4月1日。
どの企業も新卒者の入社式が行われているだろう。
勿論346プロも同様だ。
アイドルを除く全社員が出席する入社式。
......なぜか俺もいる。
ちょっと待て。俺は社員じゃない。バイトだ。まあ、大きなくくりで言えば社員なのだろうが......
ともかく、出席は百歩譲って諦めよう。だが、席がおかしい......
まあ、数日前に呼び出されたアレが原因だろうな......
常務「急に呼び立ててすまない。渡しておきたい物があってな。」
八幡「は?渡したい物?」
常務から紙束を渡される。おそらく新しい名刺だろう。内容は......
346プロダクション
アイドル事業部 専務付
Project Kroneプロデューサー
比企谷 八幡
八幡「......は?」
常務「何か問題があるのか?」
八幡「え?いや、専務って誰っすか?」
常務「私だ。辞令はなかったか?」
八幡「......来てないっす。」
常務「......総務に伝えておこう。」
八幡「......もしかして、昇進ですか?」
常務「そうだ。4月の1日付でな。」
八幡「おめでとうございます。」
常務「なに、君と武内君の成果だ。」
八幡「......ありがとうございます。......んで、この専務付ってのは?」
常務「君の直属の上司は私になる。当然、私以上でないと直接君には意見できなくなる。......君は自由な発想で真価を発揮するが、武内君を除けば理解できるものはほとんどいないだろう。その才能を埋もれさせない為の処置だ。多少息苦しくはなるだろうがな。」
八幡「......何から何まで......ありがとうございます。」
常務「そのような立場だ。入社式では紹介する事になる。覚えておきなさい。」
八幡「......はぁ?」
常務「聞こえなかったか?」
八幡「いや、聞こえましたけど......はぁ、何言っても無駄なんすよね。」
常務「なかなかわかってきたじゃないか。頼んだぞ。」
八幡「......はい。」
てな事があり、常務......もとい専務のすぐ隣に座っている。後ろにいっぱい役職者がいるのにぃぃぃぃ......
重役さんたちが次々と紹介されていく......
司会者「続きまして、アイドル事業部専務取締役 美城美咲。」
立ち上がって一礼する専務。......様になってんな......つーか専務の名前美咲って言うのか......初めて知ったわ。
司会者「続いて同事業部専務付き Project Kroneプロデューサー ヒキタニ八幡」
あ?誰だよヒキタニって。間違えんな。腹たつな......まあ、式を止めるわけにも行かんか......
立ち上がろうとするが専務に止められる。
専務「君はヒキガヤだ。間違った名での挨拶は必要ない。」
八幡「い、いいんすか?」
専務「構わない。」
後ろにいるおっさんになにやら伝える専務。そして司会者の元へ走るおっさん......
司会者「し、失礼しました。改めてご紹介します。アイドル事業部専務付き Project Kroneプロデューサー 比企谷八幡。」
今度はちゃんと立ち上がり一礼。そして着席。会場は若干ざわついている。そらそうだ。誰もこんな若造がクローネのプロデューサーだとは思わんだろう。
専務「間違えた紹介は不快だが、これで君の顔は一気に知れ渡ったな。」
八幡「......嬉しくないっすよ。」
紹介の進むなか小声で話す。いつのまにか専務と仲良しになってんな......
全体の式も終わり、続いて場所を変えて部署ごとの集まりがある。......当然専務の隣に座ってます。はい。ほ、ほかのPさんからの視線が痛いよぉぉぉぉ......
アイドル事業部の新入社員は19名。9名がアシスタントとなり、10名は事務員とのことだ。
まずは専務からの有難いお言葉をいただき、続いて今西部長。その後は各プロジェクトのプロデューサーが紹介されていく。
......次は武内さんだ。楽しみ......
司会者「CPプロデューサー 武内駿輔。」
武内「はい。武内です。みなさん、よろしくお願いします。」
ブホッ!みんなビビってる!ウケるんですけど!1人椅子から転げ落ちてるし!
紹介は続いていき最後に俺だ。
司会者「最後に入社式でも紹介しましたが、Project Kroneプロデューサー 比企谷八幡。では比企谷さん、こちらで一言お願いします。」
......は?聞いてないよ?何のこと?専務......その「できるだろう?」とでも言いたげなドヤ顔やめて!すっげえ腹たつから!
仕方ない......やりますか......
返事をしつつ、壇上へ向かう。
専務「やらかしてこい。」
!!!!マジっすか......なら......
八幡「......専務付きProject Kroneプロデューサーの比企谷八幡です。先に言っておきます。私は皆さんより年は下の大学生でアルバイトです。」
ざわつく新入社員たち......
八幡「ですが、そんなものは関係ありません。私たちのやることは、担当するアイドル達をいかに輝かせて、笑顔になってもらうかです。学歴なんてもんは、その辺の犬にでも食わせておけ。」
唖然としてんな......ここに来るくらいだ。優秀なところを出て、それ相応のプライドも持っているのだろう。
専務!そんなニヤニヤしないで!
八幡「アイドルが生きるも死ぬも俺たち次第だ。変なプライド持ってると足元救われますよ。共倒れしたくなかったら......腹括って下さい。以上です。」
一礼して席に戻る。
鳴り響く3人の拍手。
......専務と部長。それと武内さん。
全く......この人たちは......
司会者「あ、ありがとうございました。」
遅れてパラパラと拍手が起きる。
......これは嫌われたな。
紹介も終わり、新入社員は研修室へ移動。俺たちは通常業務に戻る。
専務「比企谷君、いい挨拶だった。」
八幡「聞いてないっすよ。」
専務「言ってないからな。」
意地の悪い顔をして笑う専務。......腹たつな!プンプン!
武内「私も良かったと思います。」
八幡「武内さんまで......てか、やらかしてこいって言ったの専務ですからね?俺は悪くない。」
専務「だが言ったのは君だ。自分の言葉に責任は持て。」
八幡「きたねえ......」
今西「いい先制パンチだよ。高学歴を鼻に着せる子も少なくないからね。」
武内「はい。そうですね。」
今西「いい抑止力になるんじゃないかな?」
専務「ええ。いい出だしです。それと比企谷君、君のアシスタントとなる者の資料だ。見ておきなさい。」
八幡「はい。ありがとうございます。」
んじゃ、とりあえず戻って見てみますかね......
クローネPR内のプロデューサールーム。新しい俺の城だ......これでやっと落ち着いて仕事ができる......でき......る?
周子「八幡くーん。おなかすいた〜ん。」
八幡「......」
志希「ハスハスハスハス......」
奏「あら?いいソファね。」
唯「ホントだ!フカフカ〜♪」
フレデリカ「今日のおやつはパフェの気分だね〜♪」
文香「......いい......お部屋ですね。」
ありす「本を読むのにもちょうどいいです。」
奈緒「春休みの宿題が......」
加蓮「ネイル変えよっかな......」
八幡「......」
卯月「八幡さん、はいお茶です!」
八幡「お、おう。サンキュ。......なんでみんないんの?」
全員「......え?」
八幡「いや、え?じゃないから。ここプロデューサールームだよ?俺の部屋だよ?君らはあっち。おわかり?」
奏「いいじゃない。減る物でもないし。」
奈緒「そうだそうだ!一人でこんな部屋使うなんて、先輩のクセに生意気だぞ!」
八幡「お前はジャイアンか!んなこと言ってるともう勉強教えてやんねえぞ。」
奈緒「......せ、先輩の部屋にピッタリだなぁ。あははは......」
志希「ハスハス......」
八幡「手のひら返し早えよ......ほれ、時間だぞ。はよレッスン行ってこい。」
9人「はぁい。」
八幡「奏と文香さんは少し残ってくれ。」
奏「??わかったわ。」
文香「......はい。」
八幡「まず1件目だ。明日LiPPSとアインフェリアの楽曲と歌詞が届く。」
奏「......早いわね。」
文香「......楽しみです。」
八幡「LiPPSは午前中に。アインフェリアは午後に楽曲の確認と打ち合わせをする。メンバーに通達しといてくれ。」
2人「はい。」
八幡「もう一件だが......これを見てくれ。」
2人に封筒を渡す。......専務から預かった物だ。
奏「......誰?」
八幡「......研修明けから俺のアシスタントになるやつだ。」
文香「......真面目そうな......方ですね。」
奏「そうかしら?なんだか嫌な感じがするわね。気持ち悪いわ。」
うわぁ......奏さん辛辣......
八幡「......俺も奏の意見に賛成だ。注意してほしい。些細な事でもいいから報告してくれ。」
2人「はい」
八幡「んじゃ、レッスン頑張ってな。」
文香「......はい。」
奏「行ってくるわ。」
卯月「......」
八幡「......どした?」
真っ赤にした顔を両手で隠す卯月。......しっかり指の隙間から見ているのはお約束。
卯月「......か、かっこよくて......恥ずかしいです。」
八幡「......」
か......かわええええええええええ!
八幡「そ、そうか。ありがとな。」
卯月「い、いえ......八幡さん......」
八幡「卯月......」
卯月を抱き寄せる......相変わらずいい匂い......自然と唇に吸い寄せられて......
卯月「んむ......ちゅぱっ......ん......」
八幡「......はぁ......んむ......」
「バンっ」
唯「ごっめん‼︎忘れも......の......」
八幡「......」
卯月「......」
唯「......し、失礼しました〜!」
「バタン!......」
唯『きゃーーー!また見ちゃった!恥ずかしー!あの2人チョーラブラブじゃーん!』
聞こえてるっての......
八幡「......」
卯月「......」
八幡「ここではやめないとな......」
卯月「......はい。」
翌日のレッスンルーム。全員時間に遅れずちゃんと集まっている。......というかソワソワしている。
八幡「おう。ちゃんと集まってんな。」
5人「おはようございます!」
八幡「はい、おはようさん。準備すっから先に歌詞見ててくれ。」
全員に渡していく。......どんな顔すっか楽しみだな。フヒッ!
美嘉「っ!!」
美嘉は気づいたな?他はそうでもないが......奏は顔が少し赤くなってんな。隣にいる美嘉さんは真っ赤ですね。
八幡「よし、準備できたぞ〜。」ニヤニヤ
美嘉「ちょ!この歌詞!」
八幡「あん?なんか変なトコあったか?」
美嘉「ないけど......でも......」
八幡「んま、後から聞くから。先に曲いくぞ〜。」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪」
さすがに曲が始まればすぐに集中すんだな......ふむ。前にも確認したがいい曲だ。
八幡「......どうだ?俺は結構気に入ってんだが。」
奏「いいわね。嫌いじゃないわ。」
美嘉「うん。なんか......オトナっぽい感じがする。」
フレデリカ「フレちゃんもスキー♪志希にゃんは〜?」
志希「志希にゃんも〜♪」
周子「うん。いいじゃーん。」
八幡「おし。曲はこれで行こう。あとは歌詞だが......美嘉?」
美嘉「これ......キ、キスとかチューばっかり......」
奏「あら?恥ずかしいの?」
美嘉「ち、ちがっ!」
周子「慌てちゃって〜。美嘉ちゃん意外とウブ?」
奏「でも、本当に多いわね。なに?私にして欲しいの?」
八幡「ちげえよ。お前はそうやってすぐにキスしようとしてくるが絶対にしない。だから本当は、されるのを待ってんじゃないかと思ってな。それをコンセプトに発注したんだ。」
奏「なっ!」
途端に真っ赤になる。ホントこいつは攻められると弱いな。
フレデリカ「わお!奏ちゃんまっかっか♪」
志希「ホントだ〜♪照れちゃった?」
奏「そ、そんなわけないじゃない。それにしても、あなたは随分余裕なのね。」
八幡「まあな。別に俺が歌うわけじゃねえし。」
奏「そんなこと言って......本当はしたことあるから余裕なんでしょ?」
八幡「......ねえよ。ま、歌詞も特に問題なさそうだしこれでいいか?」
奏「いいんじゃない?」
八幡「美嘉は大丈夫か?」
美嘉「こ、こんくらい余裕だし?いいと思う。」
全然余裕ねえじゃん......
八幡「じゃ、決まりで。これからはこれメインでレッスンしてくれ。トレーナーさんには伝えておく。リリースは来月頭だ。アインフェリアと併せてイベントも予定してっから、手抜くんじゃねえぞ。」
5にん「はいっ!」
八幡「んじゃ、よろしく。それと美嘉はウチのPR自由に出入りして構わねえからな。」
美嘉「うん。アリガト★」
八幡「おう、じゃな。」
奏「あれ......絶対してるわよね?」
周子「してるね。それも何回も。」
美嘉「相手......誰なんだろ......」
フレデリカ「ん〜......卯月ちゃん?」
志希「いつも卯月ちゃんの匂いしてるしね〜。そうなんじゃない?」
奏「......そういうことなのかしら?」
周子「八幡くんは読めないからね〜......」
美嘉「はあ......」
そして午後。本日2度目の発表会。
......しっかり集まってますね。そして藍子は顔を赤くしてこっちをチラチラと......
理由はアレだ。
土産を持って行った時に聞いたんだが、勧誘してから立ち去る時に『愛してるぜ!』と藍子にむかって言ったらしい。......全然覚えてないんだが。
そのせいか、「藍子って呼んでください八幡さん!」と言い寄られ、名前呼びにレベルアップしたのだ。......はい。やらかしました。
ま、それは今は関係ないな......
八幡「うす。急で悪いな。」
美波「ううん。大丈夫。楽しみだな。」
八幡「期待しててくれ。んじゃ、まず歌詞な。曲もすぐにいくか?」
美波「うん。聞きたい。」
八幡「よし。じゃ、流すぞ。」
驚け。お前たちからは想像できない曲だ。
「〜〜〜〜♪」
5人「っ!!」
初っ端から食いついたな......
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪」
八幡「......いいだろ。」
美波「これを......私たちが?」
八幡「ああ。」
藍子「イメージが......」
相葉「全然違うね。」
文香「......できるでしょうか?」
ありす「不安です。」
八幡「......そうだな。だからこそだ。」
美波「......え?」
八幡「お前たちの共通点はな『自分なんかに』とか一歩引いてるところだ。それを今回払拭したい。お前たちがもう一歩先に進むためにな。」
相葉「もう一歩先に......」
八幡「そうだ。そしてこれはみんなへの応援歌だ。」
藍子「みんなへの応援歌......」
八幡「勇気を持てない人に、勇気を持ってもらうためのな。んで、道しるべとなるのが戦乙女であるお前たち5人だ。」
文香「......素敵ですね。嬉しいです。」
ありす「生き残れ......戦うよ......」
八幡「そうだ。戦うんだ。お前たちは戦乙女なんだからな。共に行こう。一歩先へ!」
5人「はいっ!」
美波「ホントに八幡君はすごいなぁ。いつもうまくのせられちゃう。」
文香「......はい。いつも......私たちに道を示してくれます。」
ありす「でも、甘えてばかりもいられません。一歩先に進むために。」
相葉「......みんなが羨ましいな。」
藍子「そうですね。」
美波「え?どうして?」
文あ「??」
相葉「私たちには、比企谷君みたいな存在はいなかったから。」
藍子「そうですね。八幡さんは暗い夜道でもしっかりと行き先を照らしてくれますから。」
相葉「比企谷君、誘ってくれて本当にありがとう!私頑張る!」
八幡「おう。頑張ろうな、相葉。」
相葉「むー......美波さんは?」
八幡「は?」
相葉「美波さんは何て呼んでるの?」
八幡「美波。」
相葉「文香さんは?」
八幡「文香さん。」
相葉「ありすちゃんは?」
八幡「ありす。」
相葉「じゃあ、藍子ちゃんは?」
八幡「藍子だが......なんなの?」
相葉「......私も夕美って呼んで。」
八幡「は?別になんd「やだ。」なんでだよ......」
相葉「夕美がいいな......」
うぐっ......なんだこいつ......ちょっとときめいちゃったじゃねえか......
八幡「......はぁ、わかったよ。夕美。」
夕美「やった♪」
藍子「八幡さん浮気ですっ!夕美ちゃんにデレデレしてー!」
八幡「や、おかしいから。なんで藍子に怒られんの?つか浮気ってなんだよ......」
ちょっとドキッとしちゃったじゃん!
藍子「え?そ、それは.....その......」
ありす「......お兄さん本当に浮気ですか?お姉さんに言いますよ?」
八幡「ま、待て!違うぞ!そんなことは決してない!」
美波「え?八幡君彼女いるの?」
思わずありすと目を合わせる......どうしよう......
美波「も、もしかしてありすちゃんと......」
ありす「違います!」
八幡「ち、違うっての!......はぁ、いるよ。」
美波「そうなんだ......よしっ!私も頑張らなきゃ!」
夕美「まあ......いるよね......」
文香「......はい。八幡さんは......素敵な方ですから。」
藍子「......」
なぜか藍子の魂が抜けている気がするが......まあ、気のせいだろう。
八幡「んじゃ、以上だ。ミーティングやる時なんかはウチを使ってくれてかまわん。自由に出入りしてくれ。」
4人「はいっ!」
よし。今日のミッションクリアだ。どっちのユニットも失敗する気がしねえな。
......混成ユニット限定ライブなんかも面白いかも......各部署に自由に作ってもらって、人気順にCDデビューとか......武内さんに後で相談してみよう。
さて......講義も終わったし、行きますか。
荷物をまとめ、とぼとぼと歩く。
八幡「(今日武内さん時間あるかな......大丈夫だったらこの間の案を相談したいんだが......)」
??「せんぱ〜〜い!」
ほら、呼ばれてますよ。
??「せんぱいってば〜!」
早く返事してやれよ。可愛そうじゃねえか。
??「せんぱいっ!」
八幡「ぐえっ!」
??「ぐえって......相変わらずキモいですね......」
八幡「あ?なんだ一色か......は?一色?お前なんでこんなとこいんの?」
一色「なんでって......ここに入学したからに決まってるじゃないですか......」
八幡「ほーん......マジで?」
一色「ちょぉ頑張ったんですから!だから〜、ご褒美ください!」
八幡「え?やだよ。意味わかんねえ。」
一色「えー、いいじゃないですかぁ。可愛い後輩のためにも♪」
八幡「自分で可愛いとか言っちゃってるよ......ま、今日は無理だ。これからバイトあんだよ。」
一色「......ぶー。じゃあ、ない時付き合ってください。」
八幡「......わかったよ。」
一色「え?いいんですか?」
八幡「え?行かなくていいの?じゃあいk「ちょちょちょ!おねがいしまぁす♪」......あざとい。」
一色「あざとくないですぅ!」
八幡「......変わってねえな。」
一色「はい!これが私ですから!ところで、せんぱいってどんなバイトしてるんですか?」
......そういやコイツには言ってなかったな。つーか余計言えなくなったし......
??「......八幡さん?」
八幡「へ?あ、文香さんすか。おつかれです。終わりっすか?」
文香「はい......あの......そちらの方は......」
八幡「へ?」
あ、一色の事忘れてた。......なんか口開けてアホヅラしてるし。ウケる。
八幡「ああ、高校の時の後輩です。」
一色「あ、あの!い、一色いろはです!クローネの、さささ鷺沢文香さんですよね!」
文香「......はい。知っていていただき......ありがとうございます。」
一色「綺麗......はっ!せ、せんぱいとはどんな......」
文香「八幡さんには......いつもお世話になってます。」
言っても平気ですか?と文香さんが目で訴えてくる。......仕方ねえな。
八幡「一色。少し場所変えるぞ。」
一色「え?あ、はい。」
適当に空いてる部屋に入り、一色に一枚の紙を渡す。そう、名刺だ。
一色「は?なんですか?」
八幡「見ればわかる。ただし、絶対に騒ぐな。」
一色「......わかりました。......346プロダクション アイドル事業部専務付き Project Kroneプロデューサー 比企谷八幡......ふぇ?」
八幡「俺の仕事だ。」
俺と文香さんを交互に見る一色。なに?壊れたの?
一色「えええええええっ!」
八幡「バカっ!騒ぐなっての。」
一色「す、すみません。え?でも......えぇ?」
八幡「あんま他言出来る仕事じゃないんでな。黙っててすまん。」
一色「いえ......事情はわかりますから......」
八幡「助かる。」
一色「じゃあ、奈緒ちゃんも一緒......ですよね?」
八幡「おう。知ってんのか?」
一色「はい!よく奉仕部に来てましたから!」
八幡「そういや小町と仲良いって言ってたな......」
文香「......八幡さん、そろそろ......」
八幡「あ、すんません。んじゃ、一色、また後でな。」
一色「あ、はい。またです。」
一色「なんなんですか!なんなんですか!前よりカッコよくなってるし、アイドルはすぐ近くにいるし!むむむ......これは策を考えないとですね......」
クローネのPRに入り、武内さんに連絡する。面白そうな案を思いついたので相談したいと伝えると、すぐにコッチに来ると言ってくれた。
ホントええ人や......
八幡「急にすみません。」
武内「いえ。気にしないでください。」
「どうぞ」と2人分コーヒーが出される......卯月に。......気にしたら負けだ。というか、最近ナチュラルにいすぎて全く気にならなくなって来ている。「ごゆっくり。」と一声かけて出て行く卯月。
もうあれだ......嫁。あんな嫁なら大歓迎!じゃねえよ。企画の相談しねえと......
武内「......それで、案と言うのは?」
八幡「えっとですね、今俺の方で混成ユニットを2組立ち上げてるのは知ってますよね?」
武内「はい。新田さんもやる気に満ち溢れています。」
八幡「それで思ったんです。そんなユニットだけを集めたライブをやったら面白いんじゃないかと。」
武内「なるほど......具体的な内容はお決まりですか?」
八幡「ザックリですが。各部署から1組以上選出。ですが強制でなく参加は自由。ユニットの条件は自部署のメンバーを必ず入れる事。使用楽曲は新旧問わず346のモノならOK。既存ユニットでの参加は禁止。んで、最後に......お客様投票でトップ5になったユニットは順次CDデビュー。......です。」
武内「......素晴らしいです。ユニットの人数に指定はありますか?」
八幡「2人以上なら可くらいっすかね。」
武内「なるほど......これであれば皆さんにチャンスがありますね。」
八幡「はい。ただ、採点方法が思いつかないんすよ。どうせなら会場で順位も発表したいんで。」
武内「お客様も気になるでしょうから、当日発表は外せないでしょう。それともう一つ条件を加えませんか?」
八幡「どんなのっすか?」
武内「他部署の同一部署からは最大2名までとしませんか?自部署に関しては制限なしです。」
八幡「そうっすね。じゃないとCPやクローネが......」
武内「多く狙われるでしょうから。」
八幡「その条件、いただきます。」
武内「はい。こちらの案はすぐに提出を?」
八幡「そうっすね。この流れが熱いうちに一発ぶち込みたいんで。」
武内「いいと思います。私もお手伝いさせていただきます。」
八幡「よろしくお願いします。」
武内さんにも協力してもらえる!こんなありがたい事はない。
......楽しみになってきた。でもまあ......まずは企画書作んねえとな。
よーし!頑張るぞい!