
八幡「比企谷です。少し相談が......」
武内『なんでしょう?』
八幡「李衣菜の事で..........................ですが。」
武内『わかりました。お願いします。先方には?』
八幡「これから連絡します。」
武内『では、お願いします。』
八幡「......うす」
よし。あとはあいつだな......
計画当日。某ライブハウスで夏樹とともにあいつらを待っている。
八幡「悪いな。こんな事に付き合わせて。」
夏樹「構わないよ。面白そうだし。」
八幡「助かる。どうだ?楽しめそうか?」
夏樹「まあな。」
八幡「......常務の企画とは違うか?」
夏樹「......知ってたのか。」
八幡「一応な。ま、お前なら答えは決まってると思うけどな。」
夏樹「......そうだな。決まってるよ。......それより!ちゃんとやってきたんだろうな?」
八幡「一応は......え?マジでやんの?」
夏樹「当たり前だ。これが条件だからな。これも楽しみだったんだぜ?」
八幡「......さいで。」
夏樹「やっぱ音楽は、やりたい奴と!やりたいようにやんなきゃな!サンキュー、ハチ!」
八幡「そうかい。んじゃ、裏で待ってるわ。」
待機する。............ギターを抱えて。
やりたくねぇぇぇぇぇ!だが無情にも時はすぎる......
「逃げたいな 逃げられないよ 諦めろ」
八幡ココロの俳句......
一句できてしまった......病気だな......
夏樹『よっ!来たな。』
着いたようだ......
夏樹『ここ、デビュー前から仲間とライブやってたんだ。とにかくロックがやりたくてな。......めちゃくちゃだったけど......楽しかったな。......このステージで、ダリーと歌いたいと思ってさ。』
李衣菜『あのね、なつきち......やっぱり私......』
夏樹『ロックだと思えばそれがロック。だよな?お前の思い、響いたぜ。お陰でアタシも吹っ切れた。だから、解散ライブだ。ダリーとなつきち、一度きりの。』
......未央の声?莉嘉も?えっ?みんな来ちゃった?武内さん何してくれてんの⁉︎ふぇぇぇ......余計にやりなくないよう......
夏樹『イェーイ!みんなー!来てくれてサンキューな!今日は盛り上がって行こうぜ!一夜限りの限定ユニット、にわかロックwithハチ!よろしく!』
李衣菜『に、にわか?ハチ?』
夏樹『ハチ!come on!!』
夏樹のギターが響き始めた。『over』だ夏樹に合わせながら俺もステージへ......
全員「ええっ⁉︎」
そら驚くわな。もう構うか!やったれ俺!
みくの声援で李衣菜がステージに上がり歌いだす。
......吹っ切れたか。みくも歌いだす。楽しめ。
これじゃにわかロックじゃなくてアスタリスクwithナツハチじゃん。
こんな形もアリか......俺じゃなくてウサミンをここに。......うむ、面白い。
そして曲が終わる。メンバーからは拍手。ハイタッチする夏樹と李衣菜。そして俺.....
夏樹「良かったぜ、ハチ!やっぱお前サイコーだ!」
八幡「もう勘弁してくれ......」
夏樹「そんなこと言うなよ。またやろうぜ!」
八幡「気がむいたらな......」
李衣菜「八幡さん、
もありがとう。あと......ギターすごいね。」
八幡「......お前だって、練習すればできるようになる。だから諦めんな。」
李衣菜「うん!」
夏樹「ノってるうちに次行こうぜ!ハチ!この前のイケるか?」
八幡「え?まだやんの?」
夏樹「いいじゃねえか。ほら!」
八幡「はぁ、わかったよ......」
このあと何曲かやった。......俺が歌うなんて聞いてない!
にわかロックのライブ後、夏樹は常務のバンドを抜け、CPの企画に参加してくれる事になった。着々と準備がされる中、新たな話もある。
秋のライブで中間審査が行われるという内容だ。基準に満たなければ、即解体。とんでもない話だ。
そんな最中、俺は武内さんに呼び出された。なんでも常務に呼ばれたらしい。何で俺まで?
武内さんとともに常務の元へ向かう。凛とアーニャもだ。2人に聞こえないよう小声で武内さんに話しかける。
八幡「武内さん、これ絶対引き抜きっすよ。」
武内「......私も同意見です。」
八幡「ですよね。ただ、2人はわかるんすけど何で俺まで行くんすか?」
武内「おそらく、アシスタントという立場だからでしょう。」
八幡「ですかね?ま、とりあえず行ってみましょう。」
武内「......はい。」
常務室に着き中に入る。
挨拶もそこそこに話は始まる。
常務「呼び立ててすまないな。話は簡単だ。そこにいる2人をProject Kroneに招き入れる。」
武内「......やはりそのお話でしたか。」
常務「ほう、驚かないのだな。」
武内「予想は......していました。」
武内さんとは違い、2人は驚いている。そらいきなり聞いたら驚くわな......
常務「それは君の考えか?」
武内「......いえ。比企谷さんです。」
常務「君か......やはり面白いな。」
まただ。またあの視線......気持ち悪い。
常務「まあいい、渋谷さん。あなたには新たなユニット活動。アナスタシアさんにはソロで活動してもらう。」
武内「待ってください!予想はしてましたが、承服はしかねます!」
常務「これは会社の方針だ。納得する必要はない。」
武内「ですが!それに秋のライブに参加と言われても急すぎます!私達には冬のライブもあります!審査に関しては冬まで待っていただけるはずでは......」
常務「君の部署が、審査をクリアすれば済む話だ。それとも、自信がないのかね?」
嫌な言い方だ。逃げ道を完全に塞いでやがる。
常務「それに、彼女たちにとっても悪い話ではない。」
凛「ちょ!何勝手に!」
常務「君には特に気に入ってもらえると思っていたのだが......」
動揺しながら不思議そうな顔を浮かべる凛。......あの2人か。
常務「ユニット名は『Triad Primus』。メンバーは、神谷奈緒と北条加蓮。」
予想通りだ。さすがに凛も揺れている。俺も考えていた組み合わせだ。冬のライブの虎の子として温めていたのに......
常務「私は、君たち3人の組み合わせに可能性を感じた。既存のユニットにはない新たな輝きを。......君もだろう?比企谷君」
八幡「......はい。」
武内「な!比企谷さん!」
常務「本当にいい目をしている。」
武内さんは既存のユニットがあると対抗するが、解散しろとは言っていないと返される。
彼女たちの意思で両立していいと、甘い言葉をかける。こうしてハードルを下げて意識を向けさせる......いやらしいやり方だ。
武内さんは食い下がるがお前には聞いていないと一蹴。あくまでも彼女たちの意思をと。
そしてトドメだ。武内さんの言葉である、アイドルの自主性を尊重のだろ?と言われてしまう。完全に詰みだ。
さらに火の粉は降りかかる。
常務「それと比企谷君。君には部署を移ってもらう。異動先はProject Kroneだ。来週から頼む。」
武内「待ってください!なぜ比企谷さんを!」
常務「......彼は優秀だ。私と同じ高さで物事を見ている。その高い能力を最高峰の舞台で発揮させる。企業の常識だろう?」
武内「ですが!h「君は......彼がいないと何もできないのかね?」......」
八幡「......少し、いいですか」
常務「言ってみなさい。」
八幡「ありがとうございます。異動に関しては社命なのでお受けします。」
武内「比企谷さん......」
八幡「ですが、一つ条件というか、お願いがあります。」
常務「聞くだけ聞こう。」
八幡「CPのアシスタントは継続させてください。もちろんKroneも手は抜きません。」
常務「......いいだろう。ただし所属はKroneのアシスタントだ。いいな。」
八幡「......はい。」
常務「以上だ。行きたまえ。」
Project Kroneか。
常務......俺をKroneに呼んだこと......
後悔すんなよ?
事務所に戻る。会話はない。2人とも心配そうな、不安そうな顔をしている。武内さんも同様だ。
八幡「武内さん。」
武内「何でしょう?」
八幡「とりあえず秋、それから冬のライブ......絶対成功させましょう。そんで、俺をCPに連れ戻してください。」
武内「はっ......必ず!」
アーニャ「兄さん、大丈夫、ですか?」
八幡「安心しろ。うまくやる。アーニャも困ったら相談しろよ?俺がCPのアシスタントなのはかわらんから。」
アーニャ「はい!」
武内「まずは皆さんに説明しないといけませんね......気が、重いです。」
八幡「大丈夫っすよ。いなくなる訳じゃ無いんすから。」
武内「......だといいのですが。」
事務所に入りメンバー全員と、ちひろさんを集める。みんなの前に武内さんと2人立ち......
武内「......皆さんに、重要なお話があります。」
未央「なになに?新しい仕事の話?」
武内「いいえ.......................」
みく「Pチャンどうしたにゃ?」
武内「あの......比企谷さんですが......来週から転属となります。」
全員「......え?」
ちひろ「嘘......ですよね?」
武内「......決定事項です。」
未央「うそ......嘘!ダメだよそんなの......何で⁉︎」
ちひろ「......どちらにですか?」
武内「Project Krone......常務の企画部署です。」
みく「そんな......」
蘭智「「八幡さんが......」」
美波「いなくなる......」
卯月「.............................す。」
未央「......しまむー?」
卯月「ダメです......ダメですダメですダメですダメです!絶対ダメです!」
未央「しまむー落ち着いて!」
卯月「落ち着けません!何でですか!どうしてですか!......何で......ひぐっ......八幡さんが......」
泣きながら抱きついてくる卯月を抱き返し、優しくなでる。
卯月「八幡しゃん......」
八幡「すまんな。会社の決定だから抗えないんだわ。でもな......」
卯月を引き離ししっかりと目を見て告げる。
八幡「俺はCPのアシスタントはやめない。2部署を兼任する。完全にいなくなるわけじゃない。」
卯月「本当......ですか?」
八幡「おう。こんなことで嘘はつかん。」
卯月「よ......よかったでずぅ〜」
泣きながらまた抱きついてくる。今日はやけに甘えん坊ですね。
卯月の頭をなでながらみんなに依頼をする......
八幡「......みんなに頼みがある。ライブを成功させて、CPを存続させて......んで、俺をここに連れ戻してくれ。......俺を......ここにいさせてくれ。」
全員「......」
智絵里「八幡さんの......」
蘭子「お願い......」
美波「一人でなんでもできちゃう......」
きらり「ハッチャンからの......」
杏「初めての......」
かな子「お願い......」
莉嘉「だったら!」
みりあ「絶対に!」
未央「やり遂げなきゃ!」
李衣菜「今度は!」
みく「みくたちが!」
卯月「だから!」
12人「任せて!」
八幡「......頼んだ。」
ちひろ「私も協力しますね♪」
武内「私もです。これからもよろしくお願いします。」
八幡「ありがとうございます。こちらこそお願いします。」
ちひろ「ですがアシスタントとはいえ、2部署兼任は相当な負担ですよね?」
武内「......おそらくは。少なくとも前例はありません。」
八幡「ま、何とかなるんじゃないすか?」
みく「はっちゃんなら、なんとかなるにゃ!」
李衣菜「そうだね。大丈夫じゃない?」
八幡「ねえ君たち?俺のこと何だと思ってるの?」
みく「化け物。」
李衣菜「変人。」
八幡「......武内さん、明日退職願い持ってきます。」
みく「わー!う、嘘にゃ!はっちゃんはカッコよくて!」
李衣菜「そ、そう!すごくいい人!化け物とか変人じゃないから!」
八幡「......冗談だ。まあ、気にすんな。怒ってないから。トレーナーさんには、
お前らのレッスン3倍にしとくように言っといてやるからな?これは俺からのお礼だ。受け取ってくれ。」
みく「そ、そんにゃ〜......」
李衣菜「嘘でしょ......」
みんな安心したようで笑いだす。いつもの風景だ。これが俺の好きな......守りたい場所。
未央「ところでさ。」
八幡「どした?」
未央「しまむーはいつまで抱きついてるのかなって思って。」
ビクつく卯月。ぎゅっと抱きつく力が強くなり、二つのお山が存在感を増す......役得です!
凛「そうだよ卯月。いい加減離れて。」
智絵里「そ、そうです!離れてください!」
卯月「イヤですっ!今日は離れません!」
何この娘......可愛いんだけど!
未央「いや〜、ハッチーモテモテですなぁ。このこのっ」
八幡「こら!脇を突くな!」
未央「えー!いいじゃん!なら......えいっ!」
凛智「「未央(ちゃん)まで!」」
八幡「お、おい......」
あれ?泣いてる?
未央「よかった......よかったよぉ......」
なんだ......こいつ強がってただけか......
未央が泣いてる事にみんな気づく。
しばらくこのまま和やかに過ぎ、落ち着いた未央が離れる。少し恥ずかしそうにはにかんだ笑顔が可愛い。
この日、卯月は本当に離れなかった......
週が明け、出勤日の今日。今いるのは常務室。そう、常務室だ。明日は出勤したら常務室に来いと通達があったのだ。
促されるままソファーに座り、大魔王(常務)と向き合う。
常務「今日来てもらったのは、今後の話をするためだ。いいかな?」
八幡「は、はい。」
常務「そう緊張するな。私までかしこまってしまう。話し方も武内君と同じでいい。」
八幡「な、なら、遠慮なくそうさせてもらいます。」
事務的なことから始まり、出勤日や通っている大学。まるで面接のようなやり取り。そして給与面。
常務「なるほど、大体わかった。ここからが本題だ。」
ついに来たか......
Kroneに関する進め方を確認する。メンバーが集まるまではそんなに大きな仕事はないようだ。秋のライブまで引っ張り、大々的にデビューさせる気だろう。その他にも多々話されるが、大した事ではない。
常務「以上だ。何か意見はあるかな?」
八幡「そうっすね。......デビューまでは、ステージに立たせないつもりですか?」
常務「当然だ。小さなステージに納まる者を集めた覚えはない。」
八幡「......失敗しますよ。」
常務「なに?......念のため理由を聞こう。」
八幡「少なくとも現メンバーで、ステージ経験のある奴はいません。しかも年端もいかない子ばかりです。間違いなく、萎縮、緊張、混乱......色々するでしょう。体調を崩す場合もあります。」
常務「成る程。ではリーダーを立ててまとめさせよう。」
八幡「今度はそいつが潰れます。実際見てますから。」
常務「ならどうしろと?」
八幡「小さなステージから慣れてもらうのが一番です。」
常務「却下だ。そのような余計な事をさせるつもりはない。さっき言っただろう。」
八幡「そうですか......なら、せめて舞台裏を経験させてあげてください。それだけでも大きな違いです。」
常務「その程度なら許可しよう。何を見に行くかは君が選んでかまわん。」
八幡「ありがとうございます。」
常務「他はあるか?」
八幡「そうっすね。さっきは否定しましたが、リーダーは立てましょう。名目上ですが。」
常務「名目上のリーダーに意味があるのか?」
八幡「あります。メンバーの心の支えになりますから。この人がリーダーなんだ!と思うだけで違いますので。その分俺たちがリーダーをフォローしなきゃなりません。怠った場合はリーダーが潰れます。」
常務「では、その件は君に任せよう。」
八幡「はい。では最後の質問ですが、俺が呼ばれた理由を教えてください。」
常務「......わかっていて聞くとは......君も性格が悪いな。」
八幡「......はっ!それは互い様じゃないっすかね?」
常務「言ってくれるな。本当に君は面白い。そういうところだよ。自己を持ち、覚悟を決めれば物怖じしない。さらには、目的の為なら手段を問わない。君のような者は珍しい。」
八幡「そうっすか。でも俺と常務では決定的にやり方が違いますよ?」
常務「到達点は一緒だ。」
八幡「んじゃ、好きにやらせてもらっていいんすね?」
常務「かまわん。ただ私の意に沿わなければ止めさせて貰う。」
八幡「......わかりました。」
常務「説明は以上だ。ではメンバーを紹介しよう。ついて来い。」
八幡「......うす。」
常務「その相槌はやめろ。不愉快だ。」
八幡「......はい。」
武内さんと同じでいいって言ったじゃん!嘘つき!常務の嘘つき!と、くだらない事を考えながらついて行く。......なんか連行されてる気分。
PRに到着し入ったのだが......贅沢だ......他とは段違い。優遇されてるのがよくわかる。
常務「集合しなさい。」
さっと全員集まる。表情は......かたい。
常務「彼が当プロジェクトのアシスタントだ。以後、彼の指示には従うように。」
全員「はいっ!」
常務「よろしい。では私はこれで失礼する。」
言いたい事だけ言ってさっさといなくなる常務。ま、こっちのがありがたい。
八幡「あー、今日からこのプロジェクトのアシスタントになった比企谷八幡だ。ま、宜しく頼むわ。」
鷺沢「はい......宜しくお願いします......改めまして......鷺沢文香です。」
八幡「今更っすけどね。」
2人で軽く笑う。他は置いてきぼりだ。
速水「私も改めてになるわね。速水奏よ。」
八幡「この前の待ってるって......この意味だったんだな。」
速水「ええ、そうよ。」
八幡「ま、宜しく頼むわ」
この後も自己紹介が続く。塩見周子、橘ありす、宮本フレデリカ、大槻唯。以上6人が現メンバーだ。そしてまず聞いて起きたい事がある。
八幡「いきなりですまんが、質問させてくれ。お前たち、今後どうしていきたいとか、どうなりたいって明確に決まってるか」
全員「え?」
八幡「質問の意味がわからんわけじゃないだろ?答えろ。無駄な時間使わせんな。」
少し強めに言う。橘が「ひっ!」と言いながら、後ずさっている。
誰も答えない。ま、そんなもんか。
八幡「んじゃ、次だ。決められた道を進むのと、自由に進むのどっちがいい?」
鷺沢「......私は、決めていただけると......助かります。」
塩見「あたしはどっちでもいーかなー♪」
宮本「フレちゃんもー♪」
大槻「アタシは〜......楽しければいいかな♪」
橘「私は......自分で決めたいです。」
速水「私もそうね。自分の道は自分で決めるわ。」
八幡「そうか......なら速水と橘には、この部署は窮屈な場所になるかもな......」
速水「どう言う事?」
八幡「ここは常務の作ったレールの上だ。道が決まってる。」
速水「......そう言う意味ね。」
八幡「おまけに大舞台でのデビューも決まってんだ。至れり尽くせりだな。贅沢だ。」
速水「あなた喧嘩売ってるの?」
八幡「ああ、そうだ。喧嘩売りに来たんだ。......常務にな。」
全員「えっ?」
八幡「ある程度自由にやる許可は貰った。だから......ぶっ壊すぞ。作られたレールを。決められた道を。壊せなきゃ脱線だ。」
鷺沢「......いいのですか?」
八幡「いい悪いじゃなくてやるんすよ。」
宮本「フレちゃんもやるー!」
八幡「おう。そのぶっ飛んだ個性ガンガン出していけ。」
塩見「何それ!面白そーん!」
八幡「絶対楽しいぞ!」
大槻「イイね!やっちゃお〜!」
八幡「ぶちかませ!」
速水「ワクワクするわね。」
八幡「だよな。」
橘「私は......」
八幡「見つければいい。これからな。」なでなで
橘「あっ......はい!」
八幡「よし。んじゃ円陣だ。」
全員「円陣?」
八幡「こんな時はやるもんなんだよ。掛け声はやるぞ。おー。だ。ほれ、速水。」
速水「わ、私?」
八幡「一言言って、Project Kroneやるぞおーだ。」
速水「わかったわ......作られたレールなんていらない!私たちの道を突き進むわよ!Project Krone!」
全員「やるぞ!オーーーー!!!!!!」
塩見「なにこれ!楽しい!」
鷺沢「......いい......ものですね。」
宮本「フンフン、いいねいいね〜♪」
大槻「盛り上がるね!」
速水「いいじゃない。」
橘「凄いです!」
八幡「......みんな、いい笑顔だな。」
全員「笑顔?」
八幡「アイドルは笑顔です。......俺の尊敬する人の言葉だ。」
みんな笑いだす。ここに来てから初めて見たみんなの笑顔。やっぱこれだよな。......こうじゃなきゃ。
八幡「あ、あと仕事決めたから。」
全員「えぇっ⁉︎」