※この作品はR-18です。

うちの妖怪娘   作:生涯中二病

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猟師無双!!
化け猫を捕まえた猟師が性的に屈服させて嫁にしてしまうお話。
昔話っぽい文体で書いてみました。


陽だまりの猫

初夏の日差しが心地良い、ある午後の事だった。

人気の無い霊園、立ち並ぶ墓石の列。

その墓石の一つ。

その墓前に、喪服を着た一人の女がいた。

 

何とも不思議な女だった。

 

顔を見ても年齢がようとして知れぬ。

加減によっては少女のようにも見えるが、年老いた老婆のようにも見える。

いやよくよく見れば、やはりその女は若々しい姿ではあるのだ。

しかし、女の所作の一つ一つがやけに年季を感じさせる。

何よりもその身体からは生気というものが、まるで感じられぬのだ。

もはや死を待つばかりの、老いさらばえた者、特有の気配を纏っている。

それ故に、女を老婆のように錯覚させてしまうのであろう。

 

何とも不思議な女であった。

 

これはいよいよ、常の者とは思えぬ。

この世の者ではなく、幽鬼の類と言われた方がまだ得心がいこう。

そんな女が墓の前で、じっと身動ぎもせずに、手を合わせている。

 

やあれ、これは一体どうした者か

さあて、それは昔々のお話

 

   ◇◆◇   ◇◆◇   ◇◆◇   ◇◆◇   ◇◆◇

 

昔々あるところに、山間に小さな村があった。

小さいと言っても貧しいわけではなく、慎ましやかに生きていくには困ることのない、そんな村である。

そんな村の外れに、一人の猟師が住んでおった。

 

まだ歳若いが腕の良い猟師で、火縄に罠にどれも達者な腕前であったそうな。

畑を荒らす猪や鹿を獲り、熊撃ち狐釣り、鳥や兎に猿にまあなんでもござれ。

豪放磊落で気風がよく、村人達にもたいそう慕われておった。

 

そんな男ではあったが、どうも嫁と長続きしない。

二回嫁をもらったのだが、どうも上手くいかんようで、結局は二回とも別れてしもうた。

別に暴力を振るうのかといえば、そうでもない。

浮気症なのかといえば、これがまた妻一筋で身持ちが固い。

酒も嗜む程度に楽しむが、過ぎるほど飲みもしない。

では何故かといえば、別れた女はどちらもただこう言った。

私どもでは身が持ちません、とな。

 

まあ、そんな男であったが、嫁がいないなりにそれなりに楽しく日々を暮らしておった。

そんな、ある日のこと。

男はいつもの様に、シノビ猟に出かけていった。

シノビ猟というのは、まあ簡単に言うと犬なども連れずに一人でやる猟でな。

獲物の足跡や、糞や、木に付いた毛だとか、そういったのを手掛かりに、獲物を追っていくやり方のことで、これが出来ればまあ一人前の猟師と言ってもいいだろう。

 

そして猟に出かけて、三日目の夜のことであった。

男は山中に幾つかある山小屋の一つでな、獲れた鹿の肉を塩漬けにしたり、囲炉裏の煙で燻製にしたり、皮をなめしたりして、夜を過ごしておった。

 

ふと男の耳が、妙な音を捉えた。

ずる、ずるっと何かを引きずるような音でな。

それがゆっくりとだが、この山小屋に近付いて来ておる。

熊が捕らえた獲物を引きずっておるのかというと、そういう音ではない。

男は猟師だからな、そういう聞き分けは得意のものでな。

足は二本、引きずっているのは片方の足。

少なくとも人型をした何かということは分かる。

やがて音は山小屋の前まで来てな、それからドンドンと戸を叩く音がする。

 

()し、誰かおりませんか?」

 

女の声がしてな。

男はいらへを返した。

 

()()し、かような夜更け、このような山の中で一体どなたかの?」

「旅の者でございます。猟師どのの流れ弾で足を怪我してしまい、難儀しております。どうかお助け下さい」

 

男は山小屋に女を招き入れてやったそうな。

きれいな小袖を着た女でな。

年の頃は十七、八といったところ。

髪は黒ではなく茶色がかった色でな、少々くせのある毛が豊かに両耳を包むほどふさふさと流れておる。

細面の器量の良い娘で、鼻筋は少し高く、どこか猫を思わせる面持ちだった。

娘は(たえ)と名乗った。

 

(たえ)の足の怪我を診てみると、確かに銃創でな。

弾は抜けておったので、焼酎で傷を洗ってやり、包帯を巻いてやったのよ。

猟師達は傷を焼酎で洗ってやると、化膿し難くなるというのを経験で知っておったからな。

食事を勧めると、これがよう食べる。

煮込んでおった鹿のもつ煮を平らげ、焼いた肉もどこにそんなに入るのかと食べた。

味噌漬けにした山菜も美味そうに平らげる。

男も化生の類と分かっておっても、微笑ましいと思うくらいだった。

 

そう、この女は化生だった。

訓練した猟師だからこそ歩けるような深い山を、旅装束でもなく小袖で歩く女など有り得ん。

それに女は最初に申しと言った。

化生や幽霊などはな、同じ言葉を続けて言うのがひどく苦手なのだと言われておる。

だから申し申しと、二度続けるのが習いというもの。

それに傷の具合も、撃たれてから一昼夜は経っておった。

普通の人間であったならば、血を流しすぎてとても生きてはおれん。

 

それに男は今朝方、弥三郎という隣村の猟師に会ってな、こんな話を聞いておった。

 

「わしが山小屋でな、弾を鋳っておったんじゃが、それを猫がジーっと見ておってな。一つ作るたびに頷くんじゃよ。変な猫じゃと思っておったんだがな、その訳が分かったのよ」

 

その日の夜に、山小屋に異様な気配が近付いて来たそうな。

小窓を開けて外を見てみると、何か大きな獣が目を爛々と輝かせてな、こちらに向かってくる。

そこで弥三郎は、鉄砲でその化け物を撃ったのよ。

ところが、カーンと何か硬いものに弾かれたような音がしてな。

何度、撃っても弾かれてしまう。

 

「それで作った弾を撃ち尽くしてしまってな。弾がなくなったと、その化け物は安心して近付いて来たんじゃろうな」

 

だがその程度で怯んでおったら猟師なぞ出来ん。

山の中を一人で歩き回り、狩りをする猟師よ。

妖かしに行き会うたり、不思議な経験をすることもある。

それを一人でも何とかするのが、一人前の猟師というもの。

鬼に髪の毛を捕まれ、樹の上に引き摺り上げられそうになった猟師もおる。

やまんじいという妖怪に餌をやり、狼を追い払ってもらう猟師もおるという。

その他にも猟師の妖怪退治というのは、ようけあるもの。

決まった日に祭壇を設けてな、すると夜中にそこを必ず魔物が通るで、これを射殺す習わしもあったそうな。

鬼のまた強いから、叉鬼(マタギ)と言う。

なんて言われるくらいだからの。

 

「思えばありゃ弾を鋳っておったのを、見ておった猫じゃったんだろう。作った弾を数えておったのよ」

 

それで弥三郎は化け猫が弾が無くなったから油断しておると判断し、冷静に懐からもう一発弾を出して銃に込めたのよ。

猟師っていうのは、お守り代わりに弾を一発余分に持っておくいう者が多いでな。

事前に持っておった弾だから、猫はその弾のことまで知らなかった。

 

「弾がはじかれるのは、何か身に付けておると思ってな。だから足を狙ったのよ」

 

撃たれた化け猫は、物凄い叫びを上げてな、一目散に逃げていったそうな。

 

「夜だし深追いはせなんだ。朝になって確認してみたが、鍋が落ちておった。これで弾をはじいておったのだな」

 

それで弥三郎は血の跡を追って、この近くまで来たという。

 

「まあ気を付けい。手負いの獣同様、手負いの物の怪も用心した方がいいじゃろう」

 

それが今朝の事だった。

 

男は油断なく山鉈と火縄を側に置き、用心しておった。

やがて女の体が、ぐらりと力なく崩れそうになり、何とか堪えようと船を漕ぐようにゆらりゆらりとしてな。

 

「おう、効いてきおったか。となると、もう間違いはなさそうじゃな」

「な、何を?」

「弥三郎どんから、足を撃ち抜いた化け猫が、この辺りに逃げてきとるかもしれんと聞いておったでな」

 

女の髪が逆立ってな。

それで耳や尻尾が出てきおる。

 

「た、食べ物に何か盛ったのかい?」

「そんなことはせんよ。人間だったら害なぞない。化け猫だから、効くものよ」

 

女の食べた山菜の味噌漬けはな、またたびが入っておったのよ。

食べるとまた旅が出来るからまたたび。

その名の由来は俗説だそうだがな、滋養強壮に効くのは本当だで。

ただ人間には薬でも、猫はまたたびで酔っぱらったようになる。

実はまたたびはな、猫には媚薬のようなものなのだ。

化け猫はすっかり腰が砕けてしもうた。

男が縄で手早く縛り上げると、化け猫はもう身動きが取れんようになった。

 

「ちく、しょう」

「ちくしょうはおぬしじゃろう」

 

さて蓋を開けてみれば拍子抜けするほどあっさりと、化け猫を生け捕りにできてしまった。

こうなると余裕が出てくるものなのか。

襲ってきたのならまだしも、身動きできない人の形をしたモノを殺すのは流石に躊躇われた。

言葉を交わすこともできるしのう。

さりとて人を襲う物の怪を、ほうっておくわけにもいかん。

だから男は一計を案じたのよ。

もっとも、あるいは、その魔性に魅入られておったのかもしれん。

 

「のう、(たえ)や。おぬし、わしの嫁にならんか?」

 

何しろこんなことを言い出したからのう。

 

「な、何を言っへんだいあんたは!? に、人間のくしぇに!!」

「いやのう? 人を襲う物の怪は殺さにゃならんが、流石にそれは不憫と思うてな。わしの嫁になってもう人を襲わんように見張っておれば、殺さんで済むと思ってな」

「はん! 獣を狩りゅ猟師が何言ってんだぃ!!」

「猟師は無益な殺しはせぬ」

 

猟師というのはな、場所によって違いはあるものの、これで厳しい掟いうものがあるでな。

猟をしてはならん日や、入ってはならぬ場所、獲ってはならぬ獣、まあ色々掟がある。

中には山入る時は女に触っちゃならんとか、そういう女人の禁忌もあるが、この山ではそういうのはないでな。

だから嫁と別れて女日照りだった男もな、我慢が効かんかったのかもしれんな。

 

   ◇◆◇   ◇◆◇   ◇◆◇   ◇◆◇   ◇◆◇

 

男の手が小袖の脇から入り込み、形の良い胸を付け根から、ゆっくりと優しく、揉んでいく。

 

「ひぅ・・・」

 

(たえ)が小さく悲鳴を上げて、身体をくねらせ、柔らかい、張りのある肌の弾力で、男の指を押し返し、指の間から肉がこぼれ出る様が、男の劣情を刺激していく。

きれいに色付いた、乳首をつまみ出されると、艶かしく息を吐き出して、太腿をもじもじと捩って身悶えする。

背後から組み付いて、乱れた髪をかき上げて、その猫耳を甘く噛んでやると、白い肢体を跳ね上げて、甘い嬌声を上げて泣いた。

 

「ひああああぅっ!!」

 

着物の裾をまくり上げると、ほっそりとした白い足と、まあるい尻たぶが囲炉裏の火に照らされて、それはもう蠱惑的に浮かび上がった。

熟れた果実のように、ぱっくりと割れた秘裂が、ひくひくと蠢いて、そこをなぞってやると愛液に濡れた恥毛が、男の手に張り付いてきよる。

 

「あ! ふぅ、んにぁあ❤」

 

男が指を埋める度に、(たえ)は甘い声で泣き悶えている。

山小屋に充満した、女の淫らな体臭と、痴態と艶声に男もすっかり理性をやられて、もう我慢できんようになっておった。

男が野太い逸物を出して陰唇にあてがうと、それまではすっかり快楽に身を任せていた(たえ)が暴れ始めた。

 

「や、だぁ!! やめろぉ!! 厭だ!! やめろ!! 痛いのやだぁ!!」

「これだけ濡れほぐれとるんじゃ、大丈夫じゃ。優しゅうするでな」

「嫌ぁ!! ウソだぁやめろぉ!!」

 

だが口ではいくら言っても、媚薬(またたび)と愛撫ですっかり蕩けた身体が上手く動かせん。

どろどろにほぐれた肉壷は、たっぷりと愛液を湛えて、ずるっと男の逸物を呑み込んで行きおった。

 

「あ、あぁぁうっ、にゃああぁう❤」

 

(たえ)が肺に溜め込んだ空気を漏らすように、喘ぎ声を響かせる度に、男の物をきゅうきゅうと締め上げる。

 

(なにコレぇ!? 前にした時は、あ、あんなに痛かったのにぃ・・・・・・こ、これぇ、ツルンとして、か、かさ張ってて、ぜ、ぜんぜんちがうぅ)

 

化け猫いうのは、長く生きた猫がなるものだで。

それだけ生きとると、普通は猫の時分に交尾くらいしたことはあるものでな。

ただ猫の陰茎は、釣り針の返しのように棘があってな。

これが痛いらしゅうて、交尾の時に猫はな、それは凄い声で泣き叫ぶのよ。

この痛みで、排卵を起こして子を孕むゆうでな。

だから(たえ)は、痛いだけのものと思っておった交尾で、未知の快感を味わってすっかり茹で上がってしまった。

 

汗の浮いたうなじをぺろりと舐め上げながら、男は軽く腰を揺すると、くちゅくちゅと湿った音が、(たえ)の淡い婬肉から湧き起こる。

未知の快感に、自分が別のものに作り替えられていくような恐怖に、抵抗しようとするが、媚薬(またたび)によって発情させられ、縛られておる上に腰が砕けきった(たえ)は弱々しく震えることしかできず、やがて快感に飲み込まれていった。

 

「ひぃいっ、や、やめりょぉ、う、動くにゃぁあ、あ、あ、うあああ❤」

 

巻き上げられた着物の裾から覗く白い尻に、すりこ木のような男の逸物が、埋め込まれては引き抜かれ、引き抜かれてはまた埋め込まれ、(たえ)が逃れるように身を捩る度に白い尻がふるふると震えている。

 

「おう、こりゃあ良い女陰(ほと)じゃ。ねっとり絡みついてきおる」

「はひぃいいいっ、ひぃいいいっ、あ、ああああ❤」

 

男の肉棒が往復する度に、(たえ)の肉穴は微妙に形を変え、広がって、思いっきり締め付け、絡み付いて蠕動を繰り返す。

 

(に、人間の交尾、す、すごい、気持ち、良い)

 

(たえ)の身体が、びくんと痙攣して震えおる。

 

「おう、気をやったか。中の肉がうねうねと動いておるわ。中でミミズがのたくっておるような心地というか、これは名器じゃのう。わしももう射精()そうじゃ」

「あぅ、や、やらぁ・・・に、人間の子なんて、は、孕みたくないぃひぃん」

「なんじゃ、産んでくれんのか? 大事にするといっておるのに」

「う、うしょだぁ・・・」

「噓なものか。男が言葉を違えるようなことなどせんわい」

「ら、らっひゅえ、ほ、ほかにょ化け猫が、人間の子まで産んだにょにぃ、す、すてられたって」

「そうか、そんなことがあったか。よし、わしが言葉を違えたなら、この首を持って行くがいい」

 

そう言うと、男は縛っていた縄をほどいて、自由にしてやったのよ。

まあそれでも、これだけ気をやった後では、さして違いはなかったが。

(たえ)は逃げようと、四つん這いで何とか進もうとするのだが、むしろふりふりと揺れる尻が、男を誘う結果にしかならなんだ。

その腰を掴むと再びその逸物を、白い尻肉から覗く淫靡な蜜壺に埋め込んでいく。

 

「あ、ぉおおおおおお❤」

 

ガリガリと床に爪を立てて、膣から全身へと飛び火するような摩擦熱に耐えようとするが、尻に擦りつけるような前後動で、力強く突かれるとたちまち腰砕けになって法悦の心地に至ってしまう。

それでも必死に抗おうとするがな、身体はもう完全に屈服してまるで抵抗もできん。

 

「だ、だましゃれにゃい。ぜったいだましゃれにゃいかりゃぁ」

「いやわしは本気で言っとる。末永く可愛がってやるで、大事にしてやる」

 

すっかり茹だっておった両者の快感はすぐに高まって、(たえ)は男の絶頂の証を奥深くに打ち込まれて、雄の熱を、吐息を、粘度を、その脈動を全て粘膜で感じて、ガクガクと痙攣しながら弓なりに背を仰け反らせた。

 

「い、やぁぁ、に、人間の子、は、孕んじゃぅ」

「おう、流石は猫じゃな。よう反るものじゃな」

「こ、りょす、お前、こりょす」

「それは怖いの。じゃあ、わしなしではおれんようになるよう、頑張ってみるかの」

 

そう言って、男の手が(たえ)の乳房を掴み、揉みしだきながら、またゆるゆると腰を動かし始めた。

 

「うしょ!? そ、そんな、までぃゃぁ、や、やるのぉ?」

「どうも、わしはこっちが過ぎる言うてな、前の女房達に逃げられてしまったくらいで。わしと一緒になれば毎晩好きなだけしてやるぞ? 嫌な時はわしも我慢するようにするで」

「こ、これぇ・・・・・・ま、まいにちぃ❤」

 

空が白み始める頃になっても、山小屋からはまだ嬌声が止むことなく響いている。

もはやぐったりと頬を染め、喘いでいる(たえ)を抱き上げ、体勢を変えて腰を回転させるように、肉茎で内部の肉壁をなぞるようにこね回して続けた。

 

「みょ、みょう、ゆ、ゆるひ、てぇ・・・・・・あ、ま、また、ひ、にゃぅん❤」

「また気をやったか。わしも、これで・・・・・・おう、九回目じゃ」

 

流石に肩で息をしながら、男が九発目の精弾で(たえ)の子宮を撃ち抜いた。

 

「あ、へぁ、あへひぃ・・・・・・ぐ」

 

すっかり伸びてしまった(たえ)は、ようやくこの情事が終わったと少し気が抜けたのだろう。

ぐったりした(たえ)の顔が猫科独特の形にせり出し、犬歯は牙と言えるほど伸びて、背骨は丸まり、猫と人の間のような姿になった。

 

(あ、気が抜けたら、化けるのが甘くなっちゃったな。まあいいさ。こんな姿見たら、この男も自分がどれだけ馬鹿を言ってたか分かるだろう。さんざん好き勝手に犯しやがって、いつか殺してやる・・・・・・まあ、気持ち良くはあったけど)

 

ところが、この男。

想像以上に肝が据わっておった。

 

「ほう、これはこれで」

 

と言ったかと思うと、萎えかけた逸物がまた鎌首を上げてな。

正面から(たえ)を組み敷いて、絶頂の名残りが燻っている女体の奥深くに、自分の男たる部分を潜り込ませていく。

 

「う、うそぉ、ま、まだ、こ、こんにゃあ!?」

「おう、先程とはまた中の感じが違って、襞がうねるように絡みついてきおる」

 

淫欲に火照りきった身体はブルブルと震え、婬肉がきゅうきゅうと男を締め付けて、見る見るうちに快楽の都へと連れ去っていく。

仰け反って、無防備にさらけ出した喉に、男が齧り付く。

歯も立てずに、唇だけで撫ぜるように喉を甘く食まれる。

それだけなのに、敏感な喉元への刺激と、急所である喉を相手に噛まれているという事実が、男に完全に支配されたと、とうとう(たえ)の心を屈服させてしまった。

喉を舐め上げられ、ねぶられ、食まれ、その度にゴロゴロと喉を鳴らして、いやらしく肉の壺がわなないては、男を悦ばせるためにむしゃぶりついてな。

 

「ほれ、わしの女房になると誓え」

「な、なりますぅ❤ あんたの妻に、な、なりまひゅからぁ❤ ぴぃ、ひにゃぁあ・・・あぅ、おっ、ほおぉ❤ うにゃあ❤」

 

男の熱い迸りに子宮を叩かれて、幾度もの絶頂を味わい全身を痙攣させ、穴という穴から体液を撒き散らし、ついには白目を向いて失神してしもうた。

 

   ◇◆◇   ◇◆◇   ◇◆◇   ◇◆◇   ◇◆◇

 

「いや、すまん。お前があんまり可愛いものだから、つい夢中になってしもうたんじゃ。足を怪我しておったのになあ」

「それで大事にするなんて、どの口が言うんだい。この宿六が」

「いや、すまんかった。許してくれ」

「ふん」

 

男が(たえ)をおぶって帰路に付いたのは、もう昼も過ぎたあたりだった。

何しろ朝までまぐわっておったからな、二人ともぐっすりでな。

 

「なあ、あんた? アタシがここであんたを襲ったらどうするね?」

 

何しろ男は(たえ)を背負ってる。

今ならば容易くできるだろう。

男もそれを分かっておる。

ならば何故、自分の命を握らせるような真似をするのか。

(たえ)はそう尋ねておるのだ。

 

「好きにすればいい。わしゃなあ、どうも。その、なんじゃ? お前を、一目見た時に、いかれてしまったようでな。まあ、それならそれで構わん!!」

「・・・・・・約束、破ったら命であがなってもらいますよ」

 

男はそれに短く、いらへを返してな。

そのまま村へ帰るまで、黙って歩いておったそうな。

ただ二人の心の臓の鼓動は、お互い分かるほど、ドクンドクンとうるさかったらしいがな。

 

妖怪というのはな、一度交わした約定というのは、滅多なことでは破れんものなのだ。

だから男も、あれほど誓わせようとしておったのさ。

一度誓ってしまった以上は、(たえ)は男の女房となるしかなくなったのよ。

 

だが男は言った通り、良い夫であり続けた。

よく働き、よく妻を気遣い、よく愛してくれた。

いつからか、(たえ)は良い妻であろうとするようになっていた。

口は悪かったがな。

だけど約定を破るのは、いつだって人間なのだ。

 

子供が産まれ、子供達が長じてくると、男の髪に白いものが混じり始めた。

やがて孫が産まれる頃には、髪が雪のように白くなっていった。

動きも年々、鈍くなっていく。

歩くのに杖が手放せなくなり、そしていつしか布団から起きることも出来なくなっていった。

 

「まあ、悪くない人生だったかもなあ」

「アタシは迷惑でしたよ。その面とも、近々おさらばできるかと思うとせいせいするさね」

「そんなに待たせはせんよ。まあわしは天女みたいなめんこい女を女房にできて、幸せだったよ」

「な、なに言ってんだい、こんな婆さんつかまえてさ」

「なあ(たえ)や。愛して、おるよ」

「あんた?」

 

そう言って笑って、男は逝ってしもうた。

(たえ)はその時、何と言ったか。

 

――アタシは何も言わなかった。言えなかった

 

ただずっと、冷たくなっていく男の手を握って、震えておった。

(たえ)は葬式で、死体を持ち去ろうかとも思ったそうな。

猫妖の性とも言うべきものだからの。

だがそうはしなかった。

 

――邪魔をしたくなかった。人間のあの人を、人間のやり方でおくってあげたかった

 

それからどれだけ経ったか。

子供はもう皆、逝ってしまった。

最後の孫も、天寿を全うした。

自分だけが未だにここにいる。

けれども、それも終わりの時が近付いている。

終わったらどうなるのだろう?

またあの人に会えるのだろうか?

もしそうなら・・・・・・

 

――言いたいことがたくさんある。さっさと先に逝ってしまって・・・・・・文句を山ほど言ってやらないと

 

――それで、言い終わったら、そうしたら、そうさねえ。久方ぶりに可愛がってもらいましょうかねえ

 

――そうしたら・・・・・・言ってあげてもいいかもしれんせんね

 

――ずぅっと言わなかった事を

 

――愛している・・・・・・って・・・・・・

 

ある初夏の日のことであった。

心地よい日差しの中、一つの墓石の前で。

大きな大きな、年老いた猫が。

眠るようにその生涯を終えていた。

今々しのことである。




お妙さんは、妙多羅天女から。
猟師仲間の弥三郎さんは、弥三郎婆から。
猟師さん頑張った。九回戦したのは、猫の命が九個あるという俗称から。
そこから最後にもう一発は、猟師の隠し球でトドメを刺される化け猫の逸話から。
あと猫なら、喉を責めないとね。いいよね喉撫でてゴロゴロ言う猫!!

今回は昔話っぽい感じの文体にしてみました。
方言バリバリにしようかとも思ったんですが、それじゃ読みにくいし、したからといって面白いわけでもない。
というので、昔話っぽい感じなら雰囲気が出るかなと思ってやってみました。

人間の子供を産んだのに、捨てられてしまうというのは沖縄の方の化け猫の伝承。
子供まで産んだのに、正体を知られて追い出された取り殺してやると舞い戻るが魔除けの呪文を知られてしまい結局手が出せずに失敗するというお話。

寿命ネタは異類婚姻譚ではやってみたいネタだったので、こんな感じのを書いてみました。
着想はグレン○ガンの挿入歌、~云えない言葉の辺りの歌詞から。
結局生前は一度も言わなかったいじっぱりなんです。
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