我那部野が不在のまま波哉香は中1の2学期を終えようとしていた。明日から冬休みだ。
「我那部野君がいないと寂しいね」
美樹は心にもないことを言う。我那部野がいない間は波哉香を一人占めできるので内心は嬉しかった。
「......そうだね」
「具合のほうはどうなの?」
「1週間くらい入院すれば退院できるって」
「そうなんだ」
「うん、私、退院するまで毎日お見舞いに行くけど美樹も行く?」
「......ううん、私はいいよ。二人の邪魔しちゃ悪いし」
「そう」
美樹はがっくりきた。放課後に波哉香と一緒に遊びに行こうと密かに思っていたからだ。二人が2時間目の休み時間にそんな話をしていると突然、上杉麗子が訪れる。
「北条!北条はいるか!!」
「は、はい!」
「おお!いたか!どうだ?入部の件考えてくれたか?」
「えっと、あの......」
「ん?どうした?今、入部すれば冬休みの間みっちり練習できるぞ!供に全国を目指そうではないか!」
「すみません私、剣道部へは入れません。友達が入院中でお見舞いに行かないといけないし勉強もあるし......」
「......そうか。無理強いはできない。......気が向いたらいつでも私のところに来てくれ」
「はい、すみません」
麗子はがっくりと肩を落とし教室を出て行く。
「なんか、悪かったかなあ?」
「仕方ないんじゃない?」
「......うん、でも上杉先輩3年なのにまだ部活ってあるの?」
「さあ?詳しいことはわからないけどまだあるんじゃない?」
「もう進路とか決まってるのかな?」
「それは決まってるみたいよ?既にうちの学校の高等部に進級が決まってるって」
「へー、なら部活に集中できるね」
「そうだね、私達も進路考えなきゃね......波哉香はどうするの?」
「私もとりあえずここの高等部かな?」
「そうなんだ。じゃあ、私も頑張って波哉香と一緒にこの学校の高等部に入れるよう勉強しなきゃ!」
美樹は鼻息を荒くして言う。ここの高等部は推薦以外、一般入試と同じような進級試験があるのだ。
「うんうん、私も美樹と一緒に高校生活を送りたいよ!」
波哉香にそんなことを言われますます美樹のテンションは上がるのであった。
◇
「波香殿、長い間、お休みをいただきありがとうございました」
産休をしばらく取っていた汐海が北条のお屋敷を訪れた。
「うん、どお?お子さんの具合は?」
「はい、順調だ」
「そう、良かった」
「で、私に仕事ってあるのだろうか?私はお金を稼ぎたいのだが」
「もう少ししたら人手が足りなくなるくらい忙しくなると思うけど......今のところ暇ね」
「癌を治す薬の仕事だな?美菜から話は聞いている」
「うん。まだまだ安定した受注を貰える状態ではないの」
「癌をたちどころに治すなんて素晴らしいと思うがな......」
「......大人の事情ってやつじゃないかしら」
「大人の事情......か」
プープープー......
波香のスマフォが鳴る。波香は送信元を確認するとそれは受付窓口だった。
「はい、波香です」
『あ!波香様!神崎グループの神崎喜一郎様が波香様に面会を求めていますがお会いになりますか?』
「喜一郎様が?うん、丁重にお通ししなさい」
『わかりました!』
スマフォを切ると波香は天を仰ぐ。神崎喜一郎は実の父親以上に世話になった人物である。
「喜一郎様......何の用かしら」
しばらくすると喜一郎は客間を訪れそれを波香が出迎える。
「やあ、波香さん」
「喜一郎様、御部沙汰しております」
「いまや北条家の当主とは......しばらくみないうちにさらに立派になりましたな」
「はい、おかげ様で。今の自分があるのも喜一郎様のおかげです」
「はっはっは。いやいやそんなことはない。波香さんの実力ですよ」
「......いえ、そんな」
「今日、来たのは他でもない。なんでも波香さんの会社で癌を治す薬の開発に成功したとか?」
「さすが喜一郎様。お耳が早いですわね」
「はっはっは。企業が生き残る為に情報戦略はとても大切だからね。後手後手に回っていたら勝利は掴めない。まあ、堅実経営もいいですがそれじゃあつまらないでしょう?」
「はい」
「で、その薬は使用認可がまだおりてないとか?」
「はい、喜一郎様の仰る通りです」
「薬の認可の手続きと販売を私どもに任せてもらえないだろうか?」
「.....神崎グループに......ですか?」
「いかにも!私には厚労省にもいくつかアテがあるので認可を取るのはそんなに難しくはない」
「......喜一郎様には今までお世話になりまして大変恐縮なんですがこの薬は北条グループ......いえ、本家の威信がかかっているのです。申し訳ないですがこの薬に関しては喜一郎様のご意向にはそぐえません......」
「......ほぅ、威信ですか?」
「はい。それに神崎グループに認可と販売をお願いした場合、それなりにマージンを支払わなくてはなりません......うちに今、利益を余剰する余裕はないので」
「そうですか。いや、はっはっは。まあ、何かあったら私に言ってください。お手伝いしましょう」
「はい、ありがとうございます」
話は5分で終わり用件だけ話した喜一郎は北条のお屋敷を出る。
「.....女狐めが。やはり早めに潰しておくべきだったか?まったく誰のおかげで今の自分があると思うのだ。恩知らずめ!」
__北条の敷地を出た途端、喜一郎は門に向かってそう独り言を吐いた。
◇
「どお?タオ?身体の調子は?」
「問題ないと思うぞ?」
「そう、良かった」
「ハヤカのほうはどうだ?何か変わったことはあったか?」
「特にないよ」
「そうか」
「......」
「......」
毎日見舞いに来ていれば変わったことがない限り特に話すことはない。波哉香と我那部野は黙り込んでしまった。
「ねえ」
「なんだ?」
「キスしたい」
「おう」
「......私から行くよ?」
「おう、こい!」
我那部野は目を閉じる。波哉香は我那部野の顔をほんの少しの間眺めると自らも目を閉じ我那部野の唇にそっとキスをした。
「そんなんじゃ足りねえ!」
ガッ!......ぐい
我那部野はパチッと目を開けると波哉香の腕を掴み波哉香を抱き寄せる。
「あ!」
ブチュ!
「あんんん!」
にゅるにゅるにゅる
我那部野は舌を波哉香の口にねじ込んでいく。波哉香はそれを受入れ我那部野の舌は波哉香の舌を舐めまわし絡めて行く。
「んんん......ぷはあ、......はあ」
......ドサッ
キスを終えると波哉香はベッドに寝ている我那部野の胸に抱きついた。
「......好き」
「おう!俺も好きだ!」
「なんでだろ?初めはそうでもなかったのにどんどん、どんどんタオの事好きになっていくよ」
「そ、そうか!!嬉しいぞ!」
我那部野は自分の胸の中にいる波哉香を抱きしめる。しばらくの間、二人は抱き合っていたがやがて波哉香は顔をあげて我那部野の目を見つめた。
「......もっとキスして」
◇
「......ふぅ」
波香はソファにもたれかかる。今まで世話になった恩人の意向にそぐわなかったことになんとも言えない気持ちになっていた。おそらくこれからは喜一郎は自分の力にはなってくれないだろう。波香の対応は喜一郎のプライドを激しく傷つけたのだ。
「......ま、しょうがないわね」
プルルプルル......
波香のスマフォが鳴る。弟の真樹男からだ。
『.....ネエサマ。波哉香ちゃんの彼氏の件ですけれど......』
「うん、何かわかった?」
『調べるのにかなり時間がかかりましたけれどやはり日本には現在『我那部野』なんていう苗字は存在しませんわ』
「そう、わかったわ」
『ネエサマがやったように波哉香ちゃんの彼氏は偽名を使っていると思われますわ』
「そうね、私もそう思う」
『そう考えると只者ではありません。くれぐれも波哉香ちゃんには用心するように伝えたほうが良いのでは?』
「うん、そうするわ。ありがとうマキオ。調べてくれて」
『礼には及びませんわ。それにネエサマ。私はマキオではなくてマキナです』
「うん、わかった。じゃあねマキオ」
プッ......
波香はスマフォを切ると深くため息をつく。自分の恩人と自分の娘の存在が自分の心の中に不安の種になってぽつんと残っている。心配事はまだまだ波香にとってつきそうにない。
「.....せめて仕事が軌道に乗ってくれれば......」
◇
......もぞもぞ
「んっ!んっ!」
波哉香と我那部野はベッドの上で掛け布団の下に潜り込んでお互いの唇が腫れ上がるほどに吸いあっていた。やがて我那部野はキスだけでは飽き足らず波哉香の胸をまさぐりだした。
「はぁ!......今日はこないだみたいに脱がさないでよ?病室に誰が来るかわからないんだから」
「わかってるよ」
波哉香の言うことなど上の空で我那部野は波哉香の胸をまさぐりやがて揉み始めた。
「......はあ!......脱がないなら脱がないでシャツとかシワシワになっちゃう。......ひゃあ!」
我那部野は波哉香がシャツを着たまま波哉香のシャツの間に手を滑り込ませブラジャーのホックを外した。
「ちょ!脱がさないでってゆってるのにぃ!」
「服の中でだから大丈夫だ!」
そう言うと我那部野は波哉香の乳房をじかに触り激しく揉みしだく。
「はぁ......あ!んんん......」
がばあ!
そして波哉香のシャツをめくりあげピンク色の乳首を口に含んだ。そして口に含んだまま舌で乳首を舐めまわした。
「ンんん......ぁん」
その時、我那部野の病室のドアが開く。
「我那部野くん、検診の時間ですよー。まずは体温を測りますねー」
「ヤバッ!」
波哉香は思わず声を出してしまいそうになるが自分の口を自らの手で塞ぐ。そして看護師は我那部野に体温計を渡すと我那部野の布団が不自然に盛り上がっていることに気が付く。
「あれ?我那部野くん、そんなに太ってたっけ?」
「......いえ、ちょっと溜まってたもので。ここにはエロ本がどっさり入ってます」
「.....へえ、我那部野くんまだ中学生なのにね......ふふ、どんなの見てるの?お姉さんに見せて?」
「だめです!恥ずかしいんで!勘弁してください!」
「いいじゃん?見せてよ?」
「だめです!ほんとだめですから!」
「え~......熱はないようね。じゃあ、お姉さんは行きますね。......しすぎはよくないからほどほどにね」
看護師はそう言うと病室から出て行った。
「......ハヤカ行ったぞ」
「......はああー、やばかった。.....もう!結局、脱がすんだから!」
波哉香は乱れた衣類を治しぷくっと頬を膨らませると我那部野に怒る。
「すまん。あまりにもハヤカが可愛いもんだから......」
「......今川さんよりも可愛い?」
「当たり前だろ!比べものになんねえよ!」
「そう......嬉しぃ」
こそっと呟き俯く波哉香を我那部野はわなわなと震えながら見ていた。
「......ハヤカ、もう帰れよ」
「え!?なんで!?」
「......ベッドの上でお前が近くにいて......我慢しろってのが無理なんだよ!」
「でも、面会終了時間まで一緒にいたいよ」
「勉強もあるだろ?」
「まだ一緒にいたいの!」
「!!勝手にしろ!!」
「うん!勝手にする!」
そして再び波哉香は布団の中に潜り込む。そしてやけに盛り上がっている我那部野のズボンのファスナー部分を触ってみた。
びくん
「あはっ面白い」
我那部野が敏感に反応するので波哉香は調子に乗って我那部野のズボンのファスナーを下ろしパンツの窓から我那部野を取り出した。
「すごい。ビクンビクンしてる」
波哉香は手に握ったまま我那部野の亀頭の部分を舐めまわす。
「......臭いし変な味がする。でもこうするとタオは気持ちいいんだよね......」
恐らく布団の向こうでは我那部野がはあはあ言っていることだろう。そう想像すると波哉香の暴走は止まらず我那部野を口に咥えて最初はゆっくりと徐々にフェラチオのスピードを上げて行った。
どっぴゅう~
やがて我那部野は波哉香の口の中に放出する。
......ごっくん
「うえ~ニガっ。まずい」
波哉香は布団を汚したらいけないと思い、思わず全部飲み込んでしまう。そして布団の中から顔を出すと我那部野はとろんとした顔をしていた。
「あはっ。イったんだね。気持ち良かった?」
「......ああ、最高だ」
「もう1っ回やってあげよっか?」
「いや、もう.....あああ!」
波哉香は再び我那部野に吸い付いた。
__この日二人は面会終了時間まで看護師の目を盗みいかがわしい行為をするのであった。不純異性交遊は学校では禁止されている。
(続く)