※この作品はR-18です。

八幡奮闘記   作:ナマケモノmkⅡ

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26話√卯月

 きた......ついにきた......

 デビューとしては最高の舞台だ!

 

八幡「いよしっ!!」

 

 ......思わず叫んじゃった。てへっ!

 

「バンッ」

 

奏「八幡さん!何かあったの!」

 

 ありゃ、叫んだから心配したみたいだな......

 

八幡「いや、大丈夫だ。......奏、LiPPSのメンバー全員集めてくれ。」

 

奏「え?ええ。わかったわ。」

 

 不思議そうにしながらも出て行く奏。今からその顔を驚きで染めてやる......フヒッ。

 

高町「あ、あの......師匠......何かあったんですか?」

 

八幡「お前に師匠と呼ばれる筋合いはない!」

 

高町「ヒィッ!す、すみません!し......比企谷さん!」

 

八幡「ま、ちょうどいいっすね。一色呼んでここで待機してください。」

 

高町「はいっ!直ちに!」

 

 敬礼って......お前どこの軍人だよ......

 つーかあいつ変わりすぎだろ。変わりすぎ?ああ、変態だったわ......

 

卯月「八幡さぁ〜ん♪」だきっ

 

八幡「おう。レッスン終わったのか?」

 

卯月「はいっ!」

 

八幡「おつかれさん。」なでなで

 

卯月「えへへ......八幡さんいいにおい......」

 

 ぐふっ......最近卯月の可愛いさが増してきてる......おさまれ......俺のハチマン......

 

一色「失礼しまー......またイチャイチャして!なんなんですか!当てつけですか!せんぱいのくせにっ!」

 

八幡「あ?イチャイチャなんてしてねえよ。ただのスキンシップだ。」

 

卯月「えへへぇ♪」すりすり

 

八幡「......」

 

一色「......」

 

八幡「......すまん、してたな。」

 

一色「わかればいいんです。」

 

高町「さすが師匠......勉強になります!」

 

八幡「馬鹿言ってねえで違う事勉強しろ。」

 

高町「はひゃいっ!」

 

一色「ぶふっ......」

 

 ダメだ......変なのばっか集めちゃった......八幡失敗しちゃった☆てへっ!......キモいな。

 まあ、変人だらけのクローネだ。変人じゃなきゃ対応できんだろ。......って俺も含まれちゃうじゃん!え?何?俺が変人筆頭なの?あ、筆頭は専務ですね。喜んで譲ります。

 

奏「おまたせ。全員集めてきたわよ。」

 

八幡「おう、サンキューな。んじゃ、聞いてくれ。LiPPSのデビューステージが決まった。」

 

奏「あら?私たちだけなの?」

 

八幡「いや、アインフェリアも決まっているが、発表は後日にする。で、ステージなんだが、実はさほど大きくはない。だが宣伝効果は絶大だ。さて、ここから導き出される答えは何でしょう。」

 

周子「んー、お店のイベントステージ?」

 

八幡「違う。」

 

美嘉「まさか......」

 

八幡「言ってみ。」

 

美嘉「もしかして......テレビ出演?」

 

7人「っ!!」

 

八幡「正解。毎週金曜日午後8時。」

 

奏「......え?」

 

周子「嘘でしょ......」

 

フレデリカ「それはちょっと......」

 

志希「笑えないかな〜......」

 

美嘉「アレに出られる......」

 

八幡「346プロ初だ。」

 

5人「......」

 

一色「せんぱいが......」

 

高町「ここまで優秀だったなんて......」

 

卯月「さすが八幡さんです!皆さんも頑張ってください!」

 

周子「ど......どどどどうしよう!今からもうっ!」

 

 どどどって......工事でもしてんの?

 

フレデリカ「やばい〜緊張する〜......」

 

志希「初ステージがテレビ......」

 

 志希でも不安になるんだな。少し安心したわ......

 

奏「怖いわね......」

 

美嘉「......サイッコー!八幡さん、ホントありがとう!」

 

 さすが美嘉だな。ここ一番は頼りになる。美嘉を入れて正解だった。

 

奏「美嘉......」

 

美嘉「だって!私たちが認めてもらえたって事だよ!346初はプレッシャーだけど、成功すれば......」

 

4人「っ!!!」

 

奏「一気に全国区......デビューして間もない私たちの最高のチャンス......」

 

美嘉「そう!怖いけど......八幡さんがいる!」

 

周子「そーだね。八幡くんがいる!」

 

フレデリカ「んー。大丈夫だね〜♪」

 

志希「うんうん♪キミがいれば問題なし〜♪」

 

奏「やりましょう。最高のデビューを最高のステージで!LiPPS行くわよ!」

 

5人「ファイトー!オーーーーー!!!!」

 

一色「......す、すごいです。」

 

高町「これが本気になった彼女たち......」

 

八幡「いいか、当日はリハ後に一発勝負の生放送だ。気合い入れてけ。」

 

5人「はいっ!」

 

八幡「さらにプレッシャーをかけるようで悪いが、お前たち次第で今後346プロが呼ばれるかも大きく変わってくる。看板背負ってんだ。それを忘れるな。」

 

5人「はいっ!」

 

一色「せんぱいまで別人に......」ポッ

 

高町「......これがプロデューサー。僕は......」

 

八幡「わかりましたか?」

 

高町「......はい。」

 

八幡「俺たちは遊びでやってんじゃねえんだ。前にも言ったが、アイドルを生かすも殺すも俺たち次第。生半可な気持ちでここにいるんなら辞めちまえ。必要ない。」

 

一色「せんぱい、いいs「いろはさん、大人しくしてください。」卯月ちゃん......」

 

八幡「高町さん。どうするかはあんたが決めてくれ。」

 

高町「......師匠、いえ、比企谷プロデューサー。自分に......プロデューサーとは何かを教えてください。お願いします。」

 

八幡「俺は教えん。自分で見て学べ。そこから自分なりのプロデュース法を確立させろ。」

 

高町「はいっ!」

 

八幡「疑問があれば聞いてくれていい。」

 

高町「はいっ!お願いします!師匠!」

 

八幡「俺は師匠じゃない!」

 

7人「ぶっ!」

 

高町「なっ!しょんなぁ。ししょぉ〜。」

 

八幡「よ、寄るな気色悪い!」

 

高町「ひ、ひどいです〜。」

 

八幡「ヒィィィィィ!」

 

美嘉「あ、あんたたち......ぷっ......おかしすぎ......」

 

周子「だ......だめ。お腹よじれる......」

 

奏「......まったく......ぷっ......緊張感ないわね。」

 

八幡「お前も笑ってんじゃん......」

 

卯月「みんな笑顔ですね!」

 

八幡「......だな。高町さん、さっきは教えないと言いましたが、これだけは教えておきます。」

 

高町「な、何でしょう?」

 

八幡「......アイドルは笑顔です。」

 

高町「アイドルは......笑顔......」

 

八幡「さっきのこいつら最高じゃなかったっすか?」

 

高町「......はい。最高に良かったです。もっと見たいと思いました。」

 

八幡「ですよね。こいつらが笑えばお客さんも笑う。でもその笑顔が偽物じゃダメなんです。『本物』の笑顔だからこそファンも笑ってくれて喜んでくれる。俺はそう思ってます。」

 

一色「本物......」

 

高町「本物の笑顔......はい。この言葉、

絶対に忘れません。師匠名言集の第1項として記しておきます!」

 

八幡「え?何?そんなもんあんの?」

 

高町「いえ!これから作ります!」

 

7人「ぶふっ......」

 

八幡「よし。書いたらもってこい。シュレッダーにかけてやる。」

 

高町「なっ!ひどいです!」

 

八幡「ひどいのはあんたの頭だ!取っ替えてこい!」

 

高町「僕ア○パンマンじゃないですよ!」

 

八幡「それは顔だ!」

 

周子「も......もうやめて......お腹が......」

 

八幡「おい、周子に謝れ!」

 

高町「僕だけっ⁈」

 

奏「そうよ高町さん、早くして。」

 

高町「速水さんまで⁈」

 

 こいつどうなるかと思ったが、案外大丈夫そうだな。

 

 

 アホだけど。

 

 

 

 

 その後も高町に変な言動は......あるが、業務には差し支えない。......ない?物覚えは悪くないらしく、同じ事は聞いてこないので楽な部分だ。......アホだけど。変態だけど。

 一色も俺が教えるのがめんど......俺が教えるよりちひろさんに教わった方が確実なのでお願いしている。

 もちろん快く引き受けてくれた。『快く』ここがポイントだ。決してエナドリなど買わされていない。

 もちろんあいつらだけでなく、俺にも超えるべき山はあった。アレだ。企画会議。

 出席者は社長やらなんやらお偉いさんのみ。緊張したよぉ......まあ、通ったんだけどね。しかも満場一致で。

 専務は当然とばかりに踏ん反りかえっていた。いや、ならあんたがプレゼンやれよって真面目に思ったね。うん。まあ、仕方ない。......専務だし。

 そして本日は、待ちに待った俺のお休みである金曜日。先日買えなかった物を学校帰りに買いに来ている。......千葉に。そう。千葉にだ。もう一度言おう。千葉にだ。誰にも会いたくなかったから千葉に来たのだが......

 

八幡「どうしてこうなった......」

 

加蓮「え?何のこと?」

 

八幡「......何でお前いんの?」

 

加蓮「待ってたからかな?」

 

八幡「え?何で今日ここに来るって知ってんの?エスパーなの?堀より凄えじゃん......」

 

加蓮「そこは愛の力って事で。」

 

八幡「怖えよ。愛の力怖えよ。いや、マジで何で知ってんの?」

 

加蓮「奈緒に聞いたの。妹の小町ちゃん?に聞いたんだって。」

 

 そういや小町にはここに寄るから遅くなるって話したな......

 

八幡「オーケーわかった。奈緒が小町に聞いたのはいいだろう。だがなぜそれをお前が知っている。」

 

加蓮「奈緒を尋も......奈緒が勝手に話してくれたの。」

 

八幡「待て。今尋問て言おうとしなかったか?」

 

加蓮「んー......何のこと?」

 

八幡「いや、無理あんだろ......はぁ......まあいい。んじゃ、俺用あるからこれで。」

 

加蓮「うん。」

 

 さて、改めて行きますか......

 

八幡「(スタスタ)」

 

加蓮「(トコトコ)」

 

八幡「(スタスタスタ......)」

 

加蓮「(トコトコトコ......)」

 

八幡「......何で着いてくんの?」

 

加蓮「??方向がたまたま一緒なだけでしょ?」

 

八幡「......お前どっち?」

 

加蓮「んー......コッチ?」

 

八幡「そうか。俺はk「あ、コッチだった。」......お前な。」

 

加蓮「たまには......八幡さんと2人きりでいたいな......」

 

八幡「......一色に何を教わった。」

 

加蓮「先生?別に何も?」

 

 先生って言っちゃってるし......

 

八幡「......はぁ。先に買い物させてくれ。そのあとなら付き合ってやるから。」

 

加蓮「うん!ありがとっ!」だきっ

 

八幡「だ、抱きつくな!」

 

加蓮「えー。卯月だけずるい。」

 

八幡「あいつはいいんだよ。......特別だからな。」

 

加蓮「じゃあ、今はアタシが特別って事で♪」

 

八幡「......あざとい。」デコピン

 

加蓮「イタっ!も〜!八幡さんひどい!」

 

八幡「お前が悪い。ほれ、早く行くぞ。」

 

 歩き出すとしっかり着いて来る。左腕に絡みついて......加蓮の事情は本人から以前聞いた。

 身体が弱く、中学まで入退院を繰り返していた事。そのせいで勉強にもついていけなかった事。さらには......友達がいなかった事。そして少し自暴自棄になってしまっていた事。

 それを聞いているせいか、加蓮に甘えられると、つい甘やかしてしまう。よくないとは思うが、強く出ることもできない。はぁ、どうしたもんか......

 と、考えながら歩いていると目的地に着いていた。

 

八幡「お、ここだ。」

 

加蓮「え......ここ?」

 

八幡「おう。入るぞ。」

 

加蓮「う、うん。」

 

 やって来たのは少しお高い装飾品のお店。物の種類は決めているがデザインはまだだ。どれがいいかね......

 

店員「いらっしゃいませ。言っていただければお出ししますので、お声がけください。」

 

八幡「あ、はい。どうも......」

 

店員「(にこにこ)」

 

八幡「......」

 

加蓮「......」

 

 や、やりずれぇぇぇぇ!あっち行ってよ!見ないでよ!恥ずかしいじゃん!

 

店員「彼女さんへのプレゼントですか?」

 

八幡「え、ええ、まあ。」

 

店員「とっても可愛らしい方ですね。」

 

 は?こいつ卯月のこと知ってんの?って、

違うな。......見てんの加蓮だし。

 

加蓮「彼女......アタシが八幡さんの彼女......」

 

 コッチはコッチでトリップしてるし......ま、今なら気付かれないか......

 

店員「こちらはいかがでしょう?お似合いだと思いますが。」

 

八幡「ふむ......」

 

 淡いピンクの細めのベルトに、丸型の少し小さめの文字盤。文字盤を囲うフレームはピンクゴールド。いいな......これなら卯月にもピッタリだ。

 

八幡「じゃあ、コレお願いします。」

 

店員「かしこまりました。包装はいかがしますか?」

 

八幡「お願いします。」

 

店員「では、ご準備が出来ましたらお声がけしますので、少し店内を見てお待ちください。」

 

八幡「......はい。」

 

 うむ。意外とあっさり決まったな。ありがとう店員さん。また何かあったらお願いします。

 

加蓮「アタシが......」

 

八幡「......おい、帰ってこい。」デコピン

 

加蓮「イタっ!あ、あれ?」

 

八幡「おう、お帰り。」

 

加蓮「ただいま?ってあれ?店員さんは?」

 

八幡「今包んでもらってる。少し見て待ってくれだとさ。」

 

加蓮「ならアタシ、イヤリング見たい!」

 

八幡「おう。でも意外だな。」

 

加蓮「え?何が?」

 

八幡「お前ピアスじゃないんだな。」

 

加蓮「......身体に自分から傷をつけるのは......ちょっとね。」

 

八幡「......大事にしろよ。」なでなで

 

加蓮「なでなで初めて......コレ好き......ねぇ、もっと......」

 

八幡「......また今度な。」

 

加蓮「......なんで?」

 

八幡「店員さん見てるから。」

 

加蓮「あっ!......あぁぁぁぁぁ......」

 

店員「仲がよろしいですね。おまたせしました。お会計はあちらでお願いします。」

 

八幡「うす。んじゃ、行ってくるから待っててな。」ポンポン

 

加蓮「......」

 

加蓮「......好き......大好き。」ボソッ

 

 

八幡「おう。またせた。」

 

加蓮「......うん。行こ。」

 

 うん?なんか様子が......やけに顔が艶っぽいというか......とろけてる?

 腕もずっとさすってるし、息も荒い......

 

八幡「......おい、大丈夫か?」

 

加蓮「......うん。早くイこ。」

 

 ......なんかエロいな。

 

八幡「お、おう。わかった。」

 

加蓮「はぁ......いいにおい......」

 

 なんかマズイ気がする......でも......いつもより可愛いな......い、イカン!俺には卯月がいるんだ!こんな時は戸塚を......いや、卯月を数えよう。卯月が1人、卯月が2人......おぉ、天国だ......

 

加蓮「ね、八幡さん。アソコ寄ってこ?」

 

八幡「......お前まだあんなもんばっか食ってんのか?」

 

加蓮「ねぇ、いいでしょ?」

 

八幡「......わかったよ。」

 

加蓮「やった♪」

 

 いい笑顔ですね......ハンバーガーショップ行くだけなのに。

 この後は散々引っ張りまわされた......

 しかも家まで送らせられるし......車で。

 

 なんで帰ってきたのにまた東京行かなきゃならんのだ......

 

 

 

 

 今日は楽しかったな......

 自室のベッドの上で今日の事を思い出す。

 初めて八幡さんを独り占めできた......

 卯月の彼氏で凛の好きな人......コレまでは我慢してたけど......

 

 もう我慢できない......

 彼の匂い......温もり......離したくない......

 

加蓮「あ......んん......」

 

 あの頭をなでられた感触......

 

加蓮「あんっ......んぁ......」

 

 八幡さん......

 

 好き。大好き......愛してる......

 

加蓮「!!!!!!」

 

 アタシだけをみて......

 

 

 

 

 

 4月24日 日曜日。

 俺の大切な人の誕生日。

 本来なら2人きりでどこかへ行きたいところだが、彼女の立場上ヘタなところへは行けない。何かあってからじゃ手遅れだからな......

 そんなわけで俺は来ている。卯月の家に。手土産を持って。

 あとはこの呼び鈴のボタンを押すだけ.......

 

 押すだけ......

 

 押すだけなのだ。

 

 緊張するよぉぉぉぉぉぉ!

 だ、だが、押さないわけにはいかない!

 

 い、いz「八幡さん!」

 おぉ.......俺の気配に気づくとは......さすが卯月。

 

八幡「......お、おう。おはよう、卯月。」

 

卯月「おはようございます!どうぞ、あがってください!」

 

八幡「あ、ああ。」

 

 卯月の家にあがるのは2度目。だが、今回は緊張感が違う.......前回はうづママだけだったが、今回はうづパパに加えお祖母様までいらっしゃる......

 これって......いわゆるご挨拶ってやつなんじゃ......

 

八幡「お、おじゃまします。」

 

卯月「はい!どうぞ!」

 

 用意されたスリッパを履いて卯月の後について行く。この先に3人が......

 

うづママ「いらっしゃい。八幡君。さ、こちらにどうぞ。」

 

うづパパ「......君が比企谷君か。」

 

八幡「ひ、比企谷八幡です。む、娘さんとお付き合いさせていただいてます。あ、こちらつまらないものですが。」

 

婆ちゃん「おやおや、わざわざありがとうね。いい男じゃない。礼儀も正しいし。今日はゆっくりしていきなさい。」

 

八幡「あ、はい。ありがとうございます。」

 

 おばあちゃんには好印象のようだが、お、お父様が怖い......あれか、小町に対する父ちゃんみたいなもんか......娘はやらん!的な......

 「ここです♪」と卯月に促されたところに並んで座る。今日もいい匂い......

 

うづママ「さ、はじめましょう。」

 

うづパパ「それでは、ゴホンッ!卯月、18歳の誕生日おめでとう。」

 

3人「おめでとう!」

 

卯月「ありがとうございます!パパママ、おばあちゃん。それに、八幡さん......とっても嬉しいです!」

 

 笑顔が眩しい......俺の大好きな卯月の笑顔。無意識にじっと見つめてしまう。

 

卯月「は、八幡さん......恥ずかしいです.......」

 

八幡「す、すまん。」

 

うづママ「あらあら、見せつけてくれるわね。」

 

うづパパ「......」

 

ばあちゃん「曽孫の顔を見るのも近いかねぇ......」

 

うづパパ「っ!!ま、まだ早い!」

 

卯月「お、おばあちゃん!」

 

八幡「は、はは......」

 

 このばあちゃんいきなりぶっこんできたな!!本気でビビるわ!

 

うづママ「でも八幡君がもらってくれるなら安心ね。優秀だし、将来有望だし。」

 

うづパパ「ほ、ほう。君は大学生だったな。どこに通っているんだい?」

 

八幡「あ、早○田です。」

 

うづパパ「な......なかなかいいところに、い、行っているじゃないか?だ、だが、私立大学となるとご両親も大変だね。」

 

八幡「あ、いえ。最初は仕送りをもらっていましたが、今は学費も含めてバイト代でやりくりできています。」

 

うづパパ「は?い、いや。無理だろう。バイトでやりくりなんて......それに仕送りと言っていたが、君は一人暮らしかい?」

 

八幡「いえ。妹と2人です。両親は海外にいますので。それに生活も無理でもないです。」

 

うづパパ「......どんなバイトを?」

 

八幡「あ、すみません。......私こういう者です。」

 

 立ち上がって、必殺名刺渡し。

 

うづパパ「346プロ......卯月のところでプロデューサー......学生で?」

 

八幡「はい。2人の部下に協力はしてもらってますが。」

 

うづパパ「......部下までいるのか。卒業後はそのまま就職を?」

 

八幡「ええ。専務に確約をいただいてます。」

 

うづパパ「......結婚はいつするんだ?」

 

卯月「パパ!いきなりけ、結婚なんて!結婚.......えへへへぇ......」

 

うづママ「あらあら、気が早いわね。さっきまで娘はやらん!なんて言ってたのに。」

 

うづパパ「い、いいじゃないか。それにこんなに立派な息子ができるんだ。嬉しいさ。」

 

うづママ「さ、卯月。私達のことは気にしなくていいからお部屋に行きなさい。あとでケーキ持って行くから。」

 

卯月「うん。八幡さん、こっちです。」

 

八幡「おう。では、失礼します。」

 

うづママ「ごゆっくり。そうだ卯月、ちょっといらっしゃい。」

 

卯月「??」

 

 ......卯月とママンがコソコソ話していらっしゃる。なんなのん?

 

 

 

うづママ「卯月、はいこれ」

 

卯月「??っ!!マ、ママ!」

 

うづママ「声は抑えるのよ?」

 

卯月「そ、そんなこと......」

 

うづママ「ほら、八幡君待ってるわよ。」

 

卯月「う、うん......」

 

 

卯月「い、行きましょう。」

 

八幡「お、おう。」

 

 なんか顔が赤いが......なんだ?

 

 

 

 

 

 八幡さんと私のお部屋で2人きり......

 

 な、何をお話ししたらいいんでしょう!

 どうしましょう.......こんな経験なくて......しかもママがこんなの渡してくるから......わわわ私エッチな子じゃありません!

 でも八幡さんとなら.......

 

 はっ!だ、ダメです!はしたないです!

 

八幡「......卯月、大丈夫か?」

 

卯月「へ?は、ひゃいっ!大丈夫れす!エッチな事なんか考えているません!」

 

八幡「は?エッチな事?てか、いるませんて......」

 

卯月「あ、あの、その.......ま、ママが......」

 

 さっき渡された包みを八幡さんに渡してしまいました......

 

八幡「グハッ......」

 

卯月「だ、大丈夫ですか⁉︎」

 

八幡「だ、大丈夫だ......だが、思った以上の破壊力だな......」

 

卯月「あ、あははは......その......八幡さんも......やっぱりしたい......ですか?」

 

八幡「そりゃ......す、好きなヤツとは......その......し、したい。」

 

卯月「そ、そうですよね......」

 

 ど、どうしましょう.......今日初めてを......

 

八幡「だがな、焦る必要はないんだ。俺たちは俺たちのペースで進んでいけばいい。」

 

卯月「八幡さん......」

 

 やっぱり八幡さんは優しいです。大事にしてくれているのがわかります。

 

八幡「卯月......」

 

 もう何度目かわかりませんが.......八幡さんとのキスは大好きです。とても優しくて気持ちいい.......幸せな気分になれるキス。

 

卯月「......んむ.......ん......んんっ!」

 

 は、八幡さんの舌が.......

 

卯月「......ん......ぁぁ、ちゅる......」

 

 だ、ダメ.......なんだか頭がぼーっと......気持ちいい......

 あ.......終わっちゃった......

 

卯月「......もっと......してください......」

 

 あれ?口が勝手に......

 

八幡「......おう。」

 

 違うんです......違わない......あれ?わかりません......もう、全部八幡さんに......ママに見られてても......え?ママ?

 

卯月「ん〜〜〜〜!!」

 

八幡「ぷはっ......どうした?」

 

卯月「ま......」

 

八幡「ま?」

 

卯月「ママ!いつから見てたの⁉︎」

 

八幡「んなっ!!!!」

 

ママ「えっと......2人が舌w「やっぱり言わないで!」......あらそお?2人ともすごいわね。見てるこっちg「もういいから!」......ケーキと紅茶持ってきたから。ではごゆっくり♪」

 

 見てるなんてマナー違反です......ぐすん。

 

八幡「......すまん。全く気づいてなかったわ......」

 

卯月「わ、私もです......」

 

八幡「......とりあえず、これもらうな。」

 

卯月「は、はい。どうぞ。」

 

八幡「......」

 

卯月「......」

 

 は、恥ずかしいですぅぅぅ!さっきまでどうしてたんでしょう。うぅぅぅ......覚えてません。ケーキも食べ終わっちゃいましたし......

 

八幡「あー、その......これ、もらってくれ......」

 

卯月「......え?」

 

 いきなりすぎです!心の準備が......

 

八幡「大したもんじゃないんだが......」

 

卯月「ありがとうございます!......開けても......いいですか?」

 

八幡「......おう。」

 

 八幡さんのことです。きっとステキな......え?う、腕時計?確かこの贈り物の意味って......

 

卯月「......」

 

八幡「気に入らなかったか?」

 

 違うんです。嬉しくて......

 

卯月「(フルフル)」

 

 声に出せないんです。とっても嬉しいです。もう......涙がとまりません。

 

卯月「......嬉しいです。」

 

 やっと言えました。

 

八幡「......なら良かった。」

 

 これだけは確認しておきたいです......

 

卯月「勘違い......しちゃいますよ?」

 

八幡「......いや、そのままの意味だ。あとでちゃんと言うから。......待っててくれ。」

 

卯月「はいっ!」

 

 嬉しいです!嬉しいです!こんなに嬉しい事初めてです!

 

卯月「八幡さん!」

 

 思わず抱きついちゃいました!

 

八幡「おわっ!」

 

卯月「きゃっ......」

 

 いたた......2人して転んじゃいました......え?こ、この状況......

 

八幡「卯月......」

 

卯月「八幡さん......」

 

八幡「......いいか?」

 

卯月「......はい。」

 

 島村卯月。

 

 

 

 

 

 

 

 

 八幡さんに......

 

 

 

 

 

 

 

 

 私のすべてを捧げます......

 

 

 

 

 

 

 

 隣で眠っている卯月の髪を撫でるように梳く。汗を結構かいていたようでいつもとは違った感触。

 俺の腕を枕にし、ぴったりとくっついてスヤスヤと眠る姿は、とてつもなく可愛い。......写真撮っておこう。パシャリ。

 おぉ......素晴らしい一枚が撮れた......

 

卯月「んん......」

 

 もぞもぞと動く。おそらく寝やすい位置を探しているのだろうが......

 可愛い。とてつもなく可愛い。

 

卯月「......八幡しゃん......スー......」

 

八幡「......」

 

 襲っちゃうよ?

 もう一回襲っちゃうよ?

 さっきからお山様がおもいっきりあたってるし、俺のハチマン君も臨戦態勢だからね?

 だが、ダメだ。まず第一にアレがない。そんな無責任な事はできん。それに卯月も初めてだったしな。無理はさせられない。

 

 しちまったな......ゆっくりでいいなんて言っておきながら......何が理性の化け物だ。

 でもアレだ。凄く幸せだ。好きなヤツとこう......抱き合うってのはすごいもんだな。今まで以上に愛おしくなった。大切にしていきたいって思う。

 ......ホントに可愛いな。キスくらいなら......いいよな?」

 

卯月「......はい。」

 

八幡「うぇ⁉︎」

 

卯月「......」

 

 卯月が待っている。いわゆるキス顔と言うヤツだ。......パシャリ。

 

卯月「ええ⁉︎」

 

八幡「あ......」

 

卯月「なんで撮ってるんですか!」

 

八幡「えっと......つい?」

 

卯月「むー......消してください。」

 

八幡「それはできん!この写真は毎朝拝むと決めたんだ!」

 

卯月「ダメです!」

 

八幡「こら!暴れるな!今俺たち服着てねえんだから!」

 

卯月「あっ......」

 

 バレてしまった......

 

卯月「ま、まだ......その......大きいままなんですね......」

 

八幡「......まあな。」

 

卯月「その......しちゃいましたね。」

 

八幡「俺たちのペースなんて言っておきながら......すまん。」

 

卯月「いいえ。嬉しかったです。その......凄く幸せな気分でしたし....................す。」

 

八幡「......すまん。最後聞こえなかった。」

 

卯月「......き、気持ちよかったです......」

 

八幡「......な、なら良かったわ。その......身体、大丈夫か?」

 

卯月「はい!大丈夫です!」

 

八幡「よかった。」

 

卯月「えへへ♪八幡さん、大好きですっ!」

 

八幡「俺もだよ。」

 

 グッと卯月を抱きしめる。伝わってくる卯月の体温が心地いい......ずっとこうしていたいくらいだ。だがそうもいかない。

 写真を撮った時に時間を確認したが、結構な時間眠っていたようで、そろそろ帰らないとよろしくない。

 

八幡「......そろそろ帰らないとな。」

 

卯月「え?もうそんな時間ですか⁉︎」

 

八幡「おう......ほれ。」

 

卯月「早いですね......まだ一緒にいたいです......」

 

八幡「......また今度な。」

 

卯月「......はい。」

 

八幡「んじゃ、とりあえず服着ようぜ。」

 

卯月「はい。その......目、閉じててもらえますか?」

 

八幡「お、おう。」

 

 

 

 

 2人とも元の姿に戻り、帰り支度をする。

 ご家族の皆さんに挨拶をすると、妙に温かい目で見られた。......バレてますね。

 玄関まで付き添われて今日はお別れ。名残惜しいが仕方ない。

 卯月の家を出て、駅までとぼとぼと歩いていく。......さっきまでずっとくっついていたせいか、虚無感がハンパない。心底アイツに惚れているんだなと再確認出来てしまうほどだ。

 

 いつになるかはわからんが......

 

 ちゃんと伝えよう。

 

 あの言葉を。

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