※この作品はR-18です。

シルクロードオンライン¬(differentiam)   作:hachu

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イレギュラー ~商隊vs盗賊①~

 

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――行商6日目

 

 

 

 

 

花雪象印商隊、右翼中列。

 

 

 

「よう呂晶、大分慣れたようだな。今日は顔の艶も良い」

 

 

「まーな!行商なんぞ、楽勝ってなもんだ」

 

 

 

 

 

 

同、輜重班・中後列。

 

 

 

「美鈴ちゃん、大丈夫?顔色が悪いわ」

 

 

『だ、大丈夫…。大丈夫です…』

 

 

「本当?辛くなったら遠慮なく言ってね。同じ輜重班なんだから」

 

 

『ありがとう…ございます…。』

 

 

 

 

『(先輩に相談したい…。でもこんな事、もし言ったりしたら嫌われちゃう…他の女の下着を穿かされているなんて…自分の下着も穿かせてもらえないなんて…!お父さん…っ!もう渭水に帰りたい…!)』

 

 

 

 

集団での旅路では、

発覚しないトラブルなど日常茶飯事だ。

 

でも我慢さえしていれば、目も眩む報酬が得られる。

この長い商隊は、同じ重さの金を運んでいるのも同義なのだから。

 

 

 

花雪象印商隊が、今回運んでいる積荷の総額。

 

その全てを宋で売り払えば、売上は金二万両にのぼる。

極東の島国の通貨、日の本の円に換算して20億円。

 

周辺の小国にでも進呈すれば、何年か属国として従えられる額。

 

 

そこから元値と経費を合わせた二千両、

これを引いた額が利益となる。

 

それを花雪、寒月を始めとする幹部、協賛出資者、参加者で、

三等分する。

 

 

つまり、150名の参加者達は6億円を山分けする。

 

新人と古参、護衛と商人で額は変わるが、

平均的な取り分は400万円。

 

それが一週間の行商で手に入り、往復すれば800万円だ。

 

更に定期便ではないが、花雪隊は敦煌の反対側、

タクラマカン砂漠を越えたウイグル族の国、和田(ホタン)まで事業を展開している。

 

そちらも参加すれば、更に倍の稼ぎが見込める。

 

 

真面目に働くのが馬鹿らしくなってしまう報酬。

 

一度その魅力を知ってしまったら、

麻薬のように、もう後戻りは出来ない。

 

行商人がどこかしら頭がイカれているのは、

この魔法のアイテム、お金の魔力によるものだ。

 

 

 

 

その魔力にも屈していない、成都一の大企業『呂礼屋』のお嬢様、

呂晶はお気に入りのポイントに差し掛かり、目を輝かせている。

 

 

 

 

「あ…。ここって…」

 

 

 

 

 

 

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黄河中流の沿岸地帯から内陸に入った森林地帯、

通称・虎穴山。

 

この辺りからは街道も整備され、商隊の移動速度も早まる。

今日と明日を乗り越えれば、待ちに待った報酬が頂けるのだ。

 

 

同時に気も緩み、木々のせいで視界も悪い。

左右に転々とそびえる崖上からは、眼下を通る商隊が丸見えだ。

 

 

攻め易く守り辛い場所。

 

呂晶が、死線が、黄巾賊が、

幾多の盗賊が目を光らせてきた、伝統の実績ポイント。

 

 

商人にとっての、最重要警戒地点。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…花雪殿。』

 

 

 

 

同、先頭。

 

花雪直下の近衛兵。

その一人が、象上の長へと具申する。

 

 

 

 

 

 

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「妾はお前より高い位置から見ているのじゃ…。まだ待て」

 

 

 

 

正面に一騎。

真っ直ぐこちらに歩を進めてくる。

 

それについての具申と、

既に気付いているという返答だ。

 

 

 

 

 

 

「…前方ッ!!民間人じゃッ!!」

 

 

 

『前方ーッ!!民間人ーッ!!』

 

 

『前方ー!民間人ー!』

 

 

『前方…民間…』

 

 

 

 

正面から、牛車に跨がり荷を運んでいる老人。

“ほぼ” 民間人である報を、後方へとリレー式に飛ばす。

 

 

 

盗賊が民間人に偽装し、隊商を襲撃する。

 

過去に流行した手段ではあるが、

何故か最近では、全くと言って良いほど見かけない。

 

だが、見かけないからと言って、されない保証はどこにも無い。

 

 

荷台に布も掛けておらず、積荷に紛した仲間はいない。

確実に一人。だから民間人の報を飛ばした。

 

 

あの老人が盗賊である確率は、ほとんど無いと言って良い。

馬車に轢かれて死ぬより低い確率だ。

 

たった1人で、150人に勝てるハズが無いのだから。

 

 

それでも襲ってくるのなら、

千年後の未来で言う、頭のオカシイ “通り魔” のようなもの。

 

例え沸いたところで、

すぐに国家権力の番犬が駆け付け、お縄に付く。

怯える程の脅威ではない。

 

 

 

『爺ちゃーん!頑張れよーっ!』

 

 

『へぇ…、なんかすんまへん』

 

 

 

老人は頭をもたげ、すれ違う護衛に挨拶を返す。

見掛けは間違いなく民間人だ。

 

そもそも町を歩いている時にすれ違う相手を、

全て “通り魔かも” と気にしていたら、それこそ町など歩けない。

そんな事を気にする者はいない。

 

 

それでも気孔家は、最大限の警戒を払う。

 

通り魔はお縄に付くまでに、“必ず一名以上を殺傷する”

通り魔と民間人は、どちらも元は民間人。

殺傷したかどうかが、二つを分ける線なのだから。

 

自分が通り魔の被害に遭うなど、万が一の確率だ。

 

それでも万人に一人は、“必ず殺傷される”

 

 

気孔家達が死に物狂いで気孔を体得するのも、

その万が一に、自分が当たらない為でもある。

 

 

 

 

『治安は俺等が守ってやるからなぁー!』

 

 

『荷はなんだい?麦運んでんのかい?』

 

 

『へぇ、へぇ。そうでございます』

 

 

 

 

護衛達はジロジロと睨み付ける訳でもなく、

すれ違う老人に、気さくに声をかける。

 

内心では最後まで灰色だ。

 

 

相手が気孔家だった場合、その一刺しは、

 

 

 

通り魔どころの威力ではないのだから。

 

 

 

一撃で、自分や仲間を木っ端微塵にする破壊力。

 

後になって『ごく普通の老人に見えました』では、

到底済まされないレベル。

 

 

 

気孔という超能力を操る、臆病な強者達は、

臆病だからこそ、強者なのだ。

 

 

 

 

 

「(この爺、いつも麦運んでやがるな…。どんだけ麦好きだよ。いや、逆に嫌いなのか?)」

 

 

 

 

 

呂晶もその例に漏れず、すれ違う老人を目で追いかける。

 

ただ、この手の者は盗賊では無い。

 

この間まで盗賊だったのだから、

最もそれを見極める能力に長けている。

 

 

と言うより、

自分が盗賊をしていた時、品定めした老人だ。

 

 

 

 

「(あー…。なんかラーメン食いたくなってきた…)」

 

 

 

 

護衛達が注視する最中、一人だけ視線を前に戻す。

 

 

 

違和感を感じる。

 

 

 

戻した軌道の途中、やや上方、

木の葉が数枚、舞い落ちていた。

 

 

一箇所だけ。

 

枝に重い物が乗っていて、それが急に落下したような。

 

 

 

 

もう一度そこに目を向ける。

 

黒い物体が二つ、地面に落下したようだった。

 

 

 

 

 

「おいウェイ、アレ “盗賊” だぞ…いいのか?」

 

 

「あぁ…?つまらん冗談は止めろ。ありゃどう見ても麦好きの爺だろう」

 

 

 

 

老人から呂晶に向き直ったウェイは、

呂晶の指が差し示す方向へ、視線を向ける。

 

 

 

 

「いや待て。……まずいッッ!!」

 

 

 

 

 

イレギュラー。

 

普段なら遠方で発見し、弓兵の一斉射撃で迎撃すべき盗賊。

それが気付かれぬまま、隊列の横腹深くに侵入していた。

 

 

 

 

 

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万全の体制を敷いていれば、滅多に起こらない事態。

それでも、いつか必ず起こる事態。

 

不運にも呂晶は、最初の戦闘でそれに遭遇した。

 

 

 

 

 

「右翼ーーッ!!賊ーーッ!!数ッ、弐イイイィッ!!」

 

 

 

 

 

ウェイが発見の報を飛ばす。

 

待ち伏せていたのか、

たまたま木の上から偵察していて、そこを商隊が通り掛かったのか、

それは判らない。

 

 

それでもあの黒装束は、間違いなく盗賊。

全員が老人に注目した、絶好の好機に襲撃を掛けた。

 

通り魔が最初の犠牲者に襲い掛かるように、

こちらに向かって駆け出している。

 

 

 

 

 

「おい、ウェイ!!叫んでる場合じゃねーぞッ!!」

 

 

 

 

 

射程に入った賊が急停止する。

一人は “それ” を邪魔されぬよう、盾を構えて守っている。

 

もう一人は姿勢を低くし、身を捻ったまま両掌を腰にあて、

いわゆる “カメハ○波” の体勢を取っている。

 

 

子供が遊びでしていれば、微笑ましいポーズ。

 

気孔家にとって、何よりも恐ろしいポーズ。

 

 

 

 

 

『右翼ーッ!!賊、弐ーッ!!』

 

  『右翼ーッ!!賊、弐ーッ!!』

 

 

 

『右翼ー!賊、弐ー!』

 

  『右翼ー!賊、弐ー!』

 

 

 

『右翼…賊…』  

 

  『右翼…賊…』

 

 

 

 

 

ウェイの発した報が、前と後ろに伝わっていく最中、

声に合わせるように、賊に赤い気孔が収束していく。

 

それを見た呂晶は、柄にも無く叫び声を上げる。

 

 

 

 

 

「ありゃ烈火だッ!!おいッ!!烈火を溜めてやがるぞッ!!」

 

 

 

 

 

――烈火暴焔波

 

球体状に収束した炎孔を、両掌から撃ち出す。

最もポピュラーな炎功であり、気孔で “最強の威力” を誇る大砲。

 

その炎の塊は質量を持ち、ライフリングによって貫通力を高め、

人ひとりを木っ端微塵にしても止まらない。

 

 

弱点は弓と同様、威力を保てる距離に限界がある事、

そして、高熱と大砲級の威力を発するまでの、“溜めの長さ”

 

全員が虚を突かれた状況では、どちらもクリアしている。

 

 

 

 

 

 

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「弓隊が間に合わない…構えろッ!!俺達で軌道を変えるぞ!!」

 

 

「クソッタレぇええええ!!初仕事が壁かよォオオオオッ!!」

 

 

 

 

二人は馬をそちらに向け、背負っていた槍と矛を抜いて構える。

下馬している暇は無い。

 

 

 

ニトロの入った容器に、火を付けて投げるようなもの。

破裂した瞬間、炎と爆風を撒き散らす。

 

容器自体の強度もまちまち。

岩のように重くて硬い玉もあれば、空気との摩擦で破れる風船もある。

 

 

 

烈火暴焔波への対策は、

 

第一に、撃つ前に攻撃する。これはもう不可能だ。

 

第二に、避ける。とにかく遠くへ。

 

ただし、背後の商人達は避ける事が出来ず、

それを守る護衛も、この対策を取ってはならない。

 

 

第三の対策。

 

薄い方は武器の先端で弾けさせ、爆風より早く飛び退く。

硬い方はこちらも炎孔を集中し、弾いて強引に軌道を変える。

 

前者は軽いため弾速が早く、後者は重いため弾速が遅い。

放たれた瞬間、どのタイプか瞬時に見極める。

 

 

ただし、あくまで “比較的” であり、そうそう勘は当たらない。

 

野球で言うストレートやチェンジアップもある。

術者の性質によっては、カーブやシュート、ナックルさえもあり得る。

 

 

更に細かく分けると、

単体:火矢<火弾、貫通:烈火<熱風、広域:狂暴<炎洸など、

 

暴焔波系列は、種類もランクも覚えきれない程に数が多く、

しかもそれらが、“ほとんど同じ体勢から放たれる”

 

 

“防御など滅多に成功しない”

 

 

防御をしくじれば、大火傷を負うか、体が弾け飛ぶ。

 

 

 

 

 

 

呂晶とウェイは二人の中間、

賊の視線の先に、一馬身ほどの間隔を開ける。

 

背後の守るべき商人、そこまでの軌道を解放したのだ。

 

賊が釣られてここに撃ち込めば、

槍と矛をクロスして打ち上げ、高確率で上に軌道を逸らせる。

そのまま走り去れば、破裂しても爆炎ダメージから逃れられる。

 

 

だが、それが成功するのは、二人の中間に撃ち込まれた場合のみ。

それ以外なら確実に大惨事が起こる。

 

 

 

 

「(火傷は嫌だよぉ…!!火傷は嫌だよぉ…!!)」

 

 

 

 

夜も眠れない、ヒリヒリと蝕まれるような痛み。

最低でも顔は死守する。ていうか、ヤバそうなら避ける。

 

肌が醜く爛れるなどゴメンだ。

そうなる位なら、後ろの商人共が死ねばいい。

 

 

 

 

二人の武器の切っ先から火花が迸る。

 

導火線に火が付いた、ロケット花火を握っているような、

今にも逃げ出したい嫌な感覚。

 

 

 

 

賊の炎孔が収束し、第二の太陽が生まれようとした瞬間、

 

 

 

 

 

一本の矢がそれを貫く。

 

 

 

 

 

『…ッ!? ぐああぁっ!!』

 

 

 

 

 

賊の “真横” から飛んできた矢は、

収束した炎孔に直撃し、爆発霧散させた。

 

熱を発生する直前だった為、ダメージは少ない。

だが、出鼻を挫くには十分な一撃だ。

 

 

 

 

 

「今のは!…先生かッ!?」

 

 

 

 

 

賊と反対側、隊の後列を振り向く。

 

馬車の上に立つ輜重兵の姿。

視線とは違う方向に弓を構え、止めていた息を小さく吐き出している。

 

 

賊の視界の外、長い隊列と“平行” に飛んできた一矢。

 

護衛全員が虚を突かれた中、

突かれていたから放った、輜重兵の差し出がましい一矢。

 

痒い所に手が届く、気配りの達人・遊珊らしい一矢。

 

 

 

 

 

「(号令もないのに撃って良かったかしら?呂晶が指す方に盗賊さんがいるんだもの…。ビックリしちゃったわ)」

 

 

 

 

 

――抗魔弓術・霞の曲射

 

矢先に細く研ぎ澄ませた気孔を付加し、擬似的に二股、三股にした矢を放つと、

不思議と、気孔が集中する経脈や急所に誘導される現象が起こる。

この現象を利用したのが抗魔弓術。

 

誘導と言ってもほんの少し、ダウジング程度のおまじない。

 

“一寸ズレていれば死んでいた所” を、“死んだ” にする為の矢である。

 

 

 

 

 

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炎孔消失を確認した遊珊は、

周りに小さく会釈をしながら、恥ずかしそうに馬車へ座り直す。

 

気配りの達人は、出しゃばらない。

 

 

 

彼女が得意とするのは、『曲矢』と呼ばれる技術。

 

遊珊は弓を引く力が弱い為、

矢尻から炎孔を噴出し、殺傷レベルまで弓威を高めている。

 

噴出する炎孔を利用して、飛翔角度を最大60度までカーブさせる。

 

相手が避ける方向を先読みすれば、

さながらミサイルのように敵をホーミングする、遊珊の奥の手。

 

 

曲矢自体は気孔家にとって容易だが、コントロールが難しく、

操るには、威力の代わりに繊細な気孔技術が要求される。

 

矢先に研ぎ澄ませた抗魔、矢尻に停滞噴出炎孔など、

聞いただけで目眩のする神経を刷り減らす作業。

 

遊珊はこれを、動かない三つまでの的であれば、三本同時射出で命中させる。

 

 

 

 

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本人が言うように性に合っており、呂晶の爆発加速に然り、

気孔家はこの手の “性に合っている” を手に入れた時、

短期間で信じられないような成長を遂げる。

 

 

 

遊珊と並走している美鈴は、その美しい仕事ぶりを目の当たりにして、絶望の表情を浮かべる。

 

 

 

『(先輩、なんて事を…っ!あの盗賊が…、あの女を殺してくれたかもしれないのに…っ!!)』

 

 

 

『クソッ!!もう一度行く…!曲矢に気を付けろ!!』

 

 

 

炎孔使いの賊が、小指のちぎれかけた手で、

もう一度、烈火の体勢に入る。

 

 

 

『応ッ!…いや待て、“例の女だ”!!』

 

 

 

 

 

 




この5章ではゲーム開始1年位の設定です。
その為、ここでは烈火が最も強い技で、それ以上は文献はあるけど、
使い手は滅多にいない(カミタケくらい)形にしてます。

虎穴山の戦いについては、丁度この動画がそこから長安までの戦いになっています。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm7389838

10年位前の動画ですね。ゲームが始まって3年くらい経った頃です。
なので、EU(ヘレン達)もガンガン参加してメテオやアースクエイクが飛び交っています。
盗賊ユーザーイベントという事もあって、盗賊がメチャクチャ多いです。丁度象もいますね。

開始当初は商人⇔盗賊のスイッチがその場で出来ました。民間人に偽装して襲うやつですね。
さすがに少しすると修正され、一定時間かかるようになり、ついにはスイッチに一週間かかるようになりました。なので、「最近は何故か見かけなくなった」手法です。

虎穴山はゲーム開始当初は最も激戦区でした。
レベル問わずいつも沢山の盗賊が目を光らせていたものです。
作者もレベルも低いのに見物がてらよく行ってました。

たむろしてると辻斬りみたいな護衛が現れて、全員斬り殺していったり、
すると更に強い盗賊が現れてやっつけてくれたり、とても楽しかった記憶があります。
ですが小説と同じで、1年も経つと閑散としてしまい、
昔の思い出に縋って一人で虎穴山に張り込み、寂しい思いなんかもした場所です。

こちらの小説では150人に二人の盗賊が挑んでいますが、
この時期は盗賊がとても少ない時期で、ここまではいかずとも似たような感じでした。

それでも活動していた盗賊はごく少数いて、やはり無謀な戦いを繰り返していて、
彼等はなぜそんな無謀な戦いを続けていたか、
次の次?辺りで、作者なりの見解を表現したいと思っています。


抗魔はゲームではクリティカル率アップの技です。
気功を消すような効果は無いのですが、名前が気功の相殺に適してそうだったので。
三つの的に三本同時射出も、そういう技があります。

遊珊はいわゆる、知型(気功重視)の弓使い、『知弓』になりますが、
これはゲームで最も弱い組み合わせでした。

弓は魔法攻撃力が低く、クリティカル技が多い武器ですが、
クリティカルは物理攻撃力に依存するため、知型では弓の性能を発揮しきれません。
しかも気功と弓では遠距離技が重複する為、意味がないのです。

それでも知弓の人は一定数いました。
結局、知弓が弱いというのは知弓の人が育てた結果、判る事なのですね。
最弱キャラを育ててしまったら、大抵辞めるか作り直しです。

このゲームも昨今のゲームの例に漏れず、むしろ先駆けというか、そういうのが多いです。
正解以外はほぼ外れで、その正解もアップデートでいきなり変わったりします。私はこういうのが大嫌いです。格ゲーの微調整でキャラ人気を操作するみたいな。

弱くても他にない取り柄がある、そういうのが楽しいと思うのですが、
おそらくそういう要素は、あまり商売に適さないのでしょう。

だからeスポーツはオリンピックで認可されないのだ、と個人的に思っています。
この辺りがタイトルのdifferentiam(ラテン語で論理否定)の由来ですね。

そんな事もあって、知弓に何か一芸を加えたい、そう思って付加した要素が
『曲矢』になります。
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