何度プロット変更したことか。
今回は強姦描写有り。
ガチレイプみたいなの書いてると辛い。
読む分には全く平気なのに書くと辛い何故だ?
「なかなか良い国じゃない」
摩天楼を織り成す、高層建築物の群れ。
そのガラス窓が夕日を反射し、世界一面を茜色に染め上げている。
この摩天楼で一番高いビルの屋上。
一人の異国の少女が夕日に染まった風景を眼下に睥睨し、独りごちる。
白いチェニックと、それに合わせた白いミニスカート、黒いケープを羽織った少女。
肌は病人を思わせる程に、異様なまでに白い。
だが艶も張りも健康的なそれだ。
金色のさらさらとした長いストレートヘアが、風にたなびいている。
モデルを思わせるスレンダーで整った体型、手足はすらりと伸びている。
その表情や所作に、少女でありながら大人の魅力、蠱惑的とも言える妖しさを内包し始めている。
その雰囲気を決定付けているのは、夕日よりも赤く紅く、血色のルビーを思わせる深紅に燃えるような瞳だった。
「お父様ったら、この国は魔境だなんて脅かして」
まあ、ある意味そんなに間違ってはいないのかもしれない、と少女は思う。
眼下に広がる街並みを歩く大勢の人々。
彼女の眼には、その中に人に化けた化生の存在が見て取れる。
全体の一割どころか一分にも満たないだろうが、彼女の祖国では考えられない光景だ。
この極東の島国では昔から、人と妖が混じって暮らしてきたと聞く。
父親の仕事にくっついてあちこちの国を巡ってきた。
妖怪というだけで、排斥される国。
付かず離れずを保つ国。
そして共存する国。
様々な国がある。
しかし、ここほど文明が発達していながら、人と妖の距離が近い国は初めてだ。
電線に三本足の鴉が止まっている。
人間と妖が携帯ゲームで盛り上がっている。
公園で転んだ子供を、木精が助け起こしてあやしている。
仕事帰りに繁華街に繰り出す労働者達の中に、当たり前に人間に化けた妖怪が混じっている。
不思議な国だ。
妖怪が当たり前の隣人として無意識に共存している。
面白い国、楽しそうな国だ。
父親の仕事がいつまでかかるかは分からないが、それまでは色々観光しよう。
「さて、次はどこに行きましょう!」
言葉とともに少女は屋上から身を躍らせていた。
夕日の中で、少女の体が溶けるように消えていく。
バサリ、と大きな羽音が響いたかと思うと一匹の大蝙蝠が夕日に向かって飛び去っていった。
「うふふ、日の中の変化もだいぶコツを掴めてきましたわね」
吸血鬼。
北欧のブルコラカス、ドイツ地方のノインテーター、ルーマニア辺りのストリゴイ。
吸血鬼と称されるものは数多いが、単純に
吸血鬼の両親から生まれた、生まれながらの吸血鬼。
真祖の吸血鬼たる彼女は、歳若いながらも低位の吸血鬼のように日光で滅びることもない、
とはいえいかな
吸血鬼の変身能力などはその最たるもの。
霧、狼、蝙蝠、様々なものに変化する吸血鬼だが、太陽が出ている間は高位の吸血鬼でもそう容易く出来るものではない。
日没間際とはいえ日光の中で变化してみせた彼女の力は、かなりのものといえるだろう。
「きれい・・・・・・」
日光は力を阻害されるので好きではない。
だけど日に輝く世界を見るのは好き。
矛盾した感覚がどこか心地良い。
風の向くまま気の向くまま、彼女は飛び回る。
「あら? あらあらあら、まあまあまあ!!」
ふと、何かを見つけて降下を始めた。
翼を折りたたみ、急降下したかと思うと、器用に急制動をかけて慣性を殺し、樹の枝にぶら下がる。
そこは少し大きめの公園。
彼女の視線の先には、一組の男女がいた。
女の方は、幼い少女のようにも見えるが、そのお腹が大きく膨らんでいる。
「アカナ、大丈夫? 無理はしちゃ駄目だよ」
「もう、心配しすぎですよアナタ。適度に運動した方が良いんですからね」
(まあまあまあ、あちらの殿方は人間ですわね。それでそれでそれであちらの女性は妖怪さん!! お腹の中に子供がいますのね! いますのね! きゃー種族を越えた愛ですのねー!!)
人間でも吸血鬼でも、女というのは色恋沙汰が大好きなようだ。
「ん~?」
「どうしたのアカナ?」
「何か、見られているような」
少女のような妊婦が、きょろきょろと辺りを見回している。
「俺、犯罪者に見られてる?」
「わたしの方が歳上ですのにねぇ。でもこの気配は同属かしら? けっこう力のある人みたいね」
「あ~、物珍しいのかな?」
(いけませんわ、私としたことが人の逢瀬を邪魔するなど・・・・・・)
バサリ、と一匹の蝙蝠が翼を広げて再び高空へと舞い上がっていく。
(私はクールに去りますわ)
日はすでに沈み、空は藍色の幕が広がり始めている。
今日は月が燦然と輝き、優しい月光が降り注いでいた。
元の姿に戻って、空で踊るのもいいかもしれないと思ったが、流石に都市部では人に見られると思い自重する。
「次はどこに行きましょう? そういえばこの国で同族の方がカートゥーンを描いてると聞きましたわ、少しご挨拶に伺うのもいいかもしれませんわね」
それにしてもと、先ほどの二人を思い出す。
(ああ、いいですわね。私もいつか素敵な殿方と・・・・・・)
ハニーなんて呼ばれて、ダーリンって呼んじゃったり呼んじゃったり!!
そして、そして、甘く優しく・・・・・・血を吸いあって・・・・・・
「きゃあーーー!! いやですわいやですわ私ったらはしたない!!」
グルグルときりもみ回転して、身悶えしながら複雑怪奇な軌道を描く大蝙蝠。
失速して墜落しないのは器用というべきか。
「あ、あらいやだ。私ったらはしゃいじゃって」
気付けばいつの間にか港湾区の寂れた倉庫街までやってきていた。
流水もまた吸血鬼の力を阻害するものだ。
いかに高位の吸血鬼とはいえ、自力で海を越えることはできない。
引き返そうとしたところで、鋭敏な嗅覚がある臭いを感知した。
「血の、臭い?」
集中してその出処を探ってみると、何やら争う物音がする。
「同族?」
騒ぎの元は、三人の同族。
すなわち吸血鬼。
それもかなり高位の存在のようだ。
それに対していたのは、一人の人間だった。
夜の藍を思わせる色の装束。
形は旧日本陸軍の将校服が近いだろうか。
上半身は金属製の胸鎧で覆われている。
手の甲部分までを覆い、手の平が露出している
足には脛までをカバーする
手には変わった形のサーベルが一振り。
「あれは、この国の
吸血鬼は意外に思われるが、人間に友好的だ。
長く人間に混じって暮らしてきたせいだろう。
だが時折、映画や小説のような悪い吸血鬼のように、人間を襲い血を吸って殺すような無法者もいる。
吸血は性交のようなものという貞操観念のある彼女には、理解し難い連中だ。
彼らに対して思うものといえば、一般の人間が凶悪殺人鬼に抱くような感情と同義と言ってもいい。
血の臭いをぷんぷんさせているあの吸血鬼達は人を襲ったのだろう。
とはいえ流石に多勢に無勢だ、加勢するべきか否かと判断に迷うが、
自分達が人間に友好的とはいえ、人間が吸血鬼に友好とは限らない。
ましてや相手は
いくらこの国が妖怪に寛容でも、問答無用で攻撃される可能性もある。
と、彼らに動きがあった。
一人が瞬時に獣へと変じ、分裂して襲いかかる。
かなり高度な変化だ。
「やはり私よりも強い!」
だが次の瞬間、分裂した五匹の獣が、首を切断されて地を転がっていた。
あの人間がサーベルを一閃したと気付いたのは、側にいたもう一人の顔面に膝蹴りが叩き込まれた後だった。
グシャリと顔の砕けた吸血鬼は、何が起こったのか認識する間もなく、心臓に鉄の剣を打ち込まれて灰になって崩れ落ちる。
「え、あ?」
それは上空から遠目に見ていた彼女の呟きでもあり、相対していた最後の吸血鬼のものでもあった。
当たり前だ、二十人力の怪力と呼ばれる吸血鬼を、近接戦闘で圧倒する人間など、想像だにしたこともなかったろう。
勝ち目がないと見た吸血鬼は、霧に変化して逃げようとする。
だが、それすらも出来ずに、一足で踏み込み、吸血鬼の急所たる頭と心臓にかけて剣閃が走り、散華した。
「凄い、吸血鬼を圧倒する人間なんて初めて見た!!」
怖いという感情よりも、ただ純粋に凄いという感情が勝っていた。
「もしやあれは
となると、あのサーベルは
凄い、凄い、本物は初めて見たと内心大はしゃぎだ。
だから、次の瞬間、何が起きたのか理解できなかった。
「え!?」
気付けば、地に落ちていた。
体には極細の糸が絡まり、強制的に変化を解かれていた。
「さて、君は何者かね?」
「あ、あ・・・・・・」
あの高空にいる自分に気付いていた。
「空からこちらを探っていたようだが?」
糸はいつの間にか解けていた。
だが、逃げようにもその前に手を捻られて、動きを拘束されてしまう。
何をどうしているのか、霧や蝙蝠への変化も封じられてしまっている。
(この人、吸血鬼を把握しつくしている!?)
鳥は飛ぶ際に地を蹴って体を宙に躍らせる。
この動作を阻害されると、鳥は空を飛ぶことができない。
それと同じように、吸血鬼が変化する際の微細な動作を把握して、それを封じている。
吸血鬼本人ですら知らない生理的反応すら、この男は知ってこちらを拘束している。
それは自力では絶対に逃げられないということだ。
それを理解し、ようやく彼女は身を裂くような恐怖が実感として襲ってきた。
殺されると・・・・・・
「さて、何が目的だったか吐いてもらおうか?」
「わ、わたし、迷い込んだ、だけで」
「正直に話す気がないなら、話したくなるようにしてやろうか?」
ぐいっと、服を掴むと同時に一気に引き裂かれた。
白い肌が、闇の中で浮かび上がる。
必死に振り解こうと足掻いた。
細い腕に力を込めて、拘束している男の手を振り解こうともがいた。
だがその度に激痛が走り、骨が軋む。
力を入れると、自分の関節に負担がかかるように関節を極められていた。
これでは如何に吸血鬼が怪力とはいえ、人と同じ関節構造を持っている以上、どうにもできない。
服に続いて、ランジェリーも引き裂かれていく。
(お気に入り、だったのに・・・・・・)
艶のある白い白い肌が眩しく扇情的に輝いていた。
「話す気になったか、お嬢ちゃん?」
「いやあーーっ! ふぎうううぅう!!」
「そうか、嫌か、じゃあ仕方ないな」
ジジ、っと音が響く。
それがファスナーを下げた音だと気付いた彼女は必死になって暴れる。
だが男がぐいっと力を入れると、関節がミシミシと音を立てて軋んでいく。
「いぎゃあああああっーーーっ!? いダイぃぃイだイぃいダイ!!」
「さっさと話せばよかったのにな、もっと痛くなるんだぜ、そら・・・よっと!!」
「あがああっ!?」
下半身、股の間に激痛が走る。
何かが肉壁を抉じ開けながら、侵入してくる悍ましい感覚。
内部の肉がぎこちなく不規則に動き、締め付けるというより、必死に外へ侵入者を追い出そうとする。
「んぎうううううっ!! んぎっ、きふううううッ!!」
男は無遠慮に腰を振り、奥までねじ込もうとする。
途中にある膜がブチブチと引き千切られていく。
「ぎゃああああああっ!!」
「うるせーな、叫ぶよりちゃんと情報吐けよ、おい」
(痛いよ、私、何されてるの? い、挿れられてる? 私、初めてだったのに・・・・・・酷いよ、どうしてこんなことに)
男の動きがいっそう激しくなる。
ビタンビタンと音を立てて、下半身同士がぶつかり合う。
「おぐぅううううっ!! ぎゃうううぅうーーっ! あぐがっ、いぎゃああー!」
「痛いかー? 痛いよなー? 話さないともっと痛くしてやるからなちゃんと話すまで終わらねーぞ」
力強くピストン運動が繰り返され、ペニスが膣内に送り込まれてくる。
その肉の杭がだんだん紅く染まってきた。
吸血鬼の深紅色をした破瓜血だ。
激痛に顔を歪め、声にならない獣の咆哮を上げて叫ぶ。
苦痛を与えるために、破れた処女膜の残骸を突き回し、その度に苦しそうな絶叫を吐き出す。
「そら出すぞー」
「だ、す?」
その言葉の意味を理解した瞬間、少女は叫ぶ。
「やべてえ!! 嫌だ、やだやだややぁ!! 中は、中だけは許しでぇ!! おねがいじまずおねがいじまずぅーーー!!」
「じゃあ何が目的だったんだ、ほら」
「だ、がら、迷い込んだだけだっでぇ」
「じゃあ中だ」
「い、いやあああああーーーーっ!!」
男が腰を押し付けて、その欲望を注ぎ込んていく。
逆流した精液が押し出され、ぐっぽ、ぐっぽと音を立てて撹拌される音が、取り返しの付かない体にされたことを少女に思い知らせていた。
射精してもまだ硬いままのソレが、止まることなく抜き差しされている。
「な・・・・・・い、いやあ、なにを、なさってますの!? 早くぅ・・・・・・早く、抜いてください」
「言ったろう、喋るまで終わらねーって」
「ぬ、抜いてくださいっ!! うあああっ!! もう、もう、いやあああああッ!!」
真っ白な尻たぶをゆすり、肉棒が打ち込まれていく。
「ああっ・・・・・・いやっ! ひいいい~~っ!!」
「そら今からまたこの穴にたっぷり注いでやるからな」
「だめぇ、中は、もう中はゆるじで!!」
「正直になるまで全部中だ」
「いやああああああああ!!」
それから何時間経っただろう。
何度も何度も犯され、中に注がれ子宮を汚され続けた。
(なんで・・・・・・こんなことに?)
「反応鈍くなったな、じゃあ気付けにこっち使ってやるな」
一度も抜かれることなく、少女を陵辱し続けた一物がようやく引き抜かれた。
もうぽっかりと開いてしまらなくなった膣壁が、真っ赤に充血した肉をのぞかせヒクヒクと痙攣している。
その上で窄まった尻穴に、男がそのペニスをあてがうと、力任せに押し込んでいく。
「ぎゃあああああああ!! やめでぇ!! 死ぬッ死んじゃう!! ぎゃああぁあああッ!!」
「はははは、まだまだ元気じゃないか、ほら頑張れー」
「いだいよぉーっ!! たず、だずげでぇ!! だれがぁだれがぁ、おどうざまぁーー!!」
無理矢理体を反らされて、男の欲望がいっそう深く侵入して蹂躙していく。
男の歯が首筋に当たり、皮を裂いて、ブツンと肉に食い込んでくる。
真っ赤な鮮血が溢れて、それをじゅるじゅるとわざわざ大きく音を立てて男が啜っていく。
「あ、ああ・・・・・・や、だ、血、血を、吸われてる、わ、私の、ひどいよ、こんなの」
吸血鬼にとって、血を吸うというのは婚姻にも等しい行為なのだ。
それが奪われてしまった。
何もかもを蹂躙され、穢しつくされてしまった。
失意と絶望が少女の全てを支配していく。
◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇
「それで、最後は血と腸液が混じった物を咥えさせられて、もう噛むとかそんな考えもできないくらいに犯されちゃって、そんな感じで身も心も調教されてしまったのがダーリンとの馴れ初めかしら」
そこまで話を聞いて、絶叫が響いた。
「女の敵ーーーっ!!」
「ちょ、ちょっと紺、落ち着いて」
「離しなさい紅葉!! あの女の敵に然るべき報いを与えなければ!!」
ここはとある役所の一室。
女三人寄れば姦しいというが、それは妖怪でも同じこと。
善狐のお紺、鬼の紅葉、そして吸血鬼のピエレットの三人が大騒ぎをしていた。
「だから落ち着いてって紺!!」
「これが落ち着いていられるかーー!!」
小学生高学年~せいぜい中学生くらいの身長の紺が、大柄な紅葉に抱きかかえられてバタバタと暴れている光景は微笑ましいというかなんというか。
「ピエレットの話、嘘だから!! 落ち着いてって!!」
「・・・・・・へ? う、そ?」
「糸で落とされたんでしょ? 糸使いなんて隊長さんともう一人くらいしかいないじゃない!!」
そう聞いて、紺はその二人の事を思い出す。
政府の妖怪関連を担当する省庁に所属する中で最強の戦闘部隊。
本当はもっと長い名前なのだが、仲間内では単に特殊部隊、あるいは精鋭部隊と呼ばれている。
外部からは殺し屋集団とか色々物騒な呼び名も頂戴しているが。
それをまとめる隊長は、そういう勝手な行動、特に無関係の相手を殺害とか強姦とかいう行為には非常に厳しく罰する男だ。
戦闘行動は基本的に最低ツーマンセルの集団行動が義務化されている。
くだんのピエレットのダーリンは剣士だし、使う魔術はいざなぎ流だ。
糸で高空の吸血鬼を絡めとって落とすなんて芸当をするのは、隊長かもう一人の隊員くらいだが、そのもう一人は女性だ。
とてもそんな行動を見逃すとは思えない。
「だいたい特殊部隊の人がそんな、ご、強姦とか、そんなことするわけないじゃない」
「・・・・・・言われてみれば」
別にこれは特殊部隊の連中が品行方正だから、という理由ではない。
戦闘中に強姦して尋問? それをすると何か有利になるのか?
むしろ隙だらけにならないか?
とかそういうズレた考えをする、脳筋集団どもだからだ。
「ピエレット・・・・・・あんたねえ」
「ごめんごめん、紅葉と旦那の馴れ初めが重かったからちょっと場を和ませようと」
クスクスと笑うピエレットの言葉に、紅葉が真っ赤になって反論する。
「ま、まだ旦那ってわけじゃ」
「でも式の日取りは決まったんでしょ?」
「う、うん・・・・・・」
「ところでヴァージンフォックスな紺は今の参考になったかしら?」
「なるわけないでしょ!!」
そもそもの議題は彼氏いない歴がこのままでは四百年経っても無理かもしれないという紺のために、彼氏持ちの二人に馴れ初めを聞きたいということだったのだが、紅葉は重すぎるし、ピエレットはこれだ。
自分の十分の一も生きてないのに、何が違うんだろうと紺の内心は忸怩たる思いだ。
「今の話、どこまで本当だったのよ?」
「組み伏せられたとこまでかな」
「それでなんでくっつくことになるのよ?」
「私からアタックかけたからかな。好きになったら積極的にいかないと。紺も受け身ばっかりじゃダメだよー」
「そんな状況でなんで惚れたのよ?」
「それは内緒ー。それにこういうのは聞いても意味が無いよ。自分の感情の問題なんだから」
むー、と唸る紺。
「そういえばあんたのダーリンさんは、今出動してるんだっけ?」
「うん、なんか長崎県の福江島ってとこで人喰いが出たんだって」
人喰いと聞いて紅葉の表情が曇る。
隠形鬼の系譜に連なる彼女の両親は、人喰いをしていた。
しかも幼馴染で今度結婚予定の旦那、その家族が喰い殺されるという事態になっている。
隠れ潜むのに特化した鬼である隠形鬼だけあり、長年逃げ続けていたのだが、その被害にあった旦那当人の手によって討たれるという、なんと言っていいのか困る重い事情がある。
「ダ、ダーリンさんが心配ね」
「無事に決まってるわよー」
まあ人型の
心配するだけ無駄だろう。
「まあ今晩には帰ってくるわよー」
「あんたみたいに相手の妖怪がくっついてきたりしてね」
「・・・・・・それはないわ絶対に」
眼が笑っていない。
しまったと紺は思った。
鬼もそうだが、吸血鬼も相当に執着心が強く嫉妬深い種族だ。
恋人に色目使う相手が出てきたら、間違いなく刃傷沙汰になる。
「そ、そうね、ないわよね。ダーリンさんはピエレット一筋だもんね」
「そ、そんな照れますわ」
そのままきゃいきゃいと、まだまだ話し足りない三人であったが、昼休憩終了の鐘がなり解散となった。
◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇
壁の中にいる。
(どうしてこうなった!)
ダーリンが帰ってくる前に美味しい食事を準備しておこうと、家に来たのはいいのだが、霧になって壁抜けしようとしてハマってしまった。
壁から手や足が突き出し、身動きが取れない。
家屋は一種の結界でもある。
そういうものに弱い吸血鬼は、家人の許可を得ないと侵入できないのだが、一度許可を貰えば以後はフリーパスで入れる・・・・・・入れるはずだったのだ。
流石に精鋭部隊の家、普通の一般家屋に見えて、色々防備が半端無かった。
何度も来ているので、中途半端に入り込めてしまったのがマズかった。
油断していた。
結果がこれだった。
(ご覧の有り様だよでしたかしら? まさかネタ抜きでそんな有り様になるなんて)
「何やってるんだ、お前は?」
「あ、ダーリン!!」
「合鍵は渡してあるだろう、ちゃんと玄関から入らんからそうなるんだ」
すっかり呆れ顔だった。
(や、やだ私ったら、これ下着とか丸見えで・・・・・・)
「いけない娘だ。これはオシオキが必要かな?」
「え、ダ、ダーリン?」
シュルっと下着がずり下げられ、潤んだ秘所が露わにされる。
「だ、だめよダーリン、こ、こんなの」
「ここは駄目とは言ってないぞ」
グチュリと、愛液を垂らした秘部が誘うようにヒクヒクと蠢いて、妖しく口をひらいている。
(いやあん、全然身動きできませんのに、い、挿れられちゃいますわ)
亀頭の先端が、真っ赤な割れ目に押し込まれていく。
「あっ、うああ、パンパンになる、私のプッシーパンパンに広がっちゃう!!」
ぷっくりと膨らんだ土手周り。
だがまだカリの広がりが入っただけだ。
ここから無理矢理にねじ込まれ、ぐち、ぐちと肉壁をすり潰されていく。
「子供みたいなプッシーのくせに、こんなに嬉しそうにペニスを頬張って、それもこんな壁に埋まった格好で、これはもう立派な肉便器だな」
「べ、便器ぃ、わたひぃ肉便器ぃれひゅ」
ぐいっと奥まで突き入れると、突き当りの子宮口が押し潰される。
ピエレットの全身の毛穴が総毛立ち、頭が真っ白に沸騰する。
「ひぃんんぅうううっ!」
「お、ぎゅうぎゅう締め付けてくるなイッたか?」
「い、イッたぁイッてるぅ、一番奥、コンコンってされるの凄いぃ!!」
(これぇ、これ犯されてるって感覚がすごい)
腰をくねることも不自由な体勢、男の為すがままにされるしかない。
どんなことも抗うことが出来ず、どんな行為も好きなようにされたい放題されてしまう。
小気味よくピストンされるたびに、ジリジリと膣内を焼き広げていくような摩擦の悦楽が子宮を支配していく。
やわくほぐれた膣の婬肉を広がったエラで掻き毟られ、一番奥までノックされるたびに下腹部から甘く痺れて狂わされていく。
「もっとぉ!! ダーリンの肉の杭で、いけない吸血鬼を退治してぇ!!」
「ああ、もっと貫いてやる、俺の聖水で狂わせてやるぞ」
女の最深部で男の杭が、聖水を迸らせていく。
◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇
(い、いやあん、こんなの私っ私っだめになっちゃいますわ!!)
「おい、おいピエレット?」
「は!?」
どピンクな妄想に染まって身悶えていたピエレットは一気に現実に引き戻された。
「今出すから、ちょっとじっとしてくれんか?」
「あ・・・・・・はい」
(私ったら最近こんなことばっかり考えてますわ、そりゃ痛いばっかりだったソッチのほうも、さいきんは良くなってきて、もっとしたいかなって思っちゃって)
紺や紅葉は何でも話せる気の置けない友人達だから猥談もよくするが、流石に最近の自分はちょっと頻度が多すぎはしないだろうかと悩む。
(そもそもダーリンは、俺の聖水がーなんてアホなこと言いませんわ)
と、頭を掴まれたかと思うと、全身がざわっとした感覚が駆け抜けて、気が付くと壁の外に出ていた。
強制的に霧にされて、再構成されたようだ。
(相変わらず、私以上に私の体を使いますわね)
「大丈夫か?」
「あ、はい、問題なさそうですわ」
「ああ、それと、だな、なんだ。下着変えた方がいいぞ」
「へ?」
ピエレットの下着は愛液でビシャビシャになっていた。
◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇
「そろそろ機嫌直せ、ピエレット」
「私がいやらしくってエッチでビッチなのを自戒しているだけですわ」
「いや、俺が悪いんだ。気にしなくていい」
「ダーリンは関係ありませんわ、私がスケベなだけなんですわ」
「いや、俺のせいだ、
「・・・・・・なんですのそれ?」
吸血鬼は土の上で眠らないとだんだん弱っていく。
普通は土を敷いた棺桶などで眠るのだが、ピエレットは最近一緒に寝たいとよく泊まりに来るので、心配して何か手はないかと手段を講じたのだ。
「それで、土砂加持が効くと聞いてな」
「この国の、土を聖別する儀式と考えればよろしいですの?」
「まあ、そうだな」
土砂加持とは清水で洗い清めた土砂を、光明真言を唱えて加持する密教の儀式だ。
病魔の退散や死人の滅罪などに効果を発揮する。
「それでベッドの下に敷いてあるんだが、慣れないうちは体が熱っぽくなったりする副作用が出たりするらしいから、そのせいだろう」
「・・・・・・・・・そう、ですわね」
熱っぽくなったりする、なんてものじゃないのだ。
単純に覚えたての猿状態なだけなのである。
体が熱っぽくなったから発情してるのではなく、妄想してるから発情して熱っぽくなっているのだ。
それに気付いたピエレットは、泊まりに来るのを自重するべきと決心した。
したのだが、三日後には開き直ってもういいやと、入り浸ることになるのだが。
吸血鬼娘でした。
レ・ファニュのカーミラやブラム・ストーカーのドラキュラ以降、数多くの吸血鬼モノが世に出ましたがやってみると超難しいですね。
様々な設定が盛られてきたので、どれ採用してどう使おうとか。
本当は、たまにはレイプものでもとか思って、そっからだんだん調教されてラブラブにとか考えてたんですけど、ガチレイプ書くの心に辛いので妄想というオチに逃げてしまいました。
やりたい要素がありすぎて詰め込みすぎてまとまりがなくなってしまったようにも思います。
プロットが何十回も変更になった超難産な話でした。
牙と牙の間でシゴイてフェラするとか、血を吸い合うとか、死んだら一緒に墓に入って灰になって混じり合おうとか物騒なこと考えてるとか、ネタとしてはあったのですが、流石に収めきれませんでした。
ピエレットという名前は、公文書にて最初に吸血鬼という名称を使われたとされるPeter Plogojowitz ピーター・プロゴジョヴィッツから、Peterは聖ペトロ由来の名前でそこからフランス女性系の名前が語感良さそうなんで採用しました。
次は今回出てる狐っ娘のお話。