道行く男たちがちらと視線を向けてはむすっとした仏頂面を見て視線を戻していく。碧の黒髪に切れ長の眼とすらりとしたスレンダーな肢体が男たちの注目を一身に集める。カエノも慣れたもので男たちの注目を意に返さず目的の場所へと足を急がせた。
「カエノさん、こんにちわ」
今日に限って熱いコーヒーが飲みたくなったシイノはお得意様のカエノの姿を認めると湯気を上げるマグカップをカウンターに置くとにこやかな対応はなりを潜めて冷たさを感じる事務的な対応。せっかく夫とくっつけたしずくの横にいる女に対する屈折した感情が透けて見える。
「……こんにちわ」
カエノの接客にぼそっとしたあいさつで応える。寝取られフェチの女と仲良くするつもりもないのでいつも以上の仏頂面でいつものとぶっきら棒に言うと無言で資材を用意し始めた。
しずくがニコラスとの”出張”のため今日はおみやげは必要ない。最近の夫婦同然の暮らしぶりでは一人の食事も広いシングルベッドで眠るのもひどく寂しく感じる。
(それに……こいつが三日間持つか……)
白い頬にほんのりと赤みがさし、膨張した肉が圧迫する下腹部を撫で擦る。しずくに一発抜いてもらうのが半ば毎朝の習慣になっているが早朝からニコラスと出掛けたため溜め込まれた精液は今にも暴発しそうだ。
「?カエノさん、どうしました?」
「いや、なんでもない……てっ!うぉぉっ!」
きゃいきゃいとはしゃいだシイノの子供たちが弾丸の様なスピードで店内を駆け回る。制御不能な怒涛の勢いにさしものカエノも気圧されて後退して躱す。
「こらっ!遊ぶなら外にしなさい!……あぁっ!」
他の子に半歩遅れている最後尾の子がカウンターにぶつかる。端に置かれていたマグカップの熱いコーヒーが子供の頭に掛かろうというその瞬間にカエノが子供に覆い被さる。
「カエノさん!大丈夫ですか」
きょとんとしている子供の服を払うと舌足らずな口調で礼を言うと再び兄弟たちを追いかけていく。
「もぅ!あの子たちは!腕白がすぎるわよっ!カエノさん大丈夫ですか?」
「大丈夫だ。心配すんな」
コーヒーはまるで狙ったように白いエプロンの股間部に黒い染みを広がっていく。強がってみたものの、熱がふたなりペニスに染みてひりひりと痛む。欲求不満の所に予想外の刺激を受けてさらなる勃起を招いてしまう。
「やっぱり火傷したんですね?私の服で良ければかしますよ。ささ、こっちにきてください!」
勃起を隠すためにお腹を抱えたカエノに酷い火傷を負ったと勘違いしたシイノはこうしてはおられないと 夫としずくの間に入ってる余計な女と内心忌々しく思っていても子供の窮地を救った恩人をこのまま帰す訳にはいかないと強引に家の奥に連れ込む。
「いや、大丈夫っておい人の話を聞け!」
子供の着替えを日常的にやっていて尋常じゃ無く手馴れているシイノの手でコーヒーの染み込んだエプロンとワンピースを抵抗する間も無く脱がされてしまう。
「えっ……それって……」
カエノの股間に本来ならばありえない器官が隆起している。反り返った肉茎の先が窄んだ楕円形の臍にべっとりと張りついている。
「わっ!待て見るなっ!」
細く繊細な指では到底隠し切れずピンク色の亀頭も浅黒く青筋の浮いた陰茎もシイノの眼にしっかり焼き付いている。普段から可憐な容姿と裏腹にぶっきら棒で男勝りな言葉遣いと態度のカエノが頬をあからめて視線を伏せる姿は特に同性愛の素養がある訳でもないシイノすら色を感じてしまうほどの艶っぽさがある。
(夫のより大きい……カエノさん……ふたなり、だったんだ)
夫と肌を重ねなくなって久しいが夫のペニスのサイズは記憶している。華奢な体と不釣り合いな凶悪な肉根に思わずじゅんと下腹部が疼く。
「そんなおっきいの今まで隠してたんだ……私に欲情してたの?」
弱々しいシイノに嗜虐心が刺激される。舌なめずりをしながらカエノに近づくと膝立ちの下着姿のカエノはじりじりと後ずさりする。
「怖がらなくていいのよ。気持ちよくするだけだから……」
伸ばした指先が反り返った肉根を絡めとる。細い指が肉茎を撫で上げるとびりびりと性感が背筋を這い上がりカエノの脳髄を感電させる。
「あは、触っただけなのにすごい感度」
「ひんっ……あぁっ!」
シイノが面白がって扱き上げると腰が痙攣して床に仰向けにへなへなと倒れる。顔を亀頭に近づけて息を吹きかけると呻き声を上がり腰が浮き上がる。
「ちんちんに全部持っていかれちゃうんでしょ……夫と一緒だわ」
上目遣いで情欲に燃えるカエノの顔をじっと見つめると膨張した亀頭をぬるりと飲み込んだ。
じゅるるっ♥ずるっ♥じゅにゅるるぅぅ♥
唇でエラを撫で上げ亀頭粘膜を舌でじっくりと舐る。スナップを利かせた手でリズミカルに扱き上げる。
「あふっ♥あぁぁぁっ♥」
「ぷはっ!大きいから顎が疲れちゃう……」
息継ぎもかねて亀頭から口を話すと唇の我慢汁を舐めとり性感で目に涙を溜めるカエノに淫らにほほ笑む。
「夫がこうすると喜んでたわ……しずくちゃんと比べてどう?」
「しずくと……比べてどうって、あぐ、あはぁぁ!」
再びカエノの怒張を咥え込むと今度は濡れそぼった肉裂に指を走らせる。夫とセックスレスとはいえ流石は人妻。絶妙なタイミングの愛撫を畳みかけてきてカエノを飽きさせない。
(ダメだ……もう出る……うぅうっ!)
下腹部の奥がこそばゆくなり肉茎が膨張して射精のスイッチが入るその瞬間、シイノは陰茎から口を離し、ぐっと指に力を込めて射精を押し止める。
「おまっ!何を」
「まだ質問に答えてないわね。しずくちゃんと私どっちがいいの?」
「どっちっておまえ……!」
「関係がないなんて事絶対ないわよね。あんなにお手々繋いで見せつけてるんだから家じゃ犯りまくりでしょ」
「……!!!」
完全に図星だからこそ口を噤むしかない。しずくの天真爛漫な笑顔が頭の中に浮かぶ。元はと言えばこの女が自分の夫としずくをくっつけるなんて頭のおかしい真似をしなければ出張という名の浮気旅行なんてしなかった。
「しずくだっ!しずくが良いに決まってるだろうが!この変態!」
性感で半泣きになった状態でいっても全く説得力がない。しかし、カエノが子供の恩人である事を思い出して借りを返すべくひとまず楽にしてやる事にした。
「そう、まぁちゃんと答えてくれたから今は勘弁してあげる。
再び口に陰茎を吸い込み勢いよく扱き上げると一度は引いた射精衝動がたちまちカエノの脳内を席巻して、精液が尿道を駆け上がる。
「あがっ!で、出るぅぅ!」
びくくっ♥びゅるるるん♥びゅるるぅぅぅ♥
「むぐ!んん~~」
夥しい量と勢いの射精を舌で上手くいなして下顎に溜めていく。収まり切らなかった精液は鼻から噴出する。
「あぁ!あぐ……はぁぁぁっ♥」
性感に脳が痺れ、荒い吐息が瑞々しい唇から漏れ出る。視線を下ろすと口の中にたっぷりの白濁液を溜めた口をカエノに見せると大きく喉を鳴らして半固形状の精液を飲み下す。
「ふぅ……濃くて膣内に出されたら私でも妊娠しちゃいそう」
ママ―どこーと長女が声が聞こえてきた。シイノは今行くわと応えると口元を手で拭い何食わぬ顔で立ち上がる。洋服ダンスから適当な衣類を見繕うとカエノに手渡す。
「着替え渡しておきますね。明日洗濯して返してくれればいいから」
「おぅ……礼は一応言っとく」
「一応なんて、つれないわね」
この関係はこれで終わりでは無い。シイノの眼からそんな色を読み取って苦虫を噛み潰した様に顔を顰める。
(しずくのフェラより良かった……あれだけ床上手なら旦那と大人しく乳繰り合ってろよクソ!)
受け取った衣服を急いで身に着けると肩をいからせなら道具屋を後にする。シイノのフェミニンな服で益々街の男たちの視線を集めるがそのたびに殺気を込めて睨みつけて不埒な男どもを蹴散らしていく。
「あら、カエノさんったら資材を忘れてる。これは明日を待つまでも無いわね」
カエノの家を訪れる絶好の口実を得た。気丈なカエノでもふたなりという弱味を知っている自分には強くは出られないはず。
(立ったフラグを手にするかどうかは……私次第)
グラツァリの言葉を頭の中で繰り返すとしっかり者の長女に弟妹の世話を任せると資材を抱えてカエノの後を追った。
つづく