魔女の婆さん、バーバ・ヤガー。
深い深い森の奥、鶏の足が支える小屋で暮らしてる。
鳥のように細い足、骨のような細い足。
臼に乗って駆けていく。
人喰い魔女のバーバ・ヤガー。
楽しそうに駆けていく。
魔女の婆さん、バーバ・ヤガー。
人喰い魔女のバーバ・ヤガー。
◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇
森の小道を、臼が飛んでいた。
その臼には女が一人、座っている。
流麗で背にかかる程の暗い夜を思わせる黒い髪。
彫りの深い整った顔立ち。
妖艶という言葉が似合う豊満な胸とスラリとした体のライン。
手も同じくほっそりと美しいラインを描いているが、腰掛けた臼から伸びている足は、異様なまでに細く、曙光の輝きのように白い。
そして血色の夕日のように、妖しく光る紅い虹彩の瞳が、その女が魔性なのだと思わせる空気を纏わせていた。
魔女バーバ・ヤガーその人である。
「流石に寒くなってきたわね」
冬も間近に迫り、ルーシの地はこれからどんどん寒さを増していく時期だ。
冬の化身などとも言われるバーバ・ヤガーとはいえ寒いものは寒い。
「
右手の杵を振ると、臼はその速度を上げていく。
宙に浮いた臼が、底部を僅かに引き摺りながら飛び、左手の箒でその跡を消しながら、悪路で名を馳せたルーシの大地をするすると進んで行く。
秋から冬にかけて大地は凍結し、春先には溶けた雪で大地は広大な泥の世界へ変わる。
この大地を高速で走破できるのは、魔女としての力量の証左である。
「しかし、
臼を飛ばしながら、ブーブーと文句を言う。
「・・・・・・ま、まあ、そのうち
矛盾した事を叫びながら、顔を真赤に染めて手に持った杵や箒をぶんぶんと振り回していては、説得力など皆無である。
「おわあ!?」
そんなことをしていれば当然、バランスを崩す。
危うく臼から転倒しそうになり、杵と箒を取り落としながらも辛うじて持ち直した。
「あっぶなー!! はー、焦ったわー」
バクバクと鳴る心臓の鼓動に、無意識に右手を胸に当てる。
すると服の上からでもしっかりと自己主張する胸が、むにゅうっと見るからに柔らかく形を変えてみせる。
胸に当てた右手から伝わる鼓動が、徐々に静まったところで、大きく深呼吸をしてようやく平常を取り戻す。
と、そこで森の中からクスクスと笑い声が響いているのに気付く。
「私の忠実な下僕どもよ、我が友たちよ、あいつらを絞り上げろ!!」
怒った魔女がそう唱えると、どこからともなく三組の手が現れるが、その頃には森の精霊達はすでに遁走した後であった。
「う~~、逃げ足だけは早いんだから!!」
姿を捉えることさえ難しい
もはや捕まえるのは不可能だろう。
悔しさと怒りの混じった視線を森に向ける。
釣り上がった魔女の口元からは大きく鋭い裂肉歯が覗き、噛み締めた歯がぎりぎりと軋む音を上げていた。
やがて魔女は諦めて所在なさ気にうろうろしていた三組の手に退散を命じると、手は音もなく煙のように消え去ってしまう。
続いて指を鳴らすと、地面に落ちた杵と箒が浮かび上がり手元に戻ってくる。
再び臼を飛ばして、先を急ぎ始める。
遅れを取り戻すように、臼はどんどん速度を増していく。
「急げ急げ、私の臼よ!」
(ルサールカやスネグーラチカのやつにでも絡まれたら、また遅くなってしまう。
どうせまた惚気話でも聞かされたり、聞かせたりするだけなんだから)
「って、い、いやいやいや!! そんな聞かせたりとか、あいつとは別にそんなんじゃ!! のわぁ!?」
またもやバランスを崩しながら、魔女は必死に言い訳する。
ちょっと体を許してやっただけよ。
別に好きとかそういうんじゃないから!
たまに食事を作って上げたりとかしてるだけだから!!
こ、この牙が可愛いって言われて、嬉しかった訳じゃないわ!!
恋人とかそんなじゃないですわよ!!!
ただ子供くらいは産んであげてもいいかもしれないなんて、ちょっと思ってるくらいで本当にそんなんじゃないのよ!!!
知り合いの女神や女妖達が聞いたら総ツッコミが入る言い訳をしながら、バーバ・ヤガーの臼は一路目的地を目指し進んでいく。
◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇
「や、やっと着いた・・・・・・」
何故か疲労困憊しているバーバ・ヤガーが、一件の家の前で服を整えていた。
ある富農の家である。
流石に冬に入ろうかという時期だ。
夜は氷点下近くまで気温が下がり、それを下回るのも目前だろう。
すでに収穫は終わっており、冬越えの準備に入っている。
保存食や薪を用意して、長い冬の間は家に篭ってダラダラ過ごすのだ。
というか厳しい冬の大地では、それ以外に出来ないというべきか。
「わ、私は別に冬でも自由に移動できるし、そんなずっと二人っきりで家で、その・・・・・・だなんて、そんなこと期待なんてしてないし・・・・・・」
そう言いながら服を整え、手櫛で髪を整えて、念入りに身嗜みを確認して、ようやくドアをノックする。
コンコンコンと三回。
親しい人を訪ねる回数。
そして妖が人を誘う回数。
程なくして、ドアが開かれ家人の青年が姿を見せた。
富農の息子で、残念ながら流行病で家族を亡くして以来、自分と小作人で農地を切り盛りしている。
ひょんな事で知り合い、いつの間にか恋人と呼べる関係になっていた。
本人は真っ赤になって否定するが・・・・・・
「ああ、ワシリーサ。今年も来てくれたんだね」
「え、ええ。まあ暇だし来てあげたわ」
ワシリーサというのは、この魔女の本名だ。
真名まで教えておいて、恋人でも何でもないなどと言っているのだから、知られれば彼女の知り合いはこれにも総ツッコミを入れるだろう。
「ほ、ほら、ちゃんと支えなさい。私、歩くのは苦手なのよ。知ってるでしょ!」
バーバ・ヤガーの足は、太腿の先から急激に細くなり、ほとんど骨みたいな作りをしている。
歩くのには向いていないのだ。
青年はそんな彼女の手を取り、エスコートしていく。
向いていないとはいえ、超常の力を持つ魔女だ。
歩けないわけでもないし、不自由などないはずだが、ワシリーサはいつも青年にエスコートをさせている。
家の要所要所に手すりでも付けようかという青年の提案を、にべもなく断っている辺り理由は見え見えではあるが。
「はい、これおみやげね」
テーブルに色々と広げられていく。
比率としては海の魚が多い。
川魚は取れても、海の物はこの辺りでは希少なのだ。
「いつもありがとうな、ワシリーサ」
「い、いいのよ別に。私の臼ならこれくらいすぐ取ってこれるんだから」
「それじゃあ早速いただこうかな、実は海魚楽しみにしてたんだ」
「そ、そう。じゃあ、りょ、料理は私がするからあなたは座ってなさいよ」
お客様にそんな、などと言うとワシリーサが怒り出すので、青年はいつも黙って任せるままにしている。
ワシリーサが髪を後ろで縛りポニーテールにすると、
そうして時折、何かそわそわと髪を揺らしては、青年の事を窺っている。
(おかしいわね? スネグーラチカのやつは、この髪型ならすぐにでも押し倒してくるなんて言ってたのに・・・・・・こう揺れる髪から覗くうなじとかでイチコロって・・・・・・)
その時は、相手をしてあげなくもない。
あげなくもないのよ? と、料理が出来上がるまでそわそわとしていた魔女であった。
今日の献立は
かなり豪勢なものだ。
「すごく美味しいな。やっぱりワシリーサの作ってくれる料理は最高だよ」
「そ、そう、ほ、ほら、もっと食べなさいよ。保存とか気にしなくていいのよ。足りなくなったら私がすぐとってくるから」
「うん、いつもありがとう」
ウハーは魚と野菜を煮込み、シンプルに味付けしたもので、素朴でシンプルな味が人気の、広く親しまれている料理だ。
キシュケとピロシキを噛じり、ウハーに舌鼓を打つ。
「これ、キャビア?」
「ううん、クラースナヤ・イクラーよ。ずっと東にある島国でも食べられててね、その国で使われてる豆から作ったソースに漬けてあるの」
「へえ、不思議な風味だね。でもいけるなこれ」
赤い魚卵はクラースナヤ・イクラーと呼ばれ、黒い魚卵はキャビア、あるいはチョールナヤ・イクラーと呼ばれる。
この辺りではよく食べられる食材だ。
ワシリーサはイクラをツマミに、クワスを飲みながら、そんな青年に魅入っていた。
「ワシリーサ? ちょっと飲み過ぎじゃない?」
「なーによ? クワスなんかで酔ったりするわけないでしょー」
「・・・・・・いや」
クワスはソフトドリンクのような扱いをされているが、一応は微弱ながらアルコールが入っている飲み物だ。
ワシリーサはそれで酔うじゃないか、という台詞を何とか飲み込む。
指摘するとムキになるし、青年はもういつものことと諦めている。
◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇
そして酔ったワシリーサにベッドに押し倒されるのも、もう分かりきったことであった。
「ちゅーしましょー、ねー、ちゅー!!」
「うん、分かったから、落ち着こうねワシリーサ」
「なーによー! 私はいつだって冷静ですわよー! それとも私とはしたくないっていうのかしらー?」
いーっと、大きく口を開けて、その黒曜石のような鋭い肉切り歯を見せ付ける。
「したくないっていうならー、そろそろあなたのこと食べちゃおうかしら? 私はこれでも人喰いの魔女なんですからねー」
ワシリーサは青年の首に口を寄せると、かぷかぷと首筋に歯を立てて、甘咬みしては舌を這わせていく。
「あなたはー、私が全部食べてあげるんだから。あなたの全部は私の、私のものにするの」
妖艶に笑いながら、口元を涎で濡らし、男の顔に舌を這わせ唾液をすり込んでいく。
これは私のものなのだと、所有権を主張するように。
「んぅ」
顔を這わせていた舌が、男の口に捕まえられ、じゅるじゅると啜られていく。
情熱的に、唇を押し当て、貪るように熱いベーゼを交わす。
ぐちゅぐちゅと唾液を交換する儀式の音が、部屋に響き、空気を淫らなものへと変貌させていく。
ワシリーサは自ら唇を開いて、差し入れられた舌を招き入れお互いの唾液で濡れた口内を蹂躙させるに任せて、柔らかい粘膜を削ぎ落とすように舐め回す男の舌を味わうのに専念した。
男の舌がワシリーサの、大きな裂肉歯を裏から撫でるように舐っていく。
何度も、何度も執拗に。
(ああ、牙ぁ、牙、もっと舐めてぇ❤)
人間と付き合うようになって、少しばかり気にしていたこの牙。
それが可愛いなどと言う。
飴でも舐めるかのように、しゃぶられると心臓は激しい鼓動を打つ。
胸が激しく高鳴るのを感じる。
形容できないほど熱い想いが湧き出てくるのだ。
舌を動かせば、粘ついた液体がぴちゃぴちゃと音を立て、口の端から溢れた液体が筋を描いていた。
二人は濃厚に体液を交換しながら、互いの服をもどかしそうに脱がせていく。
肌と肌を触れ合わせたいのに、邪魔をする無粋な布地だと言わんばかりに。
ワシリーサの豊満で真っ白な、形の良い乳房がさらけ出される。
見事な曲面を描いた、その魅惑の丸みへ青年は慣れた様子で手を這わせていく。
農作業で鍛えられた無骨な指が、簡単に埋まり、全体がふよふよと弾む。
「ぁはぁぅ❤」
時々力を入れて、揉みしだき、尖っている乳首をきゅっと絞ってやるとビクンっと体を弾ませて。
やがて染み出すように汗が滲み出し、潤滑油のように手の滑りをよくしていく。
ふわふわと柔からかくありながら、張りもあり、指を沈めると飲み込まれるように沈んでいくのに、ぷるんぷるんとした弾力が指を押し返してくる。
その先端に舌を這わせると、甘い嬌声が強くなる。
「ひっ、んひぃいぃ❤」
そしていきなり訪れた、脳を打たれたような衝撃に打ち震える。
桃色だった乳頭はいまや紅色に充血しきって、唾液でぬらぬらと卑猥にきらめき、その存在を主張して痛いほどに固さを増している。
そんな乳首に、硬いものが食い込んでいた。
青年が軽く歯を立てたのだ。
軽い甘噛み。
それだけで快感に茹だっていた身体は、一気に絶頂にまで達してしまう。
やがて男が這う舌は、徐々に下がっていき、むっちりとした太腿をちろちろと舐めると、くすぐったさと微弱な快感がワシリーサの興奮を高めていく。
そして骨だけと言えるほど細い足に、キスをして、指を丹念に丹念にしゃぶりつくしにかかる。
「これ、好きだよね、ワシリーサ」
「そ、そうね、もっと私の足をお舐めなさいな」
平静に奉仕させているといった体を装っているが、フーフーと息を荒げ、ビクビクと体を痙攣させていては台無しである。
一本、また一本と舐められるたびに、達しそうになるのを必死に堪え、じゅくじゅくと股の間からは淫猥な液体が分泌されていく。
「んちゅ、ほら、全部キレイになったよ」
「・・・・・・ぁ、そ、そうね、ご苦労様」
ゆっくりとワシリーサが、足を広げてじっとりと濡れそぼった秘蜜溢れる渓谷をさらけ出すと、精一杯の艶のある声を出した。
「さぁ、いらっしゃいな・・・・・・ちゃんと私を楽しませないと食べてしまうわよ」
まあ、そう言いながら足がガクガク震えているので台無しだったりするが。
「ねえ、ワシリーサ。その、先に口でしてもらったりとか駄目かな?」
「・・・・・・も、もうしょうがないわね」
少し休ませてあげようという意図ではあるが、まあ口も味わってみたいという思いもあってのことだが。
ワシリーサは、熱く脈打つ男根に両手の指を絡み付ける。
紅い魔性の光を湛える瞳はとろんっと潤み、いつも自分を責め立てている物の形を指と目で確かめる興奮に蕩けた吐息が唇から悩ましく漏れだしてくる。
「あ、あなたは勇気があるわね。それとも蛮勇の類いかしら? 人喰いの魔女にこんなことさせようなんて」
こんなもの簡単に噛みきれてしまうのよと言わんばかりに、口を開けてその鋭い牙を見せ付ける。
「その気になったら、別に人間でも同じだよ」
そう言うと、ワシリーサの闇夜のような髪をくしくしとやり、頭を撫でてくる。
子供っぽいのでやめてと言おうかと思いながら、意外と心地良い感触に、癪ではあると思いながら、黙って股間の付け根に顔を埋めていく。
愛らしい唇が、その亀頭にそっと擦り付けられる。
囁くようなキスを何度か繰り返し、ゆっくり舌を陰茎部分にねとっと這わせていく。
そうして大量に唾液をまぶしては、丹念に舌で磨いていく。
やがてその口が、濡れた亀頭を飲み込み、口内に含んだそれをちろちろと舌の先端で刺激する。
たっぷり時間をかけてしゃぶり回すと、ゴツゴツした肉竿の部分まで歯で傷を付けないように慎重に呑み込んでいく。
喉を鳴らしながら根本まで咥え込み、夢中でちゅうちゅうと音を立てて吸いたて舌を絡ませ、頭を前後に動かし、陰茎を唇で締め付け、舌で扱き立てる。
堪らなくなった青年が、腰を突き出し、太い無骨な指がワシリーサの髪を掻き撫でていく。
輝くような闇色の髪、その柔らかい感触が心地良い。
ワシリーサはそんな青年の腰を掴むと、ぐいっと自ら引き寄せた。
喉奥まで潜り込んだ感触に、灼けるような快感が駆け上がり、青年は魔女の喉奥でその精を弾けさせた。
迸った熱いエキスが、勢い良く喉を叩いて注ぎ込んでいく。
えづきそうになりながら、生臭い粘液を喉を鳴らして懸命に飲み込んでいくと、ワシリーサの体は興奮で一際熱くなる。
ゆっくりと口から男根を吐き出すと、それは未だに衰えず隆々と威容を誇っていた。
驚きながらも再び唇を寄せ、残った粘液を舐め取り、男の味を感じながら清めていく。
それが終わると、ワシリーサは青年の頬を抓り上げて言った。
「あんまり変なことしないの。下手に動かれると歯に当たって怪我しちゃうじゃないの」
「ご、ごめんつい」
仕方のない人ねとばかりに、頬を指で弾くと、妖艶な笑みを浮かべてその頭を掻き抱いた。
「さぁ、きなさい。私をちゃんとイカせないと食べてしまうんだから」
クスクスと笑う姿は、魅惑的で、人を惑わせる魔女のものだ・・・・・・始めの内だけは。
と思いながら青年は誘われるままに、その裸身に被さり、鮮やかな媚肉を覗かせる、ひくひくと誘うようにわななく秘唇に男の象徴をあてがった。
何度も味わったそこは、それでも壊れそうなほど可憐な唇だった。
毎回始めはどうしても躊躇してしまうが、それでもゆっくりと押し進める。
いつもながら秘孔は驚くほど柔軟に伸縮して、青年を迎え入れていく。
「ひっ❤ ぁあああぁああ!!」
ゆっくり侵入してくる肉槍。
いつもこうやって緩慢に押し入ってくる瞬間は、ワシリーサの理性にとって恐ろしい難敵だった。
ゆっくりと膣内を蹂躙され、ぶちゅ、ぷちゅと膣壁を挽き潰されていくのが、つぶさに感じ取れてしまう。
カリ首が中のツブツブとした突起を、愛液と先走り汁の混じった淫汁をまぶされながら、ごりごりと擦っていくと、背筋にぞわぞわと快感が走ってワシリーサを狂わせていく。
亀頭の先端が子宮の入り口を叩く頃には、ガチガチと歯を鳴らし、何度も何度も絶頂に達して息も絶え絶えになってしまうのだ。
「ワシリーサ、何回イッた?」
「・・・・・・ぁ、ひぁ、イ、イってない、わよ」
「じゃあ続けるね」
「待っ、す、すこひ休まひぇ、ひぅん❤」
強がってはいるが、どうもこの魔女はこういう方面は酷く弱い。
入り口に笠が引っかかると、きゅんきゅんと締め付けては痙攣している。
「あっ、だ、だめだめだめ❤ んぁぁッ! ひぃいッ、か、感じる、そこ感じちゃう❤」
子宮を抉じ開けて貫かんばかりに肉槍をねじ入れられ、エラばったカリ首やゴツゴツした肉茎で淫肉を磨かれる感覚は脳みそが焼け付くほど刺激的で、甘美な陶酔と酩酊の世界に連れ去られていく。
肉体はより深く快感を求めては、女の機能を最大限に引き出してワシリーサを快感の濁流へと誘い、肉の本能に支配されていく。
子宮を中心に湧き出してくる悦楽の波に、ただ腰を捩ってはなけなしの抵抗をしてはそれが無駄だというように目の前を白く染めるほどの快感に打ちのめされるのだ。
「あぅうぅうう❤ ひぃんひん❤ あぉおおお・・・❤」
度重なる絶頂に、粘膜が生き物のように絡みつき、蠕動を繰り返してツブツブの壁が男根を刺激しては、ギチギチと締め付けて愛液が寝具を汚していく。
突き込まれ、引き抜かれる度に、ワシリーサの背は仰け反り、腰がわななく。
豊かな胸がふるふると震え、開かれた口からは唾液がぽたぽたと溢れ落ち、悲鳴とも泣き声ともつかないような嬌声がほとばしる。
割り開かれた細い細い足は、頼りなげながらも懸命にすがりつくように精一杯に男の腰に回されていた。
喘ぎ、わなないては唇を貪られ、激しく律動するままに揺さぶられて、塞がれた口の間から、くぐもった呻きをもらしては、また絶頂を迎える。
「ひぅぅぅ、だめ、だめぇ、もうむりむりぃむりなのぉ❤ い、イクぅ、イッちゃうッ!!」
とうとう強情な魔女が陥落し、絶頂を宣言する。
青年の広い背にしがみついた手が激しく痙攣し、甲高い嬌声が迸る。
同時に肉壁がぎゅうぎゅうと、肉茎を食いちぎらんばかりに締め上げて精を絞ろうとして激しく蠕動を始めた。
堪らずに、その最奥で激しく精を放った。
二人共そのまま身動ぎもせずに、どれくらいそうしていのたか。
やがて荒い息を整えながら、愉悦に満ちた表情を浮かべた。
「ま、まあまあだったわよ・・・・・・」
やはりこの魔女は強情である。
「じゃあちゃんと満足できるまで・・・」
「ば、馬鹿! そんな簡単に何度もやらせたりしないんだからね!!」
それから二人は体を清めて、再びベッドに潜り込み、ずっと話をしていた。
「それでね、そこは見渡す限り砂と岩ばかりのところなの。死の世界って意味の名前で呼ばれているわ」
「へええ、そんなところがあるんだ」
「他にもあちこちにあるわね。ずっと西にはもっと広い砂の世界があるの。他にも外にはたくさん見たこともないものがあるわよ。鯨って知ってる? この家より大きな魚なの」
「そんなにデカイのか?」
「ええ、物凄い大きさだったわ」
ワシリーサの話す異国の話は、青年の楽しみの一つだ。
常に夏のように暑い国や、氷の世界に、よく地面が揺れる島国だとか。
首が何メートルもある獣や、角を持った魚に飛ばずに走る鳥。
この大地のことしかしらない青年には、どれもが不思議の国の話だ。
「ねえ、いつか一緒に行きましょうよ。私が連れて行ってあげる」
「そうだね、いつか行こう」
やがてしゃべり疲れて、青年の頭を胸に掻き抱いてその温もりを感じながら、魔女は寝息を立て始める。
ずっとこの温もりが続くのだと信じて・・・・・・
そんなはずはないのに
◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇
ダン! ダン! とワシリーサの手が、石の塊を叩き付ける。
血が滲み、石に触れる度に手から白煙が上がり、血が滴り落ちていく。
「ねえ開けて!! こんな意地悪しないでよ!!」
この石は祝福が施されている。
祝福されたものは魔女には毒だ。
三組の手など近寄ることも出来ない。
「お願いよ、こんな冗談やめて!! 開けて、今なら許してあげる。ね、あなたの好きなボルシチたくさん作ってあげるわ」
何度叫んでも男のいらえは無く、魔女の声だけが響いていた。
「そ、そうだ、お尻でさせてあげましょうか? 恥ずかしいしちょっと怖かったから前は断ちゃったけど、し、したいならさせてあげる。ね、だから出てきて・・・・・・」
ワシリーサの声は悲痛を帯びていた。
やがて永い永い静寂の後、土と血に濡れた両手を、再びその石に叩き付けた。
シュウシュウと手が焼けつき、白煙が帯を作る。
「逃がさない、あなたは私が食べるんだって言ったじゃない!! こんなのふざけないでよ、力尽くにでも引きずり出してやるから!!!」
激痛を無視して、石にその指を食い込ませていく。
やがて音がジュウジュウといったものに変わり、肉の焦げるような腐ったような臭いが漂いだす。
全身に渾身の力を込めて。
細い足が嫌な音を軋ませるのも無視する。
手の痛みも無視して、その重い石の蓋が持ち上がった。
石棺の蓋を投げ捨てると、ワシリーサはそれを覗き・・・・・・
よろよろと力無く地面に座り込むと、ただ静かに空を仰いだ。
そのまま朝が夜を連れ戻し、太陽が昇り再び朝が戻ってくるまでずっとそうして空を仰いでいた。
やがて棺の中のソレと臼を担ぎ上げると、どこかへ走り去っていった。
逆さまの事をすれば時が逆しまに回ってくれと祈るように。
臼とともに担がれた、ゆらゆらと揺れるソレの右手には、魔女の瞳のような紅い宝石の指輪がはめられていた。
それにはこう刻まれている。
『麗しのワシリーサへ永久の愛を』
歳を取らない魔女とは違い、人間はやがて年老いていく。
ある日とうとう・・・・・・
魔女の婆さん、バーバ・ヤガー。
臼を背負って駆けていく。
人喰い魔女のバーバ・ヤガー。
悲しそうに駆けていく。
深い深い森の奥、人骨で飾った家で暮らしてる。
バーバ・ヤガーの忠実な下僕。
けれどどんなに命じても、逆しまにだけは巡りはしない。
魔女の婆さん、バーバ・ヤガー。
人喰い魔女のバーバ・ヤガー。
紅い瞳を濡らして泣いた。
独りぼっち頭をたれてお家へ帰る。
◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇
あるところにワシリーサという女の子がいました。
ワシリーサの母親は早くに亡くなってしまいましたが、最期にワシリーサに祝福された人形を残してくれたのです。
やがて父が再婚すると継母と二人の義姉は、ワシリーサに辛く当たるようになりましたが、人形の助けを借りて頑張って乗り越えていました。
そんなある日のことでした。
夜なべ仕事の最中、火が消えてしまったのです。
「ワシリーサ、あなたバーバ・ヤガーのところに火をもらいにいきなさい!」
意地悪な二人の義姉は、ワシリーサを家から追い出しました。
人形は答えます。
「怖がらないで大丈夫、ワシリーサ。私の言うとおりにしなさい」
人形の言う通りに歩いて行くと、やがてバーバ・ヤガーの小屋へ辿り着きました。
鶏の足に支えられ、人間の手を閂にし、錠前は人間の顎を使った恐ろしいバーバ・ヤガーの家です。
ワシリーサが驚き、恐怖に竦み上がっていると、やがてバリバリと枯れ葉を踏みしだく音が聞こえてきました。
「ロシア人の臭いがする! 誰、私の大事な家に近付くのは!?」
バーバ・ヤガーが帰ってきたのです。
夜を思わせる黒い髪。
彫りの深い整った顔立ち。
妖しく光る紅い瞳。
そして愛おしげに人間の頭蓋骨を抱えた、恐ろしい魔女でした。
その左手の指には赤い宝石の指輪がきらきらと光っています。
勇気を振り絞ってワシリーサがこわごわと近付くと、丁寧に頭を下げて説明しました。
「ヤガーさん、私はワシリーサと言います。義姉達が火を貰いに行くように、私をよこしたのです」
「そう、でも私の家に近付く者は、食べられてしまうって聞いてなかったの?」
バーバ・ヤガーの紅い眼で睨まれ、ワシリーサは恐怖に竦み上がります。
その時バーバ・ヤガーが持っていた頭蓋骨が、ひとりでにカタカタと音を上げて動き出しました。
バーバ・ヤガーは頭蓋骨に接吻をすると、何事か呟いています。
「助けて上げなさいって? ・・・・・・そうね、いいわ、あなたがそう言うなら」
そう言って、頭蓋骨を見つめるバーバ・ヤガーの瞳はとても優しい光を湛えていました。
「きなさい、まずは私のところで働いてもらう。そしたら火をあげるわ。さあ私の愛しい閂よ外れなさい、私の門よ開きなさい!」
魔女がそう言うと、門が開き二人は中へ入ると、再び門は閉じられました。
バーバ・ヤガーのワシリーサと、人間のワシリーサがどうなったか、それはまた別のお話。
いやはやお待たせしました。
何故か唐突にネタが降ってきたバーバ・ヤガーです。
ワシリーサはロシアの民話の「うるわしのワシリーサ」から。
というか前日譚みたいな感じで、最後にそれに繋がるというか。
構想は天○月○さんの蝶と、パ○・ザ・マジッ○ドラゴンから思い付きました。
当初はプラチナブロンドの髪って予定だったんですが、バーバ・ヤガーは赤い騎士、黒い騎士、白い騎士、つまり太陽と朝と夜を従えているという話でしたので、赤と白と黒で配色しようかということで黒髪になりました。
性格ももうちょっと妖艶なはずでしたが、書いてるうちにどんどん素直になれないデレデレお姉さんになっていきました。
ведьмаはヴェーディマ。
魔女やウィッチに当たるロシア語です。
カタカナで書くと、タイトルはワシリーサ・ヴェーディマ・ヤガーになります。
ロシアの昔の風習はどうもなかなか調べきれなくて苦労しました。
だいぶぼかして誤魔化すことにしましたが。
場所としてはハバロフスク辺りをイメージしてます。
最後に臼を背負って走りだしたのは、日本の新潟県に出る妖怪である臼負い婆と関連付けてたりします。