レッスンルーム前の休憩所でぼんやりと考える。765と346の差。なぜこれだけ......
正直CPやクローネのメンバーの方がビジュアル面では上だと思うし、個性でも負けていない。では、なぜこれだけの差が出ているのか......年季が違うと言われればそれまでだが、それだけじゃない気がする。
例えば天海春香と島村卯月。
正統派でドジっ子属性。
次に星井美希と本田未央。
なんでも上手くこなすオールラウンダー。
最後に如月千早と渋谷凛。
クールな歌姫。
見事に被ってる......
......そうか。全部二番煎じなのか。メンバー内の個性だけを見てきたが、客からすれば似たり寄ったりと思われる。
765プロがTPにこだわっている理由。それは自分たちにないものだから。となると......意外性のアインフェリアとアダルティックなLIPPSはうち独自の路線。
だんだん見えてきたな......
赤羽根「......凄く話しかけずらい雰囲気だな」
秋月「そうですね。......何を考えているんですかね?」
赤羽根「......彼は俺たちとは、なんというか......思考回路が違う気がするんだ」
秋月「ええ。鬼才......という類ですかね」
赤羽根「それなんかしっくりくるな......」
秋月「単純にそう感じたんです」
赤羽根「恐ろしいよ。それこそ......黒井社長よりずっと」
秋月「......はい」
真「あぁ......考え込んでる八幡さんもカッコいい......」
萩原「ま、真ちゃんが......」
四条「......」
赤羽根「こうしててもしょうがない。......律子、比企谷さんを呼んでくれ」
秋月「えぇ! 私ですか?」
赤羽根「......頼んだ」
秋月「いやですよ! 怖いじゃないですか!」
赤羽根「お、俺だって! いきなり『どうしてくれようか......』なんて言われたんだぞ!」
秋月「......アレはすごい迫力でしたよね」
赤羽根「仕方ない......わかった、俺が行く」
秋月「いえ、私が行きます!」
真「ならボクが行く!」
2人「どうぞどうぞ」
如月「ぷふっ!」
双海姉妹「ダチョウ倶楽部だ......」
真「い、行くよ!」
赤羽根「頼んだ!」
......なんとなく固まってきたな。あとは......
真「は、八幡さん!」
八幡「ん?おぉ、真か」
真「は、はいっ! みんな準備できました!」
八幡「おう、サンキューな。......それ、私服か?」
真「はいっ! どう......ですか?」
八幡「似合ってる。だが、下はスカートでもよくないか?」
真「ボクは履きたいんですけど......評判良くなくて」
八幡「は? 評判? んなの気にすんな。お前は可愛いし、ちゃんと女の子なんだ。似合うんだから自信持て。」
真「......はい!」
八幡「次頼むな」なでなで
真「は、はぃ......」
八幡「んじゃ、行くか。赤羽根さん、着いて来てください」
赤羽根「あ、はい」
さて......サプライズといきましょう。
ふんふんふふ〜ん♪ 会議室〜♪
赤羽根「あの、次は一体......」
八幡「ん? 着いてのお楽しみですよ」
赤羽根「は、はぁ」
真「八幡さん! 八幡さんて今おいくつなんですか?」
八幡「俺か? 19だ。今年ハタチになる」
真「ボクの1つ上なんですね! 高校出て就職したんですね!」
八幡「いや、今は大学生だ。まあ、ここはバイトだな」
12人「大学生(ですか)⁉︎」
八幡「ああ。意外か?」
秋月「意外と言うより異常ですよ。普通両立なんて不可能です」
八幡「そうでもないですよ? うちのメンバーはほとんど学生なんで、行動時間はかぶります。営業だってコマの空いた時にいくらでもできますし、予定を組んでおけば大した手間はありません。実際出来てますし」
赤羽根「そう......だな」
真「大学はどこに行ってるんですか?」
八幡「早○田だ」
全員「早○田⁉︎」
秋月「だって......高校の時からバイトしてたって......」
八幡「3年からですよ。その時には余裕あったんです」
秋月「それにしたって大したものよ。そうそう行ける大学じゃないもの」
八幡「そうですかね?国立大よりはよっぽど難易度低いと思いますよ」
赤羽根「さらっと言ってくれるな......」
八幡「......話はここまでです。着きました」
赤羽根「......会議室?」
秋月「今後の話ですか?」
八幡「ま、アイドルの方から中へどうぞ」
全員「はい(なの〜)!」
ドアを開け......全員が入った瞬間に......
「パパパパパンッ!」
全員「(ビクッ)」
CP &クローネ「765プロさん! 346プロへようこそ!」
赤羽根「......は?」
秋月「えっ......」
八幡「まずは親睦会といきましょう」
14人「(ポカーン)」
社長「みんな来たか! 346プロさんのご好意だ。ありがたく受け取ろう!」
14人「社長⁉︎」
赤羽根「比企谷さん! これは......」
八幡「一緒になって歌うんです。アイツらには必要でしょう?」
秋月「たしかにこれなら......」
赤羽根「ま、参りましたね。比企谷さんには全く勝てる気がしない」
八幡「俺は捻くれてますから。普通の人は理解できませんよ。」
秋月「ぷっ......あはははっ! なにそれ! 普通自分で言わないでしょ!」
八幡「堅っ苦しいのは苦手なもんで。ぶっ壊すにはこうするのが手っ取り早い」
秋月「そうね! ならもう敬語は必要ないわね。比企谷君」
八幡「おう。こっちも遠慮なく行かせてもらう」
秋月「その方が似合うじゃない!」
八幡「さいで。ま、楽しんでくれ」
秋月「そうさせてもらうわ」
八幡「......赤羽根さんはどうですか?」
赤羽根「うん。俺も乗らせてもらう。改めてよろしくな」
八幡「......うす」
......はぁ、疲れた。これで少しは楽になるな。
うむ。作戦は成功のようだ。みんな興味があったのだろう。積極的に交流してる。
それにしても......四条すげえな......料理全部食い尽くしそう......それと面白いのが......如月。みんなを......みんなの胸を見て『くっ!』と言いながら顔をそらすとか......確かにないけど。勝てるの杏くらいじゃね?
まあ、みんな楽しそうで何よりだ。
「比企谷君」
八幡「あ、社長。本日はわざわざありがとうございます」
社長「いやいや。こちらこそありがとう。楽しませてもらっているよ」
八幡「それなら良かったです」
社長「その若さで大したものだよ。実はね、少し危惧していたんだ。君が黒井のような者ではないかとね」
八幡「......あの人ですか」
社長「知っているのか?」
八幡「はい。うちも765さんのように被害を受けそうになりましたので」
社長「そうにってことは......受けなかったのかい?」
八幡「なんとかですが」
社長「ほう......黒井がしくじるとは......」
八幡「気づけたんで。自分は人の悪意には敏感ですから」
社長「ちなみに......どう回避したんだい?」
八幡「......黒井さんの手のかかるところは一切取り引きを停止しました」
社長「な、なんとも大胆だね。苦労しなかったかい?」
八幡「それほどは。それで取引先も焦ったんでしょう。全て吐きましたよ」
社長「そうだろうな。346さんに付き合ってもらえなくなったら大損害だ」
八幡「......346ブランドあってのものですけど」
社長「たしかに。だが、それをできたのも君の手腕だ。誇っていい」
八幡「......ありがとうございます」
社長「どうだい? 卒業したらうちに来ないかい?」
八幡「......すみません。俺はアイツら......CPとクローネとともに歩んでいきます」
社長「ますます気に入った! アイドルと共に歩む。素晴らしいじゃないか! 今後も協力していこう!」
八幡「是非お願いします」
社長「彼らにもいい刺激になる」
八幡「こちらもです。......すみません。いきなりお話が変わってしまうのですが......」
社長「なんだね?」
八幡「この後余興があるのですが、社長は手品がお得意だとか......」
社長「いいのかね?」
八幡「お願いできますか?」
社長「勿論だとも! ウチからも何かやらせよう! いいかい?」
八幡「お願いしてもよろしいですか?」
社長「任せてくれ!」
八幡「ありがとうございます」
社長「楽しみにしていてくれ!」
いい人だ......いい関係を築いていけそうだ。さて......
加蓮「八幡さん♪」
八幡「おう、どうした?」
加蓮「やっと話終わったんだねっ♪」だきっ
八幡「お、おい......客いるんだから......」
加蓮「え〜! いいじゃない! 腕に抱きついてるだけなんだし♪」
八幡「......ほどほどにな」
加蓮「はぁい♪」
八幡「765のやつとは話してみたか?」
加蓮「うん! 楽しかった!」
八幡「......なら良かった。自分と何が違うかわかったか?」
加蓮「うん。なんかね、アタシたちよりもずっと仲間を大事にしてる。なんかCPみたい。アタシも凛と奈緒は大事だよ? でも、もっと......深いって言うのかな.......家族みたいな感じ」
八幡「......それは俺の責任だな」
加蓮「ううん。違うよ。乗り越えてきたものの差だと思う。765プロもCPもいろいろな事を乗り越えてきたけど......アタシたちはすんなり来ちゃってる。その差かな」
八幡「そうか。でも、加蓮はそれがわかるんだな」
加蓮「......うん。アタシの小さい頃の話したでしょ?」
八幡「お前も乗り越えて来たもんな」
加蓮「......うん」
八幡「頑張ったな」なでなで
加蓮「......うん!アタシ頑張った。」
八幡「おう」なでなで
加蓮「八幡さん......」
八幡「おう......」
加蓮「......」
八幡「......」
藍子「ゴホンッ!」
2人「(ビクッ)」
藍子「あ、八幡さんここにいたんですねっ♪」
加蓮「(ピクピクッ)」
八幡「お、おう」
藍子「最近あまりお話できてなかったので......」
八幡「そうだな。俺も忙しかったし」
藍子「寂しかったんですよ?」
おぉぅ......藍子が擦り寄って来るとは......
八幡「す、すまんな」
藍子「ドライブデートの予定も立てられてませんし......」
加蓮「ドライブデート?」
藍子「ライブが終わるまでは難しいと思いますけど、終わったら......」
八幡「そうだな。......おし、行きたいところ見繕っといてくれ。藍子の事だから写真も撮りたいだろ?」
藍子「はいっ! たくさん考えますね!」
八幡「......ちゃんと寝ろよ?」
藍子「わかってますよ♪ 八幡さんには迷惑かけませんから!」
八幡「おう」なでなで
加蓮「ねえ、確かアタシの言うこと1つ聞いてくれるんだったよね?」
八幡「......覚えてたのか」
加蓮「当然!」
八幡「......決まったか?」
加蓮「うん! ライブが終わったら......」
八幡「お、おう」
加蓮「2人っきりで、お泊まり旅行行きたいな♪」
八幡「ブーーー! なっ! おまっ! はぁぁ⁉︎」
藍子「(イラッ)......加蓮ちゃん、それはまずくないかな?」
加蓮「そう? ならドライブデートもまずくない?」
藍子「そんなことないよ? だって健全でしょ?」
加蓮「そう? 泊まりでだって何もしなければ健全だと思うけど?」
藍子「草津の事があるから誰も信用してくれないと思うよ?」
加蓮「それはアタシたちしか知らない事でしょ? 何も問題ないよね?」
藍子「......」
加蓮「......」
ふ、2人の間で火花が......助けて! 誰か助けてええええええ!
ありす「お兄さん」
みりあ「お兄ちゃーん!」
八幡「お、おう、どうした?」
天使が......天使たちが助けに来てくれた!
ありす「765プロの方が......」
みりあ「そろそろ時間だって〜!」
八幡「お、おう。ありがとうな」なでなで
ありす「〜〜♪」ふすー
みりあ「えへへぇ♪」
八幡「じ、じゃ、俺呼ばれてっから」
逃げるが勝ち!
加蓮「......ふんっ」ぷいっ
藍子「つーん」ぷいっ
真「うーん......どこ行ったんだろ......八幡さーん! どこですかー!」
助かった......助かったよ音無さん! あなたが神か......
音無「あ、あのー.......大丈夫ですか?」
八幡「は、はい。大丈夫です」
音無「このプログラムで聞きたい事があるんですけど、......いらっしゃってませんよね?」
八幡「問題ないです。すでに準備は済んでますんで」
音無「ほっ......なら良かったです。」
八幡「すみません。こんな事お願いしちゃって......」
音無「慣れてますから。気にしないでください」
八幡「ありがとうございます」
音無「ところで......」
八幡「はい?」
音無「比企谷さん......ハヤ×ハチって......知ってますか?」
なん......だと?
八幡「......な、にゃんのことでしゅかね?」
音無「......ウフッ......海老名」
八幡「そ、その海老名って......なんすかね......」
音無「千葉」
八幡「......」
音無「奉仕部」
八幡「(ビクッ)」
音無「隼人」
間違いない......ヤツだ。
八幡「......詳しく話してもらおうか。それをどこで知ったか」
音無「やっぱり! ぜ、是非お願いします!」はぁはぁ
八幡「......1つ言っておきます」
音無「な、なんでしょうか?」はぁはぁ
八幡「......俺はホモじゃない」
音無「......そうですか」しょぼん
なんでそこで落ち込むの⁉︎ ガチだろ! あんたガチでそっち側の人間だろ⁉︎
だ、だが、引いてくれてよかった......危うく俺が社会的に死ぬところだった......
想定外の事はあったが、予定通り余興が始まった。
先頭バッターは高木社長。
あのマジック......ホントすげえな。まあ、顔が謎の陰で覆われてるのが1番のマジックだが......
社長が場を温めてくれたため、二番手以降が出やすくなった。社長、あざっす。
個人的にウケたのが、まずは定番だがあみまみちゃん。あれジワジワ来るんだよな......それと日野だ。
日野「日野茜! モノマネやります! 最初のお題は、松岡修造!」
全員「ブホッ!」
やるまでもなく全員吹いた。まんまで十分似てるわ。
日野「続いて、卯月ちゃん! 島村卯月ぃっ! ガンッバリッマスッ! とりあえず走ってきます!」
全員「ブフォッ!」
全く似てねえええええ!
日野「続いて凛ちゃん!」
凛「やめて!」
日野「そうですか! あんたが私のプロデューサーですかぁっ! 悪くないねっ! とりあえず走りましょう!」
全員「ブファッ!」
結局走るんかよ! しかも似てねえ!
如月「も......もう......やめて......ぷふっ......」
あ、如月が瀕死だ。
日野「最後に! サンシャイン池z「もういいよ!」そうですか! ありがとうございました!」
もうね......拍手喝采だよ。日野......芸人になろうか......でも......見たかったな......サンシャイン池崎。
その後も余興は続いていく......ふむ。次は俺か......
音無「えっと......次は大物ゲストです。曲は『こいかぜ』アコースティックバージョン。......高垣楓さんです!」
ざわつくみんな。
出て行かずに、ギターを奏でる。
「〜〜〜〜〜〜〜〜♪」
赤羽根「へぇ.....こんなのもあったんだな......」
そのまま歌い出す。
「〜〜〜〜〜〜〜〜♪」
秋月「綺麗な歌声......」
如月「高垣楓さん......すごい......」
歌に聞き惚れるみんな。そろそろ出るか......
歌いながらギターを奏でて歩き出す......
そして出てきたのは俺。
全員「ぶーーーーーー!!」
全員吹いた。
凛「あんたまた!」
「〜〜〜〜〜〜〜〜♪」
全員「(ポカーン)」
八幡「......ありがとうございました。続きまして......」
美嘉「まだあるの⁉︎」
八幡「おう。......んんっ! 渋谷凛です」
全員「本物⁉︎」
凛「ち、ちがっ! 私じゃない!」
八幡「嘘つかないで。私が本物だから」
凛「八幡!」
八幡「んんっ! まーまー、いいじゃんしぶりーん!」
未央「今度は私⁉︎」
凛「未央、止めないで!」
未央「ま、待った! 私じゃない!」
八幡「んんっ!......り、凛ちゃん未央ちゃん、喧嘩はダメですぅ〜!」
卯月「私まで⁉︎」
凛「卯月......」
未央「あ、ごめん、しまむー。」
卯月「私何も言ってません!」
八幡「んんっ!......別にどっちでもいいじゃーん?」
杏「なん......だと?」
八幡「んんっ!......以上、八幡さんのモノマネコーナーでしたぁ!」
凛「え? ど、どっち?」
未央「わ、わかんない......」
卯月「八幡さんです!」
全員「クオリティたかっ!」
八幡「んんっ!......どうだった? 私のモノマネ」
美嘉「続けるんだ⁉︎」
八幡「......ナイスツッコミ」
美嘉「いきなり戻らないでよ!」
全員「ぷっ!」
社長「いいよ! サイコーだよ比企谷君!」
八幡「ありがとうございます」
如月「すごい......モノマネもだけど、歌も......」
天海「本物かと思っちゃった......」
赤羽根「俺も驚いた」
秋月「......彼はどこを目指してるの?」
赤羽根「さ、さあ?」
社長「わからないかい?」
赤羽根「......はい」
社長「観客を引き込み、自身が楽しみ、観客を笑顔にさせる。究極の形じゃないか」
秋月「た、たしかに......」
赤羽根「なるほど......」
天海「私も、自然と笑ってました」
如月「歌にも聴き入ってました」
社長「彼は今、この場で1番のアイドルだった。この意味を考えなさい」
4人「はい」
八幡「以上で余興も終わりです。残りの時間は自由に楽しんでください」
「パチパチパチパチ......」
いい親睦会になったんじゃないですかね?
親睦会で披露した一発芸以降、俺の印象は怖い人から面白い人になったようだ。特に奴らから妙に懐かれてしまった......双海姉妹に。
......非常にめんどくさい。隙あらばイタズラしてくるし、すぐ入れ替わって騙そうとしてくるし......今度秋月さんの真似も練習しておくか......
今はレッスンルーム前だが......
八幡「......(キョロキョロ)」
よし、誰もいないな......試してみよう。
八幡「んんっ!......コラッ! あんたたち!」
あ、できた。
??「ひっ......ご、ごめんなさい! 律子さん!」
......いたんかよ。って、萩原さんか......
八幡「すまん。俺だ」
萩原「律子さんが......俺?」
やべ、そのまま喋っちまった。
八幡「んんっ......比企谷だ」
萩原「ひ、比企谷さん......ですか?」
八幡「おう。悪いな、驚かせて」
萩原「い、いえ。驚きました。律子さんの真似もできるんですね......」
八幡「まあ、試しにやってみたらな......できちまった」
萩原「そ、そうなんですか......どうして律子さんの真似を?」
八幡「......双海姉妹のイタズラがひどくてな。秋月さんの声真似すれば抑えられると思ったんだ」
萩原「な、なるほど......」
八幡「休憩か?」
萩原「あ、はい。飲み物を......」
八幡「そうか............どれだ?」
萩原「そ、そんな! 悪いです!」
八幡「気にすんな。ほれ」
萩原「あ、ありがとうございます......」
「ピッ」「ガタン」
萩原「い、いただきます」
八幡「おう。......レッスン頑張れよ」
萩原「は、はい! 頑張ります!」
八幡「んじゃ、俺は行くわ」
萩原「はい! お疲れ様でした!」
萩原「男の人は苦手なのに......」
真「雪歩ー。どうかした?」
萩原「あ、真ちゃん......ううん。なんでもないよ」
真「ならいいけど......戻ろう。もう始まるよ」
萩原「うん!」
LIPPSの仕上がりは上々。と言うか、かなりいい。美嘉は最初歌詞を恥ずかしがっていたが、慣れたらしく今は全く問題ない。
だがアインフェリアは......
八幡「......」
イマイチだ......個々の技量は全くもって問題ない。だが、今までの自分とかけ離れた楽曲に4人はかなり戸惑っている。中でも文香さんとありすに大きく現れている。
聖「ストップ! 鷺沢! 橘! 同じ事を何度も言わせるな!」
2人「......すみません」
聖「はぁ......休憩にしよう」
聖さんと目が合い、付いて来いと促される。
八幡「お疲れ様です」
聖「あの2人......」
八幡「厳しいですか?」
聖「いや、技量は申し分ない。だが......おとなしすぎる」
八幡「......やっぱそうっすか」
聖「何かキッカケがあれば変われると思うんだが......」
そう言いながらチラチラと俺を見る聖さん。
八幡「......やってみますよ」
聖「そうか? 悪いな」ニヤニヤ
白々しい! そう言わせたのアンタでしょうが!
だが......どうしたもんか......
あっ!
試してみるか......
八幡「藍子」
藍子「はい?」
来い来いと手招きするとパァッと笑顔になり駆け寄ってくる。......か、可愛すぎる......
藍子「どうしましたか?」にぎっ
両手で俺の手を握って胸元に......レッスンで汗もかいているため妙に艶めかしい......その......顔に張り付いてる髪とか......メッチャえr......最高ですね。
八幡「......いきなりすまんな」
藍子「大丈夫です」スリスリ
あの......手に頬ずりって......
八幡「そ、それでなんだが、舞台の公演て......まだチケットあるか?」
藍子「え? ありますけど......八幡さん来てくれましたよね?」
八幡「おう。俺も行くんだが......文香さんとありすにな......」
藍子「そう言う事ですか......わかりました。用意します」
八幡「すまんな。だったら......5枚頼む。全員で見に行くわ」
藍子「わぁ! 嬉しいですっ♪ 私頑張っちゃいますね!」
八幡「楽しみにしてるよ」
藍子「......はいっ♪」
八幡「んじゃ、みんなで予定確認するか」
藍子「そうですねっ♪」
藍子とともにみんなの元に行き、全員の予定を確認。舞台の公演日で全員が行ける日を探すが、なかなか......おっ! この日は俺だけか......付き添いだけだし、高町さんに任せても問題ないな。......多分。
八幡「この日がいいな」
藍子「え? でも八幡さんの予定入ってますよね?」
八幡「高町さんに行かせるから問題ない」
文香「......大丈夫......ですか?」
ありす「不安です......」
八幡「大丈夫だ。アイツはありすとみりあが絡まなきゃ優秀だからな」
相葉「ね、ねえ、もしかして......」
美波「高町さんて......」
八幡「......アイツは本物のロリコンだ」
ありす「ヒッ!」
文香「だ、大丈夫ですよ......八幡さんと私がいますから......」
ありす「......はい......グスッ......」
文香さんに抱きついて泣くありす......可愛い。
八幡「安心しろ」なでなで
ありす「はい」
美波「私もみりあちゃんを守らないと!」フンス
八幡「頼んだぞ」
美波「任せて!」
相葉「なんだか比企谷君の周りって......変な人多いよね?」
「ピシッ」っと、亀裂の入るような音が聞こえた気がした......
相葉......それは言っちゃいけねえ......しかも特大ブーメランだぞ......
八幡「まあ......気づいてはいたんだ。CPの一部に始まり、クローネの一部。そして高町さん......さらに筆頭は......」
5人「(ゴクリ)」
八幡「......専務だろ?」
5人「あぁ......」
プッ! みんなに納得されてやんの。
八幡「まあ、実際俺も変わり者の部類だしな。否定はしねえよ。『類は友を呼ぶ』みたいなもんだ。」
相葉「そ、それだと......私まで変人扱いされちゃう......」
藍子「私は......八幡さんと同じなら嬉しいです♪」
いや、そこは否定しようよ......って、この反応で十分変人ですね。
八幡「相葉......」
相葉「な、なに?」
八幡「(ニコッ)」
相葉「もう手遅れだったんだぁ......」
美波「そ、そんなに気を落とさないで!」
八幡「そうだぞ。俺とやってける時点で変わり者なんだ。今更だな」
3人「......」
美波と文香さんとありすが愕然とした表情で俺を見ている。
あぁ、自分たちは普通だと思ってたんですね。
八幡「......美波、普通の人が蘭子語を理解できるか?」
美波「あ......あぁっ! そうだった......」
八幡「それに文香さんとありす。普通の人は志希とフレデリカは相手に出来ん」
文香「......言われてみれば......」
ありす「その通りですね......」
八幡「て、わけで......相葉。いや、夕美。こちらの世界へようこそ」
夕美「全く嬉しくないお招きだよ......でもまあ......改めてよろしくね! みんな! それに八幡君も!」
4人「はい!」
八幡「おう、よろしく」
うむ。なんか前よりまとまった気がする。いい事だ。多分仲間意識(笑)が強くなったんだろう。これで息は合うはず。あとは......2人が殻を破れるかだな。舞台の日に賭けよう......
夕美「でもやっぱり変人扱いはやだ......グスン......」