___20数年前。
「おねえちゃ~~ん、待って~!」
「ナミカちゃ~~~ん!早すぎるよー」
「あははは!マキオ!トキヤ!遅いよ!」
1人の少女と2人の少年は川原でかけっこをしていた。
少女少年と呼ぶにはあまりに早すぎるだろうか。
その子たちは小学校にあがるかどうかの年頃だった。
「はあはあはあ、なんでそんなにナミカちゃん早いの!?」
「さあ、知らない!」
「はあはあ、おねえちゃん・・・。」
「マキオもだらしないぞ!」
「あれ?もう暗くなってきた?」
「そうね、もう帰りましょう」
少女は両手を差し出しそれぞれの少年と手を繋いだ。
「・・・僕、将来ナミカちゃんと結婚したいな」
「え~、トキヤと私があ?」
「だめだめだめ、おねえちゃんは渡さないよ!」
「うふふ、マキオったら」
3人はすごく仲がよさそうだった。
「じゃあ、トキヤ。ここでお別れだね。1人で大丈夫?車、呼ぼうか?」
「うん、大丈夫だよ。ナミカちゃん、マキオ、また明日!」
少年はそう言うと振り返り走っていった。
ブロロロォ!ギャギャギャ!
がその時、いきなり猛スピードで曲がってきた軽トラックがトキヤをひきそうになった。
「トキヤ!あぶない!」
「うわー!」
バシッ!ズザザザアーッ!
少女はトキヤに身体ごとタックルをあびせ軽トラックからトキヤを守った。
「クソガキが!とびだすんじゃねえ!」
軽トラックを運転していた男性はそう叫ぶと走り去って行ってしまった。
「大丈夫!?トキヤ!?」
「うん、だ、大丈夫・・・ナミカちゃん!膝からすごい血が出てるよ!」
「あ!へ、平気だよ!こんなの!」
「あわわわ、おねえちゃん!本当に大丈夫なの?」
「うん、大丈夫・・・いっつぅ・・・。」
「僕、トキヤさんの家の車、呼ぶね!2人ともそのまま動かないで!」
マキオと呼ばれる少年はそう言うとポケットから子供用の携帯電話をとりだし電話をかけた。
「ナミカちゃん・・・」
「・・・トキヤ、それより丸出しだよ?」
「え?」
トキヤはナミカが自分の下のほうを見てることに気がつき、ふと視線を下に落とすと半ズボンがパンツごと脱げていてちんぽこが丸出しになっていた。
「あわわわ!」
急いでトキヤはパンツごと半ズボンを履きなおそうとした。
「シャッターチャンス!」
パシャ!
それよりも早く少女は使い捨てカメラのシャッターを押した。
「え!?え!?」
「あははは、トキヤのちんぽこ丸出し写真ゲッツ!」
膝下が血だらけになりながらもその少女はそう言い放った。
「なんでナミカちゃん、そんなの持ってるんだよぉー」
トキヤは泣きそうな顔でそう言った。
「うふふ、いいでしょ?お父様に買ってもらったの。」
「・・・」
「おねえちゃん、そんなことしてる場合なの!?」
電話を終えたマキオが少女にそう言った。
「マキオ。こういう証拠をとれる道具は貴重なのよ!覚えておきなさい!・・・さっきの軽トラック許さないから!」
一転して少女の顔は道路の前方を見て怖い顔になった。
「まさか、おねえちゃん、さっきの軽トラックのナンバー、写真にとったの?」
「当たり前でしょ?」
「え!?とっさにそんなことしたんだ!」
「まあね、マキオ、トキヤ。うちに帰ったら執事に頼んであの軽トラックの運転手から慰謝料をたくさん取りましょうね」
「・・・あはは」
「それで3人でおいしいものでも食べにいきましょう!」
「うん!」
「いいね!」
ほどなくしてトキヤの家の車が迎えに来て3人は無事にそれぞれの家に帰ったのであった。
「北条先生?・・・時哉さん?時哉さん!」
「ハッ!なんだい?メグミ?」
視聴覚室で北条時哉と神崎恵美は逢引きをしていたのだ。
「もう!だから、今日は学校終わったらどうする?また、隣町で食事でもしてその後ホテルで・・・」
「ごめん、メグミ。今日はちょっと用事があるんだ」
「どんな、用事なの?」
「・・うん、ちょっと授業の資料の整理をしたくてね」
「・・・本当?」
「本当だよ」
「・・・こないだ、城之内先生と随分と仲良く話しながら歩いてたね?」
「そ、そう?別に普通だけど。」
「ふうん」
「さ、そろそろ午後の授業が始まる。戻ろう。」
「・・・うん」
2人はそれぞれの場所に戻っていった。
◇
午後の授業に向かう北条時哉。
(・・・なんてことだ。俺はいまだにナミカちゃ・・・波香様のことが忘れられないんだ。いや忘れていたハズ。・・・なのになんでまた俺の前に現れたんだ。)
北条時哉は運命を呪いつつ受け持ちのクラスへと急いだ。
静まり返った校舎内がまた騒がしくなる放課後。
授業を終え、女は職員室に戻ろうとした。
その女の前に神崎恵美が立ちはだかった。
「あら?あなたは?」
「私は2年の神崎恵美です」
「神崎さん。・・・私に何の用かしら?」
「単刀直入に言います!北条先生に手をださないで!」
「はあ?」
「私は神崎財閥グループ総帥、
「はあ・・・」
「いいですね!手をださないで!」
神崎恵美はそう言い放つとスタスタとどこかに行ってしまった。
その女はしばらくぽかんとしていたがすぐに邪悪な微笑みに表情は変わっていた。
「・・・面白い!小娘が!目にモノを見せてくれるわ!・・・ウヒヒ」