※この作品はR-18です。

罵倒せよ!アストディアラー!   作:億田夢人

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第6話 尊厳

 「ゲーム中はお前の表情や挙動を見てやるから」

 「うぃっすうぃっす。センパイ、よろしくオナシャス」

 

 俺は最大ベット5000円のポーカープレイス中央に座った。

 

 センパイは俺の席の後ろの見学者シートに座った。

 俺が座ったポーカー席は、ブラックジャックと違い役による配当はない。

 単純に最後に勝った人がみんなの掛け金がもらえる。

 

 「それではアンティ(ブロンズチップ5枚)をお願いします!」

 

 ディーラーが仕切るがディーラーはこのテーブルでは勝負には参加しない。

 だがアンティ1人分のブロンズチップ5枚のうち2枚をディラーが持っていく。

 つまりこのテーブル1勝負につき行政側は1000円(200円X5人分)持っていくわけだ。

 

 ぼったくり税すぎだろ!

 

 シャッシャッシャッシャ!

 

 ディーラーが慣れた手つきで5人の客に手札を配る。

 改めてメンバーを見渡すと左のシートから40代と思われる背広を着たオッサン。

 30代のおそらく主婦とみられるオバサン。

 俺。

 20代の背広をきたヤングマン。

 同じく20代から30代の背広をきたビジネスマンだ。

 ...しかし、みなさんほとんど会社員じゃないの?

 こんなとこ、来てないで仕事しろよ!

 って俺は人の事言えないが。

 

 「マキシマムベットじゃい!」

 

 いきなり40代のオッサンがゴールドチップを5枚放り投げマックスベットを仕掛けてきた。

 手札はそのままで、だ。

 1回だけ手札の交換が認められるので俺は9のワンペアだけを残し後は交換した。

 

 シャッシャッシャッ!

 

 新たに3枚配られたカードの中に9が含まれていた。

 9のスリーカードだ。

 気づくと誰もおっさんの他に勝負しようとするやつはいない。

 このままだとおっさんの勝利が確定してしまう。

 

 アンティ(300円x5)-300=1200円がおっさんの勝ち分になる。

 

 だが当然、俺はコールする。

 だってこのおっさんうさんくさすぎるだろ?

 ...どうせ、おっさんの手札はブタだろう?

 っていうか、自分の手札すらろくに見てなかったっぽいぞ?

 

 「他にはいませんか.......それではショーダウン!」

 「....ブタじゃい!くそがっ!」

 

 そういうと40のオッサンは俺の手札の公開を待たずにスクッと席を立ちどこかへ  行ってしまった。

 

 「わはははは!6200円もうけ!よっしゃああ!...どうですか?センパイ!」

 「どうですか?と言われてもあのオッサンがクソすぎてどうもこうもないわ!」

 

 「デスネデスネ!w」

 「...でも、あのオッサンは懸命だよ。自分はよくハッタリするやつって知られちゃた からこのテーブルではもうやらんのだろう」

 

 「そうなんすかね?ただの賭け逃げ(同テーブルで1ゲームしかやらない行為のこと)じゃないっすか?」

 「まあ、そうかもな。それよりお前の他に残った3人は手ごわそうだぞ。とりあえず様子見でオリたらしいから、ここからは駆け引きでゲームを楽しめそうだ」

 

 ドッコラッショッと。

 

 さっきのおっさんが座ってた席に70くらいのおじいちゃんが座った。

 年金暮らしの人もカジノって入っていいのか...

 

 「それではアンティをお願いします」

 

 しっかし1ゲーム500円ってたけーな。

 これでも一番安いテーブルなんだけどな。

 行政は税金収入がっぽがっぽだな。

 

 シャッシャッシャ!

 

 5人のプレイヤーに手札が配られた。

 俺の手札は...Aが2枚に5が3枚のいきなりのフルハウス!

 やっば!俺のツキ、今最高潮!

 もう、充分に勝ちが望める手札なのでいかに他のプレイヤーから金を場に出させるかがカギとなる。

 俺はさっきのおっさんみたいな振る舞いをすることにした。

 

 「手札はそのままでマックスベット(レイズ)じゃい!」

 

 ゴールドチップを5枚場に放り投げた。

 

 これで俺の手札はさっきのおっさんみたくブタでハッタリをかましてるって釣られてくれれば...

 

 「おりじゃ」

 「コール!」

 「ドロップ」

 「同じくドロップ」

 

 だが、釣られたのは30代の主婦だけだった。

 

 「それではショーダウン!お願いします!」

 

 「Kと10のトゥーペア!」

 「Aと5のフルハウスです!すみません!」

 

 「先ほどに続いてテーブルNO.3様の勝利です!」

 

 ディーラーがチップをかき集め、俺のほうにグワッとチップを寄せてくれた。

 

 「うわあはははは!どうっすか!センパイ!」

 

 ボカッ!

 

 頭を殴られた。

 

 「馬鹿たれ!もったいない!俺ならもっと勝ち額積み上げられたぞ!」

 「ふぇ!?」

 

 「それとな、今はポーカーの勝負をしてるっていう意識は捨てて飛び込み先のお客様の家でお客様とお話ししているイメージをしろよ」

 「はい?」

 

 「より多く金を使わせるように...だ。トランプと会話してみろ」

 「...はあ。」

 

 「ダメだ、こりゃ。全然わかってねえって感じだな。どけ!俺がかわる!」

 「....はい。ってセンパイそこにあるのは俺のチップですよ?」

 

 「勝てば文句はないだろ?まあ、結果を楽しみに待ってな」

 「お!?増やしてくれんすね。ワクワク」

 

 俺と交代でセンパイは席に座った。

 

 シャッシャッシャ!

 

 センパイは配られたカードをチラッと俺に見せてくれた。

 ...センパイの手札にはいきなり6が3枚もあった。

 

 「...ドロー2枚」

 

 シャッシャ!

 

 「あ、今回は俺からでいいんですよね。...ベット、ゴールド1枚」

 「コール!」

 「コール!」

 「んむう、勝負するのは「こおる」って言うの?」

 

 「そうです」

 

 「んじゃあ、こおる」

 「コール」

 

 なんと全員勝負についてきた。

 

 「...レイズ、ゴール1枚」

 「コール」

 「レイズ!マックス!(ゴールド計5)」

 

 おお、なんか20~30代のビジネスマンが勝負をかけてきたぞ。

 

 「ここまできたら、最後までね。こおる」

 「コール!」

 「コールだ」

 「コール!」

 

 すげえ!全員マックスベットでショーダウンまできた!

 

 「それではショーダウンをテーブルNO.1のお客様からお願いします!」

 

 「4と5のフルハウスじゃ!」

 「...Aのスリーカード」

 

 そしてセンパイの手札は...

 

 「...悪いな、6のフォーカードだ」

 「くっ!Jと10のツーペア」

 「...すみません!ブタです!」

 

 ぐっはあ...この卓のベットの合計最大値2万5千を引き出してそのままそれがいとも簡単にセンパイの元へ...

 

 「かけひきってのはな、こうやんだよ!」

 

 センパイはそう言ってボカッと俺の頭を叩いた。

 

 「イタッ!センパイ、パワハラっすよ!」

 「五反田、忘れたか?この会社では俺は何をやっても?」

 

 「...許される。...センパイ!タチ悪いっすね!」

 「今頃気づいたのかよ。次はお前やってみろ」

 

 「いよっしゃああ!やったるでえ!」

 「...元気だけはいいんだよな」

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