第1話
「どけ!クソガキ」
バシっ!
「わあ!おばちゃんがぶったあ!」
「おねえさんだろ?コラアアア!」
バキスカドコッ!
その女は小学校低学年と見られる小さな子供に対して殴る蹴るの暴行を加えた。
「キミ!やめなさい!」
その様子を見るに見かねたサラリーマンが止めに入る。
「あら?正義感?あなたみたいな人、嫌いじゃないわよ?」
「うっ!」
その暴行女は割と美しい顔をしていたので顎を美しい五指で掬うように触られた若いサラリーマンは一瞬動きが止まる。
その瞬間。
バゴッ!
「ウワアアア!」
股間を蹴り上げられた若いサラリーマンはもんどりうって苦しんでいた。
さらにその若いサラリーマンに対してその女は唾を吐く。
「ぺっ!偽善者が!おととい来やがれってんだよ!!」
ウーウー!
パトカーのサイレンが鳴り響く。
「ちっ!誰か通報しやがったか。」
そそくさとその女はその場から立ち去った。
夜のとばりが下りる中その女は寝床と思われるあるマンションに来ていた。
エレベーターに乗ろうとすると
「すみませ~~~ん!」
と後方から声がその女には聞こえているが聞こえていないフリをして容赦なくエレベーターの扉を閉める。
その女はエレベーターの扉が占める動作に入ってから14Fのボタンを押した。
そして14Fにつくと閉まるボタンを押してから各階のボタンを全て押してその女はエレベーターから飛び降りた。
「1階につくには10分くらいかかるだろうね。ウヒヒヒ...。」
1402号室と書かれている自分の部屋と思われる場所に入るとコートのポケットから万引きしてきたフォアグラの缶詰を取り出した。
キュリキュリキュリ...カポン!
ガラガラ...。
キッチンの棚の引き出しからスプーンを取り出し、その女はフォアグラをスプーンですくって食べた。
「うん!おいしいわ!」
女はそう言いながら腰のスカートのスリットとポケットをまさぐるようにし何枚かの紙幣を取り出して数えはじめた。
「大きいのが3枚に...後は23枚...か。」
女はキッチンの棚の引き出しから豪華な財布を取り出すとその紙幣を大切にしまった。
そしてその財布を今度はリビングのソファーについてる隠し引き出しにしまった。
「さて、資金も出来たしこのマンションもそろそろかな...。」
そう言いながら女は全裸になった。
あちこち傷だらけだったが見事なプロポーションだった。
シャーーーーーー。
シャワーを浴びながらその女は何を考えていたのだろうか。
これから為すべきことなのかそれとも過去の忌まわしき出来事なのか。
それは彼女しかわからない。
◇
翌日その女は燃えるゴミを階下のゴミ集積場へ持って行った。
「あら、あんた『今日は燃えるゴミの日』じゃないわよ!」
世話好きそうなオバさんからその女は注意された。
「うっせ、ババア!!どうせいつかは持っていくんだろうからいつでもええじゃろが!」
女はそう怒鳴るとゴミを置いてスタスタとその場を立ち去った。
世話好きそうなオバさんははあーっと溜息をついた。
「しょうがないわねえ、まったく。」
そのオバさんはその女が置いてったゴミを自分の部屋に持ち帰った。
◇
その女はあるビジネス街で何かを落としたようでウロウロしていた。
スーツを着たビジネスマンが声を掛ける。
「どうかしましたか?」
「ええ、コンタクトを落としてしまって。」
「それは大変だ、俺、ちょっと今、時間あるんで探すの手伝いましょうか?」
「いえ、でもそんな悪いわ。」
「いえいえ下心とかないんで心配しないでください。」
「じゃあ、お願いしようかしら。」
「はい!」
とそのビジネスマンが応えるやいなやプチッとそのビジネスマンの足元で何かを踏み潰してしまった音がした。
「あ!」
「え!」
「...あちゃーすみません、俺がコンタクト踏み潰してしまったようです。」
「...」
「あ、あの弁償させてください...今、5万しかないけど...あ、これ俺の会社の名刺です!足りなかったら後で連絡ください!」
「ええ!?そんな悪いわ!あなたは何も悪くないです!」
「いや、でも俺が後味悪いんで!...じゃあ、会社に遅れるんで俺、いきますね!」
女は現金5万円と名刺を渡されしばらくポカンとしていたがその表情はしばらくして邪悪な微笑に変わった。
「...バカが!5万もらえれば十分なんだよ!誰がお前の名刺なんかいるか!後で礼におっぱいでもしゃぶらせてもらえるってか?俗物が!死ね!!」
女は激昂しながら名刺を破り排水溝の網からそれを流してしまった。
それを物陰から見ていた一人の男がばっと女の目の前に現れ手帳を提示し女の腕を掴んだ。
「