途轍もなく長い時間をかけて行った愛撫のお陰で、第二ボタンが外れる頃の睦月は特徴的な黒目は潤み、色気を帯びた吐息を漏らす口は開くたびにねっとりとした唾液が糸を引いている。
「ふぇぇ…♡ てーとく、手加減して欲しいのにゃ…。くすぐったくて、気持ちいいのね…♡」
体の強張りが取れた睦月は体に力が入らない様子で抗議の言葉を紡ぐ。いや、今の言葉は抗議と捉えるのは間違いだろう。
口から出て来た言葉とは異なり、嫌がる気配もない。むしろ続きを期待している睦月の表情に俺は胸の底から溢れ出す衝動に逆らえなくなった。
「睦月、可愛いよ。……んむっ♡」
「にゃにゃっ、か、かわいっんむぅっ!? ……ちゅる、んちゅぁ♡」
褒められた睦月は照れて、嬉しそうにはにかもうとする。睦月の表情が変わる瞬間に俺は睦月の唇を唇の先で咥えた。
急なキスに初めのうちは驚きこそすれ、すぐに俺の口の中へ舌を流し込んできた。
自分の物ではない物が口に入り込む異物感。意志を持って口内をなめかましく這いずり回るそれ。
合わさった唇の隙間からぢゅぷぢゅぷと唾液がいやらしい音を出しながら枕に垂れていく。
上唇から下唇、前歯と順々に舐めていく睦月の舌に、俺は自分の舌をぶつけた。
ざらりとした舌触り。尖った睦月の舌に自分の舌を擦って遊ぶ。お互いの力加減を確かめるように舐め合い、口の中で手を繋いだような感覚だった。
不思議な感覚だ。舌に指なんてないのに指を絡めるような密着感がある。
睦月は重ね合わせていた舌を再び動かすと今度は俺の下顎、舌の裏筋を細かい舌遣いで刺激してくる。普段自分で触ることのない場所は喉を舐められているみたいで、どうにもくすぐったい。
しばらくキスをして、主導権が今は睦月にあることに気が付いた。
男としてそれはどうなのか。疑問は浮かぶが睦月が楽しめるならそれでもいいという考えに落ち着いた。
睦月が顔を離す。とたんに顔全体を覆っていた熱は霧散し、口には物足りなさが残る。
どうやら俺はキスをしながら睦月を持ち上げていたらしかった。
枕に頭を落ち着かせた睦月は愉しそうに目を細める。
「提督の中、温かいのね。睦月、とろけちゃうのね」
うっとりとした目つきで頬を赤らめながらそう言う睦月は妖艶で、顔が離れたことで物足りなくなった俺の体はしきりに睦月とのキスを求めている。
俺が欲望の渦に呑まれそうなとき、睦月は俺の手をそっと握った。
「キスだけじゃなくて、他にも、触って下さい……」
睦月の言葉ではっと我に返る。そうだった、まだボタンは2つしか外していなかった。
キスにしか意識が向いていなかった俺はやっと第三ボタンへと左手を掛けた。
4つのボタンの内、2つが開いたパジャマは胸元が大きく空いている。
ボタンを外しただけの今の状態では軽く重なる布地で中はよく見えていない。
俺はそっと、丁寧に重なった布をずらす。
オレンジの爽やかなパジャマの中から、薄桃色掛かった肌色と控え目にレースをあしらったブラジャーが現れる。
しっとり汗ばんだ肌からは女子特有の甘い香りが漂う。
俺は吸い込まれるように睦月の胸に顔を当てた。
顔中に広がる睦月の匂いを力一杯肺にたっぷりと送ると1度顔を上げる。すると思わずため息が溢れた。
また胸に顔をくっつける。今度は谷間に口が当たる位置に。
「あ、あの、提督? これは、流石にちょっと、恥ずかしいのです……」
睦月のいたたまれない言葉は、比較的早いリズムで繰り返す心臓の音と一緒に胸に響く振動で聴いた。
胸が小さいと言っても相手が重巡だったり、戦艦だったりと比べる対象が悪い。
睦月は小さい方ではあるが、無いわけではない。むしろ成長途中の膨らみであって、これからの希望も持てる。
その証拠に、口を当てている今。俺の両頬には幸せに包まれている。
程よく主張している胸は汗の湿り気を含んでいる為に完全に密着している。
そのお陰で俺の顔には立体的に睦月の熱と鼓動と柔らかさが伝わってきた。
とくとくと慌てた心臓の振動に静かに舌をあてがう。
ほんのりと薄い塩味は舌先の味覚を敏感にさせていく。
「ひにゃっ!? …ッて、提督っ!! しょ、れっ、ゃぁっ♡」
思いのほか良い反応を返してくれた睦月に続けて舌全面を押し付け、ゆっくりと舐め上げる。
広くなった接触面から感じる味は濃く、絡みつくような味わい深さがある。
敏感になった舌を通して睦月の鼓動が届く。
肩で呼吸をしている睦月の胸はとめどなく上下している。
口を離せば、羞恥で真っ赤になった睦月の顔が見えた。
「美味しいよ。睦月」
そう笑ってみせると睦月は更に赤く、取り乱した様子で体の上で手をわたわたと動かす。
やがて、落ち着きを取り戻して睦月は口を開いた。
「あんまり睦月の胸を触って欲しくないのです…」
「ど、どうして?」
思わぬ睦月の発言に俺が驚いてしまった。
先ほど胸を揉んでも良いとは言っていた睦月。なのに本当は触って欲しくなかったということ。俺の為を思って我慢していたのか。俺はなんということをしていたのだ。
確かに俺のは一方的な行為だった。意志の確認もせず、がっついて胸を触っていた。
嫌な思い出があったのか、それとも戦いでついた傷があるのか。どちらにせよ、俺の心は申し訳なさでいっぱいだった。
「睦月の胸は、小さくて、提督も、物足りないと思うのね。睦月は、提督に気持ちよくなって欲しいのね。満足じゃない睦月の胸は、提督を気持ちよくさせられないのね」
だから。と言い訳する睦月に俺は第三ボタンを外して、睦月の胸元を大きく開いた。
そして淡い水色のブラジャーを押し上げ、こぢんまりとした睦月のおっぱいを露わにする。
桜色の綺麗な乳首は小さいながらも強く主張している。
「にゃっ!? ど、どうしたのにゃぁ、提督は、睦月の胸じゃ、気持ちよくっ……ひゃぁっ♡♡」
開いた胸元から両手をパジャマと脇の隙間に差し込み、親指の腹で睦月の可愛らしい乳首を丁寧に転がす。決して潰さないように、コロコロと。表面にだけ刺激がいくように、優しくいじめる。
「にゃっ♡ にゃっぁ♡ ひぁゃっ♡」
ゾクゾクと全身に電気が走ったように、睦月は痙攣を起こした。
俺は動かしている親指に続いて、人差し指を上乳に置いて、乳肉を緩やかに動かしていく。
「くはっ、ひぅん……ひゅぅ、にぁ…ぁ♡♡」
動き続けて、攻め続ける俺に睦月は涙を流し、腕を伸ばし縋ってきた。
手は止めず、首を出し、頭を近付ければ睦月は必死に腕を回して力を込める。
「俺は睦月が気持ち良くなれれば他はどうでも良い」
「…ふぇ、にゃ♡……で、でも、くひゅっ、む、睦月の胸は…」
「さらさらで、たぷたぷで、触れば肌に吸いついてきて、充分気持ちいいおっぱいだぞ?」
気持ちいい事を証明するように、俺は手の動きを早めていく。
「……ぅぁぁ♡ ん♡……にゃ、ひゃ♡ ひょんなっ…ぁぅっ♡」
「もう俺達は夫婦なんだから。恥ずかしがる事はないんだよ。俺は睦月が好きなんだ。睦月の全部が好きなんだ」
「うんっ、ぁうっ♡ 睦月も、くぁっ、提督しゅきにゃぁ、ひんっ♡ ぁ、も、だめっ♡ ……………ッひゃぁぁっ♡♡」
俺の攻めに限界を迎えた睦月は色っぽさを吹き飛ばす乙女チックな嬌声を執務室に響かせるのだった。
カクカクと背中を仰け反らせる睦月が腰を痛めないようにこっそり支えてあげたのは秘密の事である。
ボタン外すのにえらく時間がかかっていますが、終わりまでこの調子で行きます。生まれたままの姿になるのはいつの事やら。