20xx年。
TVは低視聴化、民衆の興味は民衆自らが製作した動画へと移行した。
各局はスポンサー離れを危惧し様々なアイディアを企画する。
そんな中、俺は
「優勝賞金1000万!一切やらせなし!罵倒して対戦相手のサイコメーターを0にすればあなたの勝利です!」
「その番組名は『罵倒せよ!アストディアラー!』皆様ふるってご応募ください!」
俺は
先日、3年働いてきた会社を辞めた。
度重なる上司のパワハラに耐え切れなかった。
少しの貯えはあるがこれからどうしようかと途方にくれていたところにこのチラシを見つけたのだ。
何々?
まずは地区予選があるのか。
参加希望の方はどこどこにお集まりください。
ルール?
対戦相手と交互に罵倒タイム10秒間を繰り返し腕にとりつけたサイコメーター(精神的ダメージを計測する機械)を0にしたほうが勝ち...か。
注意として暴力等、相手への物理的接触は即反則負け...か。
まあ、当然だろうな。
基本的に侮辱、差別、卑猥な言葉など何を言っても自由、通報することはございませんのでご理解いただける方だけ参加者条件となります。
なるほどな。
パワハラでやめたメンタルの弱い奴がそんな番組で優勝できるのか?
という声がどこからか聞こえてきそうだが会社では上司への反抗や抵抗は許されないのが常識だ。
抵抗できるなら俺は自信がある。
それにこの番組はストレス解消にもなりそうだ。
面白そうだし。
え~と、S県地区はS市のライジングシティビル20Fで受付か。
日程は今から3日後だな。
しかし、知らない相手への精神的ダメージってどういうことを言えばいいんだ?
まず、思いつくことは相手の容姿を見てってことだな。
でも、ハゲの人にハゲって言ってこたえるか?
自覚しているだけに精神的ダメージは浅いかもしれない。
そう考えると結構このゲームは奥が深いな。
...想像で言うってことも必要かもしれない。
イヤなことを図星で言われるとギクっとするよな。
っていうか、ほとんど想像の範疇で進めるんじゃないかこれ?
あれやこれや自宅でゲームでもしながら考えてたらあっという間に地区予選開始の日になってしまった。
この時は軽い気持ちでこのTV番組に参加しようって感じだった。
だけどこのTV番組に参加したことが後の俺の人生を大きく変えていく。