新ユニットを組む件で高森のプロデューサーに快諾をもらい、提出した企画書も「悪くない。」と常務からありがたい言葉をもらった。
そして......
今日は旅行前日。
武内「これから皆さんの部屋割りを伝えます。」
全員「はーい!」
はーいって......
武内「まず一部屋目です。島村さん、渋谷さん、本田さん、神谷さん、北条さんの5名です。」
5人「はい!」
武内「2部屋目は、新田さん、アナスタシアさん、神崎さん、鷺沢さん、橘さんです。」
5人「はい。」
武内「3部屋目は、前川さん、多田さん、速水さん、宮本さん、一ノ瀬さんとなります。」
3人「はい。」
2人「は〜い♪」
武内「......4部屋目は、諸星さん、城ヶ崎さん、赤城さん、大槻さん、塩見さんです。」
3人「はい。」
2人「は〜い。」
武内「最後は、双葉さん、緒方さん、三村さん、千川さんです。」
4人「はい。」
武内「なお、常務は個室、比企谷さんと私が相部屋となります。」
八幡「明日は遅刻しないようにな。遅れたら容赦なく置いて行く。
それと、これだけのアイドルが揃ってんだ。何かしらのトラブルが起こる可能性もある。そん時は自己判断せずに絶対に俺たちに連絡してくれ。わかったか?」
全員「はいっ!」
武内「では、本日はこれで解散です。明日から楽しみましょう。」
全員「お疲れ様でした!」
八幡「お疲れさん。」
さて、待ちに待った旅行だ。
柄にもなく楽しみだ。てへっ。
集合場所は東京駅。ここから新幹線で一本。ほんの2時間程度なのだが......
さて、どこに座りますかね......
常務や武内さんと一緒のがいいだろうな......
卯月「八幡さん......一緒がいいです。」
うっ......断れねえ......俺だって......
武内「比企谷さん好きにお座りください。」
八幡「いいんすか?」
武内「どうぞ。仕事ではありませんので。」
八幡「あざっす。んじゃ、卯月どこだ?」
卯月「ここです!」
最後部2人席......最高じゃないっすか......
だが......
凛「ダメ。2人はこっち。」
3人席がすでに回転してある......
凛「八幡は真ん中。」
八幡「え?俺端g「真ん中ね。」......はい。」
仕方なく卯月と並んで真ん中に座る。
え?何が起きんの?みんな目が血走ってんだけど......
凛、未央、智絵里、奈緒、加蓮、奏が睨み合う......
怖えよ。てか、早く座れよ......
ありす「お兄さん隣いいですか?」
八幡「おう。いいぞ。」
ありす「はいっ!」
6人「あっ!」
八幡「ん?」
6人「......」
新幹線も走り出し、へ、平和なムードで過ごしている......俺たちの席周辺以外は。
俺を挟んで窓側に卯月。通路側にありす。
正面窓側から加蓮、智絵里、未央の順で座っている。みんな楽しそうだ。だが......
通路を挟んで座っている凛が......凛がとにかく怖い。めっちゃ怖い。視線で殺されるんじゃないかってくらい怖い......
卯月「八幡さんお菓子食べますか?」
八幡「ん?おお。もらうわ。」
卯月「はい!あ〜ん。」
八幡「あーん......ん。これ美味いな。」
卯月「はい!私大好きなんです!」
八幡「俺も気にいったわ。」
卯月「えへへ。嬉しいです!」
......守りたい、この笑顔!
ありす「お兄さん、これはなんて読むんですか?」
八幡「お?これは『かしこまる』だ。随分難しいの読んでるんだな。」
ありす「はい。文香さんに借りました。」
八幡「本はたくさん読んどけよ?悪いことはないからな。」
ありす「はいっ!」
八幡「頑張れ。」なでなで
ありす「むふ〜......」
卯月「橘さん凄いですね。まだ小学生なのに、そんなに難しい本読むなんて......」
ありす「......ありすでいいです。CPの皆さんにはそう呼ばれたいです。」
卯月「っ!はいっ!ありすちゃん!」
加蓮「素直なありすちゃん......可愛い!もう連れて帰る!」
智絵里「か、加蓮さん、落ち着いてください!」
未央「確かに、妹にしたくなる可愛さだねぇ。」
八幡「未央、お前にありすはやれん。勉強して出直してこい。」
未央「ふっふっふっ......甘いよハッチー。今の未央ちゃんは優秀なのだ!」
八幡「あ?そういう夢見たのか?」
未央「ひどい!この間の学年末だって12位だったんだから!」
八幡「な......なん......だと?」
未央「いやー、ゆきねえにしごかれてからは真面目にね......」
ありす「ゆきねえ?」
加蓮「誰のこと?」
八幡「俺の友達でな、東大に行ってる優秀なやつだ。」
ありす「と、東大ですか......」
未央「しかも超美人!」
智絵里「そういえば、お話でしか聞いたことないです。」
未央「写真あるよー......っと、ジャーン!」
加蓮「うわぁ......」
智絵里「綺麗です......」
ありす「......」
卯月「美人で頭が良くて......憧れます!」
八幡「......性格はめっちゃきついけどな。」
加蓮「そうなの?」
八幡「理論武装したあいつに勝てる奴は見たことない。」
未央「嫌な事思い出させないで......」
卯月「でも懐かしいですね。勉強会!」
加蓮「そんなのもやってたんだ......」
ありす「楽しそうです。」
加蓮「ねえ、八幡さん。今度アタシにも教えてくれる?個人レッスン......してほしいなぁ......」
八幡「こら。足をさするな。それとあざとい。」
智絵里「あ、あざといって......」
加蓮「はー、やっぱ八幡さんには通じないかー......」
八幡「加蓮、ありすにあんま変なもん見せんな。」
加蓮「はーい。」
八幡「ありす、真似しちゃダメだからな?」
ありす「はい!」
八幡「よし。」なでなで
ありす「むふ〜♪」
智絵里「あ、ありすちゃん羨ましい......」
未央「しかもすでに2回目......」
八幡「お?そろそろ着くな。忘れもんすんなよー。」
5人「はーい♪」
凛「ジトー」
し、視線が痛い......
京都に無事到着。降りた後凛に脇腹をつねられた......
解せぬ......
到着後は全体行動。しっかりバスも手配済みで、京都の主要観光スポットを廻っていく予定だ。
周子には申し訳ないが、今日だけは我慢してもらおう。
ルートとしては清水寺、鹿苑寺、龍安寺の順。1日目はそんなに時間もないためこんなもんだ。
全員がバスに乗ったのを確認し、俺も最後に乗車。ガイドさんに大丈夫ですと伝え出発。
誰か足りない!なんてオチはない。つーかあったらまずい。
ガイドさんが話しているときはみんなちゃんと聞いている。普段から話を聞く姿勢が身についているから、自然とそうなっているのだろう。
さあ、まもなく目的地の清水寺だ。
懐かしいな......
到着後は集合場所と時間を連絡して解散。つまりは自由行動。
さて......
卯月「八幡さんっ!」
卯月が右腕に絡みついてくる。
八幡「んじゃ、行くか。」
卯月「はいっ!」
歩き始める俺と卯月......
と、凛、奈緒、加蓮、智絵里。そして左手にはありす。
八幡「......君たち?自由行動だからね?好きにしていいんだよ?」
凛「うん。好きにしてる。」
奈緒「わかんないしさ、ついてこうと思って。」
智絵里「わ、わたしも......」
加蓮「私は観さ......私も付いていこうと思って。」
八幡「おい、加蓮。今なんて言おうとした?」
加蓮「何のこと?」
八幡「とぼけやがって......ま、いいけどよ。付いてくんなら好きにしてくれ。」
4人「はい。」
そこはちゃんと揃うんですね......
八幡「まあ、まずは昼にするか。卯月、ありす、何がいい?」
卯月「何があるんでしょう?」
ありす「私もちょっと......」
八幡「定番ならうどん、そば、豆腐だな。」
卯月「私お豆腐がいいです!」
ありす「私もお豆腐食べたいです......」
八幡「おう。んじゃ、行くか。」
2人「はいっ!」
やってきました。老舗の湯豆腐店。
4人も付いてきたのでまとめて案内してもらう。案内してくれた人は気づいてないようだが、違う店員さんは目を丸くしてこっちを見ている。
まあ......そらそうだわな。
卯月「素敵なお店ですね〜♪」
ありす「は、はい。少し緊張してしまいます。」
凛「いいお店知ってるね。」
八幡「......調べたからな。ほれ、選ぶぞ。」
6人「はーい。」
ちなみに俺と凛が豆腐。卯月と加蓮が湯豆腐。ありす、智絵里、奈緒は湯葉鍋を頼んだ。
注文の際、店員さんがかみかみでウケた。
「握手してくだしゃい!」と。勿論みんな笑顔で対応......素晴らしいね!
料理も素晴らしい味だ。みんなでシェアしあって様々な味を楽しむ。豆腐ってこんなに美味しかったのねん。
途中卯月が「あ〜ん」と言ってきたが、止めたよ?さすがに外はまずい......
そして伝票を持ちレジへ......
店員「お会計15120円でございます。」
八幡「じゃあ、これで。」
店員「16000円お預かりしましたので、880円のお返しです。あの......領収書は......」
八幡「いや、大丈夫です。仕事じゃないんで。」
店員「かしこまりました。申し訳ございません。誠に恐縮なのですが、少々お待ちいただいてもよろしいですか?」
八幡「あ、はい。」
ん?なんだ?
凛「八幡行かないの?」
八幡「なんか少し待っててくれとさ。」
凛「そうなんだ。」
??「お待たせいたしました。私、当店の支配人を務めております。」
と名刺を出してきたため、あわてて準備。
支配人「プロデューサーさんでしたか。不躾なお願いなのですが、皆さまのサインをいただけたらと思いまして。」
八幡「あ、はい。構いません。」
支配人「ありがとうございます。ではこちらに。」
一人一枚色紙に一言添えてサインをする。
全員分を支配人に渡し最後に写真を1枚。
店を出てからもしばらく見送ってくれる支配人さん......頑張って来た成果だ。
卯月「なんだか、嬉しいです。」
ありす「はい。喜んでもらえて......」
智絵里「一年間頑張って来て良かったです。」
奈緒「あたしももっと頑張らないと!」
加蓮「そうだね!」
凛「うん、頑張ろう。そうだ、お金。」
八幡「......かまわん。連れてったのは俺だ。」
卯月「そんな......」
八幡「なら笑顔で返してくれ。」
6人「っ!はいっ!ご馳走様でした!」
お次は本命の寺院巡り。
仁王門、西門、三重塔と見学し随求堂。胎内めぐりはどうするか確認したが、暗いのは嫌とのことでパス。さらに経堂を経由し本堂へ......
凛「綺麗......」
奈緒「ここが有名な清水の舞台かぁ......」
八幡「飛び降りるか?」
奈緒「おりないよ!死んじゃうよ!」
八幡「いや、実はなかなか死ねないらしいぞ?高さが足りなくて、大体が大怪我で済むらしい。試すか?」
奈緒「そっか。なら安心......じゃねえよ!大怪我するじゃん!」
加蓮「奈緒、恥ずかしいから大人しくしててね?」
奈緒「......みんなひどい。」
卯月「八幡さん、写真撮りましょう!」
八幡「おう。」
智絵里「わ、わたしも......いいですか?」
八幡「おう。順番な。」
智絵里「はいっ!」
全員と順に撮り、最後に近くにいた人に、噛みながらもお願いし集合写真をパシャリ。
本堂を抜け、阿弥陀堂、奥の院、音羽の滝。本来はまだまだ巡りたいのだが、時間の関係でパス。
集合場所に戻って全体写真。
......まんま修学旅行じゃねえか。
バスに乗り込み、次は鹿苑寺......もとい金閣寺へ。周子もたまにはいいもんだと喜んでくれている。よかった。
金閣寺の次は龍安寺。全ての石が一度に見えないと聞くと、子供たちは一生懸命見ようとする。そんな光景にほっこりしつつ、本日の終着地点のホテルへ到着。
ガイドさんに全員で挨拶してチェックイン。
八幡「さすがに少し疲れましたね。」
武内「はい。ですが、皆さん本当にいい笑顔でした。」
八幡「そうっすね。連れて来て良かったです。」
武内「私もそう思います。」
八幡「んじゃ、俺先に風呂行っちゃいます。」
武内「ごゆっくりどうぞ。私も後から行きます。」
八幡「うす。」
風呂でのんびりしながら考える。
凛の事
未央の事
そして卯月の事
八幡「......ちゃんと答えねえとな。」
夕食も食べ終わり、部屋でのんびりしている......
Prrrrrr......武内さん?常務と呑んでるはずじゃ......
八幡「はい、比企谷です。」
武内『急にすみません。今からバーに来ていただけますか?』
八幡「はい。わかりました。」
なんだ?ま、行きゃわかるか。
八幡「お待たせしました。」
常務「まあ、適当に座りなさい。」
八幡「はい。」
常務「急にすまないな。プライベートで少し君と話したかったんだ。」
武内「では、私はこれで。」
常務「君もすまないな。明日はゆっくり呑もう。」
武内「はい。では、失礼します。」
え?武内さん行っちゃうの?常務とサシっすか⁉︎
常務「まずは、今日一日ご苦労だった。私も楽しめたよ。」
八幡「ありがとうございます。」
常務「なかなかいい企画だ。成果を上げた部署には、この様な褒賞を与えるのも検討していこう。」
八幡「なら、無理言ってお願いした甲斐があります。」
常務「君は本当に面白いな。いい意味でも悪い意味でも裏切ってくれる。」
八幡「そんな事ないっすよ。」
常務「謙遜することはない。......少し真面目な話しをしよう。」
八幡「はい。」
常務「君は卒業後の進路は考えているか?」
八幡「......はい。出来ることなら346プロでプロデューサーを続けていきたいです。」
常務「そうか。なら待っているよ。」
八幡「は?」
常務「言葉通りだ。余程の事がない限り正社員として採用し、役職も与えよう。」
八幡「......本当ですか?」
常務「ああ。今西さんもあと数年で定年だ。後釜には武内君を考えている。」
八幡「そうなると......」
常務「CPを受け持てる者がいなくなる。そのポジションを君に任せたい。どうだ?」
八幡「っ!お願いします!」
常務「いい返事だ。期待している。」
八幡「ありがとうございます!」
常務「それともう一つ。君は、彼女の事をどう思っている?」
八幡「彼女って......」
常務「わかっているのだろう?島村卯月さんだ。」
八幡「あいつは......」
常務「本音で話してくれ。」
八幡「......ずっと一緒にいたいです。」
常務「どういう意味でだ?」
八幡「......」
常務「アイドルとプロデューサー。」
八幡「っ!」
常務「それが引っかかっているのだろ?」
八幡「はい。」
常務「かまわん。それで彼女が今以上に輝けるのなら許可する。」
八幡「......いいんですか?」
常務「あまり待たせるのも彼女が可哀想だ。」
八幡「......ありがとう......ございます。」
常務「泣くな。ただし、節度は保つ事とスキャンダルにも注意してくれ。」
八幡「......はい。」
常務「彼女は幸せ者だな。少し羨ましい。」
八幡「本当に、ありがとうございます。」
常務「さあ、君も飲め。今日は無礼講だ。」
八幡「まだ未成年っすよ。」
常務「そうだったな。」
八幡「ははっ!」
常務「ふふっ!こんなに楽しいのは久しぶりだ。」
常務。
本当にありがとうございます。
旅行2日目。今日はフルで自由行動。最低3人で行きたいところに行ってもらう。
朝食もすませ、普段着に装備を変え、ロビーで出かけるメンバーのチェックを行う。
念のためだ。変装と携帯所持確認。そして小学生達には防犯ブザー。大事です!
武内「比企谷さんは今日どうされる予定ですか?」
八幡「正直決めてないんすよ。なんで適当に危なそうなメンバーの引率っすかね。」
武内「いえ、そちらは私が引き受けます。」
八幡「......誰を指してるかわかってます?」
武内「その......宮本さんと一ノ瀬さん......です。」
八幡「......志希間違いでしたかね?」
武内「そんな事はないです!ですが......もう少しだけ......控えていただきたいです。」
八幡「......ですよねー。」
2人「......はぁ。」
未央「2人揃ってどったの?」
八幡「いや、問題児がどうにかならんかと......」
未央「あぁ......」
八幡「わかるか?」
未央「わかるわ〜。」
八幡「いや、それ川島さん。」
未央「いいタイミングでしょ?」
八幡「......なんか腹たつ。」
未央「なんでっ⁉︎」
武内「本田さんはどなたとお出かけになりますか?」
未央「かな子ちんとちえりんにふーみんとはやみん!」
武内「......」
八幡「奏と文香さんです。」
武内「......ありがとうございます。」
未央「あ!来た来た!」
八幡「全員携帯持ってるかー?」
5人「はい!」
武内「では、楽しんできてください。」
5人「行ってきます!」
八幡「あのグループは大丈夫ですね。」
武内「はい。」
みんな次々と出かけていく。
杏は......相変わらずきらりに運ばれてんだな。
そして問題のグループだ。周子、フレデリカ、志希、蘭子、美波......せめてもの救いが美波がいる事。だが武内さんは引率。これは外せない。でもまあ負担が少しは減った......のか?
最後に来たのはこの3人。
卯月、アーニャ、唯......またえらく珍しい組み合わせだ事で。
八幡「3人で最後だ。変装は問題なし......携帯はちゃんと持ってるか?」
2人「はい!」
唯「持ってるよ〜!」
八幡「んじゃ、行ってk「八幡ちゃんどーするの?」......俺は適当に回るわ。」
唯「ならさ!一緒に行こうよ!」
アーニャ「兄さん、行きましょう!」
卯月「ダメ......ですか?」
八幡「......わかったよ。」
唯「やった!ほら!早く!」
八幡「へいへい。」
アーニャ「兄さんは、行きたいところ、ありますか?」
八幡「俺か?そうだな.....伏見稲荷か。アーニャはあるか?」
アーニャ「アーニャ、嵐山、行きたいです。チクリン?が、綺麗と、聞きました。」
卯月「っ!」
唯「アタシもそれ聞いた!」
アーニャ「......ウヅキ、どう、しましたか?」
卯月「な、なんでもないです!」
八幡「気にすんな。」
卯月「......はい。」
八幡「まずは歩いて行ける嵐山だな。卯月は行きたいところあるか?」
卯月「私は、その......安井金比羅宮に......」
八幡「お、おう。んじゃ、順番的に嵐山、安井金比羅宮、伏見稲荷で行くぞ。」
3人「はい。」
卯月のやつ......竹林に過剰反応してんな......
川添いを散歩して、さほど時間もかからず嵐山に到着。有名なアレも見えている。
唯「あ!あの橋!」
八幡「おう、アレが有名な渡月橋だ。」
唯「ねねっ!早く行こ!」
八幡「落ち着け。橋は逃げねえから。朝からそんな飛ばしてると夕方までもたねえぞ。」
唯「うっ......そうだね。」
アーニャ「さすが、兄さんです。ユイ、なかなか、止まってくれません。」
卯月「そうなんですか?」
八幡「......いつもはもっと凄いのがいるからな。アイツらにつられてんだよ。」
卯月「な、なるほど〜......」
唯「つ、ついね〜。」
橋の中央部からの景色を楽しむ。いいな......
卯月「綺麗です......」
アーニャ「はい......」
唯「落ち着くなぁ......」
みんな自然な笑顔。......これは写真に納めておかねば!パシャリ。
卯月「あっ!」
唯「今撮ったの⁈」
アーニャ「兄さん!いきなりは、ダメです!」
八幡「すまんな。色々撮ってんだわ。でもいい写真だぞ。ほれ。」
唯「卯月ちゃんもアナスタシアちゃんも可愛い......」
卯月「そ、そんな。唯ちゃんこそ......」
アーニャ「みんな、キラキラ、してます。」
八幡「みんないい笑顔だな。」
嵐山をのんびりと散策。寺院に行ったり、土産ものを見たり、買い食いしたり、気づいたファンに握手を求められたり......
そして竹林へ......
変わってねえな。ここも、俺も。
やっぱここだよな......
3人とも言葉を失っている。圧倒的な景観に心を奪われているのだろう。
八幡「......綺麗だよな。」
卯月「はい......」
アーニャ「довольно。とても、綺麗です......」
唯「感動しちゃった......」
八幡「夜になるとな、また変わるんだ。ライトアップされて幻想的な風景になる。」
アーニャ「見てみたい、です。」
唯「ゆいも......」
卯月「私もです......」
八幡「みんなで来ればいい。」
3人「はい......」
嵐山を堪能し次は安井金比羅宮にタクシーで向かう。到着後まずは昼食。そして第2の目的地へ......
唯「ねーねー、八幡ちゃん。ここはどんなご利益があるの?」
八幡「......そこののぼりを見ろ。」
唯「のぼり?......えんむすび......縁結び⁈はっ!」
ものすごい勢いで卯月を見る唯。
真っ赤にした顔を両手で隠す卯月......
なにそれ。すっげえかわいい......
唯「やっぱりか〜、やっぱりなのか〜!もうっ!卯月ちゃん可愛い!」
卯月「は、恥ずかしいです......」
アーニャ「ウヅキ、とっても、かわいいです。」
や、みんな可愛いからね?卯月だけじゃないからね?
ここからは一旦基本に則り、まずは本堂にお参り。
形代に書いた後は碑の穴をくぐり、碑に形代を貼り付ける。
ちなみに、形代に何を書いたかは内緒だ。
これだけでは味気ないため、すぐ隣にある絵馬館・ガラスの部屋にもより道。こちらも十分に堪能し、最後の目的地である伏見稲荷へ。
八幡「ここに来たかったんだ......」
唯「ここアレだよね?鳥居のトコ。」
八幡「おう。俺も初めてでな。楽しみだ。」
石造りの先に見える無数の鳥居......
すげえ。
その鳥居をくぐって行く。まるで異世界に続くトンネルだな......
卯月「このまま違う世界に行っちゃいそうです......」
卯月も同じことを思ったようで、なんだか嬉しい。
唯「......凄い数だよね。いくつあるんだろ......」
八幡「実数は知らんが、ここにあるのは800弱らしいな。昔は約1000あったらしいが、今はそれくらいだとさ。」
唯「へぇ〜......八幡ちゃんて、ホントいろんな事知ってるよね。」
八幡「興味のあるもんはなんでも調べるからな。」
唯「そっか......」
無言でくぐり抜けて行く。
アーニャに関しては目をキラキラさせて嬉しそうに歩いている。ホントこの子は綺麗な物とかが好きだな。
鳥居を抜け境内を参拝して廻る。登山コースとやらもあるらしいが、2時間近くかかってしまうらしく今回はパス。
伏見稲荷も堪能したところで、いい時間の為ホテルへ戻る。旅行も明日で終わりだな......
ホテルに着きタクシーを降りた途端に......
唯「今日は楽しかったな〜。八幡ちゃん、ありがとね!」
八幡「おう、気にすんな。俺もまぁ、楽しかったわ。」
唯「そっか......ゆい、クローネに来て良かった。」
八幡「......なら良かったよ。」
唯「八幡ちゃんのおかげだね!じゃ、先戻るね!」
卯月「行っちゃいましたね......」
八幡「だな。ほれ、俺たちも行くぞ。」
2人「はい。」
ホテルに入り、ロビーで美波を見つけたアーニャは駆け寄って行く。......犬みたいだな。
八幡「卯月。」
卯月「はい?なんでしょう?」
八幡「夕飯の後、時間もらえるか?」
卯月「はい!大丈夫です!」
八幡「んじゃ、8時にここな。」
卯月「??わかりました。」
八幡「よろしくな。」なでなで
卯月「はいっ!」
卯月と別れて部屋に戻る。
あとは......
やるだけだ。
約束の時間10分前。
ソワソワしながら卯月を待っている。
緊張が半端ない。舞踏会でステージに立った時よりも緊張している......
卯月「お待たせしました!」
八幡「い、いや。大丈夫だ。......少し......外歩こうぜ。」
卯月「はいっ!」
卯月と並んで歩く。
目的地はあそこ。
隣を歩く卯月はニコニコしていて幸せそうだ。俺まで嬉しくなってくる。
卯月「どこに行くんですか?」
八幡「まあ、お楽しみだ。」
卯月「楽しみですっ♪」
歩みを進める。
もう渡月橋が目前だ。
卯月「もしかして......」
八幡「......」
卯月「......」
あえて話さない。
目的地手前で一度止まる。
八幡「卯月、目閉じてもらえるか?」
卯月「あ、はい。」
卯月の手を握る。
卯月「えぇっ⁉︎」
八幡「大丈夫だ。歩くからそのままついてきてくれ。」
卯月「わ、わかりました。」
ゆっくりと歩く。卯月が転ばないよう注意しながら。
八幡「到着だ。目開けていいぞ。」
卯月「は、はい。............っ!」
八幡「すげえだろ。」
卯月「わぁ......綺麗です......」
ライトアップされた竹林。
幻想的なこの光景はこの世のものと思えない。
八幡「これを見せたかった。」
卯月「......嬉しいです。」
八幡「卯月と2人で見たかった。」
卯月「えっ......」
八幡「ここでなにがあったかは知ってるよな?」
卯月「......はい。」
八幡「いろいろ心配してくれてありがとう。」
卯月「......いえ。」
八幡「綺麗だな。」
卯月「......はい。」
八幡「......」
卯月「......」
八幡「......だから、嫌な思い出のままにしたくない。」
卯月「えっ?」
八幡「前にも言ったが、俺はずっと1人だった。ここで嘘告白なんて馬鹿な事もしてきた。でも、友達ができて、武内さんに出会えてお前らと出会って、これまでいろんな物をいっぱいもらってきた。」
卯月「......」
卯月を正面から見つめる。
八幡「でも今もっと欲しいもんがある。」
卯月「え......」
八幡「卯月、お前の笑顔だ。」
卯月「私の......笑顔......」
八幡「俺は、ずっとお前の笑顔が見ていたい。ずっと隣で見ていたい。......寄り添って一緒に歩いていきたい。」
卯月「八幡さん......」
八幡「好きだ。卯月。」
卯月「っ!!」
八幡「嘘告白じゃない、俺の『本物』の気持ちだ。これから一緒に『本物』を探してくれ。」
卯月「......」
八幡「......」
卯月「......私も......私も八幡さんが大好きです!ずっとずっと好きだったんです!ずっと一緒にいたいです!でも......」
八幡「卯月!」
抱きしめる。強く。離さないように。
八幡「卯月に側にいてほしい。お前じゃなきゃダメなんだ......」
卯月「......はい。ずっと一緒にいてください。私の笑顔、ずっと見ててください。」
八幡「ああ。卯月......」
卯月「八幡さん......」
お互いの顔が近づく......
そして、2人の距離は無くなった。
卯月「......んっ......ぷはっ......もっと......」
八幡「ああ......ん......」
卯月「んっ......んん......ぷぁ......キス......しちゃいましたね。」
八幡「そうだな。」
卯月「恋人同士に......なったんですよね?」
八幡「ああ。」
卯月「幸せです。」
八幡「俺もだ。」
卯月「えへへ......八幡さぁん♪大好きです!」
八幡「俺も......大好きだ。」
しばらく2人で抱き合う......
幸せで嬉しい時間......「がさっ」
八幡「ん?」
卯月「今なんか......」
八幡「......見てくる。」
卯月「危ないです!」
八幡「大丈夫だ。」
音のした方へ歩いていく。
「こっちきたよ!」「は、早く逃げ!」「お、押さないで!」「も......無理。」
何か転がってきた......
杏だ。
八幡「......」
杏「......」
八幡「......」
杏「......じゃ!」
八幡「待て。」
杏の首根っこを捕まえ、顔をこっちに向ける。
杏「ヒィッ!」
八幡「杏ちゃん。ここでなにしてたかお兄さんに教えてくれるかな?」
杏「は、はなせー!怖いから!本気で怖いから!」
八幡「素直に話せば怖くないぞ?」
杏「......マジで?」
八幡「おう。お兄さんは優しいからな。」
杏「わ、わかった。要求をのもう。」
杏を離す。
八幡「逃げようとしたら......わかってんな?」
杏「(がたがた)はひ......」
卯月「は、八幡さん大じょう......杏ちゃん⁉︎」
仁王立ちする俺の足元に泣きながら正座する杏......
八幡「で、なにしてたんだ?」
杏「覗いてました......」
八幡「なにを?」
杏「その......告白を......」
八幡「1人でか?」
「ガサッ」
杏「......5人」
八幡「ほう......じゃあまだそこにいるんだな?」
杏「......はい。」
八幡「......出てこい。」
ゾロゾロとでてくる4人
みく、李衣菜、きらり、唯。
八幡「......」
全員無言で杏の隣に正座する。
八幡「......何か言うことはあるか?」
5人「ご、ごめんなさい!」
5人のアイドルによる土下座......
逆に申し訳ないな。
ちなみに卯月は、真っ赤になって俺の陰に隠れている。
......めちゃくちゃ可愛い。
八幡「......はぁ。とりあえず立て。」
みく「はっちゃんごめんにゃ。覗くつもりはなかったの。」
李衣菜「そうなんだよ。でもいい雰囲気になってきて......」
きらり「目が離せなくなったんだにぃ。」
唯「そしたら告白はじまってさ......」
杏「そのままキスしてるし。」
みく「すっごくドキドキしたにゃ......」
李衣菜「でも八幡さんかっこよかった。すっごいロックだったよ。」
唯「憧れちゃうよね〜......」
きらり「卯月ちゃんも、すっごい可愛かったよぉ!」
杏「2人ともおめでとう。」
八幡「まあ、その......なんだ?ありがとう?」
卯月「あ、ありがとうございます!」
八幡「とにかくこの件は他言無用だ。言わなければ一か月間レッスン3倍で許す。だが、もし言ったら......」
杏「い、言ったら?」
八幡「一年間5倍だ。」
5人「絶対言いません!」
八幡「よし。んじゃ、戻るか。」
6人「はい!」
みんなで並んで戻る。
卯月とはしっかりと手を繋いで。
離れないように強く。
卯月「八幡さん!」
八幡「ん?」
卯月「大好きですっ!」