雑務が一段落した2人の教師は食堂へ降りる階段の踊り場で立ち話をしていた。
「本当に行くのかい?」
「ええ、行くわよ」
時哉はおろおろとして波香に尋ねたが波香はしれっとそう答えた。
藤田体育教諭のドライブのお誘いを波香は受けることにしたのだ。
「俺もついていくよ!」
「はあ?無理でしょ」
「ナミ......城之内先生、1人では危険だよ!」
「大丈夫でしょ?何かあっても相手が1人なら負ける気はしないわよ。......3人以上いたらキツイけどね」
「......きっとあの画像をタテにして変な事を要求してくるんじゃ......」
「まあ、とにかく藤田の好きにはさせないからあまり心配しないで」
「そ、そうか......」
「......メグミちゃんにもこの件、話しておいて」
「わかった」
「残念だけど視聴覚室に集まるのは......やめておいたほうがいいわね」
「......そうだね」
「毎日のメグミちゃんのお弁当、楽しみだったのに......くそがっ!!」
バゴッ!!
ガラガラガラーン!
波香はそう叫ぶと自販機の横の空き缶入れを蹴飛ばした。
「ちょ、城之内先生!落ち着いて」
「わこつわこつわこつ」
「は?」
「わこつわこつわこつ」
「なんだそれ?」
「......なんでもない、言ってみただけ」
「あほか」
時哉はこぼれ落ち散らかった空き缶をひとつづつ拾いながら呆れてそう言った。
◇
赤いスポーツカーが波香のアパートの前に止まった。
サングラスをかけノースリーブの真っ赤なジャケットを着て筋肉質なその男は車から降りた。
それを波香はすでに階段下に下りていて出迎えた。
「あら、時間通りね」
「よ!城之内先生!......なんじゃい?そのカッコは?」
波香のジャージ姿を見て藤田はそう言った。
「なんで?動きやすいほうがいいでしょ?」
「俺たちの初デートなんだからもうちっとオシャレしてくれよー」
「デート?ただのドライブでしょ?」
「......まあ、いいけどよ」
「さ、行きましょ」
「おう!」
ブロロロォ......
2人の高校教師を乗せた赤い車は首都高にのってぐんぐんと飛ばして行く。
「ところで今日はどこへ行くの?」
「海だ!海はいいぞ!」
「海ね......嫌いじゃないわよ」
「そうだろうそうだろう、わっはっは」
「......あら風が強いわね」
ふいに波香はハンドルに横から手をだした。
ギャワワワ!
スピードがでているので急激なハンドル操作によってタイヤが悲鳴をあげている。
「ちょ!あ、あぶねえ!」
あわてて藤田はハンドルを元に戻す。
「ごめんなさい、風でバランスを崩してしまって」
「あぶねえだろうが!横から手をだすな!」
「ごめんなさい」
「なんて女だ!ったく!」
「ええ、よくそう言われるわ」
「あほか」
「それもよく言われる」
「......」
「ねえ、本気で私を口説こうとしているの?」
「ああ、まあな」
「なんで?」
「なんでって好きになっちまったからだ」
「はあ?ろくに話もしたことないのに?」
「......俺が話しかけてるのにそっちが一方的に無視してんじゃねえか」
「......無視されてるのに好きになるなんてあなた頭がおかしいんじゃないの?」
「ああ、頭がおかしいのかもな。俺は。......お前の美しさに頭がイカレたのかもしれん」
「そんなこと言われても嬉しくもなんともないのだけれど?」
「......まあ、なんと言われてもお前は俺の言うことを聞くしかないんだよ。あの画像がある限りな!」
「随分と歪んだ愛ね」
「そうでもしないとお前は俺のことを相手にしてくれないだろうが」
「あきらめるっていう選択肢はあなたにはないのかしら」
「......あきらめてたさ。最初はな。だが偶然、昼休みに視聴覚室を通りがかったら妙な声が聞こえてきてな?」
「......」
「随分と楽しいことをやっていたな?」
「......ねえ」
「なんだ?」
「あなたのスマフォの携帯番号を教えてもらえるかしら?」
「なぜだ?」
「......弱みを握られた以上、あなたの言うことを聞くしかないじゃない?」
「そうだな」
「だから、あなたからの連絡がきた時にあなたからってわかったほうがいいでしょ?それにこれからのデートも考えたら私から連絡したい場合もあるし」
「お!そうだなそうだな!」
藤田は喜びいさんでスマフォを波香に投げ渡した。
波香はそれを見て言った。
「なるほど、記憶したわ」
そして藤田にスマフォを返すとおもむろに運転中の藤田の股間をさすりはじめた。
「おわ!」
藤田は奇声をあげる。
「番号を教えてくれたからサービスするわね」
「お、おう」
藤田は喜んでいる。
やがて車は首都高をおり海岸線の道を走っていた。
「見ろ!海だぜ!海!......おわわ」
「ああ、ひょんとね(ホントね)、じゅるじゅる」
波香はすでに藤田のちんぽを出ししゃぶっていた。
「う、運転中なんだからお手柔らかに頼むよ......ははは」
「じゅるじゅる、じゅっぽじゅっぽじゅっぽ」
波香の藤田に対するフェラは徐々にスピードをあげていく。
「う、わわわっわ」
藤田は恍惚の表情を浮かべている。
その時、藤田はハンドル操作を誤り赤い車はガードレールをこすり続けた。
グガガガガガガッ!!
ヒューーーー......
「う、うわーーーー!!!」
そして車はガードレールが終わった場所の隙間から崖へ飛び出しそのまま海へと転落していく。
すでにシートベルトをはずしていた波香はとっさに車のドアを開けて車の外へと脱出し、崖にしがみついた。
ドッポーーン!
藤田を乗せた車は海へ落ちた。
「サービスタイム終了。......それにしてもくさいチンポだったわ。......さようなら藤田先生」
波香はそう言うと自分のスマフォから110番をかけた。
「あ!あの!交通事故です!......はい、はい.....場所は......はい、彼の運転中にフェラチオを強要されて......はい」
海に沈んでいく赤い車を見つめながら崖に片手で捕まり波香は電話でそう話していた......