アーニャがクローネ参加を決めた。相棒である美波は......おそらくだが賛成してくれる。
だが問題は凛。いや、ニュージェネだ。多分あいつも参加する。
そうなると......未央は......動揺するだろうが、負けてられないと、自分も冒険しなきゃと奮起するだろう。......多分。
だが卯月は......人一倍心が強い。......違うな。『頑張ります!』の呪文で耐えているだけだ。そして現状それを支えているのが2人。もし、その2人が違う事をはじめたら......彼女は折れる。
それだけは避けないとな......太陽がなきゃ、月も輝かないし、向日葵も咲かない......
Prrrrrrr......武内さん?
八幡「はい、比企谷です。どうしました?」
武内『急で申し訳ないのですが、CPまで来ていただけますか?』
八幡「わかりました。すぐに行きます。」
武内『宜しくお願いします。』
......アーニャの件か。まあ、報告って事は、美波も納得してんだろうな。
クローネのメンバーにCPに行ってくると伝え、とぼとぼと向かう。......他のメンバーも動揺すんだろうな......
事務所に着き、話を聞いたが予想通りだ。美波も賛成しているが、メンバーは不安げな表情。だが、それだけではなかった......
武内「突然のことで、驚かれたとは思いますが、もう一つ大事なお知らせがあります。本日かr「ちょっと待って!それ、自分で言うから!」......」
は?未央?......まさかっ!
未央「本田未央!本日からソロ活動をはじめます!」
うそ......だろ?卯月はっ⁈......まだ......大丈夫か?......クソッ!読めねえ......
未央が出て行き、凛がメンバーにクローネに誘われている件を話す。未央がソロ活動をはじめるのは、自分の責任だと......違う。そうじゃない......
嫌な空気のまま解散......事務所には俺と武内さん。
武内「すみません、比企谷さん。本田さんの事を報告もせずに......」
八幡「......いえ。大丈夫です。いい事だと思いますんで。ただ......」
武内「ただ......なんでしょう?」
八幡「......卯月が......卯月に気をつけてください。」
武内「島村さん......ですか?」
八幡「......あいつは強いです。養成所でもジッと一人で耐えて頑張って......ようやくデビューして......未央と凛と言う......2人の支えができました。......それが今、失われようとしています。」
武内「ですが!2人はいなくなるわけではありません!今後の為に、出来る事をやろうとしているだけです!」
八幡「もし......『自分だけ取り残されている。』そう卯月が感じたら......どうですか?」
武内「それは......」
八幡「あいつは......自分から新しい事をするのは苦手です。けど、2人が何かをしようとしたら、全力で応援するでしょうね。......自分の気持ちに嘘をついて。だから......危ういんです。」
武内「......そうかもしれません。」
八幡「だからこそ、俺たちが気をつけないと......」
武内「......わかりました。このような時は比企谷さんには敵いませんね。」
八幡「そんな事ないっすよ。それに、最近のあいつ......俺の一件以来、不安定ですから。」
武内「......そうですね。」
武内さんも感じていたようだ。おそらく、誰が見ても気づくだろう。
何も起きなきゃいいが......
ふと、考える。
卯月に凛に。そして、未央にしてやれることはなんだろう......
今俺は、クローネとの兼任でCPに関しては中途半端だ。そんな俺が口を出していいのか?......いや、ダメだ。
クソッ!なんも思いつかねえ......
小町「おにーいちゃん!どうしたの?悩み事があるなら、小町に話してみそ。」
八幡「......」
小町「......仕事のこと?」
八幡「......」
小町「......今までとは違うもん、さすがに言えないよね......」
八幡「......すまんな。」
小町「いいよ。でもね、小町だって心配するんだよ?」
八幡「......悪いな。」
小町「お兄ちゃん謝ってばっかだね。ザックリでもいいから言えない?」
八幡「......聞いてくれるか?」
小町「もちろん!」
八幡「実はな......」
個人名や新しいプロジェクト名などは言わない。だが、小町に話していると、感情が高ぶってくる。何もできなくてもどかしい。
どうしてこんなに自分は無力なんだと......
小町「......そっか。お兄ちゃんはさ、CPのみんなが大事なんだよね?」
八幡「......当たり前だ。」
小町「ならさ!ぶつかっちゃえばいいんだよ!言葉にしなきゃ、伝わらないことがあるのは知ってるでしょ?お兄ちゃんが抱えてることは、小町にはわかんないよ。でもね、これだけはわかる。......お兄ちゃんなら大丈夫!」
八幡「......だな。ありがとな、小町。」
小町「頑張って!」
八幡「おう。」
やることは決まった。何を悩んでたんだろうな......俺は俺だ。美嘉やみりあにも言った言葉じゃねえか。だったら......Prrrrrrr......
未央『ハッチーどしたの?』
八幡「いきなり済まんな。お前の舞台の台本......あと2部用意できるか?」
未央『できるけど......なんで?』
八幡「聞いてくれ............................をしたい。」
未央『なんで内容知ってるの?』
八幡「本で読んだことあるからな。」
未央『そっか。......わかった。用意する。』
八幡「すまんな。」
未央『大丈夫!でもやっぱり、ハッチーには敵わないなー。』
八幡「なんのことだ?」
未央『今回はさ、ハッチーに頼らないようにしてたのに......プロデューサーにも言わないで!って言ってさ。』
八幡「そうか......」
未央『いつもハッチーに頼ってばっかりだったから......』
八幡「んな事気にすんな。」
未央『気にするよ!だって......好きな人に助けられてばっかじゃ......ちゃんと隣に立てないじゃん......』
八幡「......はっ?」
未央『な、何でもない!明後日!台本は明後日までに用意するから!』
八幡「お、おう。頼むわ。」
未央『じゃ、じゃあね!』
八幡「お、おう。」
......未央もかよ!知らねえよ!そんな素振り見せなかったじゃん!いや、あったか......
勘弁してくれ......
明後日、約束通り未央は台本を用意してくれた。台本を受け取る際、未央は頬を染めながら目をそらしていた......
こいつ......こんなに可愛かったんだな......じゃなくて!受け取った台本からある部分を探す。......45ページか。
八幡「未央、45ページのここからやってくれ。セリフの順番は任せる。」
未央「わかった。じゃ、2人を呼ぶね。」
八幡「頼むわ。」
程なくして2人は来た。台本を渡された凛ははぐらかすなと怒るが、未央が本気だった為おし黙る。
そして、舞台は未央のセリフから始まる。
未央に続き卯月。そして凛。
話の舞台は目的の場面へ。
未央のセリフ毎に、2人の表情が変わる。
輝く未央に引き込まれていく......
「うん。ごめん。待たせて。」
アドリブだ。だが、最高の一言。
そして......舞台は終焉へ。
「「「...........私たちの心......」」」
同時に拍手。いつのまにか観客がいたようだ。智絵里、みりあ、きらりそして城ヶ崎姉妹。みんなが感動した。キラキラしていたと。本当にそうだ。本当に輝いていた......
未央は心の内を話す。凛の気持ちを知りたい、そしてわかってきたと......
卯月「未央ちゃん、素敵です......」
凛「うん。ドキドキした。......ねえ、卯月、未央......」
卯未「いいと思う(います)!」
凛「えっ?」
卯月「未央ちゃん、キラキラして素敵でした!だから、凛ちゃんもきっと!」
未央「そうだよしぶりん!次はしぶりんの番!」
凛「ありがとう。卯月、未央。」
卯月「八幡さん!」
未央「しぶりんを!」
2人「お願いします!」
凛「......よろしくね。」
八幡「......おう。」
こうして、一応CPにおけるクローネ騒動は幕を閉じた。
卯月も冬のライブに向けて、小日向と新ユニットを組むことを決めた。秋の定期ライブには間に合わない為、未央とともに不参加だが、裏方として頑張ると気合いが入っている。
だが、新ユニットはこれだけではない。
一つ目は蘭子と白坂のユニット。
二つ目はアスタリスクに夏樹とウサミンを投入。
そして三つ目に、美波のソロデビュー。
個性も強まり面白くなりそうだ。
第一関門の秋の定期ライブ......
この布陣で突破してやる。
CPの騒動でバタバタしていたが、もちろんクローネ側の準備も抜かりない。
まずは、鷺沢さんをリーダーとして、全員一丸となってレッスンに打ち込んでいる。
時々塩見と宮本が暴走して大変だが......楽しそうだし良しと......していいのか?
いや、ダメだな。鷺沢さんの胃に穴が開く。
ちなみにクローネ側の布陣は......今から説明だ。
八幡「あー、今日までは全体練習だったが、今後は個別も追加になる。まずアーニャ、速水。」
2人「はい。」
八幡「お前達はソロだ。ごまかしは一切きかん。気合い入れろ。」
2人「はいっ!」
八幡「次に、凛、神谷、北条。」
3人「はい!」
八幡「お前らは言うまでもないな?」
3人「......はいっ!」
八幡「凛、2人を引っ張ってやれ。」
凛「うん。任せて。」
八幡「任せた。んじゃ次。塩見、宮本、大槻。」
3人「は〜い。」
八幡「......お前らな......もちょっと見締めろよ......まあいい、3人で組んでもらう。存分に個性出していけ!」
3人「うんっ!」
八幡「......だが、締めるとこは締めろよ?」
3人「は、は〜い......」
八幡「......大丈夫かよ......まあ、最後だ。鷺沢さん、ありす。」
2人「......はい。」
八幡「2人のユニットだ。鷺沢さん、ありすをお願いします。」
鷺沢「......私で......大丈夫でしょうか?」
八幡「あなただから、ありすを任せられるんです。」
鷺沢「......わかりました。......橘さん......宜しくお願いします。」
ありす「はっ、はい!お願いします!」
八幡「最後に音源と歌詞を渡す。レッスンまでに予習はしとけ。...............なんか質問あるか?」
鷺沢「......あの......本当に......私がリーダーで......よろしいのですか?」
八幡「それは問題ないっす。意見は全員一致ですから。それに、塩見と宮本の暴走を止められるの鷺沢さんだけですし......」
凛「確かにね。」
神谷「あれは凄いからな......」
鷺沢「......でしたら......良いのですが......」
八幡「ま、あんま気負わんでください。基本は俺がいますんで。」
鷺沢「......はい。」
八幡「他はあるか?」
速水「ねえ......」
八幡「ん?どした?速水。」
速水「それよ。私達も名前で呼んでくれないかしら?」
八幡「......理由を聞こうか?」
速水「なんだか他人行儀じゃない。私達はあなたのアイドルよ?信頼しているあなたに苗字で呼ばれるなんて......寂しいわ。」
八幡「い、いや。だg「どうしたら名前で呼んでくれるの?」......」
く、くるな!近寄ってくるな!
速水「......キスでもすれば呼んでくれる?」
近い近い近い!ああ......でもいい匂い......
八幡「は、速水。近い。」
速水「当たり前じゃない。近寄ってるんだもの。」
凛「八幡何やってるの!奏も離れて!」
速水「いいじゃない。ただのスキンシップよ?ね?八幡さん......」
八幡「わ、わかった。ちゃんと呼ぶから!」
速水「そう?それじゃお願い。」
八幡「はあ......奏、周子、フレデリカ、唯、文香さん。それに加蓮となおだー。これでいいか?」
神谷「またそれっ⁉︎だから変身しないっての!」
ありす「ぷっ!」
5人「なおだー?」
神谷「奈緒!あたしの名前は奈緒!」
八幡「わかってるっての。奈緒。これでいいか?」
フレデリカ「いいんじゃない?」
周子「な〜んか、名前呼びのがいいよね〜♪」
加蓮「やっと呼んでくれたね!」
唯「しっくりくるね〜♪」
文香「......では......私も......は、八幡さんと......」
奏「あなたに名前で呼ばれるのはいいものね......」
アーニャ「兄さん、アーニャのことも、呼んで、ください。」
八幡「いつも呼んでんじゃねえか......アーニャ。」なでなで
アーニャ「да!兄さんの、なでなで、気持ち、いいです。」
ありす「ずるいです!お兄さん!」
八幡「......ほれ、ありすもこい。」
ありす「はい!」
凛「......」
加蓮「......ねえ、凛?」
凛「......なに?」
加蓮「怒ってる?」
凛「......別に。」
加蓮「八幡さん取られちゃってヤキモチ?」
凛「なっ!ち、違うから!」
加蓮「動揺しちゃって〜!かわいいな〜、凛は!」
凛「そ、そんなんじゃないから!」
奏「へー......そう言うことね......だからさっきも......」
凛「奏まで!」
周子「凛ちゃん顔真っ赤〜!」
フ唯「か〜わい〜!」
奈緒「意外だよなー。」
文香「......素敵ですね。」
凛「文香まで......」
八幡「......その辺にしとけ。」
7人「は〜い。」
......だ、大丈夫か?このメンバー......不安になってきた......
でもまあ......硬いよりは全然いいな。
ライブ当日。会場入りした俺は呼び出されていた......常務に。そして、VIPルームに。
中に入るといるのは常務と今西部長......
逃げたい......
常務「来たか。比企谷君、今日君は、ここで見学をしなさい。」
八幡「お断りします。」
常務「......なぜだ?」
八幡「ライブ中はやることや、気にしなきゃならん事が多々あるもんで。こんなとこにいたら、初動が遅れます。」
常務「だが、君は私の部下だ。私の指示に従え。」
八幡「......なら、PKの俺は、ここにいることにしてください。CPとしての俺が現場に行きます。」
常務「......よかろう。」
八幡「では、失礼します。」
はっ!素直に言うこと聞いてやるかっての。少しは舞台裏見せたが不安だしな......最悪これでなんかあれば、あの人の責任だ。......我ながらゲスい考え。まあ......何も起きないようにしねえと......
クローネ控え室。......静かだ。いつもの動物園とは大違い。しゃーねえな......
八幡「おい、お前ら。」
奏「......なにかしら?」
八幡「怖気ついたか?」
奏「......」
八幡「アーニャと凛は大丈夫そうだが、ほかの奴らは借りて来た猫みたいだな。いつもの勢いはどこにいった。」
奏「......言ってくれるじゃない。誰が借りて来た猫なのかしら?ふざけた事言ってると口をふさぐわよ?」
八幡「ほーん......んじゃ、やってみろ。」
奏「えっ?」
八幡「やってみろって言ったんだ。どうやるか教えてくれ。」
奏「え?ちょっ......本気?」
八幡「ほれ、早くしろ。」
奏「い、いいわ。してあげる。」
近づいてくる奏......ふえぇぇぇぇ。緊張するよぅ......つーか、みんな見過ぎ!特に凛!めっちゃ怖いから!
奏「い、いくわよ?」
八幡「ほれ、遠慮なくこい。」
......いつもより控えめだな。脅してやるか。
腰をだき、グッと近づける......
奏「きゃっ!」
八幡「どうした?いつもの勢いがねえな。」
奏「だ、だって......こんなの......」
八幡「......変な緊張は無くなったか?」
奏「えっ?」
八幡「ステージに立つ緊張感は消えたかって聞いてんだ。」
奏「......違う意味で緊張しちゃったわよ。」
八幡「すまんな。」
奏「聞いてもいい?」
八幡「おう、なんだ?」
奏「誰にでもこんな事するの?」
八幡「しねえよ。俺のことなんだと思ってんの?」
凛「近いことはしてるじゃん。」
八幡「ねえちょっと?凛ちゃん?遠距離射撃やめてくれない?俺無防備だからね?」
凛「してるじゃん!智絵里の事抱きしめたり!みりあと卯月も!......私してもらった事ないのに......」
周子「うわ〜......本物のタラシだ〜......」
アーニャ「兄さんは、ミナミとПоцелуй、キス、してました。」
え?アーニャ見てたの?マジで?
凛「えっ......」
9人「えええええええええ!」
唯「マジで!」
凛「うそ......」
八幡「ま、待て!口じゃない!ほっぺにされただけだ!」
9人「ホントにされたんだ!」
あ、やべ......
アーニャ「だから、ワタシも......chu!」
凛奈加「あーーーーーーー!」
奈緒「って加蓮まで⁉︎」
加蓮「あ、あははは......」
ありす「ぷっ!」
全員「あはははは!」
唯「何これ!全然緊張感ないじゃん!」
周子「ホント!緊張してたの馬鹿みたい!」
八幡「ま、まあ。緊張ほぐれたんならいいわ......」
凛「......後で詳しく......ね?」
八幡「あ、はい。」
こえーよ!超こえーよ!どっからその声出してんの⁉︎
八幡「んん!うちのトップバッターは、奏。お前だ。」
奏「任せて!」
八幡「頼んだぞ。でな、俺が口出すのもここまでだ。」
全員「えっ......」
八幡「常務の指示でな。クローネの俺はVIPルームにいる。ここにいるのは、CPの俺だ。だが、ちゃんと見てるからな。お前らの輝き、それと笑顔。しっかり見せてくれ!頼んだぞ!」
全員「はいっ!」
八幡「そんなわけなんで......文香さん、後のことお願いします。」
文香「......はい。お任せください。」
奏「じゃあ、円陣組みましょう!文香、お願い。」
文香「はい。......最後まで、笑顔を届けましょう!......Project Krone!」
全員「ファイト!オーーーーーーー!!!」
開演だ。宣言通り、俺はCPについている。まあ、チラチラうかがってはいるが......
武内「比企谷さん......クローネは、大丈夫なのですか?」
八幡「......心配っちゃ心配ですが、常務指示なもんで、遠目から見てるしかないっす。」
武内「そうですか......心苦しいですね。」
八幡「まあ、いざとなれば関係なく動きますよ。」
武内「私も協力させていただきます。比企谷プロデューサー。」
八幡「んなっ!」
武内「冗談です。」
八幡「マジ勘弁してくださいよ......」
武内「そろそろ出番ですね。」
八幡「はい。奏もそうですが......次のアーニャに期待してください。......驚きますよ。」
武内「楽しみです。」
......次は奏だ。ステージに上がる前に目が合い、お互いに頷きあう。大丈夫そうだ。
奏のデビュー。......いい出来だ。しっかり笑えている。さすがクローネの中核。
戻ってくる奏。次はアーニャだ......
奏「八幡さん、どうだったかしら?私のデビューステージは。」
八幡「おう、最高だったよ。いい笑顔だった。」なでなで
奏「あっ......これが......」
八幡「次はアーニャだ。しっかり見とけ。んで、自分との違いを見つけろ。」
奏「っ!はいっ!」
1人ステージに佇むアーニャ。幻想的な光景だ......
奏「綺麗......」
奏も見惚れるほどの美しさ。まるで妖精が舞い降りてきたような......
美波「......アーニャちゃん......」
八幡「綺麗だよな。」
美波「うん。私も頑張る。」
八幡「おう。頑張れ。ちゃんと見てるからな。」
そしてアーニャの出番も終わる。
歌い終わったアーニャは、今まで見たことのない......最高の笑顔だった。
奏「まだまだ......敵わないわね。」
八幡「......それがわかっただけで十分だ。」
奏「......ええ。」
CPの出番まで少しあるな......様子見てくるか......
八幡「武内さん、ちょっと......クローネの様子見てきます。」
武内「はい。」
一度緊張はほぐれた。だが、初のステージだ。何が起こるか分からん。特に文香さんだな......いきなり任せちまったから、プレッシャーも大きいだろう。
クローネの控え室......構うか!入っちまえ!
八幡「おう。2人のステージ見てたか?」
全員「!!!!!!」
周子「ちょ!脅かさないでよ......」
八幡「すまんすまん。で、どうだった?」
唯「すっごい良かった!でも、あそこに立つの緊張しちゃうな〜。」
フレデリカ「だよねだよね〜!」
周子「う〜、ダメだ!お花摘んでくる!」
ありす「......」
文香「大丈夫ですよ、橘さん。それに......みなさんもです。......八幡さんは......見ていてくれます。......安心してください。」
ありす「鷺沢さん......はいっ!」
......まずいな。顔色が悪い。美波と一緒だ。手を打っとくか。
八幡「デビューステージだ。多少失敗しても構わん。とにかく楽しめ。んで、笑顔だけは忘れんなよ?」
全員「はいっ!」
控え室を後にし、舞台構成の責任者を訪ねる。
八幡「すんません、ちょっといいすか?」
責任者「んおー、比企谷ちゃんか。どーしたん?」
八幡「お願いがあって......」
責任者「なになに?面白いこと?」
八幡「いや、トラブル回避です。」
責任者「......そら穏やかじゃないね......なんだい?」
八幡「あくまで準備なんですが.................をしといてもらいたいんです。」
責任者「でもクローネは常務管轄だろ?まずいって......」
八幡「俺はクローネのアシスタントです。現状の最高責任者は俺になります。」
責任者「比企谷ちゃんがクローネの?......よし、準備しておく。何もなきゃそのままでいいんだよな?」
八幡「はい。お願いします。」
責任者「はいよ!任せてな、比企谷P!」
八幡「違うっての......」
よし、手は打った。あとは経過を待つだけだ。いや、もう一つ......
ここからはCPだ。まあ、言わずもがな。どのユニットも......最高の出来だ。そして笑顔。
やっぱここはいいな......
スタッフ「比企谷さん!」
八幡「......やっぱりっすか?」
スタッフ「はい......すぐ来れますか?」
八幡「はい。」
武内「比企谷さん?」
八幡「武内さん、予想通りです。」
武内「っ!!わかりました。」
スタッフに案内され、文香さんの元に向かう。クローネのメンバー勢揃いだ。
ありす「お兄さん!」
凛「八幡!」
八幡「事情は聞いた。スタッフの皆さん、文香さんを控え室へ。」
スタッフ「は、はい!」
ありす「私も行きます!」
八幡「責任者さんは準備お願いします。」
責任者「はいよ!」
八幡「武内さんもお願いします。」
武内「いつでもいけます。」
八幡「では、GOで。」
武内「はい。本田さんお願いします。千川さんは各所に連絡を。」
未央「リョーカイ!」
ちひろ「はい!」
八幡「.....凛、奈緒、加蓮。」
3人「は、はい!」
八幡「後半のトップ任せたぞ。」
奈緒「え......」
加蓮「嘘でしょ?」
凛「......任せて。もう準備してあるんでしょ?」
八幡「おう。5分だ。5分間CPが繋ぐ。」
凛「わかった。行くよ。奈緒、加蓮!」
奈緒「お、おう!」
加蓮「うん!」
八幡「ほれ、行くぞ。」
3人「はい!」
奏「......どういう......事?」
武内「......比企谷さんは、この事態を予測して事前に準備していました。」
奏「まさか......」
武内「そのまさかです。」
フレデリカ「んーでも、前一瞬でシューコちゃんの体調見破ったよね〜。」
周子「そういえば......」
唯「でも今回は直接アドバイスできないから......」
武内「はい。」
奏「......敵わないわね。」
武内「それよりも、速水さんは鷺沢さんの元へ、その他の方は準備を。」
4人「はい!」
予想通りだが......嫌なもんだな。直接関われれば起きずに済んだことだ。クソが!
今はCPがMCで繋いでくれている。それまでに2人をなんとかしないと......
奈緒「どうしよう......」
加蓮「緊張が......」
凛「大丈夫。十分レッスンしてきたでしょ。」
未央「みんなー!調子はどお?」
凛「未央、卯月......」
いいタイミングで未央と卯月が来てくれた。......前に小日向と日野にしてもらったことを今度はコイツらがか......ちゃんと成長してんだな......
2人の表情も柔らかくなってきた。......大丈夫そうだな。
まもなく、CPのMCも終わる。
八幡「凛、奈緒、加蓮。」
凛「なに?」
八幡「行ってこい。笑顔でな。」
3人「はいっ!」
ステージに向かう3人を見送る......
八幡「卯月、未央。助かったわ。サンキューな。」
未央「いいっていいって〜!いつも助けられてるんだから!たまにはね?」
卯月「そうです!私たちだって役に立てます!」
八幡「......また、頼らせてもらうわ。」なでなで
卯月「八幡さんのなでなで〜♪」
未央「最高のご褒美だ......」
八幡「んじゃ、あいつの『何か』を一緒に見届けようぜ。」
卯未「はいっ(うんっ)!」
曲が始まる。3人のハーモニーが重なり合い、強烈な存在感を出す......
未央「すごい......」
卯月「っ!......」
八幡「......」
俺の腕を掴んでいた卯月に力が入る......
悔しいのか、悲しいのか、嬉しいのか......それとも違うなにか......表情からは読み取れない......
常務「比企谷君、これはどういう事だ。」
八幡「はっ!今更ノコノコお出ましですか。」
常務「......なに?」
八幡「言葉通りっすよ。」
卯月「八幡さん......」
腕に込められる力が強くなる。怖いのだろう......
八幡「俺最初に言いませんでしたっけ?」
常務「......リーダーを立てるのは名目上、我々のフォローが必要。だったか?」
八幡「はい。そのフォローを怠った結果がこれです。」
常務「......そうか。CPの比企谷君には世話になったようだな。」
八幡「俺だけじゃないっすよ。ここにいる2人に武内さん。メンバー全員の協力あっての物です。」
常務「......2人とも、協力感謝する。」
卯月「い、いえっ!」
未央「ハッチーの指示で動いただけですから!」
常務「......現場での問題点はわかった。今後は改善しよう。」
八幡「待ってください。」
常務「なんだ?」
八幡「わかったじゃありません。『わかっていた』です。今回の問題は......常務、あなたの責任です。理解してください。」
常務「......覚えておこう。では、私は失礼する。」
......こ、怖かったよおおおおお!ちびるかと思った......
未央「......ハッチーすごっ!」
卯月「凄いです!カッコいいです!」
八幡「......内心ビクビクだったけどな。」
TPのデビューステージは成功。周子たちのステージも同様だ。文香さんも無事復活して、ステージに立つことができた。
さらには、今回のライブでの審査は言うまでもないだろうと、常務から伝えられた。
これで冬のライブを成功させれば......
CPを......
コイツらの居場所を守れる。
もう少しだ......