※この作品はR-18です。

八幡奮闘記   作:ナマケモノmkⅡ

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30話√卯月

 ライブまで残り1週間。ようやく発注していた衣装が届いた。

 李衣菜に連絡をとり、全員でサイズの確認をしてもらっている。

 確認のみなので、今回は一色に任せて俺はライブの最終調整を。まあ、最終調整というより、無茶や抜けがないかの確認なのだが。

 ん?高町?あいつは休みだ。引っ張りまわしてこき使っていたため、ライブ前日まで休みを取らせている。......俺みたいになっても困るしな。

 さて、あとはプログラムd「Prrrrr......」......あん?一色?......なんかトラブルか?

 

八幡「おう。どした?」

 

一色『あ、せんぱい!すぐに来てください!』

 

八幡「お、おう。わかった。」

 

一色『はい!待ってます!』

 

 ......やけに焦ってんな。嫌な予感が......

 

 確認作業を一旦やめて、衣装室に向かう。トラブルであれば、考えられることは......デザイン違いか......はたまたサイズか......

 だが、その程度なら一色でも対処はできるはず......ま、行けばわかんだろ。

 

 

 衣装室に着き、中に入る。いるのはメンバー5人と一色。5人は衣装に身を包んでいる状態。

 

 おぉ......素晴らしい......

 

八幡「いいな......」

 

一色「やっと来ました!せんぱぁい!やばいんですやばいんですやばいんですぅ〜!」

 

八幡「あ、あざとい......」

 

加蓮「......なるほど。ああやるのか......」

 

八幡「感心してんじゃねえよ......で、なに?」

 

一色「サイズが合わないんですよ!ちゃんと注文した通りできてるのに......」

 

八幡「あ?じゃあ、先方には非がねえって事か?」

 

一色「はい。なので、修正を頼んだんですけど、忙しいらしくてライブの日程には......」

 

 ......まずいな。先方に非がなければクレームはつけられん。あちらも作業は後回しにしてくるだろう......

 

八幡「......衣装さんには?」

 

一色「言いましたけど......このタイミングですから......」

 

八幡「そうか......」

 

 当然だ。17組も参加するんだ。手が空いているわけがない。

 

八幡「......」

 

 どうする......考えろ......

 

美穂「あ、あの。八幡さん?」

 

一色「d「大丈夫!」......李衣菜ちゃん。」

 

智絵里「安心してください。」

 

まゆ「......え?」

 

李衣菜「あの顔してる時の八幡さんなら......」

 

智絵里「きっとなんとかしてくれます。」

 

加蓮「そ、そうなの?」

 

李衣菜「CPはトラブルが多かったから......」

 

智絵里「はい......でも、そんな時はいつも八幡さんが......」

 

李衣菜「うん。助けてくれた。だから大丈夫!」

 

八幡「......」

 

 何か、何か手は......裁縫......修正......ドレス......衣装......ん?衣装......あいつなら!

 

「Prrrr......」

 

李衣菜「え?電話?」

 

小町『はいはーい。お兄ちゃんどしたの?』

 

八幡「すまんな。大至急だ。大志に連絡して、あいつの姉に俺に連絡するよう伝えてくれ。番号は教えてかまわん。」

 

小町『了解であります!んじゃ、待っててね

〜。」

 

 よし。頼む......

 

一色「せ、せんぱい?」

 

八幡「......少し待ってくれ。」

 

一色「は、はい......」

 

 「Prrrr......」

 知らない番号......来た!

 

八幡「比企谷です。」

 

川崎『か、川崎だけど......急に何?』

 

八幡「......頼みがある。」

 

川崎『......なんなの?』

 

八幡「今週いっぱい、お前の時間を俺にくれ。」

 

6人「っ!」

 

川崎『い、いきなりそんな事言われても......バイトだってあるし......』

 

八幡「バイト代は出す!言い値で構わん!」

 

川崎『えぇ⁉︎じゃあ............とか?』

 

八幡「わかった。............だ。」

 

川崎『え?......危ない仕事じゃないよね?』

 

八幡「お前の得意分野だ。問題ない。」

 

川崎『......わかった。やるよ。どうすればいい?』

 

八幡「なら今から346プロに来てくれ。受け付けには通しておく。場所はわかるか?」

 

川崎『え?えぇ⁉︎場所はわかるけど......346プロって......まあいいや。行けばわかるんでしょ?』

 

八幡「おう。マジ助かった!サンキュー川崎!愛してるぜ!」

 

6人「なっ!」

 

川崎『ちょ!あんたまt「プッ。」......』

 

 よし!なんとかなる!

 

八幡「一色!」

 

一色「(ビクッ)は、はい......」

 

八幡「これから川崎が来る。受け付けに話して待っててくれ。」

 

一色「......はぁ、わかりました。」

 

八幡「頼んだぞ。それとお前ら、これから衣装の修正に入る。すぐに着替えてくれ。あと、これから来るやつに採寸も頼むからそのつもりでな。」

 

5人「は、はい。」

 

八幡「俺は事後だが、専務に許可をもらってくる。李衣菜。こっちの事は頼んだ。」

 

李衣菜「う、うん。」

 

八幡「よし。行動。」

 

6人「はい!」

 

 

 

美穂「行っちゃいましたね......」

 

李衣菜「相変わらず凄い行動力......」

 

智絵里「でも、八幡さんらしいです。」

 

加蓮「......」

 

まゆ「......加蓮ちゃん?」

 

加蓮「......愛してるって......どういう事?......アタシがいるのに......」

 

李衣菜「あ、やば......」

 

まゆ「......たしかに......許せません。八幡さん......また浮気ですか?」

 

智絵里「ずるいです......わたしだって......」

 

美穂「まったく......すぐ他の子に手を出すんですから......」

 

李衣菜「は......八幡さーん!いろはちゃーん!早く帰ってきてぇぇぇぇぇ......」

 

 

 

 衣装修正で急遽バイトを取る事を専務に報告し、なんとかだが許可をもらった。......まあ、かなりぶつくさ言われたが。だが、そんなのは些細な事だ。

 あの曲は、あの衣装をあの5人が着て、はじめて完成する。そのためなら専務の小言の一つや二ついくらでも聞......きたくねえな......出来る事なら......まあ、仕方ない。

 だがおかしい。なぜだ?注文した通り出来ているのになぜサイズが合わない?まあ、色々あるだろうが。

 だって女の子だもの。はちを。

 

 衣装室に戻り中に入る。さて、川崎はもう来てるか?

 

八幡「悪いな。今もどっ......た......」

 

一色「え?」

 

川崎「は?」

 

加蓮「......え?」

 

 ......やってしまった。......もう測ってたのね。

えへっ。見ちゃった☆はちまんたらうっかりさん!

 じゃねーよ!何でこんなトコで堂々と測ってんだよ!そこのカーテンの中入れよ!

 

八幡「す、すまん!まさかこんなトコでやってると思わんかったんだ!」

 

 身体を180°回転させ全力謝罪。惜しい......じゃなくて、仕方ない。

 

加蓮「は、八幡さん......見た?」

 

八幡「先端までバッチリ!(み、見てない!俺は何も見てないぞ!)」

 

加蓮「うぅ......」

 

一色「うわぁ......もしかして言ってることと、思ってること逆になってませんか?」

 

八幡「......は?俺なんて言った?」

 

川崎「......『先端までバッチリ!』だっけ?」

 

八幡「......」

 

一色「......」

 

川崎「......」

 

加蓮「......でも、八幡さんなら......見せてもいいかも......」

 

一川「え?」

 

八幡「......(いやいや、コイツ何言っちゃってんの?壊れちゃってんの?)」

 

加蓮「......ねえ、八幡さん......もっと見たい?八幡さんなら......いいよ?」

 

一色「す、ストーップ!」

 

川崎「な、何考えてんの!」

 

加蓮「え?あ、ごめん......」

 

八幡「つーか、なんでこんなオープンスペースでんなことしてんだよ......そこにちゃんとカーテンあんじゃねえか......」

 

全員「あ......」

 

八幡「あ......じゃねえよ。誰か来たらどうすんだよ。実際に俺が来ちまったし。と、とにかくだ。採寸はあっちでやってくれ。」

 

川崎「う、うん。なんか......ごめん。」

 

八幡「いや、俺もすまん。」

 

 ......これで変なトラブルは回避できる。が、......見てしまった。ごめんよ、卯月。悪気はないんだ。浮気じゃないから安心してk「八幡さ〜ん!」......女神が来た......

 

卯月「ここにいるって聞いたので、来ちゃいました!」

 

八幡「......」

 

 ああ......癒される......自然に抱きしめてしまうのを止められるだろうか......いや、できない。

 

卯月「え?ええ?......えへへぇ♪」

 

八幡「あぁ......癒される......」

 

卯月「えへへ......嬉しいです......」

 

李衣菜「と、途端に空気が甘く......」

 

まゆ「......」

 

智絵里「......」

 

美穂「卯月ちゃん、今日はもう終わったの?」

 

卯月「はい!なので八幡さんに会いに来ました!えへへぇ......八幡さぁ〜ん♪」スリスリ

 

 グフッ......か、可愛いすぎる......

 

美穂「ちょ、ちょっとくっつきすぎじゃないかな?今はお仕事中なわけだし。」イラッ

 

李衣菜「ま、まあ。落ち着いて......」

 

卯月「......なんだか、今日の美穂ちゃん怖いです......」

 

美穂「(ビクッ)そ、そんなことないよ?」

 

卯月「ならいいんですけど......ところで、皆さんの衣装はどうしたんですか?」

 

李衣菜「ちょっとサイズが合わなくてさ。みんな再採寸と調整。」

 

卯月「そうだったんですね。私も最近胸が......」

 

美穂「う、卯月ちゃんも?」

 

卯月「はい......胸がきつくなって、ウエストが緩く......」

 

まゆ「......ナニかしてるんですか?」

 

 ......こら。頬を赤らめてこっちを見るんじゃない。バレちゃうでしょうが......

 

智絵里「羨ましいです......よ、よかったら教えてください!」

 

卯月「え、えっと......その......」

 

川崎「終わったよ。次、緒方さんね。」

 

智絵里「あ、はい!」

 

 加蓮と入れ替わりで智絵里が向かって行く。......加蓮さん?何かあったの?機嫌悪そうだけど......

 

加蓮「......八幡さん......聞きたいことがあるんだけど。」

 

八幡「あ?なんだ?」

 

加蓮「電話で言ってたよね?沙希さんに『愛してる』って。......どういう事?」

 

卯月「え......」

 

 あ、やべえ。これマジやべえ。

 

卯月「そ......そうなんですか?やっぱり私なんかじゃ......」

 

八幡「ち、違う!そうじゃない!」

 

李衣菜「うわっ!なんか凄い必死だ!」

 

卯月「で、でも......グスッ......」

 

八幡「だ、大丈夫だ。俺が愛してるのは......卯月だけだ。」

 

卯月「......はい。私もです。......うぅ......八幡さん......」ぎゅう

 

まゆ「......」

 

美穂「......」

 

加蓮「......」

 

李衣菜「......空気甘すぎでしょ。」

 

 よかった......信じてくれて。俺も直さねえとな。......この癖。

 とまあ、そんなこんな余計なトラブルはあったが、全員無事に終了。......みんなウエストが細くなってたり、む、胸が大きくなってたり......ちゃんと言ってよね!

 期間としては、大幅な修正はないため、ライブには間に合うらしく一安心。川崎マジ感謝。

 ......いっその事ここで雇い続けるのもありだな。うむ。専務に進言しよう。

 

八幡「あ、川崎。」

 

川崎「......何?」

 

八幡「お前ライブ当日は、バックでスタッフな。」

 

川崎「......は?」

 

八幡「パス用意しておくから、詳しくは一色に聞いてくれ。」

 

川崎「......急展開すぎてついていけない。」

 

一色「大丈夫です。わたしもそうでしたから。」

 

 

 

 ライブ当日。会場は横浜アリーナ。当初はハコがでかすぎるか?とも心配したが、それは杞憂に過ぎなかった。チケットはいつもより1000円高くなったが、発売と同時に即完売。

 まあ、一部ネットで『チケット高えよ!』だの『ついにボッタクリが......』などと騒がれていたが、出演者を順次発表していくと、あっという間に収まった。逆に『豪華すぎる!』との声があがるほどだ。

 開場まであと30分。......そろそろ来る頃だな。

 

「Prrrrrr......」

 時間通り。ホントにあの人は.....

 

八幡「高町さん、一色、すまん。少しはずすわ。」

 

高町「あ、はい!わかりました。」

 

一色「何かあったんですか?」

 

八幡「案内だよ。関係者席のな。」

 

 そう一言告げ、その場を離れる。会うのは久しぶりだな......声は元気そうだったが......

 関係者入り口。その人はすぐに見つかった。

 

八幡「おう。久しぶり。」

 

母「久しぶりね......見違えたわ。いい男になったじゃない。」

 

八幡「......うるせえよ。んじゃ、案内するわ。ついて来てくれ。」

 

母「お願いね。」

 

 母ちゃんを連れて歩く。母ちゃんと2人で歩くなんていつぶりだ?覚えがねえや。ま、いいか。とりあえず専務には会わせておこう。

 

 

 VIPルーム

 

母「......ここで見るの?」

 

八幡「あ?違う違う。ちょっとした挨拶だ。」

 

 遠慮なくドアを開け、中に入っていく。

 

母「あ、あんた......ノックくらいしなさいよ......」

 

八幡「あん?必要ねえよ。あの人には。」

 

 中にいるのは専務と今西部長。......あなたたち、いつも一緒ですね。

 

今西「おや?比企谷君かね?」

 

専務「......何かトラブルか?」

 

八幡「いえ、問題ないです。紹介したい人がいたんで連れて来ました。」

 

専務「そうか。後ろの方かね?」

 

八幡「はい。紹介します。俺の......母です。」

 

母「......比企谷志穂と申します。息子がいつもお世話になっております。」

 

八幡「んで、こちらが美城専務で、あちらが今西部長。」

 

今西「こちらこそ。比企谷君には、いつもお世話になっております。」

 

専務「お世話になります。比企谷君、お母様は海外ではなかったか?」

 

八幡「来てもらったんすよ。せっかくだったんで。」

 

母「あんた!上司になんて話し方してんの!申し訳ありません。うちの息子が......」

 

専務「かまいません。私がいつも通り話すよう伝えておりますので。」

 

母「......失礼ですが、どのようなご関係で?」

 

専務「彼は専務付でして、私の右腕として勤めていただいております。」

 

母「......へ?」

 

今西「彼は専務付きだけでなく、Project Kroneのプロデューサーでもあります。さらには、今ライブの統括責任者も務めております。」

 

母「......あんた何やってんの?」

 

八幡「あ?仕事に決まってんだろ。ま、いいや。じゃ、専務。関係者席に連れてくんでこの辺で。」

 

専務「待ちなさい。」

 

八幡「はい?」

 

専務「お母様はこちらで見学していただきなさい。」

 

母「......へ?」

 

八幡「......いいんすか?」

 

専務「かまわん。それに、いろいろと話したいこともある。」

 

八幡「まあ、母ちゃんが良けりゃいいっすけど......」

 

 母ちゃんも気が乗ったらしく、首を縦に振っている。......多分キャリアウーマン同士何かあるんだろうな......

 

八幡「わかりました。んじゃ、俺は現場に戻ります。」

 

専務「ああ。ご苦労だったな。」

 

今西「比企谷君、楽しみにしているよ。」

 

八幡「はい。......腰抜かさないでくださいね。」

 

今西「はっはっはっ。それは怖いな。」

 

八幡「では、失礼します。」

 

 まあ、あそこなら母ちゃんもゆっくり見られるだろ。専務、マジ感謝。

 なら俺は......あそこからでも感動できる様なステージを......作り上げるだけだ。

 

 

 

 開演5分前。緊張している一色。

 なぜなら、オープニングで今回のライブの説明を一色にさせるからだ。「無理です!」と言っていたが「これで人気が出ればアイドルに......」と仄めかしたら乗って来た。すぐに。

 ......チョロいな。

 

一色「やばいですやばいですやばいですぅ〜!」

 

八幡「お前なら大丈夫だ。いつものノリで、客の心掴んでこい。」

 

一色「せんぱい......なら、勇気ください。」

 

八幡「あ?どうすりゃいいんだ?」

 

一色「......名前。」

 

八幡「......は?」

 

一色「......名前で呼んでください。」

 

八幡「......お前なら大丈夫だ。客を温める役頼んだぞ。......いろは。」

 

いろは「っ!はい!」

 

八幡「よし!行ってこい!」

 

いろは「いろは、いっきま〜す!」

 

 頑張れ!いろはす!

 

いろは『みなさーん!こんばんはー!』

 

客『こ、こんばんはー?』

 

いろは『あれ?元気ないですねぇ?もう一回!こんばんはぁー!」

 

客『こんばんはー!』

 

いろは『はいっ!バッチリです!ライブを始める前に、わたしから連絡があるので、聞いてくださぁい!』

 

客『はーい♪』

 

客『可愛いよー!』

 

いろは『ありがとうございまぁす♪まず、皆さん!リストバンドはつけてますか?』

 

客『付けてるよー!』

 

いろは『ありがとうございまぁす!スイッチを入れても、何も起きないと思うんですけどぉ............青!」

 

客『......うおおおおおおおおおおおお!』

 

客『なんだコレ!スゲー!』

 

 観客のリストバンドが一斉に青く光る。一面の青。観客も意味がわかったのか、サイリウムをしまっていく。

 

いろは『次は......黄色!』

 

客『うおおおおおおおおおおお!!』

 

いろは『最後は............コレ!』

 

 客席に文字が映し出される。

 

 『Live Party』

 

客『うおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

いろは『コレでいろいろな演出をしていきますので、楽しみにしててくださいね!』

 

客『うおおおおおおおおお!!!!』

 

いろは『それとぉ、ボタンがついてると思うんですけどぉ......』

 

客『これなにー!』

 

いろは『今から説明しますからぁ。そんなに焦らないでくださいねっ♪』

 

 あ、何人か崩れ落ちた。......あのあざとさに落ちたな。

 

いろは『これから沢山のユニットが出てくるんですけど、終わった後にいいなって思ったらボタンを押してください!』

 

客『なんでー?』

 

いろは『いい質問です!』ビシィ!

 

 こらこら。指さすんじゃありません!あ、また何人か崩れ落ちた。

 

いろは『ボタンを押してぇ............投票の多かった5組にデビューしてもらっちゃいます!』

 

客『......えええええええええええ!』

 

いろは『な・の・で!全部押しちゃダメ!ですよ!』

 

 あ、さらに......

 

いろは『では!そろそろ行きましょう!みなさん、準備はいいですか!』

 

客『うおおおおおおおおお!!!!』

 

いろは『まずは会場を温めてもらいましょう!CPのみなさん、お願いします!』

 

客『うおおおおおおお!!!!』

 

 いろはが捌けると同時に曲が始まる。オープニングはやっぱりこれだろう。CPによる『お願い!シンデレラ』まずはコレで一気に行く。

 

 CPが終わってさらに......次はLiPPSだ。この曲では、5人のイメージカラー毎に、目まぐるしくリストバンドの色も変わっていく。

 

 LiPPSの出番も終わり、今後は新生ユニットの出番。先の2組に参加したメンバー達が含まれるユニットは後回しにしているため、なんの問題もない。

 

美波「八幡君!」

 

八幡「ん?おお、美波か。先頭バッターお疲れさん。」

 

美波「うん!しっかり温めてきたから!」

 

八幡「サンキューな。やっぱオープニングはあれじゃないとな。」

 

未央「だよねだよね!」

 

八幡「お?おお?なんだ未央か。いきなり混ざってくんな。」

 

未央「ごめんごめん。でもすっごいよ!あのリストバンド!」

 

美波「そうね。私たちまで楽しくなってきちゃう!」

 

未央「ホントいい事思いついたよね!」

 

八幡「だろ?もっと褒めろ。」

 

未央「ち、調子に乗りおって......」

 

美波「でも、本当に凄いと思う。この後も楽しみだな♪」

 

未央「この後と言えばさ、ハッチーのユニットってどんなことするの?」

 

八幡「あ?『Masque:Rade』か?」

 

美波「......ユニット名まで決まってるの?」

 

八幡「ああ。......1位間違いねえからな。」ニヤ

 

2人「っ!!」

 

未央「い、言ってくれるじゃん。」

 

美波「すごい自信ね......私たちも負けないから!」

 

八幡「いいや。無理だな。」

 

美波「っ!そ、そこまで言うんだ。参考までに簡単でいいから教えてもらえない?」

 

八幡「......新曲。」

 

未央「え?」

 

八幡「......新衣装。」

 

美波「うそ......」

 

八幡「......特殊編成。この3つが俺たちの武器だ。」

 

まゆ「......そうです。八幡さんがまゆのために用意してくれた曲......他のユニットに負けるはずがありません......」

 

未央「い、いつのまに......」

 

美波「だったら、楽しみにしてるね。」

 

八幡「おう。そうしとけ。お前も体調気をつけろよ。あと2回出番あんだから。」

 

美波「ありがとう。じゃあ、準備してくるね。」

 

未央「あ、私も!じゃあ、ハッチー!また後で!」

 

八幡「おう。頑張れよー。」

 

 ......2曲後に美波たち、そのあと未央たちか。

 

八幡「まゆ、あの2組がうちと争ってくる。」

 

まゆ「......はい。負けません......まゆは、八幡さんのために......あの歌を歌います。」

 

八幡「そ、そうか。よろしくな......」

 

まゆ「では、まゆも準備があるので......」

 

八幡「おう。行ってこい。」

 

まゆ「はい。」

 

 ......未央じゃないが、ホントいつの間に来たんだよ。マジ怖え......

 

 

 

 今ステージにいるのは、楓さん、川島さん、松永、奏、美波の5人。個人の人気度で言えば、このユニットが一番だろう。

 それに、まさか奏が参加するとは思っていなかった。まあ、「楓さんや美波さんを近くで見て、自分となにが違うのかを知りたいの。」なんて言われたら断れません。しっかり勉強して来なさい!

 そんなユニットだ。今までとは客の盛り上がりが段違いだ。......すげえな。

 

卯月「八幡さん......」

 

八幡「......緊張してるか?」

 

卯月「......はい。それに、この後に出るのが少し怖くて......」

 

八幡「大丈夫だ。凛も未央も一緒だ。唯に上条だっている。それに......俺もな。」

 

卯月「......え?」

 

 コテンと首を傾げる......可愛い。じゃなくて、胸元を指差す。

 

卯月「あっ......そうでしたね!ずっと一緒なんですよね......」

 

八幡「おう。ここからちゃんと見てるからな。」

 

卯月「はいっ!島村卯月っ!頑張ります!」

 

八幡「おう。行ってこい。」

 

卯月「はい!」

 

 あれなら大丈夫だ。頑張れ!卯月!

 

専務「......いいライブになっているじゃないか。」

 

八幡「あ、お疲れっす。視察っすか?」

 

専務「まあな。お母様も楽しんでくれているよ。」

 

八幡「ならよかったっす。」

 

専務「あのリストバンド......どうかと思っていたが、なかなかのものじゃないか。オープニングには驚かされた。」

 

八幡「金かけた甲斐がありましたね。」

 

専務「そうだな。君のユニットはこの次だったか?」

 

八幡「はい。今は卯月たちなんでそうです。」

 

専務「......楽しみにしている。」

 

八幡「専務。」

 

専務「なんだ?」

 

八幡「出来たら、客席から見てください。」

 

専務「......そうしよう。」

 

八幡「あざっす。最高の仮面舞踏会をお見せします。」

 

 あいつらはもうスタンバイ済みだ。

 

 

卯月『ありがとうございましたー!』

 

 

 きた。あいつらの出番だ。

 

 卯月たちが捌け、ステージが暗転。

 

 曲がはじまると同時に、パッとステージ上の5人にスポットライトが当たる。

 真紅のドレスを身に纏った5人。

 会場は赤一色。

 

奏「......やられたわね。」

 

八幡「......どうだ?」

 

奏「......勝てる気がしないわ。新曲に新衣装......あの配置は?」

 

八幡「わざとだ。他と違うことをやりたかったからな。」

 

奏「そう......私たちは本当に恵まれているわね。」

 

八幡「あ?何のことだ?」

 

奏「あなたの元を離れてわかったのよ。私たちは今まで、あなたに輝かせてもらっていた事が。」

 

八幡「......んなの、お前の実力だ。」

 

奏「違うわ。今回思ったのよ。私のいたユニットは楓さんを輝かせるものだったわ。でも、あなたは違う。5人全員を最大限に輝かせている。......こんなの、敵うはずないじゃない。」

 

八幡「奏......」

 

 悔しそうに手を握りしめている。......こいつ負けず嫌いだからな。だが、ここまで表に出すのは珍しい。余程悔しいのだろう。

 

八幡「......大丈夫だ。お前も本当に良かったぞ。」

 

奏「......お世辞はいいわ。」

 

八幡「そうじゃない。あの錚々たるメンバーに引けを取ってねえんだ。それだけですげえっての。」

 

奏「......あなたに言われると、そう感じてしまうから不思議ね。」

 

八幡「だから自信持て。お前はクローネの看板娘なんだからな。」

 

奏「いつからクローネは定食屋になったのよ......」

 

八幡「......わかりやすくていいじゃねえか。」

 

奏「ふふっ。そうね。なら私はマスターの顔に泥を塗らないようにしないとね。」

 

八幡「おう。頼んだぞ。」

 

奏「ええ。任せて。マスターさん。」chu!

 

八幡「な!ばっ!おまっ!」

 

奏「ふふっ、今は頬で我慢しておくわ。それじゃ。」

 

 ......やられた。アイツは絶対に何もしてこないって油断してたわ......だ、誰にも見られて......たぁぁぁぁ!

 

八幡「み、見なかったことにしてくれ......」

 

奈緒「......無理。」

 

八幡「どうしてもか?」

 

奈緒「な、なら、条件がある!」

 

八幡「......なんだ?」

 

奈緒「ああああたしと、で、デート!一回でいいから!」

 

八幡「......すまん。それはできん。」

 

奈緒「なら!何かちょうだい。卯月みたいに......」

 

八幡「......わかった。それで手をうとう。」

 

奈緒「ぜ、絶対だからな!嘘ついたら卯月に言うからな!」

 

八幡「......おう。わかった。」

 

奈緒「じゃ、じゃあな!行ってきます!」

 

八幡「......おう。」

 

 ......出番終わってんじゃん。まともに見れなかった......

 

 

 

 順調にライブも進み、大トリはアインフェリアだ。この間に集計を終わらせて、結果発表。

 ぶっちゃけ俺も順位は知らん。いろはの発表待ちだ。周りのPさんたちもかなりそわそわしている。......そんなに睨んだって順位は変わらないっての。

 

 アインフェリアのステージも終わり、現在ステージ上にはいろはのみ。き、緊張するよぉぉぉ......

 

いろは『では!5位から順に発表しちゃいます!』

 

客『うおおおおおおおおおお!』

 

 次々と発表されていく。

 

 5位 片桐さん、及川、堀ユニット。たまにこの3人組は見てたしな。妥当だろう。

 

 4位 奈緒、ウサミン、荒木さんユニット。......濃いな。あっちの意味で。

 

 3位 ニュージェネ、唯、上条ユニット。まあ予想通り。武内さん、やっぱこれはずるいっすよ。

 

 2位......ここで呼ばれなければ1位確定だ。頼む......

 

いろは『第2位は......楓さん、瑞樹さん、涼さん、美波さん、奏さんの5人ユニットです!』

 

客『うおおおおおおおおお!!』

 

客『マジで⁉︎』

 

客『って事は!』

 

八幡「よしっ!」

 

いろは『そして!栄えある第1位は......」

 

客『......』

 

いろは『もう一度歌っていただきましょう!この方たちです!』

 

 は?マジで?俺聞いてないんだけど!

 

武内「比企谷さん。勝手にプログラムを変更してすみません。」

 

八幡「......武内さんが?」

 

武内「はい。その......結果があまりにもダントツでしたので......」

 

八幡「......マジっすか?」

 

武内「はい。お客様の9割5分が投票しています。2位で8割程度です。」

 

八幡「......マジか。」

 

武内「本当に素晴らしいユニットです。多田さんや緒方さんにも、あのような面があったのですね......」

 

八幡「俺も驚きました。想像以上です。」

 

武内「......完敗です。」

 

八幡「アイツらの頑張りのおかげですよ。」

 

武内「それもありますが、同時に比企谷さんのお力でもあります。自信を持ってください。」

 

八幡「......うす。」

 

 でも、良かった......お前たちサイコーだよ!

 

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