甘い甘い、お菓子のような彼女。 作:飯妃旅立
※グロテスクな表現、カニバリズム表現アリ
「――……っハァ」
夜。
すっかり寝静まった同室の女の子・
彼女が起きた様子は無い。
当たり前だ。十分、ぐっすり眠るように、そういうクスリを盛ったのだから。
おもむろに彼女にかけられた毛布を剥がし、パジャマのボタンを一つ一つ外していく。
陶磁器のような白い肌が露わになる度に爆発しそうになる”欲”から眼をそらしながら、パジャマの前を完全に肌蹴させることに成功した。
ナイトブラを剥ぎ取って、決して大きくは無いものの形の良いその胸に――、
「んは……ぁぐ」
齧り付く。
少女の柔肌はすべすべで、毛一つ生えていない乳頭はコリコリで。
思わずその乳房に、
ドロリ……と零れ出す真赤なソレも余さずに飲む。私達の犬歯には管が開いていて、そこから相手の体液を吸い出したり、逆にこちらの体液を入れたりできるのだ。
私はまだその行き来を完全に制御できるワケではなく、吸い出す時には必ず体液を入れてしまうのだが、母様に言われていたような「普通の人間に体液を入れるとすぐに
「んぐ……にゃぎ……」
突き立てた犬歯が深々と白い乳房に入り込んだので、今度は下顎をゆっくり、ゆっくりと閉じて行く。舌でチロチロと乳首を舐めまわしつつ、やがて辿り着いた柔らかな肌を、しっかり、じっくり、味わいながら潰していく。
興奮で隠しきれなくなった黒翼がギンギンに張り、同じく出て来てしまった尻尾がタンタンとベッドを打つ。
「へふぇ……ぇへへ……」
犬歯をアンカーのように固定した上顎。そして、人間とは比べ物にならない力で閉まって行く下顎。
それらがミチミチと音を立てながら、真奈美の可愛らしい乳房へ入り込んでいく。
じゅわ、と溢れ出る血液が犬歯ではなく舌に直接当たって、その余りにもな美味しさに達してしまった。だが、そんな性の余韻よりも、「この肉を食べたい、この血液を飲み干したい」という食欲の方が圧倒的に勝っていて、痙攣する下半身とは裏腹に口が止まる事は無い。
「……っ」
そして、ガチ、と……歯と歯の当たる衝撃。
そのままぶちぶちと音を立てながら顔を上げて行く。勿論、音を立てているのは真奈美の皮膚や筋線維、そして乳腺だ。
まるでミカンやグレープフルーツを輪切りにしたかのような断面に興奮を覚えながら、口の中に飛び込んできた極上の乳肉を味わう。
表面はつるつるで、裏側はサラサラ。蕩けるような甘さと隠し味のような汗のしょっぱさ、そして表現のできない、この世にある全ての味覚を凌駕する圧倒的な「美味しい」という感情。
それらすべてが綯い交ぜになって、でもはっきりとわかるくらいに、私の脳へと衝撃を以て突撃してくるのだ。
余りの美味しさに真奈美の上で大きく仰け反る。恐らく私の顔はいびつで不気味で、情けの無いものになっている事だろう。笑顔と興奮と感動が混ざり合った、そんな顔だ。
舌で乳肉を舐める度に、喉に溜まっていく血液を嚥下する度に、触ってもいないクリトリスが勃起し、膣は脈動して愛液を吐き出し、翼はこれでもかという程に張りつめて、尻尾は犬のように暴れ回る。
「ぁ……は……あぁ……」
両頬を両手で押さえ、その美味しさを逃がすまいと奮闘する。
喉がこくこくと唸りを上げ、胃や腸が早くそれを寄越せと懇願するが、まだ口で味わい切っていない。
一噛み、二噛みと繰り返す。
その都度溢れ出る
少しずつ、少しずつ噛み千切って飲み込んでいくのだ。
喉を通る血肉が、胃に入った血肉が、全身のどこに、どのようにして運ばれていくのか、熱を以てわかる。その感動に身を掻き抱いて、最後の最後、取っておいた乳肉の半分を、
「はっ……はぁっ……ぐ、んぅ……!」
獣が食い千切った肉を喰うように、荒々しく豪快に顔を動かしながら咀嚼していく。
まるで野生動物になったかのような錯覚を覚えるこの行為はとても気持ちがよくて、曲がりなりにも高貴なる夜の家出身の私がやるには余りにもみっともない行為なのだが、ついついやってしまう。
それほど、彼女の血肉には魅力があるのだ。
「……はぁ……ふぅ……」
バクバクと激しい鼓動を刻んでいた心臓を、深呼吸で落ち着かせていく。
静まって行く身体。
同時に、湧きあがってくる寒気のようなもの。
夜の住民用の睡眠薬は麻酔と何も変わらない。だから、真奈美は自分の乳房が噛み千切られて咀嚼されたことなど全く気付いていないのだろう。
あどけない顔で右乳房を真っ赤にぬらして眠る姿はなんだかシュールで、フフと笑ってしまう。
何も知らない人間。夜の住民の、どれほど下級種族であっても敵わないだろう非力な人間。
その少女の寝込みを襲って、本来守るべき友達の血肉を貪り食う。
背徳感と、罪悪感。
彼女は次の朝も、自分が夜に何をされているかなんて全く気付かずに、私に挨拶をしてくるのだろう。
「……ふぅ」
自らを苛むソレを、頭を振って追い出して、彼女の胸に溢れた血を丁寧に舐め取って行く。その甘美さに興奮はするものの、まだ抑えられる。
そうして彼女の肌を丹念に舐めしゃぶったら、こんどは傷口……柑橘類を輪切りにしたかのような乳肉へ、枕元に置いてあった注射針をつぷ……と刺した。
スピッツに入った緑色の液体が彼女の乳房へと流れ込んでいく。
すぐにじゅわ……と泡が立ち始め、まるで沸騰しているような様相を見せた後、泡は解けるように消えて行った。
残るのは、ナイトブラを取った時と何ら変わらない、可愛らしいプリプリの乳頭。
「……
それは真奈美の持ち物にあったもの。
彼女はその身体の甘美さからわかるように、”
本来の
だが、真奈美は現存する無所属の
よって、この中学の理事長からこの再肉液が渡されているのだ。
もし、この学校にいる夜の住民たちから襲撃という名の食事を受けてしまっても、死なないように。
その名の通り肉を再生させるこの液体は非常に高価で、通常であれば
だが、これがあるからこそ私はこの夜這いをやめられない。
治るならいいじゃないか、と囁きをする悪魔が脳裏から離れないのだ。
そんなこと、あるはずがないのに。
「友達を好んで食べる化け物……最低ね」
吸血鬼だとバラして、どうしても貴女の血が吸いたいと言った私を快く受け入れてくれた真奈美。勢いで押し倒し、レイプ紛いの吸血を行っても、優しく撫でてくれた真奈美を、まるでただの食物であるかのように扱う自分が嫌いで仕方がない。
それでも止める事が出来ないのは、理性より本能が真奈美の血肉を求めているからだろう。
ナイトブラを戻して、パジャマのボタンを留めて行く。
自分の愛液でびちゃびちゃになってしまった真奈美の下半身は、過去、街に潜んでいた吸血鬼一族が吸血を隠す為に使っていた乾石(水分を吸収する石)で乾かして、石自体はベランダへ干しておく。
これで、終わり。
翼と尻尾をしまって、真奈美の横に寝転がり、毛布を被る。
すぅすぅと寝息を立てる彼女のよこへピト、とくっついて、私も目を瞑った。
おやすみなさい。
寝たか。
奈央は俺が「再生」の特異体質を持っている事は知らない。
だからこういう液体を使うのだろうが、そもそもこの「再肉液」とかいう液体は「肉体の再生速度を高める液体」であって、再生速度が遅い人間に使っても然したる効果は見込めない。と、聞いている。お婆さんから。
ただ、俺が「再生」という体質を持っている事が多くにばれてしまうと、今度は「ならどれだけ食べても良いじゃないか」と思う夜の住人が出て来てしまう。
なので、方便のためにこの「再肉液」を持たせてくれたのだ。あくまでそれの効果で再生しているんですよ、とするために。
「……んんぅ……」
隣で身動ぎしながら甘い吐息を漏らす奈央の頭を撫でながら、静かに息を吐く。
――別に、起きている時でも食べていいのになぁ。
今の心中はそれで埋まっていた。
寝たふりをして奈央のあられもない姿を見るのは確かに好きなのだが、どうせだったら俺の身体を押さえつけて、俺の身体を貪り食う奈央の姿を見てみたい自分がいる。
どうせ治るんだし、どれだけ食べても構わないのに。
乳房から入ってくる体液も麻酔毒も「再生」が殺してしまうから、毎夜行われる奈央の痴態ショウは一度も見逃していないのだ。勿論言うつもりはない。
ただ、どうにかして……どうにかして、起きている時に食べさせることは出来ないかなぁ。
そんな事を思いながら、俺はまた眠りに就くのだった。
今作の吸血鬼は牙と黒翼と尻尾があるまする。
尻尾はトカゲみたいな形で、翼はコウモリみたいな形でする。
牙(犬歯)には細い管があって、それが鼻の横を通る管に繋がっていて、さらに喉に排出口があるので、噛み付くだけで血が吸えちゃいます。