「もう一年だな、じーさん」
いつも通りのぶっきら棒な口調と仏頂面でカエノはゴンゾウの墓に一抹の寂しさと共に花を供えた。今日はゴンゾウが大往生してからちょうど一年という節目の日とあって墓の周辺の草取りと墓石の掃除を本格的に行う。生来の手際の良さであっという間に墓石は玉の光を取り戻した。
「ぽっくり逝っちまう前日までしずくと犯ってたもんな……一番手間がかかったけど介護した中じゃ、一番印象に残ってるぜ、あんた」
感傷に耽りながらゴンゾウを朝の散歩に連れていった公園でしずくに授乳手コキされたり、家でしずくと嵌め撮りSEXした光景が脳裏を走馬灯の様に駆け巡る。
「……さて、このくらいにして戻らないとな」
飼育用魔物や家畜への給餌や畜舎の掃除、さらに農地の管理運営とおいかわ牧場にはやる仕事が山のようにある。しずくに頼まれた飼育魔物用のエサの買い出しと、切らしていたビデオのバッテリーをまとめ買いしたついでに、しずくが喜びそうなお土産も見繕うと、いそいそと牧場へと帰路についた。
「あっ!カエノさーん。おかえりなさーい!」
デオークに農作業の指示をしていたしずくが荷物を山と抱えたカエノの姿を認めると手を千切れんばかりに振りながらカエノに勢いよく駆け寄ってくる。
(ごくり……さんて相変わらず凄まじいな、おい)
鳩尾の当たりで巻かれたベルトが下乳を押し上げて強調された爆乳が肉の毬の様に跳ねる。働き者のデオークもしばし作業
の手を止めて爆乳のダイナミックな躍動に目を細めながらブヒッといやらしく呻く。
「お買い物ありがとうございます!ゴンゾウさんのお墓参りどうでした?」
「あぉ、墓も綺麗にしたし無事すんだよ」
カエノが抱えてきた荷物を運ぶ手伝いをしようとしずくが屈むと、深い谷間がカエノの眼を吸い寄せる。農作業で滲んだ爽やかな汗が健康的な白い肌の上で燦々とした陽の光を受けてきらきらと輝く。
(クソ……オレはおかしいのか……)
胸だけでなく欲張りなボリュームの上向きヒップやむちっとしたふとももにまで不埒な視線を向けてしまう。ゴンゾウを介護していた時分から母乳料理をこっそり拝借していた程度にはしずくを性的な対象として意識していたが、最近はしずくが息をするだけで妙な気分になってします。
(このままじゃダメだ、一つ屋根の下に暮らしてるっていうのに)
「どうしました?眉根にしわ寄せて、美人さんが台無しですよ?」
「いや、なんでもない。それよりお土産買って来たんだ」
「ほんとですか、うれしいです!」
しずくの朗らかな笑顔にほんの少しだけ気がまぎれる。おいかわ牧場に一生を捧げると決めた以上、この状態をなんとかしなければならないが一向に解決の手段が見当たらない。もやもやとした気分であっても持ち前の要領の良さで仕事を片付けていきあっという間に夜になる。
(今日も良い考えは出ず仕舞か……)
口の中にわずかに残った夕食のシチューの余韻に浸る。カエノのリクエストで最近は母乳料理ばかりだ。柔らかいベッドで適度な満腹感と一日の労働の心地よい疲労感に包まれているにも関わらず気分は曇ったまま、小さくため息をつきながらぼんやりと天井を見つめる。
「すぅー……すぅー……むにゃむにゃ」
顔を横に向けるとしずくの無邪気な寝顔。寝息も思わず抱きしめたくなるほど可愛らしい。しずくの甘い体臭と体温を感じている内にカエノにも徐々に睡魔が押し寄せてきた。
(ごちゃごちゃ考えるのはやっぱ性に合わねえ……おやすみぃ……)
…………
…………
…………
「ん?なんだ、ここは?」
目覚めると真っ白な空間。それも一糸まとわぬ全裸。かっと頬を赤らめてサイズではしずくに及ばないものの形の良い乳房とうっすらと黒い恥毛で覆われた秘所を覆い隠す。
「目覚めたか、人の子よ」
「ん?なんだおまえっ!」
突然響いた声の方向を向くと後光を背負った眼鏡を掛けた少女が悠然とした足取りでカエノに近づいてくる。
「人の世に伝わっている名はグラツァリ。いわゆる”神”と呼ばれる存在だ」
「か、神がオレになんの用だ!」
身体はカエノよりも一回り小さいが圧倒的存在感。カエノの柔肌を値踏みする様な視線と胡散臭さに警戒を強めると魔王の四天王筆頭メイデイの実力を見せつけるべく顔を赤くしたまま禍々しい魔気を全身から放ち、戦いの構えを取る。
「恐れるでない。私はお前に祝福を与えに来た」
「祝福?……何を言って……」
じりじりと後退しながらグラツァリと名乗った少女の様子を油断ならない表情で窺うカエノに、グラツァリは超然とした表情を崩して、どっと吹き出す。
「あはははっ!神様っぽく振舞おうって思ったけどやっぱ無理ねー。柄に合わないわ」
また一分持たなかったといたずらっぽく言うグラツァリの砕けた様子に拍子抜けしたカエノは魔気を纏わせた両手を下ろす。掴み所のない人を食った様子は、どこか孤児院のシスターに似ていた。
「……敵意はないようだな」
「もち♥愛しい人に劣情を募らせるあなたに素敵なプレゼントをあげようと降臨したのよ♥」
すべてお見通しというドヤ顔にカチンときたカエノは再び攻撃態勢に入る。
「これだから魔王の配下は好戦的で困るっていうのよ……えいっ★」
グラツァリがきゃぴっと身体をくねらせてウィンクをした途端、カエノの身体に激烈な変化が起こった。
「何……おっ!?おぉぉぉっ!!」
カッと下腹部に燃える様な熱が生まれ、肉が盛り上がっていく異様な感覚が全身を支配する。魔気を纏っている余裕は失われ、地面に跪いた。
「んふふ、何が起こったかは起きてからのお・た・の・し・み♪」
グラツァリのしてやったりといった口調と共にカエノの意識は急速に覚醒へと向かっていく。
「お空の上で覗き見してるから、しずくちゃんとたっぷり快楽の虜になってね♥」
グラツァリの邪心そのものな淫蕩な笑みを最後にカエノは現実世界へと帰還した。
「はっ!夢か……」
びっしょりと汗を吸った寝巻が重く体に纏わりつく。心臓が早鐘を打ち、激しい動悸と眩暈がする。とても単なる夢とは思えない。股間に違和感。恐る恐る毛布を捲ると寝巻を押し上げる野太い肉根が屹立している。
(ちんぽが生えてる……ひょっとしてふたなりって奴か?!)
口を手で押え込んで叫び声をぎりぎりで飲み込むとしずくがまだ夢の仲である事を確認するとトイレの中に駆け込んだ。
「長いし太い……デカ過ぎだろ……これ」
ピンク色の亀頭は反り返りカエノの臍に張り付いている。長さは下手したら牛乳瓶ほどはあり長さも20cmを優に越えている。10人中10人が巨根と認める逸物にカエノは戦慄を覚える。
(どうする?こんなもんぶら下げてたら仕事にならねぇぞっ!!)
それ以前に女性用の下着に収まるサイズでは無く、しずくにバレてしまう。幸い睾丸は見当たら無いので萎えさせればショーツに無理矢理収めてスカートでぎりぎりカモフラージュできそうだ。
(そうだ……抜けばこいつは大人しくなる……)
こっそりコレクションしているゴンゾウを始め街の男たちや、シズクが魔物と交わるDVDで得た知識を思い出す。もう一つ心臓が出来たかのようにじんじんと脈打つ肉根を白魚の指で絡めとると、ゆっくりと扱き始めた。
シュシュッ!にぢゅっ!くちちっ!
(あぁぁっ!やべぇっ!気持ち良い!)
亀頭が痙攣してカウパー線液が糸を引いて床に滴る。陰茎に走る性感の電流に痺れながら手の動きを激しくしていく。喘ぎ声が漏れないように左手の親指の付け根を噛み、中膨れした陰茎を手首のスナップを利かせリズミカルに扱き、ぷんと張った亀頭のエラを指で作った輪っかに通してくぽくぽと撫で上げる。
(何か上がってきたっ!出るっ!イクッッ!!!)
どびゅるっ!びくんっ!どぷぷぷっ!!
股間に生まれて一時間もたっていない男性器では絶頂を押し止める事など出来る訳も無くこみ上げる迸りをそのまま吐きだした。ほとんど半固形状のザーメンは壊れた蛇口の様な制御不能の勢いでトイレの壁や天井にぶちまけられる。
「はぁ……はぁ……」
人生初めての快感に腰が砕けてへなへなと床にへたり込む。大量射精で萎えたペニスは三分の二ほどの大きさにまで縮小する。
(このサイズまで縮まればなんとか誤魔化せそうだ……)
「ふぁぁ……カエノさん入ってます?」
ドア越しの寝ぼけたしずくの声が聞こえるとカエノは飛び上がりそうなほど驚く。しかし、射精して一息ついた賢者タイムの最中のため、冷静に深呼吸一つしてから何食わぬ口調で受け答えをする。
「お、おはようっ!入ってるぜ!」
「ほうですか。朝ごはん作ってますからね……」
「おうっ!今日も母乳料理が良いなっ!!」
不審がらず大あくびと共に、キッチンへと去っていたしずくを薄く開けたドアから確認して、飛び散ったザーメンの処理を始めた。
「グラツァリ……あの邪神がっ!今に見てろっ!」
密かに神殺しの決意を固めたカエノは第三の足の様にぶらつく愚息を疎ましく思いながらもトイレの掃除を終えて寝巻のゴムをきつくして巨根を厳重に封じ込むと、朝食を摂りにキッチンへと向かった。
つづく