比企谷八幡、19年生きてきて初の彼女ができました。しかも相手は国民的アイドル......
え?いいの?俺だよ?こんなに捻くれてるよ?
マジか......卯月が俺の彼女......
ヤベー!超嬉しい!キャー!
武内「ひ、比企谷さん......大丈夫......ですか?」
ホテルのベッドで悶えてました。フヒッ。
八幡「は、はい。大丈夫でふ。」
ダメですね。噛んじゃってるし。
武内「な、ならいいのですが......」
武内さんには話しておかないとな......
八幡「......武内さん、帰ったら話しがあります。」
武内「......わかりました。」
八幡「お願いします。」
武内「はい。」
八幡「んじゃ俺寝ますね。」
武内「はい、おやすみなさい。」
眠れん。
すでに4時間眠れずにいる。理由は明白だ。卯月との......キキキキスが忘れられん......
八幡「(飲み物でも買いに行くか......)」
武内さんを起こさないようコッソリと部屋を出る。自販機でココアを買い、談話スペースで一服。
八幡「はぁ......」
多分だが、武内さんには卯月との事はばれているだろう。だが、だからと言って報告しなくていい理由にはならない。
それだけじゃないな。凛と未央。2人にもちゃんと返事しねえとな......」
「誰に?」
八幡「は?」
声のする方に顔を向ける。......凛だ。
凛「誰に返事するの?」
八幡「......」
凛「......言えない?」
八幡「......いや。聞いてくれるか?」
凛「あまり聞きたくないかな......」
八幡「......そうか。n「でも聞く。」......サンキュ。」
凛「なに?」
八幡「......すまん。凛の気持ちには応えられん。」
凛「......知ってた。」
八幡「は?」
凛「わかるよ。好きな人の事だし。......卯月に伝えたんでしょ?」
八幡「......おう。」
凛「おめでとう。」
八幡「サンキュ。」
凛「でも諦めないから。」
八幡「......へ?」
凛「その事実と私の気持ちは別でしょ?」
八幡「それはそうだが......でも俺は......」
凛「言ったよね?振り向かせてみせるって。だから......諦めない。諦めたらそこで試合終了でしょ?」
八幡「安西先生かよ......」
凛「ふふっ。好きかと思って。」
八幡「まあな。なら......まあ、好きにしてくれ。」
凛「好きにする。」
八幡「おう。んじゃ、俺寝るわ。」
凛「うん。おやすみ。」
八幡「お前も早く寝ろよ。」
凛「うん。」
凛「......うっ......うぅ......八幡............」
旅行最終日の今日は、午前が自由行動で昼食後に東京へ帰る予定だ。荷物も預けられるよう手配済みのため、基本手ブラで行動できる。
出来ることなら、右腕に絡みつく卯月と2人でまわりたいところだが......
すでに左手にはありすがいる。
無理ですね。はい。他はともかく、みりあとありすには敵わん。
卯月もありすを気に入っているようで......
卯月「ありすちゃん、一緒にまわりましょうね!」
ありす「はい!お姉さん!」
と、俺を挟んで会話している。
てか、お姉さんて......
一旦2人を引き剥がし、武内さんと並ぶ。諸注意を促すためだ。
武内「皆さん、本日が最終日です。注意点は昨日までと同じですので、存分に楽しんでください。」
全員「はい!」
八幡「今日は帰りの時間あるからな。遊びすぎて忘れんなよ?来なかったら置いてくからな?」
全員「は、はーい。」
八幡「んじゃ、解散。」
各々散らばっていく中、常務が近づいてくる。以前のような威圧感はなくなり......なくなってはいないが、本当に『仕事の出来る女性』という雰囲気になった。
常務「比企谷君。」
八幡「はい。」
常務「3日間ご苦労だったな。お陰で私もリフレッシュできた。」
八幡「いえ、なんのお構いもできませんで......」
常務「気にしなくていい。これは仕事ではないからな。」
八幡「ありがとうございます。」
常務「......うまくいったようだな。」
八幡「はい。おかげさまで。......卯月。」
「はい?」と言いながらちょこちょこ寄ってくる。......ホントいちいち可愛いなこいつは!
八幡「常務にお礼だ」
卯月「??」
八幡「俺とお前の事を後押ししてくれたんだよ。」
卯月「え......」
八幡「常務。本当にありがとうございました。」
卯月「あ、ありがとうございました!」
常務「......きみは本当にいい笑顔をするな......今後さらに輝けるだろう君に期待している。頑張りなさい。」
卯月「はい!島村卯月、頑張ります!」
常務「ふっ。では、私は一足先に帰らせてもらう。気をつけてな。」
2人「はい!お気をつけて!」
卯月「常務さんて......優しい方だったんですね。」
八幡「優しくなった......って表現が正しいな。」
卯月「そうなんですか?」
八幡「おう。お前のおかげだ。」なでなで
卯月「??私ですか?」
八幡「ああ。ほれ、行くぞ。ありすが待ってる。」
卯月「はい!」
両手を2人とつなぎ、新京極へ。
土産いっぱい買わなきゃな......
卯月「......八幡さん。」
八幡「......なんだ?」
卯月「......」
八幡「......」
卯月「......」
八幡「......」
卯月「......重くて持てませ〜ん。」
八幡「買いすぎだ!」
ありす「す、すごい量です......」
八幡「たく......ほれ、半分よこせ。」
卯月「あ、ありがとうございます!」
八幡「しょうがね......って重っ!」
卯月「え、えへへへ......」
八幡「お前な......この量は宅配のがいいな。そこまで持つから送っちまえ。」
卯月「はいっ!」
ありす「私もそうします。」
八幡「そうだな。そうしとけ。」
ありす「はい。」
未央「しーまむー!」
卯月「未央ちゃん!」
未央「おぉ......凄い量ですな......」
八幡「丁度いい。お前も運ぶの手伝え。」
未央「合点承知!」
某運送業者まで卯月の荷物をヒーヒー言いながら運ぶ。運び先が見えてるのがせめてもの救いだ。ありすも重そうにしているが、手伝ってやれそうにない。ごめんよ......
卯月「終わりました〜。」
ありす「終わりました。」
八幡「おう。」
卯月「手伝ってくれてありがとうございます!」
八幡「気にすんな。」
卯月「未央ちゃんもありがとうございます!」
未央「いいっていいって〜。困った時はお互い様じゃん?」
卯月「未央ちゃんも困ったことがあったら言ってください!」
未央「頼りにしてるよ〜。それにしても......2人は常に一緒だねぇ。」
卯月「はい!大切な恋人ですから!」
八幡「ばかっ!お前それ!」
卯月「へ?」
未央「......え?」
ありす「え?」
2人「えええええええええええええ!!!!」
八幡「うわぁ......」
卯月「あ、あははは......」
未央「い、いつから⁉︎」
ありす「教えてください!」
八幡「......帰りの新幹線な。」
未央「う、うん。」
ありす「わかりました。」
八幡「......んんっ!そろそろ時間だな。......行くか。」
3人「......はい。」
武内「全員揃ったようですね。」
全員「はーい。」
最後まで元気だな......何気にちひろさんまで言ってるし......
手まであげちゃって......歳を考えr「ギロッ」ヒィィィィィ......なんで?なんでわかったの⁉︎
武内「では、帰りましょう。」
新幹線に乗り込み、2人掛けの席を回転させてボックス席を作る。
俺と卯月、正面に未央とありす。行き同様席取り合戦が始まりそうになったが、話しがあると言い折れてもらった。
先程新幹線は出発。3人にお茶を渡して話しはじめる。
八幡「さっきの話だがな、まあ、昨日の夜からだ。」
未央「昨日の夜......」
卯月「私が部屋を出た時です。」
未央「そっか、あの時に......うん!おめでとう!」
八幡「未央......」
卯月「未央ちゃん......」
未央「大丈夫!私諦めないから!」
ありす「え?」
卯月「ええ⁉︎」
未央「ライバルだね!しまむー!」
卯月「だ、ダメです!」
未央「未央ちゃんの魅力に気づかせてやるからな!覚悟しろ!ハッチー!」
涙を流しながら笑顔で宣戦布告をする未央。
お前の魅力なんてとっくに知ってるっての。
八幡「......ホント、お前ら3人はすげえよ。」
卯月「え?3人?2人じゃなくてですか?」
未央「え?しまむー気づいてなかったの?」
ありす「さすがにそれは......」
卯月「え?え?」
未央「しぶりんの事気付いてなかった?」
卯月「......は、はい。」
ありす「気づかない人がいたなんて......」
八幡「......鈍感すぎんだろ。」
未央「じゃ、じゃあ、ハッチーから貰ったネックレスの意味は?」
卯月「......昨日気づきました。」
未央「......ハッチー。この子は大変だよ?」
八幡「......みたいだな。」
未央「さすが天然......」
卯月「私天然じゃないです!」
ありす「あ、あの......」
八幡「ん?どした?」
ありす「ネックレスって......」
卯月「こ、これです。」
卯月が胸元から取り出す......少し見えてしまった......ご馳走さまです!
未央「......ハッチー見過ぎ。」
八幡「な、にゃんのことだ?」
未央「ぐっ......今の私には止める権利が......」
卯あ「??」
卯月「近くで見ますか?」
ありす「見たいです!!」
ネックレスを外す仕草が色っぽい......うなじが......
未央「し、しまむーに一気に色気が......」
ありす「わぁ......可愛いです。なんて言うお花ですか?」
卯月「ニリンソウって言うんですよ。」
幸せそうに卯月が答える。
未央「ま、眩しい!」
八幡「未央、さっきからリアクションが鬱陶しいぞ。」
未央「だって!しまむーからのリア充オーラが凄いんだもん!」
卯月「リア充だなんて......」
ありす「お姉さん可愛い......」
それには賛成だ。
未央「でね、その花の花言葉が、友情と協力なんだよね!」
八幡「おい、お前わざと一つ抜いたろ。」
未央「さーねー。知らないもーん。しまむー知ってる?」
卯月「あのっ。えっと.....................いです。」
ありす「え?」
俺ですら聞こえなかったもんな......ありすに聞こえるわけがない。
卯月「ず......ずっと離れないです!」
ありす「......素敵です!私、このお花大好きになりました!」
卯月「よかったです。」
ありすからネックレスを受け取り元の位置へ。今度はしまわずにいる。
未央「ホントよく似合ってる。ハッチーセンスいいじゃん!」
八幡「は?俺が今着てる服見て同じ事言えるか?」
未央「そうだね。私が間違ってた。」
このやろう......即答しやがって......
八幡「ま、今度から卯月に任せるわ。」
卯月「はい!任せてください!」
ありす「私もお手伝いします!」
八幡「おう。頼んだぞ。」なでなで
未央「私m「それはいいや。」せめて最後まで言わせて!」
いつも通りだ。未央をいじってみんなで笑う。
少し不安だったが、3人とも大丈夫そうだな。まあ、2人がどう攻めてくるか怖いところであるが......
まもなく東京駅に着く。
土産、配んねえとな。
もう旅行も終わりか。
こんな楽しい旅行は初めてだ。
また、行きてえな。
旅行から帰ってきた翌翌日。武内さんに連絡し、卯月と2人で事務所で待って貰っている。常務にも事情を話し、立ち会ってもらえることになった。そう。卯月との事を武内さんに話すためだ。
事務所に入ると武内さんと卯月が対峙している。他のメンバーはいない。当然の事だが、人払いしてもらった。
八幡「すんません。おまたせしました。」
武内「いえ。常務も......ですか?」
常務「私もこの件には関与しているのでな。立ち会わせてもらう。」
武内「......わかりました。」
俺は卯月の隣へ。常務はお誕生席へと座る。
八幡「単刀直入に言います。俺は、島村卯月さんと交際をはじめました。」
武内「......やはりそうでしたか。ですが、私は認めるわけには......喜ばしい事ですが......それでも、認めるわけにはいきません!......もうしわけ......ございません。」
常務「訳を言ってみろ。」
武内「......彼らはアイドルとプロデューサーです。あっては......ならない事です。」
常務「なぜだ?」
武内「え......」
常務「なぜアイドルとプロデューサーが交際してはいけないんだ?」
武内「それは......」
常務「......この交際は私が許可した。」
武内「......え?」
常務「認めずに輝きを失う。認めて更なる輝きを得る。君はどちらを選ぶ?」
武内「輝きを......失う......」
常務「そうだろう?彼女を連れ戻し、私たちに太陽の輝きを示してくれたのは彼だ。果たして、彼無くして彼女は輝き続けられるか?」
えげつない言い方をする。こう言うところは変わってないんだな......
常務「島村さん」
卯月「はいっ!」
常務「そう緊張するな。あなたは彼を失うことは考えられるか?」
卯月「え......八幡さんが......いなくなる?」
常務「そうだ。考えられるか?」
卯月がじっと俺を見ている。
卯月「......考えられません。八幡さんがいないなんて......私......いや......いや......嫌です。イヤです!そんなの......絶対......いますよね!側にいてくれますよね!」
八幡「大丈夫だ。ちゃんといるから。安心しろ。」
震える卯月を抱き寄せ頭を撫でる。まだ......不安定だな。
卯月「......はい。」
常務「これでも君は引き離すか?」
武内「......できません。」
常務「同じ事を繰り返すのは無能のやることだ。反省しろ。状況やメンタルを判断し、最良の解を出す。君に足りないのはそこだけだ。」
武内「......はい。」
常務「島村さん。嫌な思いをさせて申し訳無かったな。謝罪する。」
卯月「い、いえ。大丈夫です。」
常務「そうか、ありがとう。では、私はこれで失礼する。あとは君達で話しなさい。」
3人「ありがとうございました。」
武内さんには悪いが、正直助かった。
あとは......
八幡「武内さん、すんませんでした。先に武内さんに相談するべきでした。」
武内「いえ、私こそ申し訳ありませんでした。それと......おめでとうございます。」
卯月「え?」
武内「私も思っていました。お2人に幸せになってほしいと。ですが......」
八幡「アイドルとプロデューサー......ですよね?」
武内「はい。」
八幡「......俺も同じことでずっと悩んでたんです。」
武内「そうでしたか......」
八幡「それをあの人が吹っ飛ばしてくれたんすよ。」
武内「そう......だったのですね。」
八幡「はい。......似てますね。俺たち。」
武内「そうですね。本当に。」
卯月「プロデューサーさん!私、頑張ります!」
武内「はい。よろしくお願いします。」
3人で笑い合う。
認めてもらえてよかった。
これで悩みの種は全て解消だな。
来月からはクローネ専属となり、新しいユニットも本格始動となる。新人指導もしなきゃならんし、新たな問題も多々発生するだろう。
でも......不思議と不安はない。
あいつらがいるから。
隣で卯月が笑ってくれるから。
あの笑顔を守れるように......頑張ろう。