※この作品はR-18です。

八幡奮闘記   作:ナマケモノmkⅡ

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33話√卯月

 た、高町隆也......入社してから初めて呑みに誘われました!

 思えば小中高と親の言いつけで勉強ばかり......友達も出来ず、暗い青春......

 極めつけは大学時代には雪ノ下さんにこっぴどくフラれる始末......

 挙げ句の果てに、やっとの思いで入社した346プロでは師匠にコテンパンにされ、アイドルたちの前で粗相を......

 ですが!師匠こと、比企谷さんのお姿を間近で拝見し、僕は生まれ変わりました!

 人を見下す癖を治し、師匠の名言を全て記憶し!あ、ちなみに今346項です。ちょうど346ですね。......日々精進してきた結果......

 

 初めて同期に誘われましたああああ!

 

 か、感動のあまり目から汗が......

 あ、これも師匠の受け売りです。

 

 今日も仕事はあったのですが......

 

八幡「あ?誘われた?なら行けばいいんじゃないっすか?付き合いも必要でしょ。」

 

 と、気を使っていただき......高町、感涙を抑えきれません!

 

同僚1「高町......何泣いてんの?」

 

同僚2「さっきから泣きっぱなしじゃん。どうした?」

 

隆也「い、いや。師匠の気遣いに感動して......あ、すみません、生3つで。」

 

店員「かしこまりましたー!」

 

同僚1「は?師匠?」

 

同僚2「師匠って......噂の比企谷Pか?」

 

隆也「おう。あの人、マジ神なんだよ......」

 

同僚2「神って......実は俺も気になってたんだよ!」

 

同僚1「俺も!卯月ちゃんとやけに仲良いしさ!」

 

 ......は?こいつ島村さん狙ってんの?師匠の彼女に手出したら殺されんぞ?

 

店員「おまたせしました!」

 

隆也「あ、どうも。んじゃ、先ずは乾杯!」

 

2人「かんぱーい!」

 

隆也「えっと......田中だっけ?」

 

田中?「いや、鈴木だ。」

 

隆也「す、すまん。鈴木、お前島村さん狙ってんの?」

 

 し、師匠の喋り方を真似してしまった......

 

鈴木「だってさ、あのスタイル堪んなくね?」

 

同僚2「俺も思う!あ、俺は伊藤な。しかも最近超エロくね?」

 

 こいつら......師匠に報告だな。

 

隆也「そうか?よくわかんねえや。」

 

鈴木「かー!これだからいい部署にいるやつは!」

 

伊藤「お前いいとこ行ったよな......羨ましい。」

 

隆也「バッカバカ!師匠メチャクチャ怖えんだぞ!最初マジ殺されると思ったくらいだ......」

 

鈴木「......まっさかあ......で、マジ?」

 

隆也「......おう。」

 

伊藤「......例えば?」

 

隆也「ま、真似するぞ。」

 

2人「お、おう。」

 

 あの時の師匠を思い出せ......

 

 漏らしそう。

 

隆也「んんっ!......『ウチのアイドルに手ぇ出すんじゃねえぞ。あんたの見え透いた考えなんざお見通しだ。わかったな?』」

 

2人「ひぃっ!」

 

隆也「......これ言われた時、恥ずかしながら......漏らしたんだよ。」

 

鈴木「......マジで?」

 

伊藤「......嘘だろ?」

 

隆也「い、いや。お、おおおおおお思い出すだけで......」ガタガタ

 

鈴木「お、落ち着け!」

 

伊藤「どんだけ怖えんだよ......」

 

隆也「......はあ、だからな。絶対にあの人が手掛けてるアイドルには手を出すなよ?」

 

鈴木「だ、出したら......」

 

伊藤「どうなるんだ?」

 

 親指を立てて首の前を一閃。

 

鈴木「......」

 

伊藤「......まじか。」

 

隆也「......専務直通だからな。」

 

伊藤「き、気をつけないとな。」

 

鈴木「卯月ちゃぁぁん......」

 

 こいつ......よりによって1番手を出しちゃいけない人に......

 

隆也「でも、ホントに凄いよあの人は。」

 

伊藤「は?どこが?」

 

隆也「はぁ?わかんねえの?Masque:Radeなんかいい例だろ。」

 

伊藤「んん?」

 

隆也「言い方は悪いけど、あの5人で際立って目立つアイドルいるか?」

 

伊藤「......強いて言えば美穂ちゃんか?」

 

隆也「だろ?普通に考えて、高垣楓、川島瑞樹、新田美波、松永涼、速水奏。この5人に勝てるか?」

 

伊藤「......無理だな。言われてみれば、圧倒的な印象だったもんな。」

 

隆也「あの時な、『この5人なら絶対に行ける!見てろよ高町、度肝抜いてやる!』って言ってたんだよ。」

 

伊藤「......なんだそれ。メチャクチャかっこいいじゃん!」

 

隆也「だろ!」

 

伊藤「しかもやってのける......くぅー!お前が師匠って呼ぶのもわかるぜ!」

 

隆也「俺、ホント師匠につけて良かったって思うよ。クローネのみんなもいつも言ってるし。」

 

伊藤「羨ましい!高町!俺と部署変わってくれ!」

 

隆也「断る!」

 

伊藤「一週間!一週間でいいから!」

 

隆也「俺に言うなって!」

 

伊藤「だよなー。でもさ、変わんなくていいからつかせてくれって聞いてみてくれね?」

 

隆也「......わかったよ。聞いてみる。でも、期待すんなよ?」

 

伊藤「サンキュー!あ!俺のことは潤でいいぜ!」

 

隆也「ああ!俺も隆也でいい。よろしくな、潤!」

 

潤「おう!隆也!」

 

 生まれて初めて友達らしきものができました......

 ありがとうございます。師匠......あなたのおかげです!

 

 ところで......田中?がずっと喋らないけど、大丈夫か?

 

 

 

 

八幡「......よし。完成だ......」

 

 ふふっ......待ってろよ......

 

 

 

 

 昨日の夜遅くに、八幡さんから『明日の13時にクローネの事務所に来てくれ。凛と響子を連れてな。』とメッセージが来ました。

 きっとお2人のお誕生日だから何か用意してくれたんですね!さすが八幡さんです!

 凛ちゃんには直接行っていただいて、まだクローネに不慣れな響子ちゃんは私がお迎えです!

 響子ちゃん......喜んでくれると嬉しいです!

 

??「島村さん!」

 

 あ......また田中?さんです......

 

卯月「は、はい。なんでしょう?」

 

田中?「急いでどうしたの?」

 

卯月「き、響子ちゃんを迎えに......八幡さんに呼ばれてて......」

 

田中?「ちっ......またあいつか......」

 

 え?舌打ち?それにあいつって......

 

田中?「そんなことよりさ、これからカフェでもどうかな?」

 

 ......そんなことってなんですか?八幡さんとプロデューサーさんの呼び出しより大切なことはありません!

 

卯月「......プロデューサーさんの呼び出しをそんなことって......」

 

田中?「え?」

 

卯月「おかしいです!プロデューサーさんからの呼び出しをそんなことって!八幡さんは無駄に呼び出したりしません!」

 

田中?「......どいつもこいつも比企谷比企谷......」

 

 な、なんだかこの人怖いです......

 

田中?「お前は黙ってついてくりゃいいんだよ!変に口ごたえすんじゃねえ!」

 

卯月「ひっ......」

 

 こ、怖いです怖いです怖いです!痛いっ!は、八幡さん助けて!

 

田中?「いいからこい!」

 

卯月「い、いやですっ!」

 

 助けて!

 

田中?「黙ってこい!」バシッ

 

卯月「きゃっ......」

 

 ......え?ぶたれた......?え?え?怖い......怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!

 だ、だれか......だれか!

 

未央「おーい、しーまむー!」

 

 み、未央ちゃん!

 

田中?「ちっ......」

 

 ......こ、怖かったです......震えが......

 

未央「ちょっと!しまむーどうしたの!」

 

卯月「み、みおじゃぁぁぁぁぁぁん!こわかっだでずぅぅぅ......」だきっ

 

未央「え?えええ?と、とりあえずハッチーに......」

 

卯月「じらぜないでぐださぁぁぁい......うっく......」

 

未央「で、でも......」

 

卯月「うう......うっ......」

 

未央「しまむー顔......」

 

卯月「だ、大丈夫です......」

 

未央「もしかしてぶたれたんじゃ......」

 

卯月「大丈夫ですから!」

 

未央「な、なら今日は帰りなよ......さすがに見せられないでしょ?」

 

卯月「......はい。未央ちゃん、響子ちゃんを八幡さんのところに連れて行ってあげてください......」

 

未央「う、うん。......一人で大丈夫?」

 

卯月「......はい。また......明日。」

 

未央「き、気をつけてね......」

 

 

 

 ......卯月が来ない。約束の時間は過ぎてる。凛が来ている時点でメッセージをみてないと言うことはない。なら響子が捕まらないか?だが卯月なら連絡の一つは来るはずだ。

 

 モヤモヤすんな......

 

 それと嫌な予感が......

 

 「コンコンコン」

 

 ......だれだ?

 

凛「どうぞー。」

 

 入って来たのは......未央と響子。

 は?なんで?

 

八幡「......卯月はどうした?」

 

3人「ヒィッ!」

 

未央「こ、怖いよハッチー......」

 

八幡「......すまん。なんか......嫌な予感がな......」

 

未央「たまたましまむーに会ってさ、体調悪くて帰るからきょーちゃんをここにって......」

 

 は?体調が悪い?自分から帰る......だと?

 

八幡「......嘘だな。」

 

未央「(ビクッ)」

 

八幡「......正直に答えろ。......何があった。」

 

未央「し、しまむーが廊下で転んでて......知らない男の人がいて......私が駆け寄ったらどこかに行っちゃったけど......しまむー泣いてて......多分ぶたれてた......」

 

 は?......卯月がぶたれた?

 

八幡「......顔覚えてるか?」

 

未央「う、うん。でも名前はわかんない。多分新入社員の人......」

 

八幡「......凛。」

 

凛「はいっ!」

 

八幡「高町を呼べ。」

 

凛「は、はいっ!」

 

響子「あ、あの、もしかしたら、田中って人かもしれないです......」

 

八幡「......おう、サンキュ。」

 

高町「お、おまたs「田中って知ってるか。」......はいっ!」

 

八幡「......連れて行け。」

 

高町「はいい!」

 

 

 

凛「あ、あれ本気でまずいよ。」

 

未央「あそこまでは初めて......」

 

響子「だ、大丈夫ですか?」

 

凛「つ、ついて行こう!」

 

 

 

 

高町「こ、ここです。」

 

 来た場所は夕美の所属する部署。

 Pさんと夕美には迷惑かけるが......

 

 無理だ。

 

 我慢できん。

 

 構わず中に入る。何人かアイドルがいるが知ったことか。

 

夕美「あれ?八幡く......ん......」

 

八幡「夕美。新卒者はどこだ。」

 

夕美「今Pさんのへy「わかった。」......ちょ、ちょっと!」

 

 ......ダメだ。抑えらんねえ......

 

 プロデューサールームのドアを乱暴に開け中を見渡す。Pさんと見覚えのない男......

 あいつか?

 

八幡「......未央、あいつか。」

 

未央「う、うん。」

 

 許さねえ。

 

夕美P「ど、どうしたの?比企谷くん......」

 

 すんません。あとで謝ります。

 

 男に近づく......

 

八幡「......てめえか。」

 

田中?「え?」

 

八幡「卯月を殴ったのはてめえか......」

 

夕美P「えっ?」

 

田中?「殴ってないよ。年長者の言うことが聞けないから教いk......グェッ」

 

 首を掴みそのまま壁に叩きつける。

 

 許さねえ。

 

 絶対に許さねえ......

 

八幡「ぶっ殺す......」

 

6人「っ!!」

 

八幡「てめえだけは......」

 

田中?「......かはっ......」

 

凛「ま、待って!」

 

夕美「八幡くん!」

 

夕美P「ダメよ!離しなさい!」

 

未央「は、ハッチー!」

 

響子「八幡さん......!」

 

高町「ダメですっ!......くそっ!離れねえ!」

 

八幡「許さねえ。絶対に許さねえ!てめえだけは!」

 

 男が手をタップしてくるが知ったことか......

 卯月が味わった恐怖はこんなもんじゃねえはずだ......

 

凛「ダメッ!卯月を泣かせる気!」

 

 ......は?卯月が......泣く?

 

凛「そのままだと卯月といられなくなるよ!」

 

 手から力が抜ける......卯月といられなくなる?無理だ。考えられねえ......

 

田中?「ゲホッゴホッ!......な、なんなんだこいつ......プロデューサー!」

 

夕美P「......あなた、島村さんに手を上げたというのは事実なの?」

 

田中?「そ、それはあの子がっ......」

 

夕美P「......比企谷プロデューサー。大変申し訳ございませんでした。」

 

八幡「なんであなたが......」

 

夕美P「部下の不始末は上司の責任です。」

 

八幡「そんな......」

 

夕美P「本当に申し訳ございません。」

 

八幡「......いえ。俺こそすみません。やりすぎました。」

 

夕美P「たしかにそうね。でも、原因はこの馬鹿よ。アイドルに手をあげるなんて......前代未聞だわ。懲戒解雇は確実ね。」

 

田中?「ま、待ってください!それだけは......」

 

八幡「......専務を呼びます。」

 

夕美P「......お願い。」

 

 

 

 来てくれた専務に事の顛末を説明。当然のことながら、田中ではなく、鈴木とやらは懲戒解雇。今後一切就職は無理だろう。俺と夕美Pに関しては始末書の提出。

 正直これだけで済んだのはありえないことだと思う。おそらく俺たちに関しては、うち内で済ませるつもりだろう。

 専務、本当にすみません。

 

八幡「この度は、大変ご迷惑をお掛けしました。」

 

専務「......次はないぞ。覚えておけ。」

 

八幡「はい。」

 

専務「だが、そんなことはどうでもいい。君には他にやる事があるだろう。」

 

八幡「......え?」

 

専務「行ってあげなさい。彼女のところに。」

 

八幡「っ!!はいっ!ありがとうございます!」

 

 脇目もふらず走る。

 

 ただひたすらに。

 

 卯月の元へ。

 

 待ってろ!今行くから!

 

 

 

 

 クローネの事務所にみんなで帰ってきた。八幡に呼ばれてたから少し期待してたのに......誕生日。

 でも、本当に驚いた。八幡てあんな一面があったんだ。いつも冷静ですぐ噛んで、怒るって言葉にあまり縁がなくて......あれが本気で怒った八幡なんだ......

 すごく怖かったけど......同時に卯月が羨ましいと思った。多分私たちのために怒りはするけど、あそこまでにはならない。ああなるのは卯月のためだけ。

 

凛「ホント敵わないなぁ......」

 

響子「え?」

 

未央「......だね。あーあ、これは本気で諦めなきゃかな〜......」

 

響子「え?どういう......」

 

凛「私も未央も八幡が好き。しかも一度フラれてる。」

 

未央「うん。諦められなくって......でも......」

 

凛「......うん。敵わないかなって思っちゃった。」

 

響子「そうだったんですか......」

 

凛「......悔しいな。」

 

未央「......うん。でも、嬉しいのもあるかな。」

 

響子「嬉しい......ですか?」

 

凛「......そうだね。卯月が幸せになれるから。」

 

未央「それは間違いないよね。」

 

響子「お2人とも強いですね。」

 

凛「そんな事ないよ。」

 

未央「うん。強がってるだけ。じゃないと、泣いちゃうから。」

 

凛「未央、昨日の卯月見た?」

 

未央「嬉しそうだったな〜。何かあったのかな?」

 

凛「左手の薬指。指輪があった。」

 

未央「......そっか。」

 

響子「......知ってたんですか?」

 

凛「うん。気づいた。聞いたわけじゃないけど。プロポーズって言葉にも反応してたし。」

 

響子「凄いですね......」

 

凛「大好きな人たちのことだもん。わかるよ。」

 

未央「なら、お祝いしなきゃね!」

 

凛「まだ早いよ。どうせ八幡のことだから、引退したらって言ってそうだし。」

 

未央「そうかも!」

 

 「コンコンコン」

 

 ノック?誰だろ?

 

未央「どぞー。」

 

高町「失礼します。師匠から連絡があって......コレを渋谷さんと五十嵐さんにだそうです。」

 

 箱?なんだろ?

 

高町「開けてください。」

 

 え?ケーキ?でもなんか不恰好......もしかして作ったの?

 

響子「こ、これって......」

 

高町「師匠から伝言です。お名前で呼ぶのはご容赦ください。『凛、響子。誕生日おめでとう。ちゃんと祝ってやれなくてすまんな。一応作ってみたんだが、よかったらみんなで食ってくれ。味の保証はしないがな。』だそうです。」

 

凛「......ずるいな。諦められなくなっちゃうじゃん......」

 

響子「素敵な方です......」

 

未央「ダメだよきょーちゃん。惚れたら痛い目にあうぜえ!」

 

響子「す、少し危険です......だってずるいですよ......」

 

凛「ホントあの男は......」

 

未央「それがいいところなんだけどね〜」

 

凛「ホント、厄介なの好きになっちゃったね。」

 

未央「だね。」

 

響子「は......あれ?」

 

未央「うわぁ......」

 

凛「落ちてたね。」

 

響子「そ、そんなことないです!」

 

未央「いいっていいって!他にもいっぱいいるんだから!」

 

響子「えええ⁉︎」

 

凛「私たちを除いてアイドル以外も含めると......10人くらいかな?」

 

未央「え?増えてない?7人じゃないの?」

 

響子「そ、そんなに......」

 

凛「知らないところにもっといるかもね。」

 

未央「ありそうですなぁ......」

 

凛「仕方ないよ。だってかっこいいもん。あいつ。」

 

未央「だね。」

 

響子「ですね。」

 

凛「さ、食べよっか。」

 

未央「うんっ!」

 

響子「はいっ!」

 

 八幡の作ってくれたケーキ。チョコレートなのは私だからかな?

 

未央「うっ!」

 

凛「ど、どうしたの?」

 

響子「み、未央ちゃん?」

 

未央「......うますぎる。」

 

2人「......(ゴクリ)......ぱくっ............!!!」

 

未央「......どう?」

 

凛「んんー!」

 

響子「美味しいです!」

 

未央「い、胃袋まで掴んでくるとは......恐ろしい奴め......」

 

凛「やっぱ諦められない。」

 

響子「はいっ!」

 

 3人で全部食べちゃった......

 

 

 また作ってね、八幡。

 

高町「僕の分......」

 

 

 

 

 本当に怖かったです。

 痛くて......力も強くて......

 

 いつも八幡さんが、どれだけ優しく扱ってくれているかがわかりました。

 

 ......約束破っちゃいました。連絡も入れずに。八幡さん怒ってますよね......

 

 未央ちゃんが誤魔化してくれてると思いますが、多分バレちゃいます。

 八幡さんに嘘や誤魔化しは通じませんから。

 

 八幡さん会いたいよ......

 

 「コンコンコン」

 

 ......ママかな?

 

卯月「なぁにーママ。」

 

 入ってきました。帰ってきた時驚いてたので......心配かけてごめんなさい。

 

??「卯月......」

 

 え......この声......

 

卯月「はち......まんさん......」

 

八幡「......卯月!」

 

 えっ......どうしたんですか?突然......でも......抱きしめられると......安心します。八幡さんの温もり......

 

八幡「......ごめんな。怖かったよな......」

 

 ......やっぱり知ってるんですね。

 

卯月「......どうして八幡さんが謝るんですか?」

 

八幡「......守れなかった。だから......」

 

 そんなことはありません。いつも守ってもらってます。

 

卯月「そんなことないです。いつも......ありがとうございます。」

 

八幡「......」

 

 泣いてくれるんですね。私のために。

 嬉しいです。

 

 たまには......思いっきり泣いてください。

................................................

 

..............................

 

............

 

八幡「すまん。心配してきたのに俺が......」

 

 少し赤くなって照れてる八幡さん......可愛いです!いつもはカッコいいのにたまに見せるコレが......はぅっ......

 

卯月「大丈夫です!八幡さんの顔を見たら元気になりました!」

 

八幡「......なら良かったわ。」

 

 それから、あの後の話を聞きました。あの人のところへ行ったこと。やりすぎてしまったこと。そして......あの人がクビになったこと。

 

卯月「は、八幡さんは......」

 

八幡「ん?俺か?俺は始末書だ。あれだけやらかしてこの処分だ。......専務に助けられたな。」

 

卯月「良かったです......」

 

八幡「あの時は頭に血がのぼっててな。......何も考えられなかった。」

 

卯月「八幡さんでもそんなことあるんですね。」

 

 少し意外です。いつも冷静な八幡さんがそんな風になるなんて。

 

八幡「卯月がぶたれたって聞いてな。......正直そのあとあんまよく覚えてねえんだわ。だから説明もかなりザックリしてただろ?」

 

卯月「い、言われてみれば......」

 

八幡「凛に止められなかったら......まずかったな。ゾッとする。」

 

卯月「......すみません。私のせいで。」

 

八幡「それは違う。悪いのはあの馬鹿と、感情を抑えられなかった俺だ。」

 

卯月「でも、嬉しいです......」

 

八幡「......は?」

 

卯月「私のため......なんですよね?」

 

八幡「そりゃ......まあ......そうかもな。」

 

卯月「ふふっ。」

 

八幡「......なんだよ。」

 

卯月「なんでもありませぇん♪」

 

八幡「......」

 

卯月「......早く結婚したいです。もっとずっと一緒にいたいです。」

 

八幡「......そのことなんだが、前言ったこと撤回していいか?」

 

卯月「えっ......」

 

八幡「......卒業。」

 

卯月「えっ?」

 

八幡「俺が大学を卒業したらに......変えてくれねえか?」

 

卯月「......はいっ!」

 

八幡「それと......」

 

卯月「それと?」

 

八幡「......卯月が卒業したら、一緒に暮らして欲しい。」

 

卯月「えっ......ええええええ⁉︎そ、それって!どどど同棲というやつですか⁉︎」

 

八幡「......卯月が嫌じゃなければだが。」

 

卯月「ど、どどどどうしましょう!わ、わt「いいわよ〜!連れて行っちゃって!」ま、ママァ⁉︎」

 

 ま、また盗み聞きして!

 

ママ「八幡さん。娘を......卯月をお願いします。」

 

卯月「ママ......」

 

八幡「......いいんですか?」

 

ママ「ええ。この子はそれが一番幸せだもの。」

 

八幡「......ありがとうございます。」

 

ママ「いいのよ。」

 

八幡「それと、後日改めてお邪魔させてください。お父様も含めてお話しがあります。」

 

ママ「楽しみにしてるわ。アレが生で聞けるのね♪」

 

卯月「もうっ!あまり八幡さんを困らせないでっ!」

 

ママ「あらあら、怒られちゃった。じゃ、八幡くん、ごゆっくり〜......」

 

 もう......ママったら......

 

八幡「ま、まあ、お義母さんの許可はもらえたし......あとは卯月なんだが......」

 

卯月「......不束者ですが......よろしくお願いします。」

 

八幡「......こちらこそ。」

 

 幸せです......

 

 八幡さん、愛してます。

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